関税・外国為替等審議会
第66回外国為替等分科会議事録
令和7年12月12日(金)
財務省 国際局
於財務省第3特別会議室
(本庁舎4階)
1.開会
2.最近の国際金融情勢について
3.対内直接投資審査制度について
4.閉会
| 出席者 | |||
|---|---|---|---|
| 委員 |
五十嵐チカ 植田健一 江藤名保子 亀坂安紀子 神作裕之 木村旬 佐藤清隆 下坂朝子 杉山晶子 田村善之 中島宏 根本直子 原田喜美枝 山口博臣 渡井理佳子 |
財務省 |
緒方国際局長 細田審議官 梶川審議官 渡邉副財務官 西方副財務官 木原総務課長 春木調査課長 池田機構課長 津田地域協力課長 松本開発政策課長 宮地大臣官房企画官 恵﨑投資企画審査室長 |
| 臨時委員 |
左三川郁子 澤田康幸 清水順子 清水剛 |
||
| 専門委員 |
伊藤亜聖 河野真理子 |
午前10時00分開会
○神作分科会長おはようございます。定刻になりましたので、ただいまより第66回外国為替等分科会を開催いたします。
委員の皆様方におかれましては、御多用のところ御出席いただきまして誠にありがとうございます。本日オンラインでの御参加を含め、大勢の委員の皆様に御参加いただいております。
議事に入る前に、進行上の留意点などにつきまして、事務局より御説明をお願いいたします。
○春木調査課長本日、どうもありがとうございます。調査課長の春木です。
これまでの会議と同じようにハイブリッド形式ということで、同じ留意点になりますけれども、まず、会議室にいらっしゃる先生方につきましては、オンラインで聞かれている方に音声がしっかりと聞こえるようにマイクに近づいて御発言をしていただきたいという点と、オンラインで参加されている先生方におきましては、御発言されるとき以外にはミュートで設定していただければと思っておりますのでよろしくお願いいたします。
私からは以上になります。
○神作分科会長どうもありがとうございました。
それでは、早速本日の議事に入りたいと存じます。
本日の議題は、最近の国際金融情勢と、対内直接投資審査制度の2点でございます。
まず事務局より御説明を頂いた後、意見交換の時間をお取りしたいと思います。
それでは、池田国際機構課長、御説明をどうぞよろしくお願いいたします。
○池田国際機構課長委員の皆様、おはようございます。国際機構課長の池田です。本日もよろしくお願いいたします。
私のほうから、G20及びG7についてアップデートをさせていただきます。
資料1枚目でございますけれども、G20サミットについて概要をまとめております。こちらは11月22日から23日まで、ヨハネスブルク、南アフリカで開催され高市総理が出席されています。
こちらは、南アフリカ議長下のG20を締めくくるものでありまして、同国が優先課題として設定していた災害強靱性強化、低所得国の債務持続可能性、エネルギー移行、そして、重要鉱物のサプライチェーンの強化などを中心に議論して、首脳宣言が発出されております。
財務省関係のポイントを以下のとおりまとめておりますけれども、こちらは前回に御紹介いたしましたG20の財務大臣・中央銀行総裁会議における議長総括、ここでの内容をほぼそのまま踏襲する形で、世界経済、国際金融アーキテクチャ、債務、国際保健、金融セクター、国際課税といったものが並んでいるという状況にあります。
ハイライトしたいことといたしましては、債務のところで、こちらも前回御紹介しましたけれども、10月の財務大臣会合において取りまとめられた債務持続可能性に関するG20の閣僚宣言、こちらを支持ということが明記されてございます。
そして、G20は12月から議長が交代しますので、もう既にアメリカ議長のほうに移っているということでございます。
続きまして1ページおめくりいただきまして、G7の財務大臣共同声明というものを御紹介いたします。
こちらは12月8日、今週の月曜日の夜の9時前から2時間少々オンラインで行われたものでございます。議題は2つございまして、レアアースを含む重要鉱物のサプライチェーンの強靱化、そして、ウクライナ支援ということでございます。
共同声明の一番上のポツのところに、2行目、「カナダのエネルギー・天然資源大臣、ならびにオーストラリア、チリ、インド、メキシコ、韓国の財務大臣およびその代理について、会合の一部への参加を得た」とございますけれども、ここに書かれている方々は、議題の1つ目、すなわち重要鉱物のサプライチェーンの強靱化の部分で議論に参加されたということでございます。
共同声明の2つ目のポツに、「G7エネルギー・環境大臣会合の最近の発表を歓迎する」とございますけれども、こちらは10月31日に、カナダで対面で開催されたエネルギー・環境大臣会合で公表された重要鉱物における基準に基づく市場の促進に向けたロードマップというものがございます。こちらは経産省のウェブサイトにも、英語版ですけれども、掲載されているというものでございます。こちらについて、カナダのエネルギー・天然資源大臣から内容の御紹介があり、そして、財務大臣で議論したということでございました。
ここの同じポツですけれども、単一の供給源への依存を減らし、経済の強靱性を強化するため、国際的な同盟国や産業界のパートナーと協力する。具体的な話として、サプライチェーンを確保する高い基準を備えた市場を創出する方法についてさらなる議論を期待している。この高い基準というものについては、例えば人権ですとか労働ですとか、あるいは土壌汚染や大気汚染を防止するような環境基準、こういったものを備えたレアアース関連製品がしっかりと売買されるような市場をつくっていく方法について、さらに議論していくということが盛り込まれています。
その上で、3つ目のポツですけれども、重要鉱物のサプライチェーンを混乱させる非市場的政策・慣行の利用、これは輸出制限などを含みますけれども、こちらが世界のマクロ経済に重大な悪影響を及ぼし得ることに同意。
そして、次の同じパラグラフの最後ですけれども、重要鉱物のサプライチェーンへの輸出管理の適用に対して深い懸念を表明するということでございます。
4つ目のポツはウクライナ支援でございまして、こちらは、これまで例えばこちらの場でも御紹介をいたしました、10月1日にG7の財務大臣会議におけるコミュニケが出ておりましたけれども、そこでの内容を踏襲しつつ、引き続きG7としてウクライナ支援に取り組んでいく。
具体的には真ん中辺りですけれども、ウクライナ支援のために広範な資金調達の選択肢を策定すべく引き続き協働していくということであるとか、あるいは最後のところにありますフランスの次期G7議長下でも、ウクライナをG7議題の最優先事項として維持することの重要性について合意ということでございます。こちらは片山大臣からも、ウクライナ支援については高市政権の下でも引き続き支援をしていく。そして、ウクライナの流動性が特に逼迫する2026年前半の資金ニーズにタイムリーに応えるべく具体的な支援策を準備中であるということを御発言いただいているということでございます。
私からは以上です。
○神作分科会長どうもありがとうございます。
続きまして、松本開発政策課長、御説明をお願いいたします。
○松本開発政策課長開発政策課長の松本です。私からは、先週の土曜日に開催されましたUHCハイレベルフォーラムについて御報告をいたします。
まず会議に入る前に、何故我々財務省がこうした保健のユニバーサル・ヘルス・カバレッジというものに取り組んでいるのかを簡潔に申し上げます。1.の最初のポツはUHCの一般的な定義です。2ポツを見ますと、UHCの意義として、もちろんUHCを通じて健康になるということは、人権や公平性の観点からも重要なのですが、同時に、健康で生産的な労働力を支えることによって、包摂的で持続可能な経済成長の基盤ともなるということで、1つは経済政策的な観点からも重要でございますし、当然途上国の開発の観点からも重要ですので、世界銀行をはじめMDBsも力を入れている分野でございます。
もう一つは、日本自身の経験に基づくことでございまして、2.にございますように、日本は1961年に国民皆保険を達成し、これが社会の安定や高度経済成長に寄与、その際、財務・保健当局が連携を強化と、これは予算当局として、財政当局が保健当局、日本で言うと厚生省と連携を強化して、持続可能な保健財政制度を構築してきたということもございまして、こうした日本自身の経験も踏まえて、Finance-Health Collaborationに基づくUHCというものを国際的にも強調してきたところでございます。
具体的に何点か紹介いたしますと、最初のブレットですけれども、2015年には当時の安倍総理、2017年には麻生財務大臣が、医学分野で非常に権威のある「ランセット」という雑誌にUHCの重要性とか、その達成のために財務省が果たす重要な役割等について論文を寄稿したり、飛ばしまして2019年には、G20議長国として、初めて財務大臣と保健大臣の合同セッションを開催して、UHCの重要性についての共通理解を策定したということがございます。
1ページ進みまして、こちらがUHCハイレベルフォーラムの概要でございます。
2.の主な成果を御紹介いたしますと、これは右の写真にもございますように、高市総理にビデオメッセージを発出していただいて、UHC実現の重要性や、それに向けた日本の貢献を発信。
あと片山大臣からは、ほかの共催者である上野大臣、バンガ世銀総裁、テドロスWHO事務局長と共に、これは後で出てきますけれども、UHCナレッジハブ立ち上げに係る署名式に参加。その後行ったスピーチにおいて、今申し上げたようなUHCの達成には財務当局と保健当局の連携強化を通じた持続可能な保健財政の構築が重要であるといったことを指摘して、三反園政務官にもUHCナレッジハブに関するセッションの冒頭挨拶をしてもらいまして、このハブに対して日本の知見・経験の活用や研修後のフォローアップの重要性等を強調したというところでございます。
最後にございますように、これもまた次の次のページに出てきますけれども、UHCハイレベルフォーラム2025共同宣言というものを発出いたしました。
次のページに行きまして、これは世界銀行の資料なのですが、UHCナレッジハブとは何かということで、左のほうの文章にございますとおり、UHCナレッジハブというのは、途上国の政策立案者を対象に研修を行う。なので、途上国の保健省や財務省の比較的シニアな政策立案者に来ていただいて、保健財政について研修を行うというのを主な活動内容としておりまして、世界銀行グループ、WHO、日本の財務省及び厚生労働省の支援の下で、東京に拠点を置いて活動を行っております。
次のページへ行きまして、これは真ん中のほうに「UHCナレッジハブの主な活動」とございますけれども、主な目的というのは、1つ目は今申し上げたような研修や能力強化、もう一つは政策提言や連携強化ということで、まさにUHCハイレベルフォーム開催とか、そういったものを含めてやっていただくということと、あと下のほうに8か国書いておりますけれども、これらが初回の研修参加国ということで、アジア、アフリカから、UHC実現に向けて関心のある8か国を選定して、初回プログラムに参加してもらっております。
1ページおめくりいただきまして、こちらがUHCハイレベルフォーラムの共催者による共同宣言の要旨でございます。UHCの重要性や、財務当局と保健当局連携の重要性、あと3番目は、まさに国際保健をめぐる最近の変化と先進国におけるODA予算の問題等々ございますので、より各国主導で自立した保健制度への移行が重要といったこととか、あとUHCナレッジハブについても記載をしておりまして、最後ですけれども、今後につきましては、本フォーラムにつきましては、まさに国際保健をめぐるグローバルな議論において重要な役割を果たすべく東京で定期的にフォーラムを開催しているということを確認しております。
私から以上です。
○神作分科会長どうもありがとうございます。
続きまして、津田地域協力課長より御説明を頂きます。よろしくお願いいたします。
○津田地域協力課長ありがとうございます。
私からは、ASEAN+3財務プロセスについて、来年日本がフィリピンと共に共同議長を務めますところ、その際の優先議題、プライオリティとして、従来から進めております地域金融協力に係る4つの取組に加えまして、新たにグロスボーダー・デジタル決済に関する議論を主導していく。こうした方針について、この場をお借りして御紹介させていただきたいと思います。
なお、この方針につきましては、11月に香港で開催されましたASEAN+3の代理級会合において、日本から三村財務官、フィリピンからも共同で説明をし、メンバーからも了承されたというものでございます。
まず1つ目のチェンマイ・イニシアティブにつきまして、こちらは、御案内のとおり、アジア通貨危機の経験を踏まえまして構築されたASEAN+3メンバー国による多国間通貨スワップの仕組みでございます。こちらは外貨の資金繰り困難に陥った域内国の現地通貨と各国の保有する外貨資金、典型的にはドル資金ですが、こちらを交換、融通し合うということで、危機の連鎖、拡大を防ぐということを目的にしているものでございます。
来年の日本共同議長下では、将来の危機発生時にチェンマイ・イニシアティブが必要な資金を迅速かつ適切に供給できるよう、その実効性と信頼性のさらなる向上に向けた議論を進めたい。具体的には、国際金融セーフィティネットにおいて、チェンマイ・イニシアティブがIMFを補完しつつ、適切にその役割を果たせるように運用規定の見直し等を行うという予定でございます。
2点目が、AMRO(ASEAN+3マクロ経済リサーチオフィス)でございます。AMROは、来年、2016年の国際機関化からちょうど10周年を迎えるということでございます。設立以降、地域金融セーフティネットの中核として、サーベイランスや技術支援を通じて、メンバー国の政策実施能力の向上に貢献してまいりました。来年の共同議長下では、本年5月に着任した渡部事務局長兼CEOの取組を後押しし、AMROのさらなる機能強化を図ってまいります。特にIMFなどの国際機関との連携を一層強化し、AMROが地域のホームドクターとしてより効果的な役割を果たせるよう議論を進めていきたいと思っています。
3点目が、ABMI(アジア債券市場育成イニシアティブ)です。こちらはアジア通貨危機のきっかけとなった通貨と期間のダブルミスマッチを解消し、アジアの貯蓄をアジアの投資で活用するということで、現地通貨立て債券市場を育成するという取組でございます。
こちらにつきましては、20年にわたる取組を通じまして、メンバー各国では、域内のダブルミスマッチは一定程度解消されたという評価があります。一方で、域内の貯蓄から投資への資金循環、こちらについてはまだまだ活性化の余地があるという認識でございます。このことから、日本共同議長下では、域内の資金循環をさらに促進するために、債券市場育成から一歩進んだ議論を提起したい。具体的には、債券のみにとどまらず、直接金融市場全体を包括する枠組みへの将来的な転換も視野に、2027年以降の中期的な取組方針を示す新たなロードマップの策定作業、これをリードしていきたいと考えております。
4点目がDRF(災害リスクファイナンス)でございます。こちらは、災害保険等のツールを通じて、災害リスクに対する各国の財務強靱性を強化する取組ということで、ASEAN+3では、2023年から定例議題となってございます。来年の共同議長国下では、今後3年間のロードマップの策定を通じて、域内各国のDRFに関する知見の底上げ、各国のDRFに関する戦略策定の推進、こういったことに重点的に取り組んでいく。また、策定された戦略に基づきまして、関係機関と連携しながら、各国の災害保険やCATボンド等必要なDRFツールの導入を進めていきたいと思っております。
最後に、新たな取組であるクロスボーダー・デジタル決済について御説明します。ASEAN域内では、新たな決済手段やプロジェクトが次々と台頭しているというところでございますが、こうした中で、ステーブルコインを含めまして新たな技術のリスクに対して協調的に対応しつつ、各国の決済システムの接続性に関する地域協力の拡大を目的とした議論を主導したいと思っています。
具体的には、域内で台頭する新たな決済手段やプロジェクトに関して、それぞれの利点やリスクを評価し、そうした決済手段やプロジェクトの今後の社会的な普及・利用を見据えた課題を整理したい。また、地域におけるクロスボーダー決済のさらなる強化に向けた政策提言についても提示していきたい、このように考えております。
私からは以上でございます。ありがとうございます。
○神作分科会長どうもありがとうございました。
続きまして、春木調査課長より、対内直接投資審査制度について御説明をいただきます。よろしくお願いいたします。
○春木調査課長調査課長の春木です。資料につきましては、対内直接投資審査制度について、を見ていただければと思っておりまして、2ページ目のほうに行きます。
現行制度の課題と考え方でございますが、こちらは前回の分科会でも提示させていただいているものです。今回の分科会におきましては、こちらの下半分のほうがテーマということになりまして、2.の①、②、3.の御議論をいただきたいと思っております。
2.の①につきましては、特にリスクが高い外国投資家の支配・影響下にある投資活動につきまして、これは国内の投資活動でございますけれども、対内直接投資審査制度の潜脱を防止する観点から、対応が必要ではないかという点、②につきましては、非指定業種への投資に関する国の安全に係るリスクが顕在化した場合には、何かしらの対応が必要ではないかという点です。
3.につきましては、今届出件数も増えてきている中、また、安全保障環境も厳しいという中で、執行体制の強化、関係省庁との連携というものがさらに求められるのではないかという点になります。
4ページ目から各論のご紹介になります。4ページの資料につきましては、国内投資家Bから本邦企業Cへの投資に対しまして、何かしら対応が必要ではないかというところでございます。外為法では、基本的には外―内の取引について対応していくというところでございますけれども、ここにつきましては内―内の取引として、BからCに対する株式取得の場合を考えております。
こちらは四角囲みにありますとおり、外国政府等の支配・影響下において投資活動を行う、特にリスクが高い投資家について、対応が必要ではないかという点です。図ではBを指しておりますが、こちらのBからCへの株式取得への対応が必要ということで、こちらは1つ目の矢羽ですけれども、現行制度上、本邦企業でも非居住者等が議決権の50%以上を保有しているケースは居住者外国投資家として取り扱っているほか、外国投資家のために(外国投資家の計算において)指定業種への投資を行っている場合につきましては、みなし外国投資家とみなして規制の対象としております。特に、外国投資家とみなす対象について、広げる余地がないかという点でございます。
想定しているケースが、真ん中にありますけれども、外国投資家に雇用されている居住者が外国投資家の指示を受けて、BがCの技術を外国投資家に提供することを目的としてAに渡すということで、BからCに投資を行っているというケースを例として掲載しております。
もう少し具体的な内容を5ページ目で紹介しておりまして、現時点の案として考えられるものですけれども、四角囲みの中で、実質的に一体となって投資を行っている場合ということで、先ほどの図の関係で言いますと、赤の日本法人を外国投資家とみなすことができるケースと考えております。
要件が何かということでございますけれども、3つ例示として出しておりまして、上の囲みの黒ポツのところです。この3つ書いていますのは、基本的に、または、orということで想定しておりますので、いずれかに該当すれば、実質的に一体となって投資を行っているとみなせると考えております。まずは、外国投資家との契約等に基づく投資に関する指示があるというケースですとか、2番目のケースとしましては、外国投資家と特別の関係にある者に対しまして、投資に関する指示が出ているということでございます。最後のケースは、外国投資家と特別の関係にある者が、当該外国投資家に対して、指定業種の事業を譲渡・技術提供することを目的として投資を行っているというケースでございます。
特別の関係とは何ぞやとなると思うのですけれども、こちらは今想定していますのが、雇用関係があるですとか、親族関係を有するですとか、そういったことが考えられるのではないかと思っております。
2番目の丸のところですけれども、一番下のケースに該当するのは、類型的に特にリスクが高い外国投資家の支配・影響下にある場合に限定し、赤のケースであれば事前届出が必要になりますけれども、青のケースの外国投資家はリスクが高いものではないということで届出は求めないということで、外国投資家のリスク属性に応じて取扱いを分けてはどうかと考えております。
一番左下の特にリスクの高い外国投資家とはどういったものかというのは、四角のところの最後、括弧で書いていますけれども、事前届出免除制度を利用できない外国投資家ということを基本的には想定しておりまして、こちらは7ページ目の一番右のオレンジの属性の者が該当するものでございます。外為法違反で処分等を受けた者ですとか、外国政府や国有企業等、また特定外国投資家、こういったものが想定されるのではないかという整理をしております。
次の論点に移りまして、非指定業種への対応というところでございます。9ページ目に移りまして、四角囲みですが、特にリスクの高い投資家の投資でありまして、それが非指定業種に対してのものであるという場合ですが、こうした投資について、国の安全に係るリスクが顕在化した場合に、事後的な対応で何かできないかということでございます。チェックマークにあるとおり、こういった対応を考える場合には、国際約束との整合性も確保しなければならないという点が留意点だと思っております。こちらで具体的に想定していますのは、国際投資協定ですとか、そういったものの整合性というものが出てくるとは思いますけれども、他方で、国の安全に係るリスクが顕在化するといった場合には報告を求めていくということが必要ではないかと考えております。
報告を求めまして、それに基づきまして、下のチェックマークですけれども、そちらのほうで何かしら問題があるといった場合には、リスク軽減措置を求めるですとか、株式の処分や必要な措置の勧告・命令につながっていくということを検討してはどうかというところでございます。現行の規定ですと、こちらの非指定業種につきましては、届出の対象外ということで、基本的には実施後に事後報告を求めるということにとどまっておりますけれども、2番目のチェックマークのような措置につながっていくことができるというところが新規の内容になると思っております。
また、「なお」のところに書いておりますとおり、報告を求めて、勧告・命令をするということで、一定時間を要することが想定されますけれども、何かしら緊急事態であって早い対応が必要であるということも出てくるのではないかと思いますので、その場合、緊急対応が必要な場合に限りまして、勧告を経なくても命令をすることができるということも併せて備えておいたほうがよいのではないかと考えております。現行制度でも、無届の場合のケースですと、勧告を経なくても命令をすることができるというものもありますので、そういった対応も踏まえて検討していくことが必要なのではないかと考えております。
最後のところですけれども、こちらにつきましては、謙抑的な制度を考える必要があろうということでございまして、基本的に、図で言いますと、こちらの赤のところの外国投資家に絞るということですが、特にリスクが高い外国投資家の投資ケースということに限定してはどうかということで、先ほどの外国投資家と同じ考え方でございます。また、株式・議決権の10%以上の取得等のケースに限定してはどうかというところでございます。
加えて、こちらの事象が生じた場合に、過去に行った投資について、何かしら対応を取らないといろいろ手遅れになるということもあろうかと思いますので、一定の遡及期間ということを設けてはどうかということを考えております。
こちらの対応に関する具体的なイメージとしましては、例えば、感染症が蔓延するような事態におきましては、マスクとか、例えば医療薬品ですとか、そういったものが生活ないしは生きていく上で必需品になるというケースもあるかと思います。通常時、マスクに関連する業種は非指定業種になっておりますけれども、そういったものの業態に対する投資について、こちらを報告対象に求めていくといったこともあるのではないかということを考えております。
一定の遡及期間とか、もともとの事後介入の対応がほかの諸外国でどうなっているかということをまとめたのが次の10ページ目でございます。こちらにつきまして、諸外国のほうを眺めてみましても、投資後に必要に応じて事後的に介入する例というのが設けられているという一覧でございまして、アメリカ、イギリス、ドイツ、カナダと載せております。
こちらについては、特に安全保障上の懸念が生じているというケースに大体限定されているというのが共通点と、あと一定の遡及期間ということを設けているというところも共通でございまして、アメリカが、取引実行日から3年間に限って遡及できるということ、また、イギリス、ドイツ、カナダにつきまして、いずれも取引実行日から5年間に限って審査を行うことができるとなっており、遡及期間の検討につきましては、こういった諸外国の制度、考え方も一つ参考になるのではないかと考えております。
最後の論点です。12ページ目の執行体制・情報発信の強化というところでございますが、四角のところですけれども、届出件数の増加、また安全保障環境が厳しくなっているという状況下の中で、こういった投資審査の執行体制を強化していくですとか、投資家の情報発信をさらにやっていかないといけない。また、業務も複雑化していますので、DXの推進も必要であろうということをまとめております。
1つ目のチェックで書いていますのが、特に安全保障関連部局等との連携がますます必要ということでございまして、現行制度では、外為法第69条の3に、財務省及び事業所管省庁が関係行政機関に協力を求めることができるという規定がございます。さらにリスクが高いケースを想定し、これをさらに強化していく、意見を求めることが「できる」ではなくて、基本的には求めるといったことも考えられるのではないかという点です。
また、その関係省庁というところで、財務省及び事業所管省庁で、現行では事業所管省庁は基本的に経産省のケースが多いんですけれども、それのみの審査というだけでなくて、国家安全保障局をはじめとする安全保障関連部局等との連携、協力関係、そういったものを審査の中で行うということを求めていくということが必要ではないかと考えておりまして、特にここの「国家安全保障局をはじめとする」という中では、情報機関との連携ということも視野に入ってくると思いますし、今並行して、国家情報局の議論なども行われているというところでございますので、そういったところの強化と並んで審査体制を強化していくということが必要ではないかと考えております。
特にこちらにつきましては、報道でもいろいろ出ていますけれども、日本版CFIUSというものが必要ではないかということが自民党・日本維新の会の合意事項の中でも明記されているところでございまして、両党においても、こういった必要性ということが議論されている事案になっているということでございますので、我々としても、そういった意見も踏まえながら、ここに書いているような内容を基本として検討していくことを考えているところでございます。
また、次の点は、事後モニタリングの強化というところでございまして、これまでの分科会でも、委員の先生からこちらの点も必要だということで御指摘を頂いております。事前の審査ももちろんですけれども、事後でも見ていかないといけないのではないか。また、そのためには、地方支分部局の活用も含めまして、モニタリングを強化していく必要があろうというところを考えております。
また、DXですけれども、こちらは2028年度を目途に、事前届出書や事後報告書等につきまして、デジタル化していくといったことを今考えておりまして、予算要求なども行っているところでございますけれども、そういったシステムを導入していきたいと思っていますので、こちらを活用しながら、今届出件数が増えているという中で、効率的、実効的なモニタリングということを可能にしていきたいと思っております。
また、情報発信のところにつきましては、基本的に今アニュアルレポートでいろいろと発信をしておるところでございまして、その強化ということもしっかりやっていきたいと思っております。
室長のほうから、7ページ目について追加での補足説明をさせていただければと思います。
○宮地大臣官房企画官7ページの免除基準の表ですけれども、御案内のとおり、右端のオレンジの部分で、外国政府、国有企業等は事前届出免除制度を利用できないということになってございます。これまでの議論の中でも、免除制度の中で、外国金融機関であるとか、一般投資家の青の部分というのは適切に運用されているかという議論があったかと思います。
そうした中で、外国金融機関や一般投資家の場合であっても、国有企業には該当しないものの、例えば外国政府や国有企業などから出資を受けているような場合というのは、少なくとも免除制度自体は御利用いただけるとは思うんですけれども、少なくとも外国政府等の指示を受けて議決権を行使しているということに仮になってしまいますと、本来オレンジで処理されるべきものが適切に処理されないということになってしまう可能性がありますので、外国政府や国有企業等の影響を受けないということを確認、担保できるということが必要ではないかと考えておりまして、そういった論点をボックスのところに記載をさせていただいております。
○春木調査課長ありがとうございました。我々からの説明としては以上になります。
○神作分科会長どうもありがとうございました。
それでは、意見交換に移りたいと存じます。
委員の皆様におかれましては、従前どおり、御発言の際には、御臨席の委員の方は名札を立てていただき、また、オンラインで御参加の委員の方は、事前に事務局より御案内をいたしましたとおり、御発言の意思をシステム上の挙手を使って事務局までお知らせいただければと存じます。
御臨席の委員の方から先に御発言を頂き、次にオンラインで御参加の委員の皆様に御発言を頂きます。万一順番が前後してしまったような場合には御容赦を願います。
御発言の御希望を既にたくさんの方から上げていただいております。それでは、原田委員、お願いいたします。
○原田委員御説明ありがとうございました。2点お伺いをさせてください。
まず1点目としましては、今ちょうど補足で御説明いただいた7ページに関するところなんですけれども、一般投資家、外国金融機関、指示を受けて議決権行使をしている場合は確認が必要だというお話、補足で御説明を頂きました。議決権行使を指示を受けてしているかどうかというのは、恐らく分からないのではないかと思うんですけれども、株主招集通知が来て、2週間少々で議決権行使をします。そのときに、では、どうやって指示を受けているか、その判別はほぼ不可能ではないかと思うんですけれども、その点について、可能であるという考え方があるようでしたら教えていただければと思いました。これがまず1点目になります。
もう一点は、これも先ほど12ページで御説明いただいたデジタル技術の活用に関することで、2028年を目途に新システムが導入される御予定であるということが分かり、効率性が上がるのかなと感じました。どのレベルの効率性の改善になるのか、どういう新システムになるのかというところのおおよその見通しがあるかと思うんですけれども、その点について教えていただければと思いました。
今民間では、生成AIを使って効率化は随分と進んでいますし、複数のAIエージェントを組み合わせて、その窓口として生成AIのチャットの機能を使ってエージェントに働いてもらうような、そういう組み合わせた形でのシステムの効率化というのは大分進んでいるかと思いますので、同じようなレベルでの効率化が目指されているのか、そういうところについても教えていただければと思いました。
以上になります。ありがとうございました。
○神作分科会長どうもありがとうございました。
既に大勢の委員の方から御発言の希望を寄せていただいております。時間の関係もございますので、まとめて御質問やコメントを頂戴し、その後事務局からまとめて御回答及びコメントをしていただきたいと思います。
木村委員、江藤委員、佐藤委員、渡井委員、河野委員、下坂委員の順に御発言を頂きます。
では、木村委員、どうぞ。
○木村委員御説明ありがとうございました。
私のほうから、対内直投審査制度と国際金融情勢についてお伺いできればと思っています。
対内直投審査制度は、12ページの執行体制・情報発信の強化に関してですが、関係省庁との連携の項目です。これは、今回財務省及び事業所管官庁が国家安全保障局をはじめとする安全保障関連部局等と協力して審査を行う体制を強化すべきではないかと書かれました。当然リスクへの対応の観点から、関係省庁と連絡を密にして情報交換するというのは極めて重要なことだとは思いますが、教えていただきたいのは、今回、経済産業省だけでなく国家安全保障局と協力する意義です。先ほど調査課長が簡単に御説明されていましたが、改めてその意義みたいなものについてお伺いできればというのと、国家安全保障局と協力した審査と明記することで、外為法のもう一つの柱、対内直接投資の促進という原則を妨げることにならないと思いますけれども、念のためにこれはお伺いできればと思っております。
それからあと、その関連で、調査課長からも御説明がありましたように、日本版CFIUSとの関連がお話しされました。日本版CFIUSが様々な法体系の中でできていくと思うんですけれども、今回の外為法改正がその中でどういう役割なのかに関して、もし御教示いただけるところがあれば教えていただければと思います。
あと国際金融情勢に関して短くお伺いしたいと思います。1つは、11月のG20サミットの関連です。サミットを提唱したアメリカが初めて今回欠席して、世界最大の経済大国が不在の中で首脳宣言を採択するという極めて異例の事態となりました。戦後の国際秩序を支えてきた多国間協調が危機に瀕していると思いますが、12月からはそのアメリカが議長国を務めていると伺っています。
来年から本格的にアメリカ議長国の下でG20運営がされるわけですけれども、これまでG20として取り組んできた途上国債務とか、あるいは気候変動、あるいは反保護主義とかという取組が後退するのではないかという指摘もありますが、実際どのようなものになるのか。アメリカに聞いてくれということかもしれませんけれども、どのようになるのか。あるいは日本としてどのような役割を担っていかれるのか。財務トラック中心になると思いますけれども、もし見通しを御教示願えればというのと、長くなってすみません。
もう一点だけ、G7財務大臣会議についてなんですが、ウクライナ支援に関してです。支援は国際秩序を守る上で非常に大切なことだと思いますので、今後も、新政権になってもしっかり議論をやっていただきたいと思います。声明で、ロシアの国家資産を我々の管轄下に置いて動かせなくしている、凍結している「ロシア国家資産の全額の価値を活用する可能性も含め」とあるんですが、ユーロクリアのロシア凍結資産を全額活用することは、これまでも国際法との整合性の関連で問題があるんじゃないかという話を聞いていました。今回の声明は国際法との整合性との関連で問題ないのかどうか、日本としてどう対応するのかに関しても併せて教えていただければと思います。
以上です。
○神作分科会長どうもありがとうございました。
続きまして、江藤委員、御発言ください。
○江藤委員詳細な御説明を頂きありがとうございました。
対内直接投資審査制度については、非常に細やかな配慮をされた内容で拡充されており、私は非常に納得感を持って拝見しておりました。
他方、こちらの国際金融システムに関わる部分なんですが、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジについて1点コメントさせていただきたいと思います。
こちらの今回のハイレベル会合には、実は中国のほうも非常に関心を持っていたということもあり、参加もあったというふうにも耳にしておりますけれども、この保健の取組は実は中国が弱いところなんです。日本からもっと学びたいと思っており、また、同時に、先ほど安倍総理の下で、2014年、2015年ぐらいから話が進んだという御説明があったように、WHOの議論を基にして、これは日本がイニシアティブを取って展開してきた外交上のレバレッジになる案件であろうと思っております。
昨今、現状にそぐわないような対日批判がたくさん出ておりますので、カウンターナラティブに当たる部分として日本がどれだけ貢献してきたのかということを正面から取り上げることのできる極めて重要な案件の1つであろうと思いますので、これはポジティブな意味での国家安全保障局との連携も含めた案件として重視できる部分であり、また、中国との協力案件、これはまだ十分に協力が熟成してからということで、あまり大々的に記録にも残さなくてもいいのかもしれないと思うぐらいのところなんすが、協力案件として丁寧に取り組んでいくべきことだろうと思いますので、極めて興味深く今日の御説明を聞きました。どうもありがとうございました。
○神作分科会長どうもありがとうございました。
続きまして、佐藤委員、どうぞ御発言ください。
○佐藤委員詳しく御説明いただきましてありがとうございます。
まず、対内直接投資の審査制度に関して幾つかコメントがございます。
まず、4ページから5ページのところですけれども、日本国内の投資家であっても、外国からの影響を受けている場合は、それは例えば事前届出の対象にする、あるいはしないというふうに、より細かくチェックするというのはとてもよいことだと。この会議でもずっと議論してきたことですけれども、例えば4ページのところにあるように、日本の投資家に対して国外の投資家が何らかの影響力を持っているというものをどのようにうまく把握できるのか、実効性はどうなのかというところはすごく気になるところで、仕組みはよいとしても、実効性が十分でないとなると、非常にもったいない取組になると思います。こうした国内投資家というのが、実は数が少なくて、公にはできなくても、ある程度捕捉できているのであれば特に問題はないのだと思いますが、こうした点について、差し支えのない範囲で御教示いただければと思っております。
今のは国外から国内の投資家に対する影響力ですけれども、先ほど室長より追加で御説明いただいたところがあったと思います。ページ番号で言うと7ページのところですけれども、私の理解は、これは今度は国外から国内ではなくて、国外の間でもこうしたことが起こり得るということかなと。原田先生もこの点を指摘されておりましたけれども、こうなると、また、なかなか把握するのが難しくなるのではないか、少しハードルが高くなるのではないかと思いました。よい取組なんですけれども、実効性は大丈夫なのかというのは少し気になるところです。
続きまして、9ページ以降は、今までは事前対応ですけれども、事後対応に関わるところで、事後対応のところをかなり踏み込んで取り組んでいらっしゃるので、これまでの議論を踏まえて改善されているんだと思いました。
私がここで質問したいところなんですけれども、例えば図の中で、特にリスクが高い外国投資家というのをとりわけ取り上げて、例えばその図の1つ上にある「投資家の予見可能性と確立した投資財産の」というこの3行なんですけれども、これは、結局特にリスクが高くて10%以上取得した後、そうした後に限定してこうした一定の遡及期間を設けるというふうな趣旨だと理解したんです。その前の2つというのは、とにかく国の安全を損なう場合は、これは事後対応するんだということなので、この3番目だけ少し不要なのではないか。最初の2つで十分なのかなと、説明を受けていて感じました。ですので、その点が質問でございます。
あとは一番最後のページなんですけれども、外国投資家や発行会社等に向けた情報発信の1番目のところで、「より積極的な情報発信が必要」というところで、これもこの会議で繰り返し取り上げられているように、非常に重要なところだと思います。一方で、投資をちゃんと促進したい。だけれども、国の安全を損なうところは、ちゃんとチェックをかけて網をかけたいという2つの相反することをしようとしているので、今回のこの取組が規制を強化するものではなく、投資をもっと呼び込む目的があるんだということ、そういう印象を与えるような、そうした情報発信が必要ではないか。
前回も私は申し上げましたけれども、例えば事前審査の件数が今回の取組によって大分減るとか、少し数字などを見せていくと非常に分かりやすくメッセージとして伝わるのではないかと思いますので、そうした工夫をぜひここで行っていただければと思います。
国内投資に関しては以上でございまして、最後に、前半の国際金融情勢についてのところで1つだけ感想を述べさせていただきたく思います。簡潔に済ませるようにいたします。
一番最後のページで、ASEAN+3の財務プロセスにおける優先議題なんですけれども、これはいずれも非常に重要な議題で、これも御説明いただきましてよく理解ができました。この中で、恐らく新たに取り入れたと思われる一番最後のクロスボーダー・デジタル決済、これについて、これは非常に重要だと思っている委員の先生方も多いかと思うんです。
これは、最も注目されていることの1つで、例えばこのクロスボーダー・デジタル決済の制度構築いかんによっては、アジア域内の現地通貨立て取引を促進することにつながるかもしれないし、あるいは逆に、ドル立ての取引というもののドミナンスをより強めることにつながるかもしれない。それを左右する重要なところだと思っております。そのときに、では、今度円の役割はどうなのか、あるいは日本の貢献はどうなのかというところも非常に重要ですので、今後この分科会でこうした内容について継続的に御紹介いただければ大変うれしく思います。
以上となります。
○神作分科会長どうもありがとうございました。
続きまして、渡井委員、どうぞ御発言ください。
○渡井委員ありがとうございます。渡井でございます。
私は、対内直接投資審査制度について、3点お伺いしたいと思います。
まず、外国政府の支配、影響下にある投資の捕捉について、リスクの高い投資家を念頭に、外国投資家の範囲を見直すことに賛成でございます。今回の見直しの基準は、特定外国投資家の概念とも合致するものであると思います。
問題になりそうなのは、外国投資家に代わって国内の居住者が投資を行っている場合に、事前届出を要するにもかかわらず、それをしていないケースへの対応です。参考条文に挙げていただいた27条14項の適用は、実効性の確保をどうするのかという御意見に通じる問題で、立証責任の問題などいろいろ課題が多いとは思いますが、27条14項の在り方についてお教えを頂ければと存じます。
そして2点目は、非指定業種への投資に関するリスクへの対応ですけれども、こちらはリスクの高い投資家については、指定業種、非指定業種の別を問わずに、原則として事前届出を課すという発想であろうと思います。外国投資家の範囲にも関連する問題であり、諸外国の制度比較表をお示しいただきましたが、日本でも非指定業種の件に限らず、職権での調査や審査を検討する余地があるのではないかと思います。
そして最後に、投資は自由であって、事後届出の原則の下でリスクの高い投資を捕捉するために、本日の御提案には賛成でございますが、一方で、事前届出の在り方や免除制度の利用をめぐる制度が非常に複雑になってきたというのも事実であると思います。御説明にあった情報発信の強化は非常に重要であると思いますので、この点を十分にお願いしたいと思います。
以上でございます。
○神作分科会長どうもありがとうございました。
続きまして、河野委員、お願いいたします。
○河野委員ありがとうございます。私は、ほかの委員の方々とほぼ重なるところが多うございますので、短くコメントさせていただきたいと思います。
4ページと5ページのこれから外国政府等の支配・影響下にある投資、特に国内における指示あるいは投資家をどのような形で情報を得るのかというのは、恐らく最後の12ページの執行体制とも関わってくると思います。特に契約がある場合というのは、結局契約まできちっと当局が把握されることになるということがありましょうし、それから、もっと影響があるとか特別の関係にある、指示があるというのをどのような形で当局が特定されるのか。恐らく執行体制の中で、情報をいろいろな形で得る努力をされるのかなと考えましたけれども、この点を執行体制との関係でどのようにお考えになっているのかを伺いたいと思いました。
それからもう一点、第1議題の国際金融情勢についてで、G7の財務大臣共同声明の部分なんですけれども、重要鉱物のサプライチェーンについての議題でございます。確かに財務省の方々との関係では、サプライチェーンあるいは輸出管理といったところが重要になると思うのですけれども、この重要鉱物の開発の問題、今特定の国に重要鉱物の産出先が限定されているというところがあって、この重要鉱物は、それでも例えば日本の南鳥島の沖合の重要鉱物の可能性ですとか、そういった新しい資源というのが指摘されていると思うんです。こういった点についてはいかがでしょうかということを伺いたいと思います。
以上でございます。
○神作分科会長どうもありがとうございました。
続きまして、下坂委員、どうぞ御発言ください。
○下坂委員ありがとうございます。私からは対内直接投資審査制度に関して御質問を申し上げます。
資料9ページの非指定業種への投資に関する国の安全に係るリスクへの対応の部分について、今回の案では、特にリスクの高い外国投資家による非指定業種への投資に対して、事後的に介入する制度を設けることを想定されています。本来であれば、投資家自らが、自身の予見可能性を確保する観点で、指定業種であるか否かにかかわらず、自主的に届出を行い、審査当局が審査を受け付けるような仕組みが望ましいと考えております。今回の措置案では、そうした自発的な届出への対応も想定されているという理解でよろしいでしょうか。
我が国の安全を損なうおそれが認められる場合に、日本政府が事後的な対応、介入ができる抑止力を持つことは、昨今の厳しい経済安全保障環境を踏まえ、非常に重要であると認識しております。しかし、こうした制度があるということと、実際に事後介入するかどうかということは、事後介入すれば結果的に非常に多方面にわたる影響をもたらすことがあり得ますので、そうしたことも踏まえた御判断というものが必要になると考えております。
また、今回の措置案は、非指定業種への投資に限定される、すなわち、指定業種は事前届出の対象であるため、事後的な対応は特段検討しないという御趣旨でしょうか。それとも、指定業種も含めて同様の検討を行う可能性があるのか、対応についてお伺いできればと存じます。よろしくお願いいたします。
○神作分科会長どうもありがとうございました。
続きまして、清水(剛)委員、どうぞ御発言ください。
○清水(剛)委員どうもありがとうございました。私のほうも一部重なるところがあると思うのですが、まず、今の話になります。非指定業種の話ですけれども、リスクの高い投資家に限定して、かつその10%という基準を置くことによって、ある種範囲を狭めることはできるような気もする一方で、では、それ以外のときに何か起こったらどうしましょうかという話は出てくるような気がするので、これに関しては、これは佐藤委員と私も同じ意見なんですが、3点目は本当に必要なのかなと思ったところでありまして、逆に言うと、これを絞るのだったら、もう少し別なところで絞るとかいうことを考えてもいいのかもしれないと思いましたというのが1点目でございます。
2点目ですけれども、これはどうしても委員の側からすると、こういうこともある、ああいうこともあると長くなるのですが、一方で、財務省並びに関係の省庁の資源を使うことでありますので、これをやることによって、どれぐらい負荷がかかるかというのは考えなくてはいけない気がします。なので、何でもいいわけではないですので、特に事後審査まで入ってくるとそれなりに負担もかかる話になりますので、何件ぐらい増えるかというのは今の段階で、もちろん分からないわけですけれども、負荷をかけ過ぎないような形にしなくてはいけないのではないかということを思っておりまして、場合によっては、先ほどの絞り込む話に戻ると、そういう意味では絞り込むというのは必要ではないかと思っているので、ただ、リスクの高い外国投資家でかつ10%という絞り方がいいのか、ほかの絞り方でうまい案件の絞り方があるのかというのは少し検討の余地があろうかと思ったところでありました。
以上でございます。
○神作分科会長どうもありがとうございました。会場に御参加の皆様からは御発言を頂きました。
続きまして、オンラインで御参加の委員の皆様に御発言をいただきたいと思います。清水順子委員、根本委員、杉山委員、五十嵐委員の順番で御発言をお願いしたいと思います。
清水順子委員から、どうぞ御発言ください。
○清水(順)委員ありがとうございます。
私は、最近の国際金融情勢の最後のASEAN+3財務プロセスのところで、お願いと質問がございます。
まずは、2026年は日本が議長国ということですので、このASEAN+3はアジア通貨危機以降、当時の宮澤大臣の提案を基に、アジアの域内金融協力を進めるという目的で創設された体制だと思うんですけれども、四半世紀が経過して、当初の通貨危機を予防しようという目的、特にバランス・オブ・ペイメンツのクライシスに対してどうやって事前に供給するかといったような目的から、アジア各国の経済状況というのは大分変わってきていると思います。
この日本が議長国であるタイミングで、この25年間の見直し、チェンマイが結局使われてこなかったということも含めて、チェンマイ、AMRO、ABMIなど、見直しをした上で、今後のアジアの長期的な展望の下で、どのような金融協力を進めるべきなのかということをぜひ議論を進めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
その上で2つ質問があります。まずは、ABMIのところにありますように、この文章が私はよく分からないんですが、アンダーラインが引かれているところが、直接金融の市場全体なのか、直接金融市場全体を包括するのか。債券市場育成から直接金融市場となると、そういった銀行間の融資なども含めたそういったことを考えていらっしゃるのかどうかといったところをお聞きしたいと思っております。
もしそうであるとすれば非常に興味深いので、具体的にどういうことを想定されているのかというのもお聞きしたいと思います。
また、ABMIというのは、アジアの貯蓄をアジアの投資にということで、債券市場拡大を進めてきたんだと思うんですけれども、現在中国を中心に債券市場を拡大しているということで、日本がアジアにもっと投資ができればいいといつも考えているんですが、そういった点で、NISAも始まって、分散投資の中で、アジアにも投資できるように、できればABF3のような、今こそそういうアジア・ボンド・ファンド3みたいなものをつくって民間が投資できるような体制というものも必要ではないかと思っております。その辺りももし御意見がありましたらよろしくお願いします。
2点目が、クロスボーダーのデジタル決済ということで、現在スマホアプリを通じたリテール決済というのは、インバウンドを通じて非常に拡大していると思います。これはいいことである反面、これ以上拡大したときにどういうリスクが顕在しているのかということも考えていかなければならないと思います。
また、3メガを中心としたステーブルコインのアイデアとかも出てきておりますので、ぜひ日本が主導して、安全で安心なクロスボーダー・デジタル決済を進めるということも、何かお考えとか、今後の予定とかがありましたら教えていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○神作分科会長どうもありがとうございました。
続きまして、根本委員、御発言ください。
○根本委員ありがとうございます。
私も2つ質問があって、1つは、今清水委員のおっしゃった点に重なるところがあるんですが、これまでの総括は非常に重要かなと思いますし、このアジア債券市場育成イニシアティブ、この発展をもう少しお伺いしたいと思いました。
また、今の枠組みの中にあるDXとかグリーン対応、これが順調なのか、あるいはもう少しさらにいろいろ必要な面があるのか伺えればと思いました。というのも、例えば日本でも今債券というのは、SDGs債が非常に急速に拡大していて、残高の2割以上を占めていますので、そういったことも含めて、グリーン・トランスフォーメーションとか、そういうものに十分対応できるようになっているのかを伺いたいと思いました。
あとは、対内直接投資の12ページのところなんですが、効率性というところで、システムを導入されて非常にいいと思うんですけれども、28年度に関して遅くないのかなという感じがしまして、もう少し予算的に優先度合いを高くしていただけないのかということと、これを拝見すると、新システムのデータベースを活用してとあるので、それまでには、あまりブレークスルーみたいなものがないのかという印象も受けたんです。例えばAI活用とか、原田委員もおっしゃっていたんですが、なるべく迅速にしたほうがよろしいのではないのか。
今日、日経新聞の社会面ではあるんですけれども、国税庁が所得税追徴最多とあって、調査にAI活用が進むとありまして、申告漏れの可能性が高い納税者を予測するAI活用の効率化が一因と書いてあるんです。同じ建物の中でもこういうことをされているので、こういったノウハウなども取り入れる余地がないのかを伺いたいと思いました。
以上でございます。
○神作分科会長どうもありがとうございました。
続きまして、杉山委員、どうぞ御発言ください。
○杉山委員ありがとうございます。
私からは、重要鉱物に関して1点、質問がございます。
日本、米国、EU、韓国の重要鉱物に関する政策的アプローチはそれぞれ特徴があると思います。これらの比較を踏まえて、財務省として、国際金融面から、どの課題を特に重視しているのか御説明いただけるとありがたく存じます。
以上でございます。
○神作分科会長どうもありがとうございました。
続きまして、五十嵐委員、御発言ください。
○五十嵐委員ありがとうございます。私からも、対内直投に関する資料の9ページと12ページについてコメントさせていただきます。
まず9ページ、非指定業種に対する事後的な介入の在り方に関しまして、具体的な事例を念頭に置いて1点質問させていただきたいと思います。
例えば外国政府系の投資家が日本企業に投資を行う際、当該企業が造園工事業や真珠養殖業といった指定業種を営んでいるために、形式的には事前届出審査の対象となり届出が提出されるケースがあるとします。このような指定業種に基づく届出審査では、実質的な審査はほとんど行われず、極めて簡易な手続で終了することが多いと認識しております。後日、この対象会社が例えば自衛隊基地の施設設備の構築といった実質的に高い機微性を有するような事業を行っていたことが判明した場合、既に指定業種を理由とする事前審査が一度行われているので、非指定業種についての新たな機微性が判明したとしても、その後は審査や介入の対象とならないという整理になるのでしょうか。
もし一度指定業種を理由とする届出審査を受けていれば、その後は基本的には対象外という整理になるのであれば、当初の事前届出審査の段階で、指定業種以外の事業も含めて、企業全体の他の事業への展開等も含めた安全保障リスクを網羅的に審査することが必要となってきそうに思われます。しかし、現行制度では、届出はあくまでも指定業種に紐づけられていると理解しておりますので、指定業種以外の事業までどのように実際審査対象として踏み込めるのか。法制上、実務運用上、どのような形になるのかというところが疑問と思っております。
指定業種の届出審査が行われた案件について、その後で非指定業種側で新たな安全保障リスクが判明した場合に、事後介入の制度によって改めて審査、勧告の対象となり得るのか。あるいは指定業種について審査を経た案件は原則として事後審査の対象外とするのかというところについて、制度設計上の今のお考え方をお伺いしたいと思います。
先ほど他の委員の方からも御指摘がありましたが、9ページの資料の箇条書きの3点目、絞り込みをする必要があるのか、どのように絞り込むのかという辺りについて、そして遡及可能期間、次の10ページで他国の例を挙げておられ、取引実行日から原則何年間に限りであるとか、当局が取引を認識した日から何か月以内に限りという形で実例がございますので、恐らくそういったイメージなのかなとも思いますが、この遡及可能期間の具体的な考え方についても、可能な範囲で今御説明いただけますとありがたいと思います。
2点目といたしまして、資料の12ページでは、省庁連携、省庁横断での知見共有ですとか相互協力を強化される方向性が示されており、大変重要な取組であると理解しております。ただ、実務の観点から申し上げると、現状の省庁間の情報や評価の分断というか、乖離によりまして、投資家、企業側から見て、審査の透明性、予見可能性が損なわれる場面が散見されることは否定し難いようにも思われます。どの観点で安全保障上のリスクが認定されているのか、どの情報で得た技術評価が重視されているのか、具体的な判断主体がどこの省庁なのかといった辺り、透明性の向上に努めていく必要があると思います。
前回の分科会でも申し上げましたが、資料の箇条書き2点目にございますような、投資動向や審査手法の知見共有といったところにとどまらず、審査のプラットフォームを実質的に共有して、各省庁間で審査の結果、懸念点、評価、データなどがシームレスに連携されるような仕組みの構築、必ずしも容易ではないと理解はしておりますが、ぜひ御検討を始めていただく必要があるのではないかと思っております。
加えて、省庁連携の強化は、事後の局面でも重要と理解しております。対内直接投資が届出をして終わりということではなく、継続的な事後モニタリング、コベナンツの遵守状況の確認、技術移転や情報流出等のリスクの変動要因の把握といったある程度サステーナブルな長期的な視点での検討が必要になろうかと存じます。事後の局面におきましても、様々なデータや判断指標等々が個別の省庁内に閉じられてしまって他省庁へ十分共有されないということのないように、執行のシームレスな連続性に欠けないように、モニタリングの結果ですとか、新たに把握されたリスク情報につきましても、省庁横断で共有し、必要に応じて執行措置に連動させていく。そうした実質的な協力枠組みの構築が必要だと考えております。
政府内の審査、監督体制を実質的に可能な範囲で統合して、どの観点で何が問題となるのかというところ、その辺りが投資家や企業に理解してもらえる制度に再設計できるかどうかという観点もぜひお含みおきいただきながら御検討いただけるとありがたいと思います。
以上です。
○神作分科会長どうもありがとうございました。
続きまして、オンラインで御参加の伊藤委員と植田委員からも御発言の希望を寄せていただいております。
伊藤委員から、どうぞ御発言ください。
○伊藤委員伊藤亜聖です。
対内直接投資のスライドの5枚目の箇所なんですけれども、左下、特にリスクの高い外国投資家との関係の御説明を頂きました。また、ほかの委員からも御質問があったかと思うんですけれども、この特別の関係等々の実効性ということもあるんですけれども、全体の仕組みとしてどういうふうに理解すればいいのかという御質問です。実質上、この関係を特定することは困難な場合が多いので、遡及をできるようにする、遡及を拡大すると、後段の何枚目でしょうか、資料があったかと思うんですけれども、9枚目の点につながると理解してよろしいでしょうかというのが質問です。
その場合に、事前届出に一定の漏れあるいは内容に不備があった場合に、必然的に事後モニタリングを相当体系的にやっていく必要があるという論理展開になるのではないかと私は理解したんですけれども、その場合に、資料の12枚目に記載いただいているモニタリングを一層強化していくべきといったときに、具体的に、例えば指定業種を中心にやるのか、あるいは完全にランダムサンプリングで一定数をやるというふうに想定すればいいのか、ある程度の見通しがあったほうがよいのではないかと思いました。
私からは以上です。
○神作分科会長どうもありがとうございました。
続きまして、植田委員、どうぞ御発言ください。
○植田委員今日はオンラインで失礼させていただきます。体調が悪くてすみません。
全体的に非常に一生懸命案を練っていただきまして、事務局の皆様、お疲れさまです。ありがとうございます。
初めから言っていると思うんですけれども、経済安全保障という名の下に、いろいろなところに規制をかけていくというのはよくないので、あくまでも、そもそもそれが何の目的だったのかを思い出しながら、あまり広くならないように、そして、できる限り、直投に関しては5年目ということで、見直すということでやっているということですので、いろいろな委員の皆様から意見が出ていましたように、複雑化はしているものの、どちらかというと緩和方向であるということをしっかりとメッセージを出していただければと思います。
あと、この直投に絡めて、大分違うんだと思うんですが、ASEAN+3のところでは、不思議ではないですが、正しいことをやっているんですけれども、よりASEAN+3で頑張っていろいろと金融をやっていこう、債券市場を育成しようとか、ペイメントシステム、決済もしっかりとみんなで頑張っていこうと言っております。このときに、直投というのは株式投資なんですけれども、全体が一緒に出てくると、株式投資は規制するという意見をひたすら交わしている中で、債券市場はどんどんと投資しようという話にある意味でなっておりまして、普通の金融の話から言うと、債券も株もあまり差をつけずに、両方とも自由にできたほうがいいんですけれども、どうしたわけか、差ができていく。
差が出てきているというのは、先ほど申しましたとおり、コーポレートコントロール、企業へのコントロールというのが債券のほうには生まれないけれども、株式投資には企業へのコントロールが生まれるからだということで、つまり、企業へのコントロールが生まれなければ、別にお金が債券を通じて来ることはいいんだということだと私は思っているので、債券のほうに特に制限を設けないということで、むしろ今後も一生懸命みんなで互いに投資していこう、債券市場を育てていこうということだとは思うんです。
それで、私もあまり規制強化というのは好きではないんですが、ただ、ちょっと気になることがありまして、企業がもし仮に倒産に近い状況になる場合、倒産という場合になってくると、日本ですと、会社更生法とか民事再生法というところで、私は法律家ではないのであまり詳しくは分からないんですけれども、経済学的に言うと、そのとき何が起きるかというと、再生計画をつくるときとかに、債権者の方々の意見をしっかり聞きながらやるということが起こるはずなんです。
そのときに、債券をたくさん持っている、先ほど来出ている諸外国の政府関係のところの方が、投資家が大量に債券を持っているその企業が民事再生手続とかに入った場合にどれだけ再生計画に乗ってくるのかとか、もしくは、そのときに再生とか会社更生の一貫として、デッド・エクイティ・スワップなんかも使われる手法の1つとしてあり得ると思うんです。エクイティにスワップされちゃったら、一気にさっきの直投の問題に結びつくような気もしないでもないと思っていまして、私としては、できるだけ規制をかける必要はないと思う一方で、債券と株式の間の微妙な、通常だと分かれているんですけれども、倒産とか倒産状態のようになってくると、あまり債券とエクイティの差がコーポレートコントロールに関して差が出てこなくなるといえば差が出てこなくなるので、その辺は何か手当てをする必要があるのかどうなのかというのは気になってきた形でございます。
私のほうは、どちらかというと、法律の専門家の方にお聞きしたほうがいいかと思いますので、ここまでのコメントと、御意見というか、質問にさせていただきます。よろしくお願いします。
○神作分科会長どうもありがとうございます。
本日御参加の委員の皆様からの御発言、御質問等を頂きました。大変ありがとうございました。
ここでまとめて事務局から御回答あるいはコメントをお願いしたいと思います。
池田課長から、お願いできますでしょうか。
○池田国際機構課長ありがとうございます。
それでは、国際金融情勢に関する御質問、まず木村委員から頂いたG20関連の御質問からお答えいたします。
まず、アメリカ議長年における優先課題ということです。こちらは、まだまとまった形では公表されておりませんけれども、例えばつい昨日、アメリカの財務省が主催している金融安定監視評議会、FSOCにおけるベッセント長官の冒頭発言がトレジャリーのウェブサイトに載っています。これを見ますと、我々が来年G20のホストをするときのプライオリティ課題は、経済成長の促進である。そのために、技術革新の促進や規制改革を取り上げていくということが述べられています。
また、ルビオ国務長官が12月の頭にXで発信をしておられますけれども、その際に、成長促進のために、規制改革ですとか、あるいはエネルギーの安価、そして安全な供給の実現、それから、新しい技術やイノベーションの促進ということが発信されていると承知しています。
また、G20そのものにつきましては、先ほどお話しいたしました首脳声明の一番最後のところで、これからの取組ということで、来年はアメリカ議長国で共に取り組みます。そして、2027年には英国でやります。2028年には韓国でやりますということが書かれていて、引き続き継続して議論していく枠組みとして機能していくことがうたわれています。その上で、もちろんG20を継続していくわけですけれども、その中身ですとか進め方に関しましては不断の見直しが必要だと思っていますし、我々日本としても、貢献していこうと思っているわけです。
1つ財務トラックについて言えますのは、2008年に最初にG20のサミットが立ち上がった契機というのはリーマンショックだったわけです。したがって、G20の原点、特にサミットプロセスが始まって以降のG20の原点というのは、グローバルな経済成長の制約要因になるような危機の芽ですとか、そういったことをしっかり早期に見極めて、そして、連携して対応していくというところが基本であると認識しております。なので、そこのところにしっかりと対処していくということは大事なんだろうと思っています。
あわせて、進め方に関しまして、これは、南アフリカの議長下で、G20のレビューというのをやっております。これはプロセスの見直しでございます。この20年間を振り返りますと、実はG20は、20と謳っていますけれども、実際の現場を見てみますと、G40ぐらいな感じになっているわけです。すなわち、非常に多くの招待国、それから、関連の国際機関が招かれていて、そして、発言をしていくということになっている。どうしても1か国1か国の発言時間が短くなってしまうような傾向があったりとか、様々なワーキンググループ、タスクフォースが乱立と言えるほど立ち上がってしまっている。
そして、課題も非常に多岐にわたる課題を財務トラックでも扱っているというところですので、少しストリームラインしていくということも必要なんだろうと思っていますし、アメリカも、そういった南アフリカのレビュープロセスにおいて出されてきたこういったような意見、これを踏まえてストリームラインしていくのであろうと考えております。
それから、G7の財務大臣会合におけるコミュニケで盛り込まれたウクライナ支援でございますけれども、ロシアの凍結資産に関しましては、御指摘の箇所はEUで検討中の賠償ローン、リパレーションローンのスキームを念頭に置いていると理解しております。こちらについては、現在EUのほうから詳細なスキーム案というものもウェブサイトに公表されていて、12月18日、19日の欧州理事会で議論をするということと認識しております。
こちらについては、ユーロクリアに凍結しているロシアの国家資産のロシア政府・中銀による償還権は維持しながら、EUからEU債をユーロクリアに発行して、その見返りにロシアの凍結資産のうち現金の部分、これをEUのほうに移管して、そして、それを原資にしてウクライナに資金を提供していく。返済原資はロシアからの賠償金ということで、賠償金が支払われるまでは資産を凍結するということが前提になっています。
繰り返しになりますが、ロシアの請求権は維持するということは前提にしているというふうに我々も理解しておりますので、こちらのコミュニケにあります我々の取組は我々各自の法的枠組みと整合的であり続けるというところで受けているのかなと考えております。
日本としては、先ほどの繰り返しになりますけれども、ここのコミュニケに書かれている広範な資金調達の選択肢の中から最適なものを具体化すべく、関係者と調整していくということだと思っております。
重要鉱物に関しまして、河野委員、杉山委員から御指摘を頂きました。サプライチェーンと申しましても、上流から下流まで非常に多岐にわたります。JOGMECの資料なんかを見ますと、今回議論になっている重要鉱物も入れられますけれども、レアアースに関しては、埋蔵量で言えば実は中国は4割弱なわけです。ただ、その実際の鉱物の採掘という話になると6割になってきて、さらに製錬7割、さらに磁石向けの加工になると8割9割という形になってまいります。
なので、まず、1つやるべきことは、もちろん鉱山開発というものの多様化ということですとか、加工、製錬の場所の多様化ということ、それから、もちろんリサイクルも含めたサプライチェーンのライフサイクルでしっかり見てやっていく必要があろうと思っております。
その際に、財務省としては、こちらはエネルギートラックで取りまとめられたロードマップにもありますけれども、税制ですとか、あるいはファイナンシャルインセンティブですとか、インベストメントポリシー、様々な公的金融の手段がございますので、コストエフェクティブな形で、例えば政府系金融機関ですとか、MDBsのツールも活用しながら、需要供給の両面から必要な対応を取っていくということがあるんだろうなと思っています。
一例として申し上げますと、G7の日本議長下でローンチしました世銀が管理しているRISEのイニシアティブ、こちらについては、重要鉱物が取れる途上国、ここで掘って、それをそのまま中国に輸出してしまって終わりということではなくて、そこで加工、製錬ですとか、関連の製品の製造もやっていけるような形で、技術協力ですとか、分析ですとか、さらには公的資金も使った協調融資のための枠組みをしっかりつくっていこうと。
そうすると、途上国にとっても、自分のところで高付加価値の部分に取り組めるし、我々消費国にとっても、サプライチェーンの多様化に資するというウィン・ウィンのアプローチということを我々は重視しております。こういったことをG7、さらには今回一緒に参加したオーストラリアですとか、あるいは韓国ですとかインドですとか、あるいはチリですとか、そういったところと連携の輪を広げながら取り組んでいくということだと思っております。
私からは以上です。
○神作分科会長どうもありがとうございました。
続きまして、松本課長、お願いできますでしょうか。
○松本開発政策課長UHCハイレベルフォーラムにつきまして、ポジティブなコメントを頂きましてどうもありがとうございます。おっしゃったとおり、まさにUHCというのは、日本の強みを生かせる分野ですので、外交上のレバレッジという視点は持っております。今回のフォーラムにつきましても、1回で終わりではなくて、定期的に東京にて開催をするということを確認していますし、それに加えまして、まさに東京に拠点があるUHCナレッジハブで、グローバル・サウスと呼ばれる国の財務省、保健省の政府高官に来ていただいて研修を行って、日本の保健財政、日本の知見も含めて、様々な研修を行うということで、ぜひこれを引き続き日本ブランドとして育てていければと思っております。
1点補足すると、中国の参加という言葉がございました。確かに中国人の有識者という形の参加はあったのですけれども、国としては、今回ナレッジハブの研修に参加する国と、あとUHCに関心のある途上国というくくりで来ておりますので、国としては参加しておりませんで、有識者としていらっしゃったということになっておりますので、補足しておきます。
○神作分科会長それでは続きまして、津田課長から御回答をお願いできますでしょうか。
○津田地域協力課長ありがとうございます。
まず佐藤委員から、感想ということで非常に重要な御指摘を頂きました。クロスボーダー決済を進めることで、現地通貨を促進できるのではないか、あるいはドルを基軸通貨体制、こういったことはどういうふうに影響があるのか、そうした中で、円の役割はどう変わっていくのか。非常に重要な御指摘だったと思っています。
御感想ということでコメントする必要はないかもしれませんが、後の清水順子先生からの御質問にも関連しますので、少し考え方を申し上げさせていただくとすると、恐らく3つぐらいのカテゴリーがあると思っていまして、まず、それぞれの国の国内での決済ということで見ますと、これは自国通貨に基づく財政金融政策というのが各国の通貨主権を尊重する上でも非常に望ましいと思っておりますので、アジア域内でも、それぞれの自国通貨による経済政策あるいは決済システムの整備、こういったことが重要だと思っております。
2点目が、さらにスコープを広げてアジア域内で見ますと、近時、様々直接交換の努力などもありまして、二国間の貿易の決済通貨としては、それぞれの国の通貨が使われるという状況を見られますので、こういったことを念頭に、二国間の取引なんかを中心に、域内では現地通貨は使われていくということは当然我々は促進していくべきかと思っております。
一方で、アジア域外となりますと、これは現実問題として、ドルが非常に選考されておりまして、そうしたドルの基軸通貨体制というもの自体は、それはワークするのであれば素晴らしいことだと思いますので、こういった3層の世界の中で、特に円の国際化を考えるに当たっては、この2つ目のアジア域内での円の在り方、あるいは3点目のグローバルな金融市場、貿易市場の中での円の在り方、こういったことを考えていきたいと考えております。
いずれにしましても、ASEAN+3のタイムスケジュールで申し上げますと、通例大体5月に大臣級会合がありまして、そこで大きなガイダンスを経て、さらに実施策を考えて、11月の代理級会合で合意していくというのが大きな流れですので、また節目に御報告させていただきたいと思っております。
続きまして、清水順子先生からお願いということで、四半世紀を経ていろいろな枠組み、特にチェンマイ・イニシアティブの実効性を高めるようにレビューして検討していただきたいということ、おっしゃるとおりだと思っておりますし、我々も同じ問題意識を持って、設立当初は、地域における金融危機をバックアップするということで、チェンマイ・イニシアティブがあること自体が付加価値だったと思いますが、おっしゃるとおり、コロナを経てもまだ発動されていないという状況に鑑みて、どういった在り方があるのか。これはIMFを基軸とする国際的な金融セーフティネットの枠の中で、チェンマイ・イニシアティブはどういう役割を果たすべきかということを考えていきたいと思っています。
あと2点ございまして、御質問として、ABMIの直接金融市場全体とはいかなる意味かということですが、こちらは直接金融の市場ということで、銀行については範疇には考えてございません。そうした中で、従来は特に現地通貨立ての債券ということで、発行にかなり重きを置き、それについては相当程度進展したと考えておりますが、一方で、二次市場といいますか、売買あるいはレポ、こういったところは国によってはまだまだ発展の余地がある。加えまして、後ほど根本委員からも御質問のありましたSDGs債、グリーンボンド、こういったプレーンバニラではない債券というのもまだまだ発展の余地がありますので、こういったことは債券市場の育成として進めていきます。
他方で、それ以上のことがさらに必要になるのではないかということで、これは今後1年間かけていろいろな国ごとのニーズなんかを見ながら、どういったことがASEAN+3のグループとしてできるかということを考えていきたいということでございます。
もう一点、清水順子先生から御質問のありましたクロスボーダーのところです。特にアジア域内では、インバウンドということでQRコードを経由したリテールの決済、あるいは日本でも3メガのステーブルコイン、こういった取組、こちらのほうは基本的に商社のキャッシュマネジメントを念頭に置いた取組だと承知しております。いずれにしましても、リテールやホールセールの違いを念頭に置きながら、域内の決済、クロスボーダー決済の促進を考えていきたいと思っております。
ここで特におっしゃられたステーブルコインにつきましては、域内でも、日本とシンガポールと香港、この3か国・地域はステーブルコインに特化した規制枠組みが整備されているわけですけれども、それ以外の国々というのはまだそういった段階にはないということで、こういう国が自国の意図しない形で外貨建てのステーブルコインが入ってくることによる通貨代替を含むマクロ経済上のリスクというのもありますので、そういった国々の規制整備の必要性も含めて、今後議論していきたいと考えてございます。
私からは以上とします。ありがとうございました。
○神作分科会長どうもありがとうございました。
それでは続きまして、春木課長から御回答をお願いいたします。
○春木調査課長では、私のほうから、対内投資の審査に関する御質問に回答いたしまして、室長のほうからも後ほど補足させていただきたいと思っています。
まず、原田先生からは、7ページ目のところにつきまして、外国の投資家の指示ですとか、そういったものについての把握の仕方というところがございました。こちらの7ページ目の審査はどうやっていくかという点につきましては、まず区分けとしまして、そこもまさにリスクというか、投資家属性の観点からの分類がまず必要かなと思っていまして、ソブリン・ウェルス・ファンドなどにつきましては、何かしらの指示ですとかそういったものの影響というものが基本的にはないのかなという整理が考えられるのかなと思っています。それ以外の投資家につきましては、影響の有無ということもあるとは思いますし、その過程では、投資家に対してのヒアリングなどを通じての把握が基本にはなるとは思っております。
ただ、指示があるとか影響があるとかのお話は、5ページ目でも多くの先生からも御指摘を頂いていて、どういうところでそれを捕捉して把握していくのかというところに通底でつながっているとは思いますけれども、そこについては、まさに12ページでも体制の強化というところで、審査能力の強化というところで、必要に応じての情報機関との協力、インテリジェンス情報を活用していくといったことが12ページ目での主眼にもなっておりますので、そういったところでの対応能力の強化というところで見つけていくといったことも想定されるのではないのかと思っております。
12ページ目につきまして、2028年のDXのところにつきましては、どういった見直しが行われるのかというお話がございました。現行ですと、まだ書面の提出もかなり大半という状況になっておりますので、まずはデータベースが標準であるといったところを目指していきたいと思っておりますし、その後もデータを集約した上でのリスクベースドアプローチでの分析というのが必要だと思っていますので、そういったことは内部のほうで早めにやっていきたいと思っております。その中で、生成AIの話もありましたけれども、もちろん、そういったところも視野に入れてやっていくということになろうかと思っております。
次に、木村先生からは、投資を妨げることにならないのかという御指摘ございました。今回の議論を通じまして、私の印象としまして、意見が多かったというところは、ここの投資とのバランスをどうするかといったところ、また、その制度が大分複雑化になってきているといったところをどう考えるかといったところの意見が非常に多かったのかなという印象を受けております。
投資の妨げにならないかといったところにつきましては、まさに原則としまして、対外取引自由や投資促進というものを掲げており、規制を入れていくというところのバランスをどう取るかというのが最大の論点になると思っていますので、今回もいろいろと規制の導入を試みようとしている案になっておりますけれども、そこは投資に配慮したできる限り最低限の必要な規制に絞り込んでいると事務局としては考えてつくっているものであるということと、複雑化につきましては、どうしてもこういった規制をつくりますと、潜脱する人たちが結局出てきて、そこといたちごっこみたいな話になりますので、その中で規制の枠組みというのもどんどんと変わっていかざるを得ない面がありますので、そこも、もちろんいたずらに複雑化したいとは思いませんけれども、必要な手当ては随時する必要があるのだなと考えておるところであります。
12ページ目の国家安全保障部局の意義はどういったところかという御指摘ですけれども、こちらにつきましては、基本的に外交文脈でどういった影響が出るかですとか、そういったところの観点からの協力関係もございますし、また、先ほどのインテリジェンスという観点からの協力関係というところにもつながっているものだと思っております。
ただ、投資促進の妨げという観点では、こういったものが基本的に広範な案件をカバーするような体制ということになりますと、確かに投資の抑制ということにもなり得るかなとも思いますので、そこはリスクが高い案件を限定的に審査していくといったことが想定されるだろうと思っております。
また、日本版CFIUSについて、外為法の位置づけでどうなるかということですけれども、基本的には、そこの米印で書きました外為法69条の3をどう変えていくのかということを考えておりまして、今「協力を求めることができる」ですけれども、先ほど申し上げたリスクが高い案件に限定した上で、意見を求めなければならないということを考えていくのかなと思っております。何かしらここで法定の組織をつくるとか、そういったことというのは今想定していないという状況でございます。
佐藤先生からは、4ページ目の指示というところが、どうやってまさに端緒をつかむのかというお話がありまして、先ほどの話と共通ですけれども、情報機関との協力というところがまずあると思いますし、こういった枠組みをつくることによりまして、一定の事前の抑止力を持つことができるのではないかと思いますので、まずは枠組みをつくり、それによりまして、外国投資家の方に対しての牽制効果を持たせるといったことが期待されるものかなと思っております。
御指摘の中で、7ページ目のほうで、指示が分かるのかというお話がありました。これは先ほどの話と同じだと思っております。
9ページ目ですけれども、特にリスクが高いというところの記述でございまして、3パラ目の扱いをどうするかというところでございます。こちらは、先ほど申し上げた投資促進とのバランスというところが必要になってくると思いますので、こういった限定する内容をかけず、上の2つだけですと、非指定業種に対しての相当な抵抗、抑止をするという効果が出てくると思いますので、ここは非指定業種の中で最低限の規制をかけていくという文脈の中では、3パラの考え方が必要ではないかと整理させていただいているところであります。
12ページ目の情報発信につきましては、投資を呼び込むという観点で、しっかりとそういったメッセージを出してほしいということですけれども、こちらは前回の議論の中での論点だったと思います。届出のメリハリ付け、そういったものを併せて検討しているというところですので、そちらの発信をしっかりとやっていくということになろうかと思っております。
渡井先生からは、5ページ目について、実効性の確保という同様の論点と、あと外為法27条14項の解釈についてご質問がございました。こちらは、まさに外為法27条14項でみなし投資家の規定がございまして、それの範囲を広げていくということで対応しようとしているところでございます。
あと9ページ目ですけれども、非指定業種に限定する必要があるのかということがございました。指定業種につきましては、現行制度上で、諸外国に比べても基本的に件数も多い、また、カバー範囲も広いということで、事前届出に大分フォーカスした建付けを日本は採用している状況でありますので、指定業種はそういった枠組みでいろいろと対応できる体制がとられているのだと理解しております。また、制度の複雑化が進んでいるということでございまして、情報発信の必要性、こちらは本当にそのとおりだと思います。
あと河野先生からは、5ページ目のほうで、どういった情報がとれるのかというご質問がありました。こちらについては、実効性の確保と同じ論点だったかと思っております。重要鉱物につきましては、調査課で担当しているところがございまして、池田課長がおっしゃられたことで大体足りているんですけれども、南鳥島をどうするんだというお話がありました。こちらの重要鉱物の確保というところは喫緊の政権の課題になっておりまして、経済対策でこの間まとめられた内容でも、重要鉱物の確保というものがかなりのトッププライオリティで位置づけられているという中で、調査費、実証事業、そういったものが盛り込まれていたと記憶しておりますので、そういった予算措置を進めるように取り組まれているところと理解しております。
下坂先生からは、9ページ目のほうで、自主的な届出が併置されるということはないのかというお話がありました。これは前回の御議論の中でも、セーフハーバーはどうするというお話があったと思って、同じ点だったかなと思いますけれども、基本的には、先ほど申し上げた日本の体系上、事前届出というのが広いカバー範囲で行っているというところでございますので、基本的には、それ以上さらに非指定業種のほうで広げていくということはあまり必要性がないのではないかと考えております。
あと9ページ目のほうで、指定業種のほうで、事後のほうの対応というものがあり得るのかということですけれども、こちらについては、現行の法令上でも、事後対応としまして、必要に応じて報告を求めることができますし。また、無届出等の場合には、必要な措置の命令ができるということでございますし、株主の行為等について事前届出を求め、さらにそこから勧告・命令ができるということでございますので、そういった体系で対応できるものだと思っております。
清水先生からの9ページ目に関する御指摘で、事後的に報告を求める範囲はどうするかという点については、先ほどの佐藤先生のご議論と同じだと思います。
また、12ページ目の事後審査の負担があまり大きくならないようにということでございますので、まさにこういったものはリスクが高い案件に限定して、リスクベースドアプローチでやっていく必要があろうと思っております。
根本先生からは、12ページ目のDXが2028年というものでもう少し早くできないかというご指摘があったところでございます。届出者が紙で出してきているのがかなり多いという現状でございまして、金融機関が何かしら恒常的に届出書類を出すような事例と違って、結局投資案件というものに関わる人というのが、いろいろと違うプレーヤーの人が出てきて、違う機関が担当するということもありますので、そういった事情の違いとかもあるので、対象者がすぐにデータ化に精通するということはなかなか難しいのかなと思っておりまして、そういった業界の方々もしっかりと周知、また対応できるような期間というものを設けた上で2028年度と設定しております。もちろん、その中のデータの分析ですとか、財務省の中でのそういった作業といったものは、別に2028年を待たずにやっていける話だと思っておりますので、そこは切り分けて対応できるところかと思っております。
五十嵐先生からご指摘のあった9ページ目の3パラの必要性というのは、佐藤先生と同じご議論かなと思っております。
また、遡及期間につきましては、海外の事例を出しておりますけれども、まさにこれを参考にしながら、これからの検討課題かと思っております。
12ページ目ですけれども、こちらは審査の予見可能性が下がるというリスク、そういった御指摘もございまして、まさにこういったものを避けるために、これも前回の御議論だったと思いますけれども、リスク軽減措置の明確化ですとか、そういったものを何かしらガイドラインで出していくですとか、そういった対応も他方でやっていかないといけないと思っております。
あと12ページ目の誰がこういった省庁連携とかをやった上で判断していくのかという話がございました。また、審査のプラットフォームが必要だということですけれども、現行、今対日投資の関係省庁会議というものを月1回くらいの頻度でやっておりまして、そちらのほうで、財務省、経産省のみならず、国家安全保障局、またそのほかの事業を所管している省庁ですとか、幅広く声をかけてやっておるところでございまして、経済安保に関して、それほどなじみがないような省庁につきましても、基本的に定期的に集まりまして、それぞれの知見、経験とかを共有して、キャパシティ・ビルディングを行っていこうという取組をやっておりますので、基本的にはそういったところで対応できているのかなと思っております。
あと伊藤先生からは、5ページ目のところで、みなし外国投資家についてご質問がございました。先ほど申し上げたとおり、事後モニタリングで必要があれば対応していくというところになろうかと思います。
また、12ページ、事後モニタリングをどうするかというところですけれども、リスクベースでやっていくというところになろうかと思っております。
植田先生からは規制の緩和の方向のメッセージも必要だというふうなお話がございまして、こちらも先ほど御紹介した前回の議論での審査のメリハリ付け、そういったものをしっかりと外向けに説明していくということが今回の論点と同時並行で必要かなと思っておるところでございます。
私からは以上です。
○宮地大臣官房企画官簡単に免除基準の7ページの話と、非指定業種の部分だけ補足をさせていただければと思います。
7ページの趣旨ですけれども、これは外国政府等から出資あるいは役員の派遣を受けているような場合を想定していまして、仮に出資、役員の派遣を受けているからといって、事前届出が必要になるという話では基本的にはありません。あくまでも免除利用をするに当たって、遵守義務のところで、まず出資関係があるかどうかというのを教えていただいた上で、日本企業の議決権の行使に当たって、外国政府の影響を受けるかどうかというのを確認させていただくということを想定していまして、これは、事前届出の中で、リスク軽減措置の項目の1つとしても挙げられている話ではありますので、そういったところの確認をさせていただくということを想定しています。
先ほど春木からも言及させていただいたとおり、例えばソブリン・ウェルス・ファンドのような形で、純投資目的で投資を受けているということであれば、それはまさに遵守義務に当たるということで影響を受けないということだと思いますし、逆に何らか外国政府等から政策的な意向を反映する形で出資を受けているということであれば、場合によっては届出が必要になるかもしれないということで確認をさせていただくということを想定しています。
実際、先ほど原田先生、佐藤先生から御指摘を頂いたとおり、それを把握すること自体がなかなか難しいのではないかという議論はあるとは思いますけれども、そこは、まさに情報収集を強化するということと、それから、取締役会に実際参加されているかであるとか、そういったところでファクトチェックをしていくということが必要かなと考えています。
非指定業種につきましては、前提としては、諸外国では義務的届出の範囲が相対的に狭い中で、それ以外の範囲においては、職権審査をはじめとする事後介入が相対的に広範な範囲で認められていることから、投資家の予見可能性の観点から任意届出が採用されているということだと思っていますけれども、日本の場合は、指定業種は相対的に広く、非指定業種がほかの国と比べると相対的に狭いという中で、さらに、今回お示ししている案でも、事後介入の対象を類型として特にリスクの高い外国投資家に限定した上で、実際に国の安全を損なうおそれが大きい場合に限るということにしたいと思っておりまして、そういう意味で、任意届出の仕組みを設ける必要性は乏しいと考えています。
その上で、では、10%という閾値であるとか、特にリスクの高い投資家ということ、この要件自体が必要なのかという御議論ももちろんあるとは思うんですけれども、ここは投資促進という考え方の中で必要最小限に絞るということが前提になっていると思っています。10%というのは、今の事後報告の閾値ということで、捕捉可能性の観点から、適切だと思っております。
それから、リスク属性の部分については、まさに指定業種についても免除制度を使えるかどうかという形で、ある意味リスク属性を分けて考えていますので、そういったある程度の色分けというのは必要だと思いますし、では、それで全て捕捉できるのかというのは、もちろん安全保障の観点から心配は尽きないところではあるんですけれども、丁寧に立法事実を積み上げて、投資原則自由の考え方とバランスをとっていくということが大事かと思っています。
下坂先生から、その上で、制度的な手当てをした上で、実際にこれが発動されるということになり、介入が生じるとそれ自体もインプリケーションがあるという御指摘を頂きまして、伝家の宝刀というのが適切な表現か分かりませんけれども、きちんと慎重に運用するということは重要だと思っていまして、まさに国際約束の関係なども含めて、適切な判断をしていくということになると考えてございます。
あと、最後に1点だけ、五十嵐先生から、個別の事例で少し言及を頂きましたけれども、一義的には、確かに業種で絞った形での事前審査ということが前提になります。先ほど御提示いただいたような自衛隊の基地の付近というような話であれば、まさに一義的には重要土地等調査法のところで対応されるということが前提になるのではないかと思っていまして、一番最初の10月の議論にもあったとおり、経済安保法制全体の中でどういう対応ができるかということをメニューの中で考えていくということが大事かと思っています。
指定業種、非指定業種が入り交じった場合、どういう対応になるかというのは、若干難しい論点だと思いますけれども、指定業種で1回審査をした以上は、ほかの国も含めて、一事不再理がかなり徹底されているのではないかと思いますので、そこは多少制度的な限界としては残るかとは思いますけれども、いずれにせよ、現状では非指定業種について、一切リスクに対する手当てがないということではありますので、まずはできるところからしっかりやっていくということが大事なのではないかと考えている次第です。
私からは以上です。
○恵﨑投資企画審査室長申し訳ございません。私からもよろしいですか。時間は過ぎているんですけれども、2点ほど補足させていただきます。
1点目は、原田先生、根本先生から、DXの関係で御質問がございました。現状、まさに外為法に基づく対内投資に関する事前届出や事後報告に関しまして、オンラインでの提出が可能なシステムが用意されております。一方で、課長が申し上げましたとおり、紙提出もまだそれなりにあることや、オンラインで提出されたものについての、関係省庁間での共有の方法やデータベースとしての活用のしやすさというところについては、まだ課題があるところでありまして、こうした点を改善できるように、現在新システムの開発を作業中でございます。
新システムの詳細な設計というのは、いままさに作業をしている段階ではあるんですけれども、このような課題を改善して、より審査・モニタリングに実効的に活用できるようなシステムとしていきたいと考えております。
28年度が遅くないかという点につきましても、このシステムはそれなりに大きなデータを扱うものとなりますので、構築には数年単位でどうしてもかかるものでございます。その中でも最速のスケジュールで予算を確保しながら進めているところであります。
ただ、既存のシステムでもさらなる効率化の取組、データの活用等をすべきというのは御指摘のとおりでございまして、様々なデータ活用、効率化の工夫というものを実施しているところでございますけれども、ここはAIの活用も含めまして、どのような活用や改善が可能かを現在でも不断に勉強、検討しているところでございます。
2点目、五十嵐先生のほうから、事後モニタリングに関して、長期的な視点ですとか、また関係省庁での連携が大事というお話を頂きました。おっしゃるとおりでございまして、今でもリスク軽減措置が遵守されているか、また、免除基準が遵守されているか、また届出が本来必要だったのではないかという無届出のものに関しても、事業所管省庁と連携しながらモニタリングをやっているところでございます。
特に近年は、本省のみならず地方支分部局、例えば財務局と経産局で連携してモニタリングを行うとか、そういった連携もしながらやってきておりましたけれども、この連携体制というのも強化していきたいと考えております。
以上でございます。
○神作分科会長どうもありがとうございました。
財務省サイドから何か補足いただくこととか、御発言はございますか。
○緒方局長ありがとうございます。ちょっと時間が過ぎていますけれども、1、2分だけ感想を述べさせていただければと思います。
本日も大変貴重な御意見をありがとうございました。深い御議論を頂いて大変感謝しております。
一番重要だと思っています通底的なテーマとして出てきますのは、投資促進と安全保障のバランスということで、今日もそのお話は多かったと思います。そこで1点だけ、言わずもがなのことですけど補足したいと思います。
もちろん、国の安全というと、当然妥協できないものですので、これは非常に重要ですけれども、それをやるに当たって、介入は最小限にしなければいけないですし、投資促進ということに最大限配慮を払って、国の安全といえば何でもありというわけではない、ということが非常に重要だと思っております。そして、その執行体制をどうするかというところで、説明のところで、外為法69条の3を引用して、インテル機関とか安保機関を必ず関与させるような形で強化できないか。これは非常に重要な視点なんですけれども、もう一つ、これは外為法の今回あるべき改正との関係という意味では、そういった機能強化のところが関係していますということなんですが、より重要なそもそも論として、この投資審査制度は、そもそも外為法上の制度ですので、外為法の目的を達成するための執行体制であるというそもそも論を忘れないようにしていくことが常に大事だと思っています。そのためにこそ制度所管官庁である財務省も常に関与しているということですので、そのことを皆さんとも共有させていただきたいと思っています。
それから、通底するテーマとして、透明性ですとか予見可能性とか、前回に引き続き御指摘を頂きました。この辺も非常に肝に銘じていきたいと思いますし、今回それに加えてというか、派生として、制度の実効性ということもテーマになったかと思います。当然制度を正しく仕組むことも大事ですけれども、併せてちゃんと実施できる、施行できる制度でなければいけないというのはそのとおりです。
1点だけ、制度をつくるときに正しく仕組みます。それに違反する人を必ず常に捕まえられなければいけないか、捕捉できなければいけないかというと、それが望ましいんですが、一方で、正しい制度を入れておくと、抑止効果は最初からありますし、一罰百戒で、誰か1人特定することで、その他の人たちを牽制することも可能ですので、当然実効性はよく考えていきたいと思いますけれども、そういった抑止効果、派生的な効果も勘案しながら御相談させていただければと考えております。
あと、より広いところで、G20の話ですとか、G7、それからASEAN+3とか円の役割とか、それから国際保健とか、非常に温かい御支援を頂きありがとうございました。日本が積極的にリードしていけということだと思いますので、引き続き努力をしてまいりまして、またこちらにも、アップデートがあれば御報告させていただきたいと思います。
本当にありがとうございました。
○神作分科会長緒方局長、どうもありがとうございました。
時間も過ぎておりますけれども、もし何か御発言がございましたら御発言いただければと思いますが、よろしゅうございますか。
対内直接投資審査制度につきましては、本年5月に財務大臣及び関係閣僚より御諮問を頂きました。その後、外為等分科会におきまして活発な御議論を頂きました。特に前回、11月20日と本日の2回にわたりましては、事務局から具体的な論点を示していただき、議論を深めていただき、大きな方向性は見えてきたと考えております。しかし、前回も、それから今回も、またいろいろ貴重な御意見を頂戴しておりますので、それらを踏まえて、事務局に改めて答申の原案を取りまとめていただき、そして、答申の案文につきましては、次回会合の前に事前に委員の皆様にお目通しをいただき、御意見等を頂戴したいと考えております。
このような進め方をさせていただくことでよろしいでしょうか。
どうもありがとうございます。それでは、答申の案文につきまして、事前に事務局から送っていただきますので、ぜひそれを御確認いただき、御意見を頂戴できればと存じます。
また、議事録の作成は、これまでどおり私に御一任を頂ければと存じます。その際、発言部分を事前に御覧になりたい委員の方におかれましては、会合終了後にその旨を事務局に御連絡ください。御連絡を頂きました委員の方には、議事録を案の段階で事務局より御送信いただくということを考えております。その後1週間程度の間に御意見がない場合には、御了解を頂いたものと取り扱わせていただきます。
次回の分科会につきましては、事務局と御相談の上、改めて御連絡をさせていただきます。
本日は長時間にわたり、また、大変活発な御意見を頂き誠にありがとうございました。
午後0時12分閉会

