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関税・外国為替等審議会 第41回外国為替等分科会議事録

関税・外国為替等審議会
第41回外国為替等分科会議事録

令和元年6月14日(金)

財務省 国際局

於 財務省第3特別会議室
本庁舎4階

 
1.開会
2.「G20財務大臣・中央銀行総裁会議の結果等について」事務局報告
3.質疑応答
4.閉会

出席者
委員小川 英治財務省武内国際局長
 河野 真理子 岡村国際局次長
 坂元 龍三 三村大臣官房参事官
 清水 順子 小野大臣官房参事官
 杉山 晶子 土谷国際局総務課長
 高山 一郎 藤井調査課長
 根本 直子 土生外国為替室長
 春田 雄一 日向為替実査室長
 山西 健一郎 緒方国際機構課長
 渡井 理佳子 河西資金管理室長
臨時委員亀坂 安紀子 棚P資金管理専門官
 神作 裕之 三好開発政策課長
専門委員井戸 清人 種村国際機構課企画官
 植田 健一 吉次地域協力企画官
 渡辺 博史 米山開発企画官
  金融庁有泉総合政策局参事官



○小川分科会長 時間はまだ早いですが、皆様お揃いですので、ただいまから第41回外国為替等分科会を開催いたします。委員の皆様方におかれましては、お忙しいところ、御出席いただきましてありがとうございます。
 まず、既に事務局から御連絡が届いているかと思いますが、本審議会の委員であります武蔵野大学教授の相澤英孝様におかれましては、去る5月10日に病気のため御逝去されました。故人の御冥福をお祈りし、謹んで御報告いたしたいと思います。
 それでは、本日の議事に入りたいと思います。
 本日の議題は、事務局から「G20財務大臣・中央銀行総裁会議の結果等」について報告いただいた後、質疑、自由討議の時間を取りたいと思います。
 では、議題「G20財務大臣・中央銀行総裁会議の結果等」に移らせていただきます。岡村次長と三村副財務官から、順番に御説明いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

○岡村次長 国際局次長の岡村でございます。それでは、私からはG20福岡会合につきまして、お手元の資料に沿って、その概要を御説明いたします。これまでこの審議会で、G20の議長国としてのプライオリティを逐次御報告差し上げておりました。その結果に対して、御評価をいただければと思います。
 資料ですが、構成としては、3つお手元にお配りしております。資料2が本体資料で、資料3がコミュニケ、資料4が参考資料という構成でございます。
 資料2の本体資料に沿って御説明申し上げます。
 おめくりいただき、1ページ目で、財務大臣・中央銀行総裁会議という会議の日程表のような表がございます。G20プロセス自体を活性化したいというのが、今回の一つの狙いでありました。そういう意味でのイノベーションは今回4点あったと思っておりまして、このページで御説明させていただければと存じます。
 4つのイノベーションのうちの1点目は、全体を通じての話でありまして、大臣会議の発言枠の事前割振を行いました。具体的には、各国にどのセッションで発言したいかという優先順位を聴取いたしまして、その希望を調整して、発言する権利を事前に割り振るということをG20では初めて実施しました。
 会議時間の全てを事前割振で割り振るということではなくて、一部時間を残しまして、その残り時間を現場での大臣の自由な発言に充て、自由な発言機会を確保いたしました。そうしますと、事前に自国の優先事項にフォーカスした準備を行うということで、議論の密度が上がったと思っております。
 2点目は、G20は世界経済の議論から始まるのが通例でございましたが、あえて最も注目が集まる最初のセッションに「開発金融」という議題を設定いたしました。これはEminent Persons Group(EPG)というG20賢人グループから、ガバナンスについて財務大臣のレベルでの関与・関心が低いのではないかという問題意識の下、財務大臣の開発金融問題へのエンゲージメントを高めていこうという提言がなされておりました。それを受けて開発金融を重視しているという姿勢を示したということでございます。
 3点目が、セッション5の「高齢化」というところです。G20各国の高齢化の段階は、Diversifyしており、つまり、高齢化の段階に差がありますので、このセッションでは、高齢化の段階に応じた3グループに分けて、これも初めての試みですけれども、ブレークアウトセッションを実施しました。したがって、高齢化の段階が共通しているようなグループにおいて、相対的に少ない人数で、共通目線での深度ある議論ができたというような評価を各国からいただいております。
 4点目が世界経済の話ですけれども、プロセス面でのイノベーションという意味で申し上げますと、大臣間で合意文書、つまりコミュニケの文言を前提としたような議論を行いました。これは、貿易摩擦、トレードテンションがずっとイシューでありましたし、ちょうど同じタイミングで、つくばにて貿易大臣会合が行われておりましたので、それとの連携もあり、トレードイシューが世界経済へのリスクという観点から、財務大臣・中央銀行総裁の間で重要な課題になっていくという問題意識で取り上げようということでありました。事前に事務方のコミュニケの文言の調整を行っているわけですけれども、大臣間で議論していただかないと、コンバージできないという状況になりました。
 大臣間でコミュニケの文言を前提とした議論をした上で、それを変えて妥協案を探るというプロセスは、その後Deputyが行うということでしたけれども、世界経済の議論を各大臣が、それぞれの立場から話をするに当たって、やはり具体的な文言で、ここは譲れる、ここは譲れないという意見の交換がありましたので、極めて熱の入ったセッションになったというのが実感でございます。以上のとおり、プロセス関係の4つのイノベーションを、まず御報告させていただきました。
 おめくりいただき、プライオリティです。これまでに何度かご提示してきた、三本柱と10項目からなりますが、ここでは4個の成果文書がございます。それを簡単に御紹介して、次に進みたいと思います。
 1つ目、Tの(C)の高齢化についてですが、高齢化と金融包摂、financial inclusionです。金融包摂のポリシー・プライオリティという文書が出ております。
 それから、Uの(D)の質高インフラの原則、同じくUの(F)のUHCについての共通理解、4点目が、国際租税・デジタル課税についての作業計画という4つが成果文書ということでございます。
 3ページの招待国は説明を省きます。
 4ページからは中身の御報告となりますが、世界経済は、本年後半及び2020年に向けて緩やかに上向くという、足元で安定化の兆しがございます。年半ばから回復というこの基調判断は、春のIMF・世銀の会合のときの基調判断を維持したということでございます。維持しましたけれども、御案内のとおり、その間に下向きの様々な事象は起こっておりますので、これをそのまま維持するのではちょっと楽天的過ぎるのではないかというような議論がございました。その結果、「ただし、リスクは増大している」という表現の後で、リスクを具体的に書き出しているという構成になっております。
 回復については、緩和的な金融環境の継続や中国などの経済対策の奏功があり、リスクについては、各リスクの要素はこちらには記載しておりませんがこういう条件が成就すれば、あるいは維持されれば、回復しますという形で、リスクを裏から表現している形になっています。
 つまり、あまりにリスクを強調すると、全体のトーンが後ろ向きになってしまうことから、世の中に対して財務大臣から示すメッセージとしては、「assuringなトーンが欲しい」という議論があったため、条件が成就すればという形で、リスクの面を裏から述べているというのが背景でございます。
 その後に、「リスクは下方に傾いており」という表現で、most importantlyという形で記載しておりますが、リスクとしてのトレードをどういう表現で「強調する」かという議論があったのは事実でございます。
 結論としては、貿易と地政をめぐる緊張が増大という言葉があり、その後に、「これらのリスクに対処し続けるとともに、更なる行動をとる用意がある」という文言が続いております。
 ここで、「これらのリスク」と書いてありますけれども、その後の「更なる行動をとる用意」という、この背景にあるものは、1つはリスクは貿易だけではないということです。直前のところに引っ張られるのですけれども、most importantlyの後に、貿易とgeographic tensionsの両方が記載されており、tensionにも地政というのがかかっているということが貿易だけではないという1つの要素でございます。
 また、その前に申し上げました、この回復のための条件、これもリスクの裏からの表現ですので、前の文や貿易と地政を巡る緊張というところまでを含めて、「これらのリスク」だということがもう1つの要素でございます。
 それから、もう一点。「更なる行動」は、stand readyをとる用意ということで、「更なる行動」を取るのは今ではないということが、この文の背景であります。  それから、次のひし形のところが、貿易に直接関係するところですが、第1文のところで「貿易が成長の重要な原動力であることを強調」となっており、これはちょっと丸めた表現になっていますけれども、この資料の7ページの上のほうに、ブエノスアイレス首脳宣言(11月30日・12月1日)のパラグラフ27があり、「国際的な貿易及び投資は、成長、生産性、イノベーション、雇用創出及び開発のための重要なエンジンである」という第1文が、今回の福岡のコミュニケにそのまま入っています。
 その上で、「貿易に関するブエノスアイレス首脳合意を再確認」という表現も入っていまして、ある意味では、ここはリダンダントな表現となっております。つまり、ブエノスアイレス首脳合意の中の第1文がそのまま入っている経緯は、「多角的貿易体制」と「WTO改革」という、ブエノスアイレス首脳宣言に入っているこの2つの要素の取り扱いが、議論となりました。さらに、この言葉を含んでいる「ブエノスアイレス首脳合意を再確認する」ということも議論になりました。
 このような交渉の過程で、ブエノスアイレス首脳合意の中でも、各国が絶対受け入れ不可ではない表現もあるだろうということで、第1文というのがstand-aloneで先に入りました。したがって、今の資料では「貿易が成長の重要な原動力であることを強調」、あるいはブエノスアイレス首脳合意の第1文というのが先に入って、その後で交渉が継続したというのが経緯でございます。
 また、1点目の多角的貿易体制(multilateral trading system)という文言がそのまま入るのは受け入れがたいという意見もございました。交渉の結果、国際的な協力や枠組みを強化する、「国際的な協力」というような形で、間接的な表現に丸めるということで落ち着きました。
 それから、「WTO改革をそのまま記載せよ」という意見が強かった中、そのまま記載するのではなく、WTO改革を含むブエノスアイレス首脳合意というパッケージに入った形で記載することとなっております。
 この枠の中の最後の為替については、今までと同じ文言を再確認ということで、1文短いものが入っております。
 それから、次がグローバル・インバランスであります。これも少しお時間をいただいて、貿易の話と直結するような事項であることと、この審議会の御関心事項だろうと思っておりますので、詳細に御報告させていただきたいと思っております。
 記載しておりませんが、ここでの1つ大きなポイントは、インバランスの全てが悪いわけではなくて、良いインバランス、悪いインバランスがあるだろうということです。
 参考資料1の1ページパラグラフ3を日本語で見ていただきますと、「グローバル・インバランス(経常収支不均衡)は、新興国や開発途上国を中心に減少し、次第に先進国に集中してきた。しかしながら」と、あります。この部分は、ファクトとしてはグローバル・インバランスが世界全体としては減少してきております。しかしながら、まだpersistentであるという文言を後につけてあります。
 ポリティカルな場では、新興国や開発途上国はいろいろな努力をして、不均衡を減少させてきたと考えており、それを記載すべきであると主張しておりました。加えて、不均衡は悪いことだという前提のもとで、それが先進国に集中してきていることを記載すべきという主張でした。我々は、先進国に不均衡が集中してきたということは、不均衡そのものが悪いものというわけではなく、比較的キャピタル・フローの動きに対して、ロバストネスの高い先進国に不均衡が集中していくというのは良いことであるというふうに思っておりました。そこで、コミュニケのドラフティングにおいて、「しかしながら」の前に「先進国に集中」とし、「しかしながら、不均衡は依然として高水準かつ持続的」という表現になりました。
 その結果、新興国も先進国も良いlanguageができたなという感じになりましたので、その後のサブスタンスとして重要な話は、比較的スムーズに進み、この資料にありますけれども、全ての構成要素、特にサービス収支や所得収支ということも盛り込みました。
 それから、経常収支は、ファンダメンタルズと海外状況等を反映したマクロバランスであり、良い不均衡、悪い不均衡があって、その悪い不均衡をexcessiveと名付けましょうという話でございます。
 その悪い不均衡については、政策的に対処が必要で、その悪い不均衡の例としては、過剰な法人貯蓄、誤った財政政策、それから、「財・サービス分野の貿易障壁」というTariffや非関税障壁を、イメージ的にここで書き込んでございます。また、協力推進の精神に則り、協力推進の精神というのは、バイの貿易のディールではなく、マルチのマクロ政策でやろうということのマルチラテラリズムの間接的な表現であります。
 ということで、括弧の中の「二国間の貿易措置では経常収支不均衡は解消しない」という言葉は書いてありませんが、背景についてここで示させていただきました。  グローバル・インバランスは以上でありまして、次の高齢化は説明を省きます。
 それから、質高インフラでありますけれども、これはタンジブルな成果物としては、先ほど申し上げましたG20の原則ということでありまして、ここでは原則がエンドースされましたということですけれども、日本が主張してきた「開放性」「透明性」「経済性」「債務持続可能性」を原則の諸要素として盛り込みました。ここで少し申し上げておくべきは「債務持続可能性」という言葉です。結果的には、しっかりと入っているわけですけれども、原則そのものというよりは、ガバナンスの項目の中に「債務持続可能性」という言葉が記載されており、2段階の議論がございました。
 第1段階は、プロジェクトレベルか、マクロレベルかという話でございます。プロジェクトレベルは、結局、各プロジェクトのバンカビリティの話ですから、そうではなくて、マクロレベルのサステナビリティーというのが、原則として観念される必要があるというものでございます。
 第2段階は、そのマクロレベルのサステナビリティーは、フィスカルサステナビリティーか、デットサステナビリティーかという論点でございます。フィスカルサステナビリティーというと何が悪いかというと、domestic resource mobilizationとか、各国で税財源を厳しく取り立てることによって、借入国だけで対処すべきことだとされてしまいかねません。そうではなくて、貸し込みが問題だろうということで、貸し込みを含むような概念であるデットサステナビリティーを原則に書き込み、貸し込みに対するアンチテーゼを含むという意味でのデットサステナビリティーということで決着したということでございます。
 それから、次の項目の債務問題ですが、前にも御報告申し上げましたけれども、債務国と公的・民間の債権者の三者による取組が大事だというメッセージと、IMF、世銀でmulti-pronged approachと言っています現在ongoingな取組、その継続的な実施を歓迎しているというものでございます。
 次に、持続可能な貸付についてのG20のオペレーショナル・ガイドラインがありまして、それに対する自己評価の完了を歓迎しております。G20で15カ国、その他G20以外の国を合わせて20カ国が参加しております。
 最後の点が、IIFによる民間債権者の「任意の原則」というものが提出されましたので、それを支持するということでございます。
 それから、UHCファイナンスにつきましては、先ほど申し上げました、共通理解という成果文書が出ており、今月大阪で財務・保健大臣合同会議というのが準備されています。これが、ある種プロセスのイノベーションということでいえば、5点目になるのかと思いますけれども、大阪の場で財務大臣と保健大臣の合同で会議を行う予定で、これもG20初の試みでございます。
 EPGと先ほど申しましたが、ガバナンスのG20賢人グループより、国連機関と財務大臣のコラボレーションを推進すべしという提言がありましたので、これが1つの答えになるのかなということで考えております。
 災害に対する強じん性は、ここでは説明を省きまして、次のページですけれども、もう一つの大きなテーマでもあり、成果文書でもあるデジタル課税についての作業計画ということでございます。
 コミュニケの文言はデジタル課税に関する解決策を2020年までに合意すべく、相互補完的な「2つの柱」を設定ということで書いてあります。
 これは参考資料2の23ページに、デジタル課税と国際課税原則の見直しという、ポンチ絵があろうかと思いますけれども、two pillarアプローチについて、コミュニケ自体は129カ国が参加する、IF(インクルーシブ・フレームワーク)が策定した野心的な作業計画をエンドースするという表現になっています。
 これは画期的なことでして、「2つの柱」というのが相互補完的で、これに則って進めていこうということでございます。
 2つの柱の1つ目というのが、この図で言いますと、左下のところのPE(物理的拠点)がないために課税ができないことに対する対処でして、PEにかわる課税根拠をどのようにするかという話でございます。
 参考資料2の24ページに「2つの柱」の解説が記載されておりますが、大きく3案あって、イギリス案では、user participationという、例えば「いいね」を押すというようなことで、ユーザーが関与していれば、それをもってPEがなくても課税根拠にできるのではないかということでございます。
 それから、アメリカ案がmarketing intangiblesという、例えば、のれんといったものに、PEにかわる課税根拠を見出そうというものです。
 それから、もう一案はインドです。significant economic presenceですけれども、継続した売り上げが出ていれば、それをもとに課税根拠を生み出そうということで、途上国でも執行できるような簡単な方法という、3つの案が出ていますので、それを軸に議論が進むというのが1つ目の柱の話でございます。
 それから、2つ目の柱が、23ページで言いますと、C国の部分です。PEにかわる課税根拠を生み出すとしても、タックスヘイブンに利益を移転しているため、市場国でも、親会社の国でも、つまりA国でもB国でも、二重に非課税になっているという問題に対する対処というのが、pillar 2ということでございます。これは最低税率による課税を実質的に確保するというminimum taxationということで議論されている点でございます。つまり子会社の所得を親会社の所得とみなして、最低税率で課税するということでございまして、この2つの柱を両方ともに進めていこうという方針について、具体的な作業計画に今回合意したというのが成果物ということでございます。
 資料2に戻りまして、最後に、金融セクターの部分ですけれども、market fragmentationをプライオリティにしておりましたので、そこに関する議論の進捗を歓迎し、対処していくということで、背中を押しているようなものになっております。
 それと、技術革新の「機会とリスク」、具体的には、暗号資産等についての議論をしているということでございます。
 私からは以上です。

 

○小川分科会長 どうもありがとうございます。
 それでは、三村副財務官お願いいたします。

 

○三村副財務官 三村でございます。
 本日もう一つ御説明、御報告申し上げる議題といたしまして、資料5の金融活動作業部会についてでございます。
 それに入ります前に、本日改めて資料を御用意しておりませんが、前回の外為分科会の際に、外為法の対内直接投資の審査付事前届出の対象業種について、サイバーセキュリティ関連の業種を追加させていただくことを考えておりますという御報告申し上げたところでございます。
 前回の分科会の場でも、委員の先生方からいろいろな御意見を賜りましたけれども、おかげさまをもちまして、パブリックコメントの手続きも無事に終わり、先般5月27日に告示を出しております。
 現在、周知期間といいますか、準備期間ということでございまして、新しい告示の適用は8月1日からという予定でございます。対内直接投資の審査付事前届出にサイバーセキュリティの観点から、半導体メモリ製造業、携帯電話製造業、ソフトウェア関連といった産業をつけ加えるというものでございますけれども、前回のこの分科会の場でも、先生方から特に制度の運用の部分も含めまして、御意見を頂戴いたしましたので、そういった御意見も改めて念頭に置きながら、新しい告示の適正な運用に努めてまいりたいと考えているところでございます。
 以上、資料がないところで恐縮ですが、御報告でございます。
 その上で、本日御報告申し上げるもう一つの事項である資料5ですけれども、金融活動作業部会についてでございます。
 金融活動作業部会ということで、日本語で言いますと、やや耳慣れないのでございますけれども、おめくりいただき、1ページにございますように、Financial Action Task Force、俗にFATFというふうに呼ばれておるものでございます。
 これにつきまして、後ほど御紹介申し上げますように、11年ぶりにFATFの対日審査が行われている最中ということでございまして、おそらく皆様方も、特に金融業界の皆様方などとお話しされますと、今年はFATFの審査があり大変だというお話を、いろいろなところで既にお耳にされている、あるいは今後される機会もあろうかとも思いますので、何をやっているのかというところを、改めての部分も多いと思いますけれども、御報告を申し上げたいと思っております。
 まず改めて、このFATF(金融活動作業部会)とは何かというところですけれども、これはマネーロンダリング及びテロ資金対策についての国際基準を設定する、そういう国際基準設定主体ということで、設立されたのが1989年でございます。
 思い起こしていただきますと、1989年はちょうどフランス革命200周年ということで、パリに新凱旋門ができまして、フランスでアルシュと呼んでおりますが、そこで「アルシュ・サミット」というのが当時開かれましたけれども、その「アルシュ・サミット」で、まさに設立に合意したのがこのFATFでございまして、今年はFATF設立の30周年ということでございます。
 実は、6月のFATFの会合というのが、次の日曜日からございますので、明日から私も議長国である米国、フロリダに行ってまいりますが、ちょうどそこで、FATFの30周年の記念式典もございます。全く内輪の話題ではございますけれども、FATFの関係者にとりましては、今年ついに30年を迎えたということで盛り上がっているということでございます。
 加盟国でございますけれども、FATFの本体に加盟しております国と、それからFATFの下に、地域ごとに9つFATFの地域体というものがございまして、基本構造はFATFのほうで基準そのものを作るとともに、このFATFのメンバーの相互審査を行う。一方地域体のほうは、FATF本体で作った基準を基に、それ以外の国について、きちんとこのFATFの基準が守られているかどうかの審査を行う。大きく言いますと、こういう二層構造になってございます。
 FATF本体のほうは、現在36カ国プラス欧州委員会とGCCという、全部で38加盟国があるのですけれども、資料1ページ目の下に加盟国を記載しております。現状で申し上げますと、36カ国中、トルコ、ロシアまで入れますと、20カ国がヨーロッパという、まだまだ設立の経緯からいっても、かなりヨーロッパの比重が大きい機関ということになっています。
 後ほど申し上げますように、政策、基準の策定と審査の両方があるわけですが、どうしてもヨーロッパの声が大きいところもございますものですから、我々としましては、できるだけ地域バランスを是正していくべきではないかということで、可能限りヨーロッパ以外の国に新たに加入いただきたいということを考えておりまして、直近で言いますと、昨年イスラエルが新規加盟いたしましたし、来週のFATFの全体会合では、正式にサウジアラビアがおそらく加盟を認められるということでございますし、その後にインドネシアも控えているというようなことで、足元ではできるだけヨーロッパ以外の国も加盟させることで、様々な議論における地域的なバランスをとりたいというところも、取り組んでいるところでございます。
 FATFの取組を大きく申し上げますと、基準を設定するということと、自ら作った基準を、各国がきちんと守っているかどうかお互いに審査するという基準策定と相互審査、二本柱で成り立っておるわけでございます。
 おめくりいただいて2ページ目、これが「FATFにおける現下の主要課題」と書いていますけれども、基準の策定という、現在FATFがどのようなことをやっているかというのは御紹介申し上げたところでございます。
 ここでは、現在のテーマ、あるいは今後の当面の大きなテーマは、まさに先般のG20福岡の中でも、ポイントは全て盛り込んだわけでございますけれども、足元で一番大きく動いておりますのは、いわゆる暗号資産や仮想通貨、FATFの世界では「仮想資産(バーチャルアセット)」という言い方をしてございますが、これについてマネーロンダリングやテロ資金対策の観点からのルールづくりが、足元のFATFが政策面で取り組んでいる一番大きな事柄でございます。
 端的に言いますと、法定通貨といった通常のお金についてマネーロンダリングやテロ資金の観点から適用される、FATFの基準、本人確認、顧客管理、疑わしい取引の届出といった様々なルールを、仮想資産を使った取引についても、きちんと同じように適用しましょうということでございます。基本的には、そういう発想で、現在、FATFの基準の策定に取り組んでいるということでございます。
 こちらは昨年来G20の要望を受けて、様々な細かなルールを作ってきているわけですが、一連のFATFの基準、その基準の解釈ノート、ガイダンスの三本柱でFATFのルールというのは構成されておりますが、これが全て来週開催されるFATF全体会合には採択されるだろうということで、大阪サミット直前という形で、福岡には少し遅れた形にはなりますけれども、G20の日本議長下における、このFATFの世界における1つの具体的な成果物ということにもなるわけでございます。
 それから、あとはFATFのガバナンスの強化ということで、例えば、議長の任期の延長や、大臣クラスの定期的な会合を開催し、FATFが何をやっているかを政治的にもしっかりと確認しようという運営方法についても、実は4月にFATFの閣僚級会合というのを8年ぶりに行いまして、逆にそれまで8年に1回しか大臣会合というのをやっていなかったのですけれども、そこでこういったガバナンスの強化も合意したしました。
 まさに30年を迎えるにあたって、FATFが恒久的な組織としてやっていくためには、基準設定主体にふさわしいガバナンスも必要だろうというお話でございます。
 それから、先ほど仮想資産のお話を申し上げましたが、G20のほうで、先ほど岡村次長からも御説明がございましたけれども、金融技術革新がもたらすリスクと機会というものも、今年の日本議長下でのG20の大きなテーマでございました。
 これはマネーロンダリングやテロ資金対策の観点から言いましても、技術を使って、いろいろと疑わしい取引を効果的・効率的にあぶり出すというようなことで、マネロン・テロ資金対策の観点でよい面もございます。他方で、例えば、デジタルIDを窃取する、携帯電話でのモバイルバンキングというものは、ある意味では、テロリストも使用できマネーロンダリングにも容易に使用出来るということで、新たなリスクもあるということでございます。
 この仮想資産の話にとどまらず、それ以外でこの新しいフィナンシャルテクノロジーがもたらす、マネーロンダリングやテロ資金対策の観点からのリスクや機会について、どういうリスクがあり、それに対してどう対応すればいいのかというのをFATFでしっかりと議論して、これは少し時間のかかる作業でもありますので、再来年、2年後には、きちんとG20にレポートバックするように命じましたので、これからFATFが2年間かけてやっていく新たな政策課題ということでございます。
 それから、もう一つが拡散金融というものでございまして、若干耳慣れない言葉ですが、英語でもproliferation financeと言っておりますが、大量破壊兵器の拡散を助けるようなファイナンシングという意味で、proliferation financeという言葉を使ってございます。
 これは昨年来、ちょうど1年間、来週の6月までアメリカがFATFの議長を務めておりますけれども、アメリカ議長下で、まさにこの拡散金融については、必ずしもマネーロンダリングやテロ資金対策に比べると、あまりFATFの基準を十分にカバーされていないものですから、これを今の時代にはしっかりとカバーしなくてはならないとして、当然アメリカはイラン、北朝鮮等が念頭にあるわけですけれども、これをアメリカは非常に強く推し進めてございます。
 我が国も当然、北朝鮮の問題などもございますので、これ自体、当然重要な論点であるということで、アメリカとともに、どちらかといいますと推進する立場でやってきているわけでございまして、拡散金融につきましても、先般のG20の中で、引き続きFATFにおける取組を期待するということで、コミュニケにも入りましたので、引き続き、FATFにおいてやっていかなければならない政策課題ということでございます。
 そういう意味では、仮想資産の話は一応6月である程度片がつきますけれども、それ以外の技術革新への対応や拡散金融への対応が、引き続き政策的な新たなルールづくりという意味では、FATFの大きな課題になるということでございます。
 以上がルールメーキングのところでございまして、もう一つのFATFの大きな柱が、そのルールに基づいて各国がきちんと対応できているかどうかを、加盟国同士がお互いに審査する、相互審査というものでございます。
 3ページ目ですけれども、第4次相互審査で、今まで既に3ラウンド全ての加盟国の審査をこなしてきまして、今ちょうど第4ラウンド目の審査ということで、日本は2008年に第3次相互審査を終えておりますので、およそ11年ぶりに第4回目の相互審査を受けているということでございます。
 第3次分までと比べまして、今回一番大きく変わりましたことは、3ページ目の上に、「40の勧告」の法令等整備状況の評価、11項目の有効性の評価と書いていますけれども、このうちの右側の11項目の有効性の評価というのが、今回新たな項目として加わったというものでございます。
 具体的に何かと申し上げますと、左側の「40の勧告」の法令等整備状況の評価というのは、文字どおりFATFの基準の内容に従って、各国適切な法令を作っているかどうかという、いわば法令上の規定がきちんとできているかを見るというのが、従来から行っております法令等整備状況の評価でございました。
 ただ、第3次まででよく言われましたことが、国によっては、ルールだけは立派にできているけれども、実行できていない国もあるのではないかというものでございました。ですから、そのルールを表面的に、外形的に見ているだけでは十分ではなく、実際にそれを業界、あるいは執行当局がきちんと現場で有効に履行できているかどうか、その有効性、履行状況を確認しなければ、本当の意味できちんと完全な審査をしたことにはならないじゃないかという意見がございました。それを踏まえて単に法令があるかどうかということに加えて、この法令が有効に履行されているかどうか、所有している制度が履行されているかどうかも評価するようになったというのが、第4次審査の一番の大きな眼目でございます。
 その意味では、法令、ルールがあるかどうか、ルールをきちんと履行できているかどうかの二本柱ということですが、それぞれにつきまして、資料3ページの二重囲いの箱の中にございますように、4段階で審査団に格付けされまして、上2つの格付けであれば合格ということで、下2つになりますと、これは不合格ということで、下に細かな式をいろいろ書いていますが、端的に申し上げますと、不合格の基準が法令等整備なり、有効性評価なりで一定の数以上不合格になると、重点的に今後フォローアップされてしまい、一種の追試を受けなければいけない形になるということでございます。
 この「40の勧告」と「11の有効性」の内容は、非常に細かいお話になりますので、割愛いたしますけれども、資料4ページ目に「40の勧告」、それから、5ページ目に「有効性の審査項目」というのがございますけれども、全部合わせて51項目について、一つ一つの項目、さらにサブ項目にも分かれておりますが、細かく格付けされながら、最終的に日本としての全体の評価が決まるという、相当大がかりな作業でございます。
 今までに第4次相互審査、先ほど申し上げた36カ国中、既に23カ国終わっておりますけれども、その成績はどうなのというところが、6ページ目のところでございます。
 この中で、今、申し上げましたように、不合格の基準が一定以上に達しますと、重点的なフォローアップということで、追試の対象になってしまいます。逆に、その不合格の数が少なければ、特に追試もなく、5年に1回だけフォローアップを受ければ済むということになりますが、この6ページの表で言いますと、一番左下の非監視対象国という言葉で書きましたのが、いわば合格をした国でございまして、23カ国中5カ国しかないという状況でございます。
 逆にこの真ん中の緑の非監視対象国というところが、ある程度不合格の数が多く、いわば追試ということで、5年に1回より頻度高く、FATFのフォローアップを受けて報告しないといけないというもので、そこで成績が悪いと、場合によっては、さらに厳しい御沙汰が待っているという国が非監視対象国でして、ご覧いただくと、23カ国の大半の国がここに入っているという状況でございます。各国を見ましても、アメリカ、スイス、北欧の国、シンガポールと、相当いろいろな国がこのグループに入っておりまして、これを見ますと我々も、スケジュールに沿って審査を受けているわけですが、その結果については予断を許さない、容易ならざるプロセスであるということでございます。
 ちなみに、この表の中で、端にアイスランドがございまして、アイスランドはちょうど1年前に審査を受けたのですが、あまりにも不合格の数が多いということで監視対象国になっております。監視対象になりますと、1年たったところで目に見えて進展がありませんと、この後で紹介いたしますグレイ・リストに載ってしまうという大変な事態となります。
 ですから、アイスランドはこの1年間法改正などをして、何とか監視対象国から逃れようとしているというような状況でありまして、日本としても、そういう状況は避けたいということでございます。
 7ページ目でございます。
 今まさに申し上げましたけれども、仮にこの相互審査で成績が悪いとどうなるかということですけれども、監視対象になり、1年経ってもなかなか進展がないということになりますと、ここにありますグレイ・リストというところに載ります。そしてグレイ・リストに載ってからもなお進捗がありませんと、最後にはブラック・リストということになります。
 日本がグレイ・リストの仲間入りをするような事態はぜひ避けなければいけないということでございますし、ブラック・リストに至っては、北朝鮮とイランしか載っていないという、足元はそういう状況でございます。
 仮にこのグレイ・リストやブラック・リストに載ると、何が起きるのかというところが、次の8ページですけれども、例えば、もし日本がグレイ・リストに載りますと、日本の金融機関と外国の金融機関が取引をするときに、細かく顧客管理をされ、あるいはコルレスの関係を持つことについても、本当に日本の金融機関と付き合っていいのかということについて厳しく審査をされます。仮にこのブラック・リストに該当し対抗措置をとるということになりますと、例えば、日本の金融機関が外国で支店をつくる際に、厳しく審査を受ける、あるいは、逆に日本に他国の銀行が支店を出すことについて、その国の当局が許可を出さない、または、コルレスについて見直しを求められるという相当な対抗措置がメニューには載っておりますので、こういったグレイ・リストやブラック・リストに載りますと、日本の金融機関、ひいては金融機関と日ごろ取引されています日本の企業の皆様方の経済活動に重大な影響をもたらしますので、当たり前ですけれども、そういったグレイ・リストやブラック・リストには決して該当しないように、しっかりと取り組まなければいけないということでございます。
 現在、第4次相互審査がどういうスケジュールで行われておるかというのが、9ページ目でして、これは非常に長丁場でございます。先ほど申し上げたように、法令等の整備状況と、それが実際に履行されているかどうかという2つの項目について、まずは日本が自分の国はこのような状況であるという、自己申告書を審査団に提出するというのがプロセスの始まりでございまして、既に5月10日に法令等整備状況については自己申告書を出してございます。
 有効性については、7月の頭に自己申告書を出さなければいけないということで、両方合わせますと、恐らく英文で300〜400ページにはなるという相当膨大なものでございまして、この自己申告書を出しますと、その後、10月末から3週間オンサイト審査と赤字で書いてございますが、FATFのメンバー各国と事務局から構成されます10名ほどの審査団が、実際に日本にやってきまして、3週間にわたって、1週目は関係当局、2週目は民間の銀行をはじめとした事業者の皆様、そして3週目は、場合によっては追加的な面談を行うことになってございます。
 ですから、今まさに日本の民間の事業者の方は、このオンサイト審査に自分が選ばれるかどうかというところに非常に関心が高いわけでございますが、非常に厳しいプロセスでありまして、民間事業者の面談の際は、当局は決して同席してはならないということでありまして、我々が同席しますと、民間の方がどうしても当局の顔色を気にするということで、どの国でも民間事業者の面談の際は当局が入らないということで、厳しい審査が待っているということでございます。
 この審査を終えますと、文書で提出しました自己申告書とオンサイト審査を踏まえまして、いよいよ審査団がこの報告書を書き始めまして、先ほど申し上げた膨大な合計50に及ぶ項目について、いろいろな格付けを始めるわけでございますが、最終的には、まず来年4月に、今度は我々がパリに向かいまして、FATFの事務局はOECDの中にあるものですから、もう一度審査団と会合し、特に格付けや事実関係で意見が割れているところについて、もう一度最後の折衝を行い、最終的には来年6月のFATF全体会合で、この対日審査の報告書の討議が行われ、先ほど申し上げた中で、日本がどれぐらいの格付になるかが決まってくるということでございます。
 そして来年の夏ごろには、対日審査の報告書が公表されます。したがいまして、既に始まっておりますけれども、まだ、これから丸々1年かかる長丁場のプロセスだということでございます。
 次の縦紙については、中身は省略いたしますけれども、FATFの審査団に対しまして、日本がこれまでにFATFの基準を念頭に置きながら、官民を挙げてどういう取組をしているかということで、特に日本としてFATFに対してアピールできると思っている事柄をまとめたものでございます。
 今、我々としましては、いろいろな機会に金融業界の皆様にもこの紙を共有させていただきながら、日本としてはこういう考え方で、マネーロンダリング対策やテロ資金対策に取り組んでいる、あるいは、こういうことを実施しているということを、官民共通の理解が持てるように広く配布しております紙でございますので、本日の御参考までに配らせていただきました。
 そして最後に、これは先ほど申し上げました、11年前の第3次相互審査の際、審査が終わった後にどういうことを我々が実施したかということを示しているものでございまして、実は、第3次相互審査の結果は、当初決して芳しいものではございませんでした。ちょうど11年前、2008年10月に報告書が採択されたわけですけれども、御記憶の方も多いかと思いますが、テロリストへの物質的支援が処罰されていない、居住者間取引が資産凍結できていない、パレルモ条約ができていないと、いろいろなことを指摘されまして、その後のFATFの指摘に対応するために、4本の法律を国会に提出し、それぞれに苦労をして法律を通した上で、第3次相互審査からは卒業できたということでございます。
 第4次相互審査は、今まさにやっておりますけれども、第3次相互審査の時と同じような苦しみを味わうことは、日本の官民ともにぜひ避けたいところですので、様々な対応をしております。そういった日本の対応について、できる限り各国の理解が得られるべく、引き続き残り1年間のプロセスを頑張らなければならないという状況でございます。
 私からは以上でございます。

 

○小川分科会長 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの御報告に対しまして、委員の皆様から、御質問、御意見をいただきたいと思いますが、御質問、御意見のある方は、名札を立てて意思表示をしていただければ幸いです。
 では、根本委員お願いします。

 

○根本委員 御説明ありがとうございます。アジア開発銀行研究所の根本と申します。
 まず、G20の成果につきましては、グローバル・インバランスに関して、多面的に合理的な分析を加えられていて、非常にシンプルな見方に流されるような傾向の国もあるのかもしれませんが、そこに対して牽制効果もあると思いますし、非常によろしいのかなと思います。
 また、クオリティーの高いインフラに関しては、日本の主張する透明性、合理性、あるいは債務持続とサステナビリティーといった点を盛り込まれたというのは非常に大きな成果と思っていますし、今後もぜひ継続してモニターしていただければと思います。
 2点ほどの御質問としては、高齢化のところで、今後も金融包摂の問題を御検討になるということですけれども、例えば、日本で事業承継という問題があって、200万人ぐらいの後継者難の中小企業があるとか、これはヨーロッパも共通した問題だと聞いているのですが、こういった点は、ここで審議する問題ではないのかもしれませんが、財務省のコミットメントはどのようなものかというのをお伺いしたいということが1点目です。
 あとFATFの取組で、先程の御説明でも金融機関の対応が大変ですというお話がございました。私も日常接する金融機関等からも、海外から何か送金があると、ほんの少額でも電話が掛かってきて、2時間ぐらい聞かれたこともあるとのことで、非常に頑張っているなという感じは受けるのですけれども、特に中小金融機関において、かなり人の介在があり、そこが現場の日本の強みなのかもしれませんけれども、もう少しAI等を活用するといったシステマティックにできないのかと思いました。
 これはちょっと財務省の問題ではないのかもしれませんが、業界として共通基盤を持つとか、安価なシステムを使うとか、そういったことを御検討なのかをお伺いしたいということが2点目です。

 

○小川分科会長 有泉参事官お願いいたします。

 

○有泉金融庁参事官(国際担当) 金融庁で総合政策局の参事官をしています有泉です。G20では金融関係を担当しております。
 今の根本先生の御指摘についてですけれども、G20の中で「高齢化と金融包摂のためのG20福岡ポリシー・プライオリティ」というものが成果物としてございます。資料4の7ページになります。
 このG20福岡ポリシー・プライオリティでは、先ほど岡村次長から話がありましたように、高齢化と申しましても、各国によって段階が異なり、それぞれの直面している課題にも濃淡がある中で、どういった点を考慮しながら高齢化についての政策対応を考えるべきいう8点、キーステップスと呼んでいますけれどもを、列挙しております。
 この中で8番目、資料右の一番下のところですが、ここで脆弱性への対応というものがキーステップスの1つとして挙げられておりまして、高齢化ということになりますと、当然高齢者が中心ということになるわけですけれども、その中でも、例えば女性、若者、中小企業などへの、支援の必要性が指摘されております。具体的に申し上げますと、例えば、企業のオーナーに対しての年金等の商品の提供ですとか、あるいは円滑な承継をするためにはどういう形でのアドバイスができるのかといったところも各国の参考にすべき1つの要素として挙げられておりますので、そういった中で、中小企業の事業承継の問題とか、各国の状況はそれぞれ当然違うわけですけれども、対応してはどうかということで触れられているところでございます。

 

○三村副財務官 三村でございます。
 もう1点御質問いただきました、このマネーロンダリングやテロ資金対策について、手作業といった古典的なやり方ではなくて、もう少しAI等を使えないのかというお話ですけれども、まさに我々も問題意識を持っておりまして、今そういった議論も始めてございます。先ほど、福岡で合意した新しくFATFに依頼する作業の1つとして、金融技術革新がAML/CFT対策の観点からもたらすリスクと機会の両方を議論して報告するようタスクアウトしたと申し上げましたけれども、まさに、この新しい技術がAMLやCFTにもたらし得る良い側面という意味で、こういった技術を生かす余地というのはあるという議論をしてございます。
 実際、日本の業界の中でも、まさにおっしゃるとおりでして、特に地銀や、信金、信組になりますと、なかなか自前で疑わしい取引を検出したり、顧客管理をしたりというのは大変ですで、何とか共通のシステムをつくれないのかという話はございます。そのときにAI等の活用ができないかというお話は、現に我々の耳にも届いておりますし、実は金融庁とも連携しながら、全銀協さんなどにもそういった検討なども既に始めていただいております。
 業界の方に聞きますと、AI等というのは、ピンポイントで疑わしいものを見つけ出すというのはなかなか大変ですけれども、例えば、絶対これは大丈夫というものを選別することは、相当うまくできるのではないかという話もありますので、そういったことも含めて議論しております。
 ただし、なかなかこれは言うは易く、実行するのは難しい面も多々ございまして、実はG20の過程でも、IMFやFATFとG20のラウンドテーブルで議論したのですが、やはり上がってきますのは、共通のシステムを作るとなると、まず、それぞれの金融機関は当然システムが違いますので、皆が使えるシステムとするためには、それぞれの金融機関のシステム対応をしないといけない。あるいは、システムを構築できる有能な人材がたくさんいるわけでもないので、当局も含めて、世界的に人材の取り合いがあるというものでございます。
 加えて、より深刻なのは、この共通システムをつくるときに費用負担を誰がするのか、あるいはシステムに何かトラブルなどが起こった際に、その賠償責任は誰がどう請け負い合うのかというものでございます。こういったルールもありませんと、なかなか先に進めないという議論もあります。一方で、こういうシステムですから、データの母数が多ければ多いほど、よりよいシステムができるのもまた確かでございます。課題は非常に多いと思いますけれども、ぜひ議論しなければいけないという問題意識を持った上で、今後FATFにおいても議論していくことになるかと思っております。

 

○小川分科会長 どうもありがとうございます。
 根本委員が質問されたFATFに関連して、私からもちょっと質問があるのですが、金融機関が今、御苦労されているというのを、私も聞いているのですが、顧客属性まで明らかにしなきゃいけないということです。そういう状況と比較して、クリプトアセットについての議論があると認識しています。あれは匿名性というか、分権的な決済のメカニズムであるということですが、そこは矛盾しないのでしょうか。そもそも顧客属性まで明らかにするのはよろしくないという話にならないのかというふうに、個人的には思っているので、その辺はいかがでしょうか。

 

○三村副財務官 まさにおっしゃるとおりでして、マネーロンダリングやテロ資金対策の観点から、いかにこの匿名性を、匿名でなくしていかないといけないかということであります。実は、この6月に至るまでパブリックコメントなども実施したのですが、一番大きな論点になりましたのは、特にこの仮想資産の一種であるWire Transferを行う場合に、御承知のように、金融機関の場合ですと、SWIFTのようなシステムがありまして、当然、送金人側と受取人側がそれぞれ、送金人や受取人の情報をお互いに共有し、それを当局にも共有するというシステムを既に構築しておるわけですけれども、これと同じことを、基本的には仮想資産の業界の皆様にも求めようということで、既にルールづくりをやってございます。
 次のFATF全体会合で採択予定であるルールをまさに仮想資産の業界の皆様にも適用するということになるわけですが、当然、足元の状況は、SWIFTのようなシステムが仮想資産の業界についてはございませんので、これから作ってもらわないといけません。
 ですから、日本も金融庁と我々で、相当強くFATFの現場でも主張しまして、そういうシステムを求めることは重要だけれども、足元でできていないのも事実なので、これは業界の皆様で世界的に連携して作ってもらわなければいけないということになってございます。まさしくこれは、FATFのルール自体は来週採択予定ですけれども、その後1年ぐらいをかけて、そういった議論を業界の皆様にしていただき、FATF側は逆に民間の業界における取組の進捗状況をしっかりとヒアリングしながら、また場合によって1年後に必要があれば、来週採択するFATFのルールを調整するという議論もしてございます。
 業界も、比較的前向きに取り組んでくれておりまして、そういうSWIFTのようなシステムを作って、これをきちんと利用しなくてはならないということになれば、通常のお客様は当然そのシステムを利用していただけると思います。現状の仮想資産の最大の問題は、日本で言えば、登録されている仮想資産業者を通さずとも、電子的に仮想資産がやりとりできてしまうというものですが、こういったSWIFTのような仕組みをつくれば、通常の方はおそらくきちんと業者を通して取引していただけるだろうと思います。それによって、相対の匿名のシステムにどんどん流れていくことは、多少抑えがきくことにもなるということで、業者の方々にも御協力を前向きにいただいて、これからさらに取組を進めていくという状況でございます。

 

○小川分科会長 どうもありがとうございます。
 それでは、春田委員お願いします。

 

○春田委員 丁寧な御説明ありがとうございます。
 私から1点質問は、国際租税の関係でございまして、先ほどの御説明の中でもデジタル課税に関する解決策に向けた作業計画ということで、2つの柱を設定するという方向性としては、非常にいい話だと思っておりますし、今の国際課税の課題、BEPSプロジェクト等を進めてはいるものの、なかなか解決しない部分も大きいというふうに思っているところであります。
 そういった意味で、今回の物理的拠点なく活動する市場国に課税権を配分するための見直しであるとか、それから最低税率による課税を実質的に確保するルールの導入というのは、いい検討課題だというふうに思っております。
 これで進めていくに当たって、実効性の担保というのが非常に大きな課題だと思っております。まず、G20だけで、本当にこういったことができるのかどうか、この後OECD等々が中心になっていくのか、ルールづくりがどうなっていくのかという課題はあろうかと思います。
 今、貿易ルールで言えば、WTOがきちんと役割を果たしているのかどうかというのはいろいろと言われており、WTOの改革等々が指摘されております。やはり、そういった国際ルールを導入していくときに実効性をどのように担保していくのかがこれから大きな課題になると思いますし、本当にOECDが中心となって、こういったルールが導入されていく計画になろうかというふうに思っているところでありますけれども、その辺の実効性の担保というところをどのように捉えているのかというところについて、少しコメントをいただけたらありがたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

○武内国際局長 御質問ありがとうございます。
 おっしゃるとおり、方向性には異論がないが、おおよその方向性が決まっているだけですので、今後、例えば、これまでは国がそれぞれの主権だった法人税率について、課税最低限の率を決めていかなければならないわけですし、それからPEがない中で、どうやって課税するのかについても、3つ案がありますけれども、これから議論がございますので、2020年までにまとめるという目標にはなっていますけれども、そう簡単なものではないと思っています。
 それが仮に合意できた後、どのように実効性を担保するのかという御質問をいただきました。もともとG20では議論していますけれども、主な土俵は、OECDのインクルーシブ・フレームワークで議論していますので、参加国数は多いです。では、一定のルールが決まったときに、それを各国が、まず国内法に置く必要がありますけれども、これは相当時間がかかります。最近、租税条約では租税条約のマルチ化といって、二国間の租税条約じゃなくて、マルチの租税条約を作って、そこにjoinすれば、他の国と結ばなくてもできるようになっていますので、手続きを整備するという意味では、少し前よりは簡素化できています。
 次に、実際に法律としてルールになったものをどのように実行されているのかをモニターしていくのかということについては、1つには情報交換があるかと思います。こちらは、随分前よりは進んでおり、裏付けができるかと思いますけれども、最終的にはやはり個々の国で集めた情報をもとに、きちんとフォローアップしていくしかないので、国際警察をつくるところまではなかなかいかないと思っていますので、一歩ずつ進めていく必要があると思っています。
 ただし、御指摘の点は本当に重要な点だと思っていますけれども、そもそものルールづくりから考えると、相当時間がかかるのは残念ながら事実だと思っています。

 

○小川分科会長 よろしいでしょうか。
 それでは、清水委員お願いします。

 

○清水委員 細かい説明をどうもありがとうございました。
 グローバル・インバランスのことについて、ちょっとお聞きしたいことがございます。今回G20のコミュニケに、グローバル・インバランスを盛り込むということは最初からお話をいただいて、その意図なども外為審で御説明していただいておりました。
 この短い文章の中に、多くの要素がいかに盛り込まれているのかというのを、私は小川先生と一緒に、T20でファイナンシャルアーキテクチャーとキャピタル・フローという研究に参加させていただいたので、そういった部分も、我々のものは採択されていなかったのですが、少しずつ要素として入っていて、非常に努力が実っている文章だなとつくづく思っております。
 先ほど御説明いただいた中で、良いバランスと悪いバランスというお話があり、多分英語だとexcess imbalanceになると思うのですが、そういったことを今後どうやって解決していくかという中で、excess corporate savingsという形で日本が指摘されそうな内容が入っているというところなどについては、今後どのように対応していくのか、書いた以上は、具体的に日本の企業の内部留保の高さというものをいかに市場に出していくのかということに関しては、本当に有効な政策をなるべく早い形で打っていただくということが、重要になってくるのではないかと思います。
 また、この後ろのほうにG20フレームワーク・ワーキンググループのSummary Document on Global Imbalancesというのがあって、この文章がどういう効力を持っているのかは御説明がなかったので、ちょっとわからないのですが、これがG20の参加国の方々のディスカッションとして使われたとすると、これも非常に画期的なペーパーであると、すごく感謝しております。
 特にここの1ページにありますように、Global current account imbalanceとともに、Net international investment position両方のグラフを出している。つまり、そういうcurrent account imbalanceだけじゃなくて、大きなキャピタル・フローの流れとしての世界各国のデットとアセットのほうの動きがどのようになっていて、こちらも見方によっては、インバラスほどではないですが、広がっているということを注釈してあるということが非常に重要だと思います。
 その次の2ページ目、G20 economiesのcurrent account balance and its compositionということで、これがまさに今回の目的ではなかったかと思うのですが、トレードだけじゃなくて、サービスとかprimary incomeをつけた形でのグラフをつくり、Overall current account balanceを見ると、日本としてはかなりOverallのバランスは小さくなりますし、当然アメリカもトレードではマイナスだけど、サービスではプラスだということが一目でわかると思います。
 今回、G20でグローバル・インバラスの議論をして、こういうグラフをつけていくと、今後のグローバル・インバランスの議論のときに、こういうふうに分析していかなくてはいけないという、本当に重要な一例になっているのではないかと思って、すごくすばらしいなと思っています。
 もう1つが、3ページ目にexchange rate flexibilityというパラグラフがございまして、ここの4行目で下線が引いてあるところで、extent of integration into global value chains and invoicing in dominant currencies、ここもドルとは書かずに、dominant currenciesと書かれているところが、非常に私としては感激した点でございまして、こういうことをバックグラウンドペーパーとしても入れていただいて、今後の貿易に対して何を見ていかなきゃいけないのかというポイントを示している点というのが、よくできているなと思います。
 最後ですが、この3ページ目の一番下のパラグラフ、私としては感激した点でございまして、サーベイランス、グローバル・インバランスのanalyzingをするのに、IMFだけじゃなく、as well as other IOsの文言も入れていただいて、これは私と小川先生も、再三IMFだけじゃなくて、リージョナルなinternational organizationのサーベイランスもこれから活用していくべきということを指摘しており、ここで取り上げていただけたのは、非常にありがたいなと思いました。
 先ほども申し上げましたように、Annexで、今後、excess surplusを持ってくる国は何をするべきかというところで、特にStructural Policiesということで、ここは日本が非常に関係してくることだと思いますが、先ほどのexcess savingをなくすとともに、ここに書いてあるようなEncourage elderly labor participationとか、investmentでバリアを外すとか、いろいろ書いてありますので、このあたりは今後逐次G20とかかわった形で、こういう政策を推し進めていくのだということを強調していくのがいいかと思うのですが、それに関してもし何か、この夏ぐらいまでに政策面として、このG20とかかわって何か打ち出すものがあるのであれば、御意見をお伺いしたいと思います。

 

○武内国際局長 まさに、この審議会らしく、G20の数多くあるテーマの中で、グローバル・インバランスについて、これだけ注意深く読んでいただいて感謝しております。
 清水先生のおっしゃるとおり、グローバル・インバランスというのはそもそも何か、なぜ大事なのか、何を見るべきなのかということについて、サマリードキュメントも含めて、懇切丁寧に書かせていただいています。
 サマリードキュメントに書いたもの全てがコミュニケに盛り込まれているわけではないですけれども、G20でこういったものが出てきて、コミュニケにもしっかりしたパラグラフとしてできました。加えて実際G20の場でも、議論が弾まないのではないかと思っておりましたら、出席する大臣からも随分参考になるという意見があったので、基本的な共通理解の礎ができたということで取り上げたことは正解だと思っています。
 御質問をいただいた構造改革について、各国がどのように実施するのかということについても、G20としてフォローアップするものかと思いますけれども、今のところそこまでは見通せておりません。まずは、基本的に構造改革が必要で、具体的にはこのようなことが必要だということを議論しており、それをどこまで何をするのかについては、各国に任せているところが実情です。

 

○小川分科会長 岡村次長お願いいたします。

 

○岡村次長 すみません、少し技術的な点を申し上げます。サマリードキュメントがどのような性格を有するのかというお話が清水先生からありましたけれども、これは、大臣間の議論の材料ということで、フレームワーク・ワーキンググループの成果物としてまとめた文書であります。
 では、大臣間の議論をして、それで終わりかということではもったいないので、コミュニケに添付されて公表されています。したがって、先ほど御評価いただいた中身というのは、そのままG20の成果物に添付する形で公表されていますので、世の中に示されているということでございます。
 先ほど武内局長が申し上げましたとおり、大臣間の活発な議論があり、サマリードキュメントの4ページ目はもともと大臣が政策を議論するためにつくった表ですので、その議論を踏まえて各国が自分の国に持ち帰って、自国の政策を実施するという建てつけになっているものでございます。
 もう1点、サマリードキュメントの後に御紹介いただきましたパラ4のexchange rateというのは、IMFからshock absorberとして経常収支の調整のためには役に立つけれども、日本のところは所得収支ですので、exchange rateでは調整できないだろうという気持ちがあり、それがこのサマリードキュメントの「国によってvaryである」というような表現で記載されております。これをコミュニケに入れようとしたのですけれども、他国から十分な支持が得られず、結局コミュニケには盛り込めなかったということでございます。

 

○小川分科会長 どうもありがとうございます。時間が迫ってきていますので、亀坂委員、植田委員、渡井委員、順番にお願いします。

 

○亀坂委員  関心があることはたくさんあるのですが、OECDのBEPSプロジェクトに関しては、以前から日本の財務省の方々が中心になって進められており、今後も資料4の24ページにあるようなことを進められるということで、非常に関心がございます。先ほど、他の委員の方からも実効性という論点が出てきたのですけれども、問題があるところに改善を促すとか、問題があるところにペナルティーを科すというような形で、どんどんこういった話を進められないのかというのが、まず1つ目の質問です。
 あと、BEPSの場合は、日本が割と中心になって主導権を握って進められていると思うのですけれども、よく海外の会議に行くと、例えば、中国とかは一党独裁なので、政治も経済も安全保障の問題も一貫性を持って話をしていたりするのが、日本が国際会議に出ていくと、どうしても国内の行政が縦割りで苦労されているときもあるように思います。質問は、私はこれをぜひ進めていただきたいと思うのですけれども、国内でそういった行政の縦割りによる問題を抱えたりしないのかというのが2つ目の質問です。

 

○小川分科会長 それでは、植田委員お願いします。

 

○植田委員 御丁寧な御説明をどうもありがとうございました。
 清水先生の質問にちょっと関連して、グローバル・インバランスについて、よい不均衡、悪い不均衡、excessiveなものというのが出ていましたけれども、不均衡にもいろいろな構造がございます。もちろんコミュニケ等にも書いてあるとおり、特に日本は高齢化社会のもとで、貯金を皆さんしますので、国としてもしないといけないですし、個人の方もという状況の中で、どうしても貯蓄超過にならざるを得ないので、その意味でexcessiveというほどには言えないという議論になったという理解でよろしいかと思います。
 それであるからこそ、逆に言うと資料3のコミュニケのAnnexのOverview of joint G20 policy actions to mitigate risks arising from excessive imbalancesの左下の青いところにあるような、こういう日本のような状況で、Discourage excess savingsをしろというような意見にはなっていないという理解でよろしいでしょうか。

 

○小川分科会長 それでは、渡井委員お願いいたします。

 

○渡井委員 慶應義塾の渡井と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 インフラ投資についてお伺いしたいと思います。質の高いインフラ投資ということで、投資を受ける側にとっては、条件が厳しくなったということを意味するものと思います。
 それはもちろん、債務国のためであることは疑いの余地がないところですが、一方で、インフラの整備が遅れるというデメリットもあるのではないかというふうに想像しております。
 条件が甘いインフラ投資を受けたところ、結果として、インフラの実効的な支配を受けるようになってしまうような、そういった事態を防ぐ必要があるということは理解できますが、インフラの整備を今後どうするかということについて、何か御議論はあったのかどうかお教えいただければ幸いでございます。よろしくお願いいたします。

 

○小川分科会長 ありがとうございます。それでは武内局長お願いいたします。

 

○武内国際局長 最初に、BEPSの話で罰則にて追い込めないかという話をいただきました。今日御紹介したデジタル課税は、罰則のところまで議論が到達していないので、それはこれから考えなければならないと思っていますけれども、他の事例で考えたときに、一定の基準を定めて、それに違反した者はリストに載せて、defensive measures(対抗措置)をとることを許すという議論は、OECDでされつつあります。では、defensive measuresとしてどのようなものがあるかということは、これからだと思っていますが、そういう形で徐々に考えていく必要があると思っております。
 それから行政の縦割りのご質問で、税をかけたいという意味では、少なくとも日本においては、財務省、国税庁、一枚岩でやっていると思いますので、そこの縦割りはないと思いますが、今度の国際課税のルールの見直しというのは、税金をどういう基準で分けるのかということでございます。新しい公式を使って国と国との間で税源を調整するという話になるわけですので、全体で見ると日本は結構得するとなったとしても、業界別に見たときに、例えば、××業界ではブランドがあるから収入が増える一方、××業界はブランドがないから他の国からたくさんとられてしまうという争点というのはあり得るかもしれません。
 ただし、そこはどういうふうな整理をするのかというものがあって、それをある程度示した上で、省庁間でもきちんと調整していくということになります。ですので、今の段階から縦割りをもとに、あまり悲観的になる必要はないと思っていますけれども、御指摘の点は十分留意していきたいと思っています。
 また、excessiveなインバランスがあるかどうかという話がございました。まさに何がexcessiveなのかというのは、これまでIMFが査定してきておりまして、我々も議論したいと思っているところですけれども、他方で、今この段階で日本がexcessiveかどうか、アメリカがどうかというのは、G20のこのテキストの中では話されておりません。そういう意味では、本当に基本的な認識を共通にさせたということだと思っています。

 

○小川分科会長 ありがとうございます。それでは三好課長お願いいたします。

 

○三好開発政策課長 質の高いインフラ投資について、お答え申し上げます。
 御質問の点ですが、確かにそのような議論はいろいろございまして、質を高めるという議論と、そうは言っても短期的に資金が細るのではないかという議論が、特に先進国側と新興国側で事前にあったのは事実でございます。
 その結果として、テキストがお手元にない中、恐縮ですが、この質の高いインフラ投資に関するG20原則の中では、ライフサイクルを通じて全体的なコストを見ましょうというのが、基本的な考え方になってございます。
 建設の時点で、仮に安くできたとしましても、例えば修繕とか維持管理等に多大なコストがかかることになれば、ライフサイクル全体で見ますと、コストがかさむという例もあります。そういったものが積もり積もれば、債務持続可能性に影響し、ひいては、その国の経済成長の障害になるという可能性もあるわけです。そういったことも十分に考えなければならない。
 また、インフラにはある程度寿命があるものですから、建設の段階で環境に悪影響を及ぼすようなものを作ってしまうことに伴う外部不経済も考えなくてはならないということを考えてございます。
 一方で、Value for Moneyを実現するとともに、ライフサイクルコストの観点から、支払い可能な、アフォーダブルなものであるべきということも考えておりまして、ここは微妙なバランスですけれども、受け入れ国にとって、きちんと支払い可能であり賄っていけるものであるということが重要だということも書いてございます。
 以上です。

 

○小川分科会長 どうもありがとうございます。時間がもう過ぎておりますので、御質問、御意見まだあろうかと思いますが、これで本日の議事を終わらせていただきたいと思います。
 なお、今回の議事録の作成は私に御一任いただければと存じます。その際、発言部分を事前にご覧になりたい委員の方におかれましては、会合終了後にその旨を事務局に御連絡いただくということにいたしまして、御連絡いただきました委員の方には議事録を案の段階で事務局より送付したいと考えております。その後1週間程度の間に御意見がない場合には、御了解いただいたものとして理解させていただきたいと存じますが、よろしいでしょうか。

 

(「異議なし」の声あり)

 

○小川分科会長どうもありがとうございます。
  次回の分科会につきましては、事務局と相談の上、御連絡させていただきたいと思います。以上で終わりたいと思います。本日は長い時間にわたりまして、御出席いただきましてどうもありがとうございました。

 

午前11時32分閉会

財務省の政策