関税・外国為替等審議会
第58回外国為替等分科会議事録
令和6年6月19日(水)
財務省 国際局
於 財務省第3特別会議室
(本庁舎4階)
1.開会
2.最近の国際金融情勢について
3.閉会
出席者 | |||
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委員 |
五十嵐チカ |
財務省 |
三村国際局長 |
植田健一 |
土谷国際局次長 |
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亀坂安紀子 |
緒方国際局審議官 |
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河野真理子 |
矢作国際局審議官 |
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神作裕之 |
梶川副財務官 |
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木村旬 |
飯塚国際局総務課長 |
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佐藤基嗣 |
野村国際局調査課長 |
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杉山晶子 |
木原国際機構課長 |
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根本直子 |
德岡地域協力課長 |
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原田喜美枝 |
陣田開発政策課長 |
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和田照子 |
城田大臣官房参事官 |
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渡井理佳子 |
津田開発機関課長 |
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臨時委員 |
大野早苗 |
土生外国為替室長 |
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佐藤清隆 |
大野投資企画審査室長 |
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左三川郁子 |
山下対外取引管理室長 |
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澤田康幸 |
髙木資金移転対策室長 |
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専門委員 |
伊藤由希子 |
山﨑大臣官房企画官 |
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玉木林太郎 |
齋藤国際調整室長 |
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林信光 |
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午後1時00分開会
○神作分科会長それでは定刻になりましたので、ただいまより第58回外国為替等分科会を開催いたします。
委員の皆様方におかれましては、御多用のところ御参加いただき、誠にありがとうございます。本日、オンラインでの参加を含め、たくさんの委員の方に御参加いただいております。
具体的な留意点につきまして、事務局より御説明をお願いいたします。
○野村調査課長調査課長の野村でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
私から会議の進行に当たりましての留意点ということで、前回も申し上げたところでございますけれども、本日の会議につきましてもオンラインで参加の先生と対面で参加の先生方とハイブリッド形式という形での開催となっているところでございます。そこで、フェイス・トゥ・フェイスで御参加の委員の皆様方におかれましては、ぜひオンラインで参加の先生方にも音声が明瞭に伝わりますよう、マイクにできるだけ近づいて御発言される際には御発言をお願いいたします。また、オンラインで参加の先生方におかれましては、事前にもお伝えしたところでございますけれども、御発言時以外はミュートにしていただきますよう、よろしくお願い申し上げます。また、万一、途中でつながらないといった問題が発生いたしました場合には電話会議システムでの御参加をお願いできればと思っているところでございます。
どうぞよろしくお願いいたします。
○神作分科会長御説明、どうもありがとうございました。
それでは、本日の議事に入りたいと思いますけれども、本日の議題は最近の国際金融情勢についてでございます。まず事務局より御説明を頂いた後、意見交換の時間をお取りしたいと思います。それでは、木原国際機構課長、御説明のほどよろしくお願いいたします。
○木原国際機構課長国際機構課長の木原でございます。一連のスライド資料に沿って御説明させていただければと思います。
まず冒頭、4月時点のIMFの世界経済見通しになります。2ページになります。
1つ目の○で、24年の成長率ですけれども、1月時点との比較ですと、ほとんどグローバルに見て変わっていないという感じで、24年が3.2%、25年が3.2%、横ばいになるような見通しということになっています。強調されていたのは、この○の一番最後のところで、少し中期的に見ても、世界経済の拡大ペースというのがコロナ後、大分落ち着いてきた中で、過去20年、30年と比べるとかなり世界全体の成長率自体は低くなってきていますと。中国の成長率が下がってきているという影響があるとは思いますけれども、そういう意味で構造改革の必要性みたいなものがより強く認識されるようになってきているのかなと思います。
2つ目の各国の見通しですけれども、アメリカは1月時点と比べると上方修正ということで、24年が2.7%、1月時点と比べて0.6%pt上がっています。25年も同じということで、基本的には23年の第4四半期が強かったため、この持ち越し、キャリーオーバーが大きいということでございます。ただ、恐らくは財政、今まで23年、かなり拡張的なスタンスだったんですけれども、それが引締めに転じていくので、成長ペースとしては下がっていくだろうと見込まれているということでございます。ユーロのほうは逆に下方改定になっていまして、背景としては同じように23年中、第4四半期まで非常に弱かったということを踏まえて、若干ではありますけれども、24年ですとマイナス0.1%pt、それがそのまま25年にかけても若干の下方修正になっているということでございます。中国はおおむね横ばい。
次の日本についても、この時点においてはあまり変わらないという形で、特にインバウンドが去年非常に大きくコロナ後で増えたわけですけれども、そういった一時的な成長の要因は剥落するので、0.9%、24年成長率は見込まれているということでございます。
インフレは先進国全体で2.6%、新興途上国で8.3%ということで、24年中のインフレ率低下はエネルギー価格の部分だけでなくて、コアのインフレがきちんとある程度下がってくることが見込まれているというのがバッググラウンドとしてございます。
3ページですけれども、リスクということで、上方リスクの1つ目ですけれども、若干分かりにくいんですけれども、今年非常に多くの国で選挙が予定されているということで、どうしても選挙期間中は短期的には財政支出の増要因が多いんじゃないかということで、それによって短期的には経済の後押し、経済にとってプラスになる可能性があると。ただ、中期的にきちんと財政の持続可能性が確保されないと、後々急激な政策調整が必要になるということが書いてあります。そういうことが1つ目の財政支出の増として、上方リスクとして挙げられています。
②は予想以上にサプライサイドのボトルネックが解消されるなど、インフレが予想以上のペースで下がっていくですとか、あとAIの効果、構造改革のモメンタムの集積、この辺はもう少し中長期的な観点からという感じがいたしますけれども、そういう上方リスクが挙げられています。
下方リスクのほうは、コモディティ価格の上昇、特に地域紛争の影響を受けてということですとか、インフレが思ったようには下がっていかない、特に最後のラストワンマイルといいますか、そこの部分が本当に下がっていくのかどうかという点に、各国中銀は注目しているところなんだと思います。
それ以外には、中国の状況ですとか、逆に財政引締めが必要に駆られて予想以上に急速に進まなくてはいけない状況になったりですとか、そういうところが下方リスクとして挙げられております。
そういう中で、4ページ目のスライドが政策対応になりますけれども、やはり冒頭に出てくるのは、引き続きインフレの対応です。やや当たり前ではありますけれども、金融緩和は早すぎず、遅すぎないことが必要ということがあります。
②のほうで、コロナ後が見えてきている中でということですけれども、財政余力、Fiscal Spaceの確保ですとか、あるいは債務持続性の確保、こういうメッセージが今まで、2~3年前と比べるとかなり明確に前面にこういうところでも出てきているということがあるかと思います。そういう中で中期財政計画の策定ですとか、あるいは不測の事態への対応の明確化、こういうものを、コンテンジェンシープラン作成の重要性みたいなところもIMFとしてはかなり強調してきている感じがいたします。
あとは③のほうで、先ほど申し上げましたとおり成長率の絶対的な水準が世界的に下がりつつある中で、やはり構造改革をきちんと的を絞って、順序づけもよく考えながらやっていく必要があるということ、あとは気候変動の話ですとか、あるいはフラグメンテーションの話なんかもある中で、多国間協力の強化というところが政策対応のプライオリティとして挙げられているところでございます。
5ページへ行っていただきまして、オレンジで網かけしている部分が直近の2024年時点の見通しになりますけれども、ここでも1月時点との差は、各年の一番右になりますけれども、特に24年のほうで下がっていて、23年のほうでもユーロ圏、そういうところで少し、23年の数字自体が弱かったところが見て取れるということかと思います。
続きまして、2つ目のカテゴリーのG7・G20に移らせていただきます。
7ページからが5月末にイタリアのストレーザでやりましたG7の模様でございます。第3回目ということで、これはG7だけで単体で、大臣・総裁で大体2日半ぐらいにかけてじっくり議論をするということになります。去年5月に新潟でやったものが今年イタリアで行われたということになります。
去年、新潟でもやりましたけれども、24日午後のセッションでは招待国、G7以外の国々をお呼びするということで、今年はブラジル、モーリタニア、AU議長国としてということですが、あと韓国、サウジアラビアが参加して、開発の問題とか、そういうところを議論しております。
1つ目の塊として、世界経済、それに合わせて多国間主義の将来、フューチャー・オブ・マルチラテラリズムというセッティングで議論されておりまして、日本議長下の議論を引き継いでということでありますけれども、経済の強靱性、レジリエンス、あるいはエコノミック・セキュリティ、経済安保の強化、こういうことについても協力を進めていこうということで、もちろん当然ですけれども、自由で開かれたルールに基づく貿易投資、あるいはマルチラテラリズムが重要であるけれども、それと合わせて強靱で、信頼できる、多様で持続可能なサプライチェーン、こういうものを構築する必要性を確認しているところでございます。
あとは、中国という名前を具体的に挙げた上で、中国の非市場的政策・慣行への懸念を表明ということで、次のポツになりますけれども、世界的に公平な競争条件を確保するために、過剰生産能力につながるものを含む非市場的な政策・慣行ですとか、あるいは過剰生産能力につながるような歪曲的政策に対処するための協力、こういうものをG7の中できちんと進めていこうというところで一致しております。そういう中で、財務トラックだけではなくて、例えば貿易トラックのようなところも含めて、対話を今後深めていこうという方向性が示されているところでございます。
世界経済全体については、複数のショックがあったけれども、予想以上に強靱だと、そういう基本的な認識は共有した上で、財政の持続可能性が優先課題であるとか、あるいは為替についての既存のコミットメントが確認されております。
地政学については、引き続きロシアの戦争、侵略、こういうものを非難することと、あとはガザにおける深刻な人道危機の高まり、中東のほうにもきちんと配慮をしているというメッセージが合わせて出ているところでございます。
8ページ目からはもう少し政策の具体的な中身みたいなところに入っていきますけれども、ロシア制裁・ウクライナ支援については、この部分、今年はマルチェンコ大臣が現場に来られて、実際に議論に参加されています。G7による支援を引き続きウクライナに対してやっていくんだということを確認した上で、2つ目のポツにありますけれども、制裁の文脈では北朝鮮とロシアの軍事的な協力、これも一部、日本としても制裁を始めたりしていますけれども、それに対する非難を明確にメッセージとして盛り込んだというところがございます。
凍結されたロシアの国家資産をウクライナの支援にどうやって使っていくかというところですけれども、ストレーザの段階では、まずEUの中でロシアの国有資産から生じる特別な利益をEU自身の取組としてウクライナのために使いますと、そういうことについてのEUの決定を歓迎というところのメッセージが出ておりました。
その特別な利益より前倒しで活用する方策は、6月のプーリア・サミットに向けて検討しましょうというメッセージになっておりまして、プーリア・サミットへの具体的な反映については後ほど調査課長から御説明があると思います。
金融セクターについては、ノンバンク(NBFI)の話ですとか、マネロン、クロスボーダー送金、こういうものをきちんといろいろな規制をグローバルにつくりながらやっていきましょうということ、あとは、日本議長下でIMFが今CBDCハンドブックをつくっておりまして、去年のG7の日本議長下でIMFのほうにお願いをして作り始めていただいていますけれども、新興途上国がCBDCを入れるに当たって、やはり一定のグローバルスタンダードを満たしていかないといけないという中で、そのときに参照できるような基本的な情報を包括的にまとめたハンドブックを作ってもらっています。そういう作業を歓迎したところでございます。
AIについては、AI自体が経済にどんな影響をもたらすのか、あるいは公的部門においてどんな活用方策があるのか、そういう話について割とざっくばらんに大臣・総裁の間で意見交換がなされております。そういった中で、責任あるやり方でAIを開発・利用していかなくてはいけないですとか、あるいはAIが逆に、機会をもたらすけれども、国家間のさらなる格差、こういうものをもたらすリスクにも留意が必要というメッセージが出されております。
国際保健の部分につきましては、これも後ほど具体的に説明があると思いますけれども、UHCナレッジハブが今回東京にできることになっておりますので、その設立を歓迎したですとか、あるいは対応資金の革新的なメカニズム、これも昨年の日本の議長下でのG7以来模索し続けてきていますけれども、そういうものを引き続き検討していきましょうということになっております。
国際課税については、2本の柱の解決策が引き続き最優先事項ということで、多国間条約の署名をきちんと、この時点においては6月末までを目指してやっていくことが再確認されております。あと、国際課税においては、2本の柱は従来OECD、あるいはインクルーシブ・フレームワーク、IFというところが議論の主な場であったわけですけれども、国連の場においても新しく議論を始めようという動きがありまして、既に少しずつ動き始めています。そういう国連の枠組みにおいては、国連の場はどちらかというと多数決で物事が決まるという側面もある中で、やはりコンセンサスに基づいてきちんと意思決定を行うべきですということであるとか、あるいは具体的な国家間の課税権のやりとりみたいなものは既にOECDの場で議論しておりますので、国連の側の議論としては途上国の中での国内資金動員ですとか、あるいは税務に関する能力開発、こういうものにきちんと焦点を当てていくべきだということをG7の考え方として再確認したところでございます。
9ページ、G7の中でもMDB改革、これは主にG20で議論しているものですけれども、そういうものをきちんとやっていこうですとか、あとはアジア開発基金、これはADBのほうの低所得国、あるいは島嶼国向けの長期で低利の融資を行う基金ですけれども、それの増資、これは5月のADBの総会のときに交渉が無事終わりましたので、その成功を歓迎したりですとか、あるいは同じように世界銀行の譲許的な融資機関である国際開発協会(IDA)、あるいはアフリカ開発銀行の同じように低所得国向けの譲許的な支援を行うための基金、アフリカ開発基金、これの増資が今後ございますので、その成功をきちんと実現に向けて取り組もうと、そういうことを確認しているところでございます。
あと、国際金融機関のガバナンス改革については、最近の進展を強調しつつというのは、例えばIMFで今まで各国を代表する理事が24人だったわけですけれども、今年の秋から1名、サブサハラアフリカのために追加をするというところで合意がありますので、そういう進展を強調しながら、システム全体において適切な役割、それに加えて責任、それについての議論、こういうものをきちんと進めていくことに対する期待が表明されております。
途上国向けのイニシアティブということで、イタリアのほうで3つほど具体的な取組をきちんとやっていこうということで、1つ目は日本が昨年立ち上げたRISEをきちんと引き続きやっていこうということ、2つ目は途上国の医薬品へのアクセス向上を目指すGaviのアフリカにおけるワクチン製造アクセラレーターをきちんとやっていこうと。あとは、アフリカ開発銀行のほうで主導してやっていますけれども、アフリカのグリーンインフラ投資を進めるための、AGIAと言っていますが、アフリカのグリーンイスンフラストラクチャーアライアンス、こういうものをきちんと進めていこうというところがG7のメッセージとして出されています。
債務問題は、引き続き共通枠組みをきちんとやっていこうということ、スリランカの覚書の最終段階にありますので、その進展を歓迎するということ、あとは日本がこれも重視してきている部分ですけれども、債務の透明性の向上ということで債権国・債務国それぞれがデータをきちんと世銀、国際機関に共有をして、それを突合してデータのクオリティを上げよう、そういうものをきちんとやっていくんだという要請をメッセージとして出しております。
気候変動については、幾つか文書、政策オプションのメニューですとか、そういうものを出したりしていますので、それを歓迎したりですとか、あるいはOECDのほうで進めている、これも後ほど具体的な説明がありますけれども、包摂的なフォーラム(IFCMA)の作業を支持というところがメッセージとして出されているところでございます。
10ページが今度はG20のほうになります。直近のG20は4月半ば、ワシントンD.C.でIMF・世銀の春総会のマージンで行われております。これはマージンでありますので、実際の議論としては半日プラスアルファぐらいという非常に短い会議でありますけれども、1つ目の柱としては公正な移行と気候変動目標に向けたファイナンスということで、ブラジルのほうで特に途上国の気候変動対応への資金をどうやって確保していくのか、これを官民合わせてきちんとやっていく必要があるんだと。そういう議論で2つ目のポツになりますけれども、MDBsの話ですとか、既存の気候関連基金がいろいろありますけれども、そういうものをもっと効率化するとか、あるいは民間資金・国内資金動員、こういうものをきちんとやっていこうというメッセージが確認されております。
②の21世紀のための国際金融アーキテクチャーは、先ほどG7のほうでも出てきましたけれども、MDB改革をきちんと進めていくということで、このポツの一番最後のほうに「G20ロードマップ」という言葉が出てきていますけれども、「より良い、より大きい、より効果的なMDBs」を実現するためのロードマップをきちんと今年、議長国の間にまとめようというのが今年ブラジルが目指している主要な成果ということになりますので、この議論を10月に向けてこれから進めていくことになるかと思います。
あとは債務問題、これはG7のメッセージとかなり重なりますけれども、共通枠組みをきちんとタイムラインとプロセスを明確化してやるべきだということで、債務データの突合、先ほど申し上げましたけれども、そういうものにG20メンバー全てが参加をしてやるべきだというメッセージが入れ込まれております。
IMFについては、昨年合意しました第16次増資の早期発効が最優先ということと、この4月のタイミング、直前に日本についてはIMFの増資に応じるための国内の法案が既に国会で可決されておりましたので、その法案が既に国会で成立していますということをこの場で大臣から御説明を頂いたところでございます。
私からは以上です。
○野村調査課長続きまして、制裁につきまして御説明申し上げます。
我が国の制裁措置ということで11ページでございます。前回も御報告させていただいたところでございますけれども、今回の制裁措置につきまして、追加したところはハイライトさせていただいているところでございます。先ほど木原国際機構課長からも説明がございましたけれども、特にロシアと北朝鮮の間の武器取引を今回根拠といたしました追加を実施しているところでございます。
具体的には、こちらのハイライトしているところで、資産凍結の対象者として個人と団体を追加しているところでございまして、個人は前回991名だったのが993名、団体は256団体が265団体、そして今回、特にロシア・ベラルーシ以外のいわゆる第三国の関係者につきましても2団体を追加して、1から3という形にしているところでございます。ちなみに追加した第三国の団体でございますけれども、キプロスの船会社が北からロシアへの武器弾薬の運搬に関わっていたということで、キプロスの船会社2団体につきまして資産凍結の対象に追加したところでございます。
続きまして12ページ、ロシアの凍結資産の活用に関する話でございます。こちらの話につきましては前回の分科会でも御説明申し上げましたけれども、今年2月のG7首脳会議におきまして、6月のプーリア・サミットに向けてあらゆる方策について検討を進めることが合意されたところでございます。そうした首脳の合意を受けまして、先ほど木原国際機構課長からストレーザでのG7財務大臣・中央銀行総裁会議の概要の説明の中でも触れていただきましたけれども、いわゆるヨーロッパで発生しておりますユーロクリアが生み出します特別な収益と言われるもの、具体的に何かと言いますと、ユーロクリアがロシアの中央銀行から預かっております外準の資産、債券、国債等でございますけれども、これが凍結によって本来であれば月々入ってくる利子とか、あるいは満期を迎えた償還金とか、本来ロシアの中央銀行に送るべきものが凍結によって送れない、それでユーロクリアにたまると。それをユーロクリアが自分で運用して、そしてプロフィットを得ていると。そこに着目して、それを活用するということで、特別な収益と言っているところでございますけれども、この特別な収益を前倒しして活用できないかということ、そうした方向性について検討をするということが財務大臣・中央銀行総裁会合の中でも触れられているところでございます。そうした会合も踏まえまして、今般プーリアでのG7首脳会合におきまして、凍結資産の今後の活用策につきまして一定の合意が得られましたので、その内容につきまして御説明させていただきます。
この資料で書かせていただいている、特に青いところが中心になってくるところでございますけれども、まずは金額でございます。約500億米ドルの追加資金を利用可能とするための「ウクライナのための特別収益前倒し融資」を立ち上げることが合意されているところでございます。この前倒しとは何なんだというところでございますけれども、こちらにつきましては先ほど申し上げましたユーロクリアで発生しております特別な収益、これが毎年毎年発生するものでございますけれども、それを返済原資として、例えば5年分とか10年分とか、これをある程度早い時期にまとめて、それを貸し付けると。貸し付けるんだけれども、その返済につきましては毎年発生していく特別な収益で返済されると。そうした形で、前倒しで特別な収益を活用してウクライナ支援に使っていこうということ、こういう仕組みが合意されたところでございます。そして、当然それを実現するためには、そうした凍結資産につきましては、ロシアが侵略をやめて、ウクライナに対して自らが生じさせた損害をちゃんと賠償するまで我々の管轄下にある凍結資産は引き続き凍結をしていくことも併せて合意されているところでございます。
また、実際の融資でございますけれども、融資につきましてはそれぞれ融資をする者の様々な法制度、あるいは行政上の要請がある中で、ウクライナの軍事面、あるいは予算面、あるいは復興のニーズ、そうした形で、多様な形での支援ができるよう複数のチャンネルを通じて、こうした資金を拠出することも合意されているところでございます。
今回の首脳の合意につきましては、こうした大きなアイデアといいますか、枠組みにつきまして今回合意されたところでございまして、今後具体的な融資の仕組みの詳細につきまして、これからさらに議論を詰めていくこととなります。その点を踏まえまして、年内にこうしたERA、前倒し融資の拠出を開始できるように、今後引き続き関係閣僚、基本的には各国の外務大臣、財務大臣でございますけれども、関係閣僚と実務者に対して引き続き作業を進めよという指示をすることが合意されているところでございます。
私からは以上でございます。
○城田参事官続きまして、参事官室の城田でございます。私からは13ページ、14ページのウクライナに対しての支援と、あとは15ページにございますIFCMAについての御説明をさせていただきます。
まず、ウクライナ向け支援の状況ですけれども、前回の外為審議会、3月以降のアップデートとしては、大きな動きがあったわけではございません。しいて申し上げますと、3月28日に国会で令和6年度予算が政府案どおり成立いたしましたので、無事に予定していた2024年度の各種支援の予算面での手当てがついたということで、こちらのほう着実に実施していく基礎ができたということになっております。
資料中、具体的に申しますと、例えば13ページ半ばにあります世銀融資への信用補完について、2024年の追加財政支援としている20億ドル、また最大10億ドルの支払利子の元本化分の予算ですとか、あるいは14ページにございますEBRDに対しての出資といったものがこれによって確保されたことになっております。
また、3月以降の動きとしましては、3月21日にIMFのEFFプログラムに伴う3次レビューが完了いたしました。5月末には4次レビューのスタッフレベルでの合意に至ったところとなっておりますので、近日中に4次レビューの理事会のほうも実施さる予定となっております。
国際的に見てみますと、先ほど野村課長からG7の動きの話がありました通り、アメリカのほうでも4月24日にウクライナ支援関係の予算が成立するなど進んできているところです
続きまして15ページ、5月に開催されたOECD閣僚理事会において、脱炭素社会の形成に向けた閣僚対話をOECDとともに日本が立ち上げました。日本の財務省としまして、こちらについて深く関わっておりますので御報告させていただきます。
OECDにつきましては、今年は日本が加盟してから60周年となる節目の年となっておりまして、日本は10年ぶりに閣僚理事会の議長国でございました。御存じのことかと思いますけれども、OECDの強みとしましては2,000人を超えるようなエコノミストがいたり、豊富なデータや分析力を基に様々な分野でのルールやスタンダード形成を行っているというところがございますけれども、日本はそうした議論に積極的にこれまでも参加していて、とりわけ今年は議長国として、気候変動ですとかデジタル、AI、自由貿易、あるいは経済安全保障等の課題についての議論をしてきていたところです。
さて、その中の気候変動についてなんですけれども、世界、まだ1.5度目標の道筋に乗っていないということで、いろいろな途上国も含めて全ての国が多様な道筋のもとでネットゼロという共通の目標を目指していく必要があるところですので、そういった中で、いかに排出量の多い途上国を特に巻き込んでいくことが大切というふうに認識しているところです。
OECDの取組としまして、15ページにございます優先的な取組として炭素緩和アプローチに関する包摂的フォーラムがございます。英語ではIFCMAと言うんですけれども、こちらはOECDが強みを持っているデータ共有ですとか分析、対話だとかという強みを生かしながら、各国が自国の状況に応じた気候変動政策を採用できるように後押しする取組です。これはOECDメンバーに限らず、全ての国に開かれている取組となっておりまして、日本は2023年の設立当初から積極的に参加しておりまして、多くの加盟国の参加を促しているところです。現在、参加国数は58か国を数え、さらに参加を検討している国が増えている状況となっております。
5月の閣僚理事会の機会に、その取組を一段と強化するためということでOECDと議長国の日本との間で閣僚対話を新たに立ち上げました。閣僚対話の冒頭では岸田総理からスピーチを頂きました。また、中身としましては、15ページの左下にございますようにパネルディスカッションを設けておりまして、こちらではインドネシア、オランダ、シンガポール、チリ、バルバドス、モーリシャスといった国々の閣僚の方々に参加いただいて、脱炭素技術開発の投資の重要性ですとか、あるいはIFCMAでのデータ共有、分析、対話の必要性などが強調されて、モメンタムを形成する良い機会となったところです。会場の雰囲気としましては、多数の参加者があふれていて、こういった場で脱炭素社会の形成に向けた日本のリーダーシップを示す良い機会になったと思っております。日本としましては引き続き運営、資金面での協力、議論への関与を通じて、こういったネットゼロという共通の目標の実現に向けて貢献していきたいと考えているところです。
私からの発言は以上です。ありがとうございます。
○陣田開発政策課長開発政策課長の陣田です。私からは資料16ページのUHCナレッジハブについて御説明いたします。
日本はかねてより人的資本の開発及び持続的な成長の基盤として、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の重要性を強調してきました。そこで去年のG7広島首脳コミュニケでは、UHCに関わるグローバルなハブ機能の重要性が確認されたところでございます。
これまで日本は、技術支援に対する資金貢献をはじめ、世銀・WHOとともに途上国のUHC達成に向けた取組を推進してきましたが、こうした取組をさらに強化するため、右の写真にありますように、4月の春総会の世銀主催UHC推進イベントにおいて鈴木大臣が登壇し、世銀・WHOと連携し、UHCナレッジハブを2025年に日本に設置することを表明しました。
これを受けまして、UHCナレッジハブにつきましては、5月のG7財務大臣・中銀総裁会議の声明や先週のG7プーリア首脳コミュニケにおいて歓迎・言及されたところです。
2つ目のUHCナレッジハブの主な取組予定です。UHC、特に保健財政に係る知見の収集・共有や財務・保健当局の人材育成に取り組む予定です。また、世銀・WHOの知見を活用するとともに、少子高齢化の中で質の高いUHCを維持するための取組など、日本の知見・経験も生かしていきたいと考えております。このほか、関係機関の代表を集めたUHCハイレベルフォーラムを開催する予定です。
詳細につきましては現在、世銀・WHOと議論してございますけれども、このUHCナレッジハブを通じまして、UHCの国際的な推進に一層貢献したいと考えております。
私からは以上です。
○津田開発機関課長開発機関課長の津田でございます。続きましてMDBs(国際開発金融機関)の改革及び資金基盤強化につきまして御説明申し上げます。
17ページにおきまして、これまでのMDB改革の文脈として、気候変動やパンデミック等の国境を越える新たな課題によって貧困が深刻化し、不平等も拡大しているという問題が書かれてございます。
その下の1つ目の○のところをご覧ください。G20においては、昨年は議長国インドからの要請に基づきまして、外部有識者が報告書を出しました。一方、本年の議長国ブラジルの下では、先ほど国際機構課長から御説明がありましたとおり、新たなロードマップが策定される見込みでございます。
また、特に世銀におきましては、本年4月の開発委員会におきまして、借入国に対しまして融資量を増加するという数量面、及び金利負担を軽減するという価格面でのインセンティブを提供する枠組みですとか、新たなビジョン・ミッションと整合的なコーポレート・スコアカードの公表という改革が進んでおります。
続きまして、18ページでございます。資金基盤強化といたしまして、いわゆるCapital Adequacy Framework Reviewと呼ばれております、増資には頼らないで、資本に関する内部ルールの見直しや新たな金融手法の導入等を通じて貸出余力を拡大するという取組が、過去数年G20において進められておりまして、本年のG20のブラジル議長下においても継続して実施される見込みでございます。具体的な取組例につきましては、随時こちらの分科会で御説明しておるところでございますけれども、リスク管理方法の見直しや、新たな貸出ポートフォリオに対する保証、あるいは最後のところで、同じ保証ですけれども、生み出された貸出余力の使途を気候変動に特化したような取組、こういったものが進められてございます。
続きまして、19ページでございます。増資に頼らないで貸出余力を増加させる取組としてCAFがあると申し上げましたけれども、必要に応じて、随時、増資も行われてきております。ただ、一般的に増資をするというよりは、例えば米州開発銀行グループにおきましては民間セクター支援のための増資という名目で、米州投資公社で35億ドル、多数国間投資基金におきまして4億ドルの増資に合意をしておりますし、他方、EBRDにおきましてはウクライナの復興需要に特化した40億ユーロの増資が行われております。また、スライドの右側に書いておりますが、国際機構課長から御説明がありましたとおり、低所得国支援といたしまして、アジア開発基金の増資に合意をしておりますし、また、現在ちょうどIDA21の増資交渉を行っているところでございます。
私からは以上です。
○德岡地域協力課長地域協力課長、德岡でございます。私からはアジア地域金融協力について御説明いたします。
21ページを御覧いただければと思います。このスライドは若干おさらい的になりますが、ASEANと日中韓、すなわちASEAN+3の財務大臣・中央銀行総裁の枠組みにおきましては4本の柱に沿って議論を行っております。1つ目はCMIM(チェンマイ・イニシアティブ)、通貨スワップのネットワークでございます。2つ目の柱はAMRO、これは上記CMIMを支える国際機関でございます。3つ目はABMIということで、現地通貨建て債券市場の育成でございます。4つ目が新しい柱になってございますけれども、災害リスクファイナンス、この4つの議論をこの枠組みで行っております。
22ページに進んでいただきまして、先般5月3日にASEAN+3財務大臣会議がジョージアで開催されまして、CMIM、AMRO、災害リスクファイナンスにつきまして、それぞれここに掲げているような成果がございました。最大の成果はCMIMの新ファシリティ「緊急融資ファシリティ」の創設に正式に合意できたことでございます。このファシリティは、自然災害やパンデミックなど外生ショックに対応して迅速に発動できるものでございます。アジアは災害が多くなっておりますので、ASEAN諸国が高い期待を寄せていたものでございます。日本が議論を主導し、この期待に応えることができました。
CMIMの2つ目でございますけれども、地域金融セーフティーネットの実効性強化ということについても議論を行いまして、CMIMは先ほど申し上げましたとおり通貨スワップのネットワークでございますけれども、資本を払い込む構造についても議論を行い、その便益、メリットについて合意することができました。今後も議論を続けてまいります。
次に、CMIMを支える国際機関AMROでございますけれども、金融分野等のテーマ別のサーベイランスが重要になっておりますので、それを担当する新設次長の着任に向けた着実な前進を歓迎することができました。
3点目、災害リスクファイナンスにつきましては、その事務局立上げ、事務局長の選任など、取組の前進を歓迎することができました。
続きまして、23ページでございますが、7月にPALM10、首脳レベルの太平洋・島サミットが予定されておりますけれども、これを見据え、また、太平洋島嶼国の重要性が増していることも踏まえ、初めての試みとして日本が共同議長を務め、日・太平洋島嶼国財務大臣会合をこれも5月3日、ジョージアで開催いたしました。アジア開発銀行も交え、3つのテーマ、気候変動と質の高いインフラ、金融の健全性と包摂性、債務の持続可能性、この3つのテーマについて課題と、それから日本の協力の可能性について意見交換を行いました。
各国からは、日本の支援、それから先ほどアジア開発基金の増資の話が開発機関課長からありましたけれども、この増資交渉における日本の貢献に謝意が示されたところでございます。併せて、来年も本会議を開催することで合意いたしました。
私からは以上でございます。
○野村調査課長続きまして、私から4番目の外為法上の投資審査におけるコア業種の追加につきまして御説明を申し上げます。
25ページでございます。外為法につきましては、外国から日本への投資、対内直投と呼んでおりますけれども、こうした投資につきましては原則自由という構えでございます。ただ、国の安全等の観点から、特定の一部の投資につきましては必要最小限の規制を課すという観点から、指定されました業種につきましての投資は関係省庁、そして財務省によります事前審査を義務づけているところでございます。
今般、経済安全保障推進法におきます特定重要物資の追加指定などを受けまして、外為法上のコア業種の追加につきましても検討いたしました結果、今回、資料で書かせていただいております6業種につきまして追加をしたいと考えているところでございます。
私からの説明は以上でございます。
○神作分科会長御説明、どうもありがとうございました。
それでは、意見交換に移りたいと存じます。委員の皆様におかれましては、御発言の際は、会場にて御臨席の委員の方は従来どおり名札を立てていただき、オンラインで御参加の委員の方は、事前に事務局より御案内していただきましたとおり、御発言の意思をシステム上の挙手の機能を使って事務局までお知らせいただければと思います。
それでは、御質問ございますか。植田委員からお願いいたします。その後、佐藤委員、木村委員の順でお願いいたします。
○植田委員いつも非常に丁寧な御説明ありがとうございます。また、今回非常に多岐にわたって大変な仕事をこの3か月というか、半年、されてきたんだなと思いまして、頭が下がる思いです。
本当に簡単な質問なんですけれども、私の確認という状況でもあるんですが、1つは例えばいろいろなところにちりばめてあります発展途上国の国家債務再編の迅速化は大事だと思うんですけれども、前々からちょっと話題になっていた中国、それ以外にもあるのかもしれませんけれども、完全に債務がどこから来ているのか分かりにくいといったところがあって、国内とかですとクレジットレジストリみたく債務はある程度どこかで集中的に把握して分かるようにするというのがあるんですが、国際的にそういうことを、本来はパリクラブ等でやったはずなんですけれども、そういった試みは、中国を引き入れてあるんだと思うんですが、どんな状況に今なっているのかなというのが質問であります。
2つ目が例のロシア凍結資産に関わる質問で、12ページぐらいでしょうか、将来の特別な収益のフローにより売り払いされるということ、ある意味で担保と言っていいのか分かりませんけれども、そういうものを担保のような形にして融資をするというようなことなんですけれども、どのくらいで返してもらおうと思っているのかというのと、返ってこなかったときに誰が返すんだろうというのが、さっきの債務の話とも絡んで、ちょっと不思議に思いまして、本当に担保であれば究極的にはロシアが返すのかなという気もするんですけれども、対象がウクライナに貸しているのでウクライナが返すのかもしれませんし、でも、ユーロクリアからお金をもらうようなのでユーロクリアが返すのかもしれない、一体誰が返すんだろうというのがちょっと不思議な気がしております。
もう1つが、これまたどちらかというとざっくばらんとした質問なんですけれども、チェンマイとかAMROのところです、21ページぐらいで、やはりアジアが大事になってきまして、アジアが大事と言ったときに我々最近インドをかなり思い浮かべるんですけれども、チェンマイとかAMRO、もちろんASEAN+3で始まっているので当たり前かもしれませんが、インドが入っていないんですけれども、インドなど、ほかの国も合わせまして入れていくという状況はないのだろうかというところが質問です。
以上です。
○神作分科会長どうもありがとうございます。
今回もいつものようにたくさんの委員の方から御発言の希望を寄せていただいております。時間の関係もございますので、質問をまとめてしていただいて、その後まとめてお答えを頂きたいと考えております。
このお部屋で参加くださっております佐藤委員、木村委員、河野委員の順で御発言を頂き、その後、オンラインで御参加の伊藤由希子委員、根本委員、関経連の佐藤委員に御発言を頂きたいと思います。
○佐藤(清)委員今回も非常に広範にわたったトピックで詳しく御説明いただき、ありがとうございました。大変勉強になりました。
まず最初のほうでIMFの世界経済見通しにおいて、上方リスクと下方リスクについて説明されています。これは4月の情報なので、その後の事態についてはアップデートされていませんが、下方リスクとして今後起こりうることは、例えばG7など主要国の大統領選であるとか、イギリスであれば与野党が逆転するかもしれないとか、日本においても選挙や総裁選など政治的に様々な問題があります。主要国のこうした政治リスクが今後より強く意識されるようになるのではないかという印象を持ちました。
もう1つ、2番目から3番目にかけてのところですけれども、気候変動や自然災害リスクに対して、例えばMDBsの改革などの御説明がありました。気候変動やパンデミックなどの国境を越える課題にどのように対処するか、支援していくかについてのご説明でしたが、一方でアジアには、例えばASEAN+3の中でチェンマイ・イニシアティブがあります。チェンマイ・イニシアティブは通貨スワップのネットワークだということは承知していますが、様々なところでこうした気候変動とか自然災害のリスクに対する取組がなされています。そのような一つ一つの取組についてのご説明は非常に勉強になりますが、いま一つ自分の頭の中で整理ができないところもあります。様々なところがバラバラに取り組んでいる印象を受けますが、それはよいことなのか、あるいはそれらの取組の間で何らかの連携も行われているのかについて質問したいと思いました。この点について、お分かりの範囲で情報をご提供いただければと思います。
最後に、御説明いただいた外為法に関してですが、これも非常に重要な対処であり、私も国の安全の観点からこうした取組をするのは必要不可欠だと思っております。追加対象の業種、特定重要物資関連業種はいずれも重要ですが、半導体製造関連の企業を例に挙げますと、最先端の半導体製造装置は輸出していないと理解しております。しかし、汎用の製造装置はまだ自由に輸出できて、実はそれを隣国が活用して、それを最先端のものへと転用して活用していると言われています。今回は部品のところを抑えようとしているのはよく分かるのですが、このような規制は際限なく続いてしまうかもしれません。結局、規制対象となる部品も汎用の製造装置で使われている可能性もありますし、それらを今度活用されてしまうかもしれません。もしかしたら際限なく、最終的には全てをストップしなくてはいけない、ということになりかねません。それは日本の強みである半導体製造装置企業に大きなダメージを与えかねません。こうしたことのバランスを取るのはすごく難しいのではないかと思います。今回のコア業種の追加の重要性を理解した上でも、以上のような印象を持ちました。
○木村委員御説明どうもありがとうございました。今回も様々な御成果を紹介していただきまして、大変勉強になりました。特に今年、日本がOECDの閣僚理事会の議長国ということで、脱炭素をめぐる閣僚対話の立上げを主導されたと伺いまして、また、あるいは日本と太平洋島嶼国の財務大臣会合も、これまた日本が共同議長を務めて初めて開催されたと伺いました。いずれも新興途上国の脱炭素の取組を強く後押しして、今後の国際秩序の鍵を握るグローバルサウスとの連帯をより深めるという意義があると思います。島嶼国との財務大臣会合、来年も開催されるということですけれども、なかなかこうした地道な取組、目立たないんですけれども、非常に重要なものだと思いますので、積極的に進めていただきたいと思います。
その上で、1つ2つコメントなんですけれども、まず先月のG7の財務大臣会合ですね、いわゆる共同声明は中国の過剰生産問題について明確に懸念を表明しました。非市場的政策、これはいわゆる公正な貿易を損なうものであり、極めて遺憾なものですから、国際秩序に責任を持つG7として一致して非難したことは重要であり、意義のあることだと思います。
問題は、気になるのは米国の対応ですね。中国への制裁関税を決めましたが、中国のEV、ほとんど輸入していないのに100%という極めて高率の関税を課すのは果たしてWTOルールに整合的なのかなと。中国を非難する根拠が公正な貿易を損なうということでしたら、G7の一員としてアメリカも国際ルールは守る必要があるのではないかと。バイデン政権が秋の大統領選をにらんで、国際ルールを軽視して保護主義に走っているのではないかという懸念を私は持っています。本日の資料で示されているように、IMFは世界経済の下方リスクとして地形学的分断の増大を挙げて、産業政策に関する国際的な対話を促しています。多国間の自由貿易を重視してきた日本として、今後どのように臨んでいくのか。それこそ経産省とか外務省のマターかもしれませんけれども、例えばアメリカにもっと対話を促すとか、何らかそういう方針がございましたら教えていただければということが1つです。
長くなって申し訳ない、もう1点だけです。G7サミットで合意したロシア凍結資産のウクライナ支援への活用ですね。このスキームは両面意味があると私は思っていまして、1つは基金という枠組みを設けて、長期間ウクライナを支援する体制を構築できたということですね。アメリカとか欧州でポピュリズム的な動きが広がって、G7の共通の価値観を支えてきた指導者たちの足元が揺らぐ中、仮に政権交代があっても、これで支援がきちんと行われるように制度化する枠組みを整えたことは意味があると思いますし、方向性としては理解するんですけれども、ただ一方で、要するにかなり窮余の策ではなかったのかなということですね。ロシアによる侵略戦争が長期化していることが諸悪の根源なんですが、やはり各国に支援疲れというんでしょうか、とりわけアメリカで支援の賛否をめぐって政治的な分断が強まる中、どうしてもロシアの凍結資産の活用というかなり思い切った手段に踏み切らざるを得なかったのではないかなと。今後はその反動が出てくるかどうか分かりませんけれども、そういう反動に対しても目を配る必要が出てくると思います。
伺いたいのは、今回基金という形にしたことで、かねて懸念されていた国際法との整合性は果たしてとれたのかどうかということと、それから日本としても、詳細はこれからなんでしょうけれども、基金に出資するのか、その際、日本としても重視してきた国際法との関係はどうなるのかということ及び、これは分かりませんけれども、ロシアが報復に出る可能性はどうか。日本が出資した場合、日本への報復のおそれはないのか。ロシアは凍結資産、それも根っこから没収されることを結構心配してきたんですけれども、そうではないという枠組みになったということで、それほど大きな報復にはならないんじゃないかという専門家の間で見方もあるようですけれども、その辺も併せて、分かる範囲で結構ですので教えていただけたらと思います。
以上です。
○河野委員ありがとうございます。私からは御質問を2つとコメントを2点させていただきたいと思います。たくさんの様々な資料で御説明を頂きまして、誠にありがとうございました。
1つ目の御質問は、7ページの1つ目の太字の「世界経済・多国間主義の将来」の1つ目の「・」の「ルールに基づく貿易・投資と多国間主義」という部分の記述でございますけれども、今の国際社会において、どうしても進みがちになっているのは恐らく二国間主義であり、地域主義であろうと思います。ここでおっしゃっている多国間主義は、いわゆるWTOのような戦後国際社会が目指してきた普遍的な多国間主義という意味なのか、それとも地域的な意味での多国間主義がこれだけ強くなっていることをどのように位置づけているのか、そして、その文脈で地域主義の関連では二国間主義のアプローチということも否定できなくなっている中で、日本は少なくとも戦後外交の中で多国間主義を強く推してきた国だと思うのですけれども、日本として、どのようにこの問題に対応していこうと思っておられるのか、もし伺うことができれば伺いたいと思いました。
もう1点は、先ほども佐藤委員がコメントされた26ページの経済安全保障上の追加の指定でございますけれども、先ほどのコメントもそのとおりだと思うのですけれども、この制度をつくったときに、やはり特定の業種をきちんと指定して、それで規制をするという方向で制度をつくったと思うのですけれども、ただ、こうして1つ1つ業種を指定していくことが今後どの程度、持続可能なのかといいますか、先ほどのコメントにもありましたように、限りなく軍事物資と民事品の区別が難しくなっている中で、この点どのようにお考えでしょうかというか、少し伺わせていただければと思いました。
以上が御質問でございます。
あと2点、コメントでございますけれども、1つは気候変動問題に関して、様々な形で技術、それから資金に関しての制度ができていることは望ましいと思うのですけれども、ただ、アメリカのこの秋の大統領選挙の結果として、アメリカの政権が気候変動問題にどういうアプローチを取るかが、少なくとも現在のバイデン政権だからこそ気候変動問題に対して真摯に取り組んでいると思いますけれども、万が一トランプ政権になったときに、恐らく後退するのではないかと考えますけれども、それは織り込み済みで、ほかの国との協力関係で推し進めるということになるのだろうかと若干懸念するところでございます。
もう1点は、ロシアの資産凍結の基金のお話でございますけれども、少なくともウクライナの、今の資料の映像を見ていますと限りなく金額が、莫大なお金がこれから復興にかかっていくのではないか、それから特にインフラがかなり破壊されていますので、それも考えますと相当程度な資金が必要になると思いますけれども、今のデザインの基金でそれに十分長期にわたって持続的に対応していけるんだろうかということを若干懸念いたしました。
以上でございます。ありがとうございました。
○伊藤(由)委員26ページの特定重要物資についてコメントを申し上げたいと思います。
こちらのリストを拝見しますと、大きく2種類あると思っておりまして、1つは日本でつくるような比較優位は全然ないんだけれども、つまり海外に依存して、これまで輸入してきたんだけれども、それでは供給途絶のリスクがあるようなもの、例えば抗菌性物質や肥料といったもの、もう1つが輸出競争力もあって、これまで日本としては海外に売ることで稼いできたものだけれども、今後安全保障上のリスクから輸出に関してある程度制約を加える必要が出てくる、国内供給を重視する必要が出てくるものとあって、この2つは慎重に区別をして考えていただかないと、先ほど、先生方から御指摘があったとおり、何でもかんでもということになりかねないと思います。過去3年間、補正予算が1兆円規模でついていて、今年も恐らくそうなると予想されますので、やはり日本として、本来イノベーションを担うところにつけるのであればまだしも、日本として、もうつくっていないんだけれども、つくらなければいけないものに対してどれだけコストをかけるべきなのかということについては慎重に考えるべきと思います。
これはコメントで、一つ財務省的にできることとして御提案というか、御検討いただきたいのが、貿易統計における特定重要物資のHSコードという品目コードがあるんですけれども、その品目コードをもう少し細分化して、例えば供給途絶のリスクがあるときに速やかに察知できるような、リアルタイム性を持ったような貿易統計の取り方を御検討いただけないかということを考えております。HSコードを、すみません、マニアックなので御説明しますと、9桁ありまして、大分類だと2桁、例えば抗菌性物質で言いますと、2桁だと医療用品という分類、4桁だと医薬品という分類がされます。6桁になるとヒト用の医薬品ということで一まとまりになって、9桁までいくと胃腸薬という形でくくられるわけなんですが、特定重要物資のいわゆる物質的な、品目的なコードは当然9桁よりもどんどん細かいものに、9桁をさらに細分化しないと貿易統計上、輸入が減っているということはリアルタイムになかなか察知できないのではないかと。もちろん通関レベルで把握はされていると思うんですけれども、例えば貿易統計などの状態で私たちが観察できるかというと、そういった検証もできない状態になっているので、ぜひ統計、例えば日本に供給が途絶するリスクがあるということであれば、そういった事情が可視化できるような形でHSコードの細分化、それから特に輸入統計でしょうか、輸入統計に関するリアルタイム性の強化といいますか、数か月後に遅れて統計が出るのではなくて、もう少し早期に情報を把握することをしてはいかがかと。そのほうがこういったものを特定物資に設定しますというときの説明責任といいますか、何でもかんでもになることが良いとは思えませんので、一定の説明責任が果たせるのではないかと思いましたので、すみません、この部会で申し上げることでは全然ないかもしれないんですけれども、もし関連部局にお伝えする機会があればお願いしたいと思います。
もう1点もコメントとして、やはりここで議論することではないんですけれども、円安ですよね、すごく個人としても研究者としても気になっているところです。実質実効為替レートが50年前の水準になったことは報道でもされていますし、今回の円安に関しては、過去のこれまで経験した円安とは違って輸出が伸びない、貿易収支もサービス収支も赤字で、いわゆる良い円安と悪い円安があるのだとすると、悪い円安になっているのではないかと。つまり悪い円安がさらに日本の既に落ちている生産性ですとか、それから物価や賃金に関しても悪影響を及ぼす可能性がゼロではないと思いますので、これはただのコメントで、どうということではないんですが、今後金融政策においても為替の水準を喫緊の課題としてきちんと検討していただきたいというコメントでございます。
すみません、2点目は余計だったんですが、特定物資に関しては御提案がございましたということで、以上です。
○根本委員御説明ありがとうございました。コメントが1つと質問が1つです。
コメントとしては、他の委員もお話があったような、世界平和、あるいは気候変動、様々な課題が山積みする中で日本への期待が非常に大きいと。資金面もそうですし、一方、財政状況も厳しい中でなかなか難しいのかなと。そういう中では、いろいろなイニシアティブを取られて、UHCナレッジとか、チェンマイ・イニシアティブのファシリティとか、債務の透明性とか、こういった主にノレッジの面でプレゼンスを示していただいているのは非常に良いことだなと思いました。
質問としては、26ページ、外為法の審査でございます。他の委員の方々もおっしゃっていたんですが、かなり対象事業を判別しにくい面もあり、それが自由な資金移動とか日本の株式市場への影響とか、こういうことはどう見ていらっしゃるのか。岸田政権も日本への投資を促すという政策をとっている中で、その整合性を伺いたいと思いました。
それと関連して、事前審査の有効性を伺いたいわけです。4年前に外為法を改正されまして、スレッショルドも10%から1%と大きく下がっていますが、その実態はどういうものなのか。つまり審査が厳しくなればなるほど、事務作業が非常に増えていくのではないかと思うので、他国と比べてどうなのか、ボトルネックみたいにならないのか、そして、ある程度リスクベースのようなアプローチはとれないのでしょうか。経済安全保障上、懸念のある事項によりリソースを割いて、非常に安全な投資にはそれほど割かないとか、そういうめり張りを持って対応できないのかというのを伺いたいなと思いました。
以上でございます。
○佐藤(基)委員御説明ありがとうございました。関経連から参加しております佐藤でございます。私は産業界から出席しておりますので、マクロに関する質問というよりも、産業界の生の声を共有させていただけたらと思っております。今年5月に関経連と大阪の商工会議所で四半期に一度実施しております関西企業を対象とした経営経済動向調査を実施しておりまして、その中で今の円安トレンドという為替状況を踏まえた企業の生の声を収集しておりますので、共有できたらと思っております。
まず心配されるほうのネガティブな影響ですけれども、製造業全般において昨今の原材料ですとか資源・エネルギー価格の高騰に加えて、円安による輸入コスト、物流コストの上昇、これによる販売価格の値上げによって市場の消費マインドの低下がかなり懸念をされております。加えて、業界によっては既に顧客の購買意欲、購入意欲が減退しているという領域も出ております。また、具体的になりますけれども、製薬企業からは制度的に薬価が下がる現状において、コストアップ分を販売価格へ転嫁することが非常に難しく、業界全体の停滞を起こしているという声も上がっております。政府ともども経済界全体で取り組んでいる賃上げですけれども、円安による物価高騰によって、その効果が相殺されてしまうことの懸念も出ております。
その一方で、ポジティブな影響としましては、卸業、小売業からはインバウンド効果が継続するという見立てが支配的で、関西空港の外国人の入国者数も3月、4月、5月と、3か月連続して過去最高値を更新しており、順調と言えるかと思います。インバウンドの需要の回復に伴って、関西における宿泊者数もコロナ前の2019年を同月比で上回っている状況です。百貨店などの大型小売店では高額品の販売が好調と聞いております。機械器具の企業からの意見としては、円安の影響で輸出が多少伸びてはいるものの、国内が鈍化していることによってプラスマイナス両方の影響があって相殺されているという話もあります。当然のことですけれども、行き過ぎた円安の進行が事業環境に不透明性を与えて、輸入価格の上昇によるコストアップを招いており、国内消費に対しては物価上昇を通じてマイナスの影響を与えるため、近年の賃上げ効果を削ぐことが強く懸念されております。
政府・財務省におかれましても、国内外の動向に十分目配りを頂いて、引き続き必要な対応を講じていただけますようお願い申し上げます。
私からは質問ではなく、コメント、共有ということでさせていただきました。以上です。
○神作分科会長コメント、どうもありがとうございました。
それでは、また会場に戻りまして、会場で御参加の和田委員、渡井委員、その後、オンラインで御参加の五十嵐委員、原田委員、澤田委員の順に御発言をお願いいたします。
○和田委員発言の機会を頂きまして、ありがとうございます。私からは2点申し上げさせていただきたいと思います。コメントになります。
まず1点目なんですけれども、最後のほうに御説明いただいた外為法上の投資審査におけるコア業種の追加についてでございます。経済安全保障推進法で特定事業物資の追加指定を受けての対応ということで理解しております。こちらについては大変正しい動きであろうというふうに経団連としては考えております。かねてから経団連は、自由で開かれた貿易投資を追求すると同時に、経済安全保障をしっかり確保していくという、この両者をバランス良く追求していくことが大事だということを申し上げていたところでございます。そのためにスモールヤード・ハイフェンスということをよく言わせていただいておるんですけれども、今回のコア業種を追加したこと、ヤードの中にこういう業種が重要だということで指定していただいたということで、これをきちんと定義していただくことは、明確に提示することは大事であると考えております。
一方で、ヤードの中に入るものとして、この業種を指定いただいたのはいいことではあるんですけれども、事前届に該当するかどうかの銘柄リストを公表していることについては、かねてから経団連としては強い問題意識を持っておりまして、むしろ安全保障上、機微な製品や技術を有している業種である、そういう企業であることをショッピングリストとしてさらすことになりはしないかということを非常に懸念しておりまして、そもそも外為法上こういうコア業種を指定しているという趣旨からすると、銘柄リストの公表については慎重に改めて再検討していただきたいと考えております。以上がコメント1つ目でございます。
2つ目については、気候変動対策で資金動員のいろいろな取組について、国際条理での議論の様子について共有していただいたところなんですが、この関連で、OECDで進んでおります質の高いインフラの認証のためのブルードット・ネットワークで、今これをいかに実効あるものとするべきかということで議論が進んでいると認識しておるんですが、この仕組みの中で、どうしても欧州の環境関係の方の声が強いとトランジションにつながるようなプロジェクトがどうしてもネガティブな評価を受けがちである、そういうことになりはしないかという懸念を持っております。カーボンニュートラリティを実現するという観点からすると、トランジションにつながるものについても正当に評価されるべきであると考えておりまして、こちらについて、ぜひ財務省のほうでもいろいろなチャネルがあると思いますので、後押しをしていただきたいというコメント2点でございます。ありがとうございます。
○渡井委員ありがとうございます。
私からも外為法の投資審査についてお尋ねを申し上げます。このたびのコア業種の追加が、国の安全に直結する問題であるということがよく理解できました。その上でアメリカの状況を考えますと、大統領選挙の結果にかかわらず、引き続き新ワシントン・コンセンサスといった政策の推進が予想されますので、同盟国としていかに対応していくのかが一層問われるものと思います。そこで、経済安全保障と日本の投資規制の今後につきまして、もちろん投資の自由を前提としながらも、アメリカのデリスキリングも踏まえた強化の方向性に関しての考え方を御教示いただければと思います。
以上でございます。
○五十嵐委員ありがとうございます。私からは資料の12ページ、ロシアの凍結資産に係る特別収益前倒し融資の件と、最後の25ページ、外為法上のコア業種の追加についての質問を申し上げたいと思います。
1点目のロシア凍結資産に係る特別収益の前倒し融資につきましてですが、恐らく凍結資産の運用収益をどのように活用するのかということに関しまして、ユーロクリアのところにたまっている利益の活用についてEUが先行して枠組みを構築してきたと認識しております。他方、今回のG7のコミュニケも拝見いたしましたけれども、やはり運用収益の利用という局面につきましては、もろもろの国際法上、各国法上の問題があろうかと理解しておりまして、コミュニケの中でも利用するべき運用収益のプールされている凍結資産、資金というところはEU、またはアザー・リファンド・レストリクションという形で、そこが明記されていない形になっているものと理解しております。
従前から国際法、それから各国法制度との平仄というところは争点として挙げられておりましたが、直近の声明を拝見いたしますと、各国の法制度、それから本日の資料の和訳によれば行政上の要請というところも踏まえて検討していくと。また、先ほど口頭の説明の中では、今回はアイデアの合意であるということで、仕組みはこれから詰めていきますと。複数のチャネルも見据えてという御説明、誠にありがとうございました。この複数のチャネルというところに恐らく入るのかなと予測はしておるんですが、最近の報道の中で、凍結資産の運用収益を基金に入れるといったベクトルとは別に、貸付ですね、基金に対して例えば円借款で貸し付けるであるとか、あるいは日本は資金の貸付金の使い道、使途について非軍事目的に限るであるとか、若干報道があったようにお見受けいたしました。このあたり、非常に重要な観点かと思いますし、凍結資産の運用収益の利用をもしEUのようにするのであれば、恐らく日本の現行の外為法上の立てつけとフィットしないことになり、改正を例えば要するとか、もろもろあるのかなと理解しております。非常に重要な局面にあろうかと思いますので、お差し支えのない範囲で今の時点でのお考え等、教えていただければと思います。
2点目としましては、資料25ページ、コア業種の追加について、3点ほど手短に申し上げます。
まず1点目ですけれども、箇条書きの2項目めで経緯として「今般、経済安全保障推進法における、『特定重要物資』の追加指定等を受け」と書いていただきました。経済安全保障推進法の直近の動向という意味におきますと、物資の追加指定のほかに基幹インフラ事業者につきまして、直近の名古屋港のコンテナターミナルでのランサムウェアによるサイバー攻撃、そういった事象を受けた上での港湾運送業者の追加という動きがあったものと理解しております。この点につきまして、何らかの対応を今後考えておられるのか、そこについて御教授を頂ければと思います。
2点目は、ほかの委員の方々も言及されておりましたとおり、必要な範囲で、安全保障の観点から必要なものがあれば随時追加していく必要があるというのはもちろん理解しておるんですけれども、やはり日本として守るべきものが何なのかといったメッセージがより明らかになるように、安全保障と投資促進のバランスという観点から慎重に見極めて、審査の要否について分かりやすいように検討していく必要があるだろうと思っております。
最後に、外為法の改正でございますけれども、2019年の改正法が施行されたときに、5年ごとに見直しという附則があったかと存じます。2019年の改正のときもそうでしたけれども、非常にフォワード・ルッキングに御検討、幅広に頂いた上で改正に至ったと理解しておりますので、次のタイミングでも同様に御対応いただければと思います。
以上です。
○原田委員ありがとうございます。複数の委員の方々が既に御質問なさっていらっしゃいますので、本当に手短に1点だけ、ロシアの凍結資産の活用による融資について質問させてください。ほかの委員の方々と重なるところも少しあるかもしれませんが、なるべく重ならないように質問いたします。
まずユーロクリアにある元本については、資産の元本についてはロシアに帰属するので、そのリターンだけ、これまでのリターンについても将来のリターンについても、将来のリターンを前倒しで活用するというのが今回の融資の元本に当たるとなりますと、500億米ドルはかなりの金額ですので、リターンでこれだけ出すということは、元本側はもっとすごい金額があると思うんですけれども、元本は政府保有の資産だけに限らず、政府系ですとか、民間の資産なんかも、ユーロクリアにあるロシアに帰属するものは元本として入ってきているのだろうかというところが少々分かりませんでしたので、元本部分のところを教えていただければと思いました。
あと、和訳で特別な収益という言葉を使ってくださっておられますけれども、この特別な収益というのが、ちょっと意味が、直感に合わないといいますか、将来発生するリターンを前倒しで利用すること以外に何か特別に含まれている意味があるのかどうかというところを教えていただければと思いました。
先ほど五十嵐委員もおっしゃっていたように、詳細はこれから詰めるということでしたので、現状分かっている範囲内で教えていただければということと、今後の進展についても、今後の分科会のほうで教えていただければと思います。
以上になります。よろしくお願いいたします。
○澤田委員どうもありがとうございます。いつも本当に勉強になります。私からは冒頭の植田先生のコメントに関連するんですけれども、1点のみ、恐らくコメントになるかと思いますけれども、債務問題に関連してということです。
私、現在UR24という防災のフォーラムに参加しておりまして、こちらのほうは世銀の防災ハブが東京にあることもあって姫路で開催されているかと思うんですけれども、今回御説明があったとおり、防災ハブだけでなく、UHCハブができるということ、それからASEAN+3で災害リスクファイナンスのイニシアティブが始まるということで、日本政府主導で非常に重要なイシューについて、それをリードするようなイニシアティブないしはハブのようなものができていることは非常に歓迎すべきと思うんですが、それで債務なんですけれども、債務についても似たようなことができないのかというのが私のコメントでございまして、G20の場ではデータのトランスプライシングのために共有することを働きかけたということもありますし、データだけではなくて、プロセス全体を明確化することを日本は非常に強く言っていただいているということもあるわけで、ノンパリクラブ、ノンDACメンバー、こういう新たなドナーといいますか、エマージング・ドナーと言うのはちょっと古いかもしれませんけれども、データを、もちろんG20の共通枠組みもあるということなんですけれども、それにアライする形で何か、イニシアティブなのか、フォーラムなのか、そういうものを日本政府でできないかというのが私のコメントでございます。
もちろんIMF、ワールドバンクのデット・サステナビリティ・アナリシスもあり、それからリサーチも、非常に多岐にわたるリサーチがなされているということですし、パリクラブが1つのプラットフォームになっているということもあり、OECD、DACはデット・リポーター・システムですか、DACメンバーについてはそういうデータをきちんと開示するような仕組みもあるということなんですけれども、それを広く、G20ないしはG20外の国々も広げたような、イニシアティブなのか、ハブなのか、日本はスリランカの債務再編を仕切っていることもありますし、知見、人材育成、そういったものができるような試み、ワンショットのフォーラムのようなものでもいいと思いますけれども、そういうのをやってみてはどうかということがコメントでございます。
もちろん債務問題はかなりセンシティブというか、世界中の国が関わるわけなので、なかなか政治的に難しいことはあるかもしれませんけれども、何か日本政府主導で、G20で既に打ち込んでいただいているものを拡大するような、そういうことはできないかというのがコメントでございます。
以上です。すみません、長くなりました。
○神作分科会長どうもありがとうございました。
それでは、対面で御参加の左三川委員、御発言をお願いいたします。
○左三川委員私から手短に、最後の点について申し上げたいと思います。
外為法上の投資審査におけるコア業種の追加という点でございますけれども、海外からの投資を規制するということですので、特定業種に指定された産業・企業がその後どのように変化してきたのかという点についても、中長期的なモニタリング、それから観察が必要になってくるかなと思います。海外からの投資を規制した結果、国内での資金調達が十分になされているか、株価への影響、そうした産業・企業で働く担い手がどのように変化しているか、変化していないかといった点について、あるいは生産性・成長力が高まっているかどうかという点について、モニタリングをしていただきまして、成長力が高まっていることが担保されているということが確認できて国力が高まることにもつながると思いますので、ぜひ中長期的にこうした業種のその後についても教えていただければと思います。
私からは以上でございます。
○神作分科会長どうもありがとうございました。
ほかに御質問はございますでしょうか。よろしゅうございますか。
それでは、財務省からまとめて御回答いただければと思います。お願いいたします。
○野村調査課長非常に多岐にわたる貴重な御意見、御質問を頂き、どうもありがとうございます。
私から、まずロシアの凍結資産の関係につきまして、頂いております御質問にお答えさせていただければと思っているところでございます。そもそも凍結資産が生み出す特別な収益というのは何なんですかというところ、これを返済原資に使うということはどういうことなんですかということ、そうした基本的なところにつきましてまず簡単に御説明申し上げたいと思います。
まず特別な収益という話でございますけれども、こちらはそもそもユーロクリアというベルギーにあります証券の預託保管業を営んでいる法人でございますけれども、そこがロシアの中央銀行から預かっております外準の資産、国債等でございますけれども、それを彼らが保管している、預かっていると。そうした預かっている国債というのは、当然発行している国から毎月の利払いですとかのお金が入ってくると。普通は制裁がなければ、それをすぐに持ち主であるロシア中央銀行に送金するわけでございます。あるいは国債が償還されれば、お金に換わったものは持ち主にすぐ送るという取引になるわけでございますけれども、それが資産凍結によって送金できないという中で、国債が現金に姿を変えて、現金がどんどん滞留しているという状況でございました。こうした姿を変えたもの、それ自体につきましては元本取扱いと同じく、それはロシアのものであろうということでございます。
今回、特別な収益というのが何を対象にしているかといいますと、ユーロクリアがそうした滞留している現金を自分で運用して、そして稼いだもの、ユーロクリアは自分の会社の利益として計上している、そして当然税務当局等にも申告しているという状況でございます。ロシアの凍結資産そのものではなくて、滞留している、現金に換わったものを自分でユーロクリアが運用して稼いだもの、これを特別な収益と考えているというところでございます。
民間の分は入るのかという御質問がございましたけれども、これは民間部分ではなくて、あくまでロシアの中央銀行が持っている、ソブリンの資産のみが元本に入っているというところでございます。
実際に返済原資としてG7が今回ローンを出していくという話について、それがどれぐらいの期間で返ってくるのか、あるいは貸し倒れたらどうなるのか、そこに多くの委員から関心が示されました。私も関心がございます。そうした詳細につきましてはこれから議論していくところでございますけれども、大事な点といたしましては、特別な収益ももちろんそうでございますけれども、そもそもロシアがウクライナに対してもたらしたものすごい損害があると。ウクライナを助けて、ウクライナの復興をしていくための一義的な責任はロシアにあるんだということ、ここは忘れてはいけないんだと思っているところでございます。そういう観点から申し上げますと、今回ユーロクリアが自分で稼いだと言いつつも、そうはいっても何らかの形でロシアの資産に結びついたお金であるという点、ここは忘れてはいけないと思っているところでございます。そういう中で我々として、G7としてそれを支援していくという中におきまして、今後の具体的な特別収益の前倒し融資を実際にオペレーションに入れていく段階におきまして、貸し付けたお金はどう使われて、実際に貸し倒れた場合どうなるのかとか、そうしたところも引き続きG7の中でよく議論して、詳細を詰めていきたいと思っているところでございます。
我が国としてどういうふうに対応するのかという御質問がございましたけれども、こうした詳細の制度設計についての議論をしていく中で、我が国としてもきちんと条件が整えば、我々としても融資という形での参加をしていくという方向で今考えているところでございます。
凍結資産につきまして、どうしても国際法との関係の議論がありましたよねという御指摘がございました。ここにつきまして、今回のそもそも欧州、EUの中におきまして、凍結資産を活用することにつきまして、プーリアでの、G7での首脳の合意の前の段階で、特別な収益を活用して、そもそもEUとしてこれをウクライナの支援に回すんだということが意思決定されているところでございます。そうした意思決定をする際におきまして、ユーロクリアが稼ぎ出した収益につきまして、こちらの活用につきましては国際法上の問題は生じないという整理がEUの中でされている状況でございます。そうした整理のもとで、G7としても今回の特別な収益を将来の返済原資として、ある意味担保としてでございますけれども、将来の返済原資として活用する形で融資をしていくという形での大きな方向性が合意されているところでございます。もちろんでございますけれども、国際法、そして国内法に沿って、我々としては適切に対応していくところでございます。
幾つかのチャンネルを通じてという形での資金の提供という点についての御質問がございました。こちらにつきまして、五十嵐先生からもお話しございましたけれども、そうしたお金を出すに当たって、例えば日本につきましては、軍事支援はできない、これは日本国としての当然の立場でございますけれども、国によっては軍事支援したいという国も当然今後出てくるであろうと考えているところでございます。そうした各国のそれぞれの行政上の要請といったところでございますけれども、そうした立場の相違も踏まえつつ、だけども、ウクライナに対してのお金を流していくに当たって、幾つか受け皿としての複数のチャンネルを設けていくということが今回の大きなアイデアとしては合意をされているところでございます。
凍結資産について、そんなところですかね、結構総論的な形でお答えをさせていただきました。
続きまして、外為法のコア業種の追加の話でございます。こちらも本当に多くの先生からたくさんの御指摘と御質問を頂いたところでございます。
全て共通する視点というものがあると私は理解しているところでございますけれども、我々の認識といたしましても、外為法上、投資というのは基本的に自由なんだというところ、ここは忘れてはいけないんだと思っております。投資は原則自由なんですと。例外的に規制をするんですというところ、この基本的な視点というのは忘れてはいけないと思っているところでございます。例外的にやるものなのであれば、例外に該当することを明確な証拠を持って、そして示していく必要があると思っているところでございます。そうした考え方につきましては、アメリカの政権がどうなるかということに関わらず、我々として、そこについては考え方は維持していこうということを考えているところでございます。
そういう視点に立った上で、今回につきましても、今回の追加業種の指定をするに当たりましては、これが本当にどう国の安全に関わってくるのかというところ、ここを関係省庁との間で相当な時間もかけて議論してまいったところでございます。我々としても、これが国の安全に該当するのは客観的な事実に照らして明らかであろうと思われるもの、それについては認めると。だけども、そうではないのに、取りあえず安全のために広く網をかけておくかと、そんなことをするつもりはございません。投資は原則自由でございます。その視点は忘れないようにしていきたいと思っているところでございます。
その上でではございますけれども、そうはいっても国の安全に関わるところ、例外に該当するものなのであれば、それは我々としてもためらわず迅速に対応はしていくと、その姿勢は常に持っておきたいと思っているところでございます。
そういう意味で、軍事用と民生用の境界線がブラーリーになってきていると、そうした中で規制がのべつ幕なしに広がっていくんじゃないかという御懸念、当然そうなっちゃいかんと思っています。そこはやはり国の安全としっかりと結びついていることが我々としても確認できるもの、それを1つ1つきちんと審査した上で判断をしていきたいと思っているところでございます。
根本先生からそもそも事前審査ということで、ここが相当、審査量ですね、事務量との関係がどうなっているのか、諸外国に対してどうなのかというお話がございました。10%を1%に引き下げたということもございますけれども、規制を強化する中におきまして、審査業務の件数につきまして、我が国の審査件数は他の国に比べても大きく増えている状況でございます。当然それは事務量として増えてくるわけでございますけれども、それは我が国として必要な審査を行う上で必要な業務としてやっているわけでございます。そうした中におきまして、先生から御提案ということで御意見いただきましたけれども、今後そうした事務を遂行するに当たってリスクベースのアプローチも考えたらどうかという御意見も頂いたところでございます。我々としましては、規制の実効性をきちんと確保しながら事務の効率性ということ、こうしたものにもきちんと配慮をしながら進めていきたいと思っておりますので、貴重な御意見として受け止めさせていただきたいと思っているところでございます。
それから、5年後の見直しがそろそろ来ますよねというお話がございました。我々としてもそれは認識しているところでございます。そうした中におきましては、左三川先生からもお話がございましたけれども、実際に我々が改正後の制度のもとにおいて対内直接投資の規制の仕組みを運用する中で、それがどのような形で、どのような影響を生んでいるのか、そうしたことも含めてしっかりと今後の見直しの中で、我々として見直すべき点は何なのかということをきちんと考えていきたいと思っているところでございます。
銘柄リストの話がございました。銘柄リスト、悪目立ちしてはいかんという中で、それを公表することについては慎重にという御意見がございました。お気持ち大変よく分かるところでございますが、他方で投資家の立場に立ってみると、どこが規制の対象になっているのかということが分からないと、投資する前提として知らずにやってしまった、後で外為法違反でした、これでは困るという声が当然出てくるわけでございます。投資家が最低限知るべき情報というものはあると思っているところでございます。そうしないと対内直接、外国からの投資をきちんと呼び込んでいくという考え方、先ほど申し上げましたけれども、我々は原則自由という世界の中で生きていこうと思っているところでございます。その中で外国からの安全な投資は積極的に受け入れたいと思っているところでございます。そうした基本的な姿勢に照らしますと、恐縮ではございますけれども、やはりどこが規制の対象になっているのかということにつきましては、投資家との関係で情報提供はせざるを得ないと思っているところでございます。
河野先生から頂いたところでございますけれども、ウクライナの支援、今回は凍結資産を活用する中で支援していきましょうという話ですけれども、これが今後も長期的に十分な形で、持続可能な支援としてワークするんでしょうかという御質問だったと思っておるところでございます。今回は凍結資産を活用した支援、これは基本的に、先ほど申し上げましたけれども、ウクライナの復興は一義的にはロシアに責任があるんだという中で、そういう中で凍結資産をどう活用してロシアに責任を果たさせるのかということ、こういう観点から我々として考え出した仕組みでございます。これをもって全てということは、融資分としてそういう認識は立っていないところでございまして、実はその点が今回のサミットのコミュニケの中にも含まれているところでございまして、今回ERAは立ち上げるんだけれども、今回の資料で申し上げますと12ページでございますけれども、2つ目の矢羽のところで書いてございますが、したがっての後、「その他のあり得べき他の貢献を予断することなく」というメッセージで書いているところでございます。これが言っているところは、別に今後これだけでウクライナ支援が終わるよということではございませんよというメッセージでございます。当然ながら様々な形での支援があるわけでございますので、そうした大きなパッケージの中での1つの試みという形でERAの融資というものは位置づける必要があるのかなと思っているところでございます。
基幹インフラで、港湾の業者の関係の話について御質問がございました。こちらにつきましては、どういう業種を今後外為法上のコア業種に追加していくかということにつきまして、予断を持って申し上げることは控えさせていただきたいと思っているところでございますけれども、当然ながら私どもといたしましては関係所管省庁等との間で、どのような業種を今後追加すべきかということにつきましては我々としても普段から相談させていただいているところでございますので、関係省庁と相談する中で必要な追加というもの、これは当然例外としての措置でございますので、きちんと客観的な証拠が示される中において我々としてもきちんと対応していきたいと考えているところでございます。
長くなってしまいましたが、取りあえず私からの回答は以上でございます。
○木原国際機構課長続きまして私から、木村先生と河野先生から多国間主義、あるいは過剰生産能力問題について御質問があったかと思います。
木村先生がおっしゃられたとおり、アメリカの措置は通商301条なので、同じように対EV課税、ユーロ圏が最近決めましたけれども、暫定ですけれども、こちら一応アンチダンピングという調査の手続を経てやっているので、そもそもアプローチが違うよねというのはおっしゃるとおりだと思います。やはり日本としては、これはG7の中でも基本的なメッセージとしては共有されていますけれども、やはり多国間主義できちんとなるべくルールに基づいてやりましょうという、この前提は変わらないんだと思います。その中でどういうことができるかという今後の方向性ですけれども、1つはまずG7の中で何をやるか、よく情報交換しながらやりましょうねと。その際に、現状に対する認識を共有できたらいいね、という点は1つできると思っています。例えばですけれども、非市場的政策・慣行とは何でしょうかと。あるいは、それが各国でどのぐらいやられていて、どのぐらいインパクトをもたらしていますかと。こういう議論は、トレードトラックになると、どうしても個別の関税措置ですとか個別の補助金措置の議論になりがちなので、マクロの議論として財務トラックでグローバルな、例えばIMFみたいな機関を使いながら、1つナラティブを作っていく議論ができるのかなとは思っています。
例えば、OECDの分析などによれば、当然補助金、減税措置、いろいろなアプローチがあると思いますけれども、例えば中国では、ほかの国と比べて圧倒的に大きいのは低利融資のようです。あるいは恐らくもう1つ、かなり違うのが透明性の部分で、どのぐらいやっている措置が外に公表されているのか、そういうところはかなり違いがあるので、そこに光を当てて議論していくことはできるのかなと思っています。
あと、河野先生がおっしゃられた多国間主義、その反対は地域、リージョナルな取組か、或いは二国間の取組なのか、という御質問ですけれども、御質問を受けて、我々もそこまでちゃんと考えてこういう言葉を使っていないのかもしれないと若干思った部分もありますけれども、すみません、私個人かもしれませんが、多国間主義と言うときの反対概念はどちらかというと自国中心主義、自国だけよければいいということではなくて多国間主義、そういう対比で使っていることが多いかなという印象を持っています。例えばG20でも、G20で議論すれば多国間主義でちゃんと取り組んでいるよねという感じの議論になるので、対比の概念としてはそういうことかなと私は思っています。
そういう中で、貿易の世界で言うと、グローバルにカバレッジが広いWTOの世界でミニマムスタンダードをつくって、深掘れるところでリージョナルにやる、あるいはバイでやるというアプローチがこれまでだったと思いますけれども、そこは基本的には、特にトレードの世界ではこれからも変わらないんだとは思います。ただ、足元起こっているのは、むしろ逆にそれを一部の国についてだけ巻き戻す、まさにアメリカのアプローチがそうですけれども、そういう動きが今までなかったけれども、最近より頻繁に見られるようになってきている。そういう中で、そういう措置をグローバルな枠組みの中でどうみなしていって、必要以上に世界経済に悪影響をもたらさないようにやっていきますかという議論がこれから必要なのかなと思っています。
あとは、佐藤先生、コメントのほうでいろいろな政治リスクということでおっしゃられていて、全くそのとおりかと思います。最近でもメキシコの大統領選があって、為替に影響があったりですとか、インドでも、現政権は勝ちましたけれども、与党が思った以上に勝てなかった。欧州議会選挙で極右が台頭して、気候関係の政党がそこまで勝てなかったのでこれからどうなっていくか。フランスの選挙もありますし、足元イギリスの選挙も既に始まっていますけれども、実際にそれぞれの党の公約なんかを見ていると、どちらかというと国民負担を減らしてという方向の公約がどうしても大きくなっていますので、それがマーケットに、実際に政権、どちらが勝った場合にどう受け止められるのか、こういうところはきちんと見なくてはいけないと思います。当然秋にはアメリカの選挙もありますので、もともと想定されていた部分は大きいですけれども、かなりイベントがたくさんある年なので、なかなか心休まらない部分もありますけれども、きちんとモニターしていかなくてはいけないと思っております。
以上です。
○德岡地域協力課長先ほど植田委員からインドがASEAN+3に入るような動きはあるのかという御質問を頂きました。ASEAN+3の枠組みは、ASEANと日中韓で始めましたので、具体的にインドを入れてといった議論を行っているわけではございません。他方で、ASEAN+3で議論しています金融協力はインドとの間でも非常に重要なテーマとなっておりまして、実際インドとの間では通貨スワップをずっと結んできております。2022年に750億ドルで更新をしたところでございます。また、2023年にはインドがG20の議長国、それから日本がG7の議長国ということで、両国が国際的な議論をリードする立場にありました。こうしたリードする立場ということと、それから金融協力等の重要性に鑑み、インドとの間では財務官レベルの日印財務協議を2022年6月に立ち上げておりまして、第1回を開催いたしました。今、継続開催を追求しているところでございます。
また、澤田委員からASEAN+3の災害リスクファイナンスに言及いただきましたが、この分野は気候変動に隣接する分野、非常に重要な分野と我々考えておりまして、引き続き取組を推進してまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
○陣田開発政策課長債務問題につきまして、まず植田委員から国際的なデータについてお尋ねがありました。現在、世銀のインターナショナル・デット・スタティスティックスというデータベースで、債務のストックとフローのデータについて毎年公表しております。他方で、具体的なデータについて必ずしも債務国の認識と債権国側の認識が同じでもないということで、まさに日本がG7で昨年取り組んだデータの突合、債権国側のデータと世銀のデータを突合して債務データの質を高める取組を進めています。透明性の向上は非常に重要なテーマであり、今年のG7、それからG20でも中国を含めた全てのステークホルダーが債務透明性の向上に取り組むことを求めております。将来の、例えば債務の返済に係る元本や利息といったデータが実際にないと迅速な債務再編ができませんので、こうしたデータの質を高めることが重要です。現在、パリクラブ事務局、OECD、世銀と議論をしているところですが、引き続き債務の透明性向上のためにデータの質の向上に取り組んでいきたいと思っております。
澤田先生から、まさに防災ハブやUHCのように、債務のハブ機能を日本としてブランディング化したらどうかというお話がございました。パリクラブが、これまでアフリカをはじめ、相当の力を入れて債務再編問題に取り組んできておりまして、債務といえばパリというふうに今なっております。実際には日本もいろいろ関わってきておりますけれども、パリクラブ事務局は相当優秀なスタッフをたくさん投入してやっており、我々も相当力をつけていかなくてはいけないと感じています。まさにスリランカの債務問題で日本は共同議長を務めて、日々いろいろな論点、問題について、例えば非協力的な国をどう説得するかも含めて頑張ってきているところですが、また、足元では、アジア地域や太平洋島嶼国でも債務問題が重要になっていますので、いろいろ経験、知見を積んでいきたいと思います。ブランディングにつきましては、先ほどの、債務の透明性については日本だよねと、これはG7やG20も認識されてきていますので、まずは債務の透明性の課題に積極的に関わっていきたいと考えています。
以上でございます。
○城田参事官いろいろな先生方に気候変動に関連してのコメント・御意見を頂きまして、ありがとうございました。私から非常に簡単になりますが回答させていただきます。佐藤先生からは気候変動や自然災害に関して様々なところで取組をバラバラにやっているのではないか、あるいは河野先生からは気候変動、秋のアメリカの大統領選挙の結果を考えていくと、これから先、他国と協力していくような道筋になっていくんだろうかと。あるいは和田先生からは、気候変動、質の高いインフラに関してのブルー・ドッド・ネットワークに関連して、欧州の環境派の声が非常に強いので、トランジションについて発信するのを頑張ってほしいというようなお話を頂きまして、いずれも多分リンクしてくる話なのかなと思っております。もちろんアメリカが国際場裏において非常に大きなプレーヤーであることは間違いないんですけれども、気候変動の問題になりますと主たる排出国は必ずしもアメリカだけではないです。特に途上国といかに対話をしていくのか、巻き込んでいくのかが大切なところになっております。
そういった多くの国々、いろいろな多様な国が関係者としてある中で、全ての国々が、自分たちのできる多様な道筋のもとでネットゼロを目指していくことが大切になってくるので、そういうことが議論できるような場をつくっていく、またそこで日本として考えているやり方、トランジションについての考え方などを発信していくことが大切だと思っておりますので、引き続き、今回OECDで実施したような閣僚会議の立ち上げじゃないですけれども、そういった場をつくり、また発信していくところはしっかりと頑張っていきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
○津田開発機関課長今の城田参事官の補足でございますけれども、気候変動につきまして、佐藤清隆先生の問題意識に対してお答えいたします。最初の大きな前提として、気候変動はある意味メインストリーム化されていまして、気候変動だからここの機関、という感じではなくて、どの機関も気候変動への対応を進めているところでございます。その中で、各機関が強みを活かしつつ、弱みを補完し合いながらやっているところでございます。最近は、ディベロップメント=クライメート、クライメート=ディベロップメントという潮流がありまして、その中で、例えば今まさに澤田先生から姫路で開催されましたアンダースタンディング・リスクという、2年に1回の、1,000人超集まる大きな防災の会議のご紹介がございましたが、日本は気候変動といえばやはり防災が重要でしょうという旗を立てております。あるいはちょっと毛色は違いますが、気候変動がどんどん進んでいきますと気温が変わっていきまして、感染症の経路やウイルスの形態も変わってくるので、これは人体の健康にも影響するだろうという観点も議論されていますが、ヘルスというとやはり我々日本の優先課題ですから、そういった観点も重視しております。このように、気候変動対策という大きな器の中で、それぞれの国がそれぞれの強みや主張をしっかり生かしていくし、他方、重複があれば、しっかりコンソリデートしていくということではないかと理解してございます。
以上です。
○野村調査課長1点、私の漏れでございます。伊藤由希子先生から貿易統計の関係で、HSコードの細分化の御提案を頂いたところでございます。貴重な御提案ありがとうございます。私どもと関係部局のほうできちっと共有させていただきたいと思っております。
○神作分科会長活発な御議論を頂き、大変ありがとうございます。
ほかに何かございますでしょうか。
○三村局長時間も来ておりますけれども、恐らく今事務年度最後の外為審にもなりますので、また、非常に活発な御議論を頂きましたので、少しだけお時間を頂戴して5分ほど、ひょっとすると少し時間を超過してしまうかもしれませんけれども、せっかくの機会ですので申し上げたいと思います。
いろいろな方から御意見を頂きました凍結資産でありますけれども、大きな考え方は先ほど調査課長から申し上げたとおりでありますが、非常に単純に言いますと、当然、銀行に預けた預金であれば資産凍結になっても引き出せないわけですが、いずれにしろ、銀行預金として預けているわけですから、この間に時々刻々と発生する利子は預金者のものですので、ロシアのものだと。それに対してユーロクリアは債権の預かり機関でありますので、利子とか満期の来た元本をそのままユーロクリアが普通の銀行みたいに預金として預かって金利をつけるということがそもそも契約上想定されていませんので、その結果、資産凍結によって想定外の事態が起きたときに、その間にユーロクリアが、現金をブタ積みはしませんので、彼らは当然運用しますので、これで発生する経過期間中の金利は誰のものなのかというのが預金と違った、そもそも契約上決まっていないということの中で、ベルギー当局がベルギー国内法上の整理もしながら、これは基本、契約もないんだからロシアに返さなくてもいい、つまりロシア中銀のものではないと整理をしたので、そもそもロシアの主権が及ぶソブリンの資産ではないという整理をしているので、国際法上の問題はそもそも生じない、これが1点目でございます。
2点目は、では日本にそういうものはあるのかというと、これはお察しのとおりで、日本にはユーロクリアのようなものはございませんということであります。
その上で、今回合意したスキームに何が問題になるのかというところにも関わってくるわけですが、金額的なお話がございましたが、具体的な金額はさすがになかなか申し上げにくいんですが、既に公表しておりますのはG7+オーストラリアで、昨年の時点だったかと思いますけれども、3,000億ドル弱、我々はロシア中銀の資産を凍結しておりまして、その中の一番大きな部分がまさにヨーロッパ、特にユーロクリアであります。
それから外為法のお話をいろいろと頂きましたけれども、まず基本的な考えとして、投資自由が原則で、それとの関係での安全保障という大原則は先ほど調査課長から申し上げたとおりですが、また、本日御議論いただいています対内審査との関係でいくと、基本的に押さえておかなければいけないと私が思っていますのは、外為法の中にもいろいろなツールがありますので、例えば佐藤委員からお話しいただいた汎用性のレガシーの半導体なんかもまさにそうですけれども、恐らくこういう対内直接投資規制でやるべきところと、もっとストレートに輸出規制、経産省のほうの世界になりますが、外為法上の輸出規制でやるものとのその辺のデマケをどう考えるのかというようなところが、まずそもそもあるんだろうと思います。
もっとレガシー半導体について申し上げますと、おっしゃるとおりレガシー半導体のための製造装置がどんどん高規格のものにという現状もあるんですが、その一方で、逆にレガシー半導体はどんどん日本国内でつくられなくなっていて、ふと気づけばその辺の課題の整理に使うようなものはどんどん外部に依存度が増しているという逆の問題もございますものですから、むしろ我々、そっちの問題をどうするんだというところも足元、結構危機感を持っていまして、私的には、レガシー半導体の問題は、既に外部に対しての依存度が高まっている中で、オーバーキャパシティのほうの、過剰生産能力の問題として、他国の半導体の過剰生産能力によって我々が一生懸命、最先端な半導体に気を取られていたら、普通に使う半導体のほうが全部他国なしでは立ちゆかなくなっていましたということをどう防ぐのかというところがむしろ足元ですので、殊、汎用半導体について言いますと対内直接投資の最先端の技術の世界というよりはそっちのほうの世界かなと。なかなか具体的な解決策はないんですが、そちらのほうが結構悩ましいところかなと思っております。
5年ごとの見直しは既に政府内では、あるいは私のチーム内では盛んに議論をしておりまして、御承知のとおりで5年前のビッグピクチャーは投資家の属性と業種の属性と、この組み合わせによって今のやや複雑な制度は構築をしてございます。金融機関とされるところに一般免除を受けるいわゆる金融機関、それから通常の投資家、そして国有企業ですとか過去に外為法違反を犯した一番危ない投資家、大きく言うと投資家をこの3類型に分け、そして指定業者でないもの、指定業者の中でもコアとノンコアということで、業者も3種類、投資家も3種類というマトリックスの中で今の制度はできておるわけでございますけれども、これを見直すときに、まさにお話しいただいたとおりで、基本的に今の安全保障環境下でございますので、緩めることには基本ならないんですけれども、仮に厳しくするとして今日御紹介したようなコア業種を地味に増やしていくことだけで良いのか、それとも業種の仕分け方自体をもうちょっと何か考えなければいけないのか、それとも投資家類型ということでさらにもう少し何か考えなければいけないのか、当然概念的にはそういう考え方が出てくるわけですが、その中で我々として、本当に危ないものはリスクベースで抑えられると。本日もお話がありましたが、我々、今2,000件以上の届出を年間受けておりますので、ほかのG7とは1桁違っておりますので、これ以上闇雲に件数を増やしてもなかなか対応が容易でないのは率直に言って事実でございますので、本当に危ないやつにターゲットを絞って、いかにそこへやるかと。逆に言いますと、それは取りも直さず、善良な投資家に無駄に規制をかけないことにもつながりますので、これをどういうふうにやるのが一番いいのかということを今まさに議論しております。
それから、制度改正ではありませんけれども、我々自身の審査能力が圧倒的に重要でございまして、そのためにはということでは、当然このデジタライゼーションの時代ですので、外為法上の様々な届出、これは対内直接投資に限りませんが、いかにオンライン化するかということだと思っております。
あとは、1つ1つは割愛をいたしますけれども、貿易統計のところ、先ほど野村課長から申し上げましたけれども、もう少しだけ申し上げると、貿易統計のようなビッグピクチャーをきちっと分析すると経済安全保障上ものすごくいろいろなデータが得られるよねというのは既に我々も、実は思いきり問題意識を持っておりまして、関税局にも既にそういう形でいろいろとやってもらっております。
同じことは実は国際収支統計でも言えるわけでございまして、これは今、財務官の私的懇談会ということで、報道もされておりますけれども、我々として、これはオール財務省として、関税であれ、国際収支であれ、統計をビッグデータとしていかに分析をして、それによって経済安全保障上、重要なインプットを得るかということは極めて重要な課題だと思っておりまして、これは国際局に限らず、一種全省的に既にそういう議論を始めておりますし、実際やり始めているところでございます。
それから、当然課長からはコメントのしようもありませんので、一方、何も申し上げないのもあれでございますので、最後に為替の話でございますけれども、いつも大臣が国会やマスコミでも申し上げているとおりでございますけれども、当然円高であろうと円安であろうとメリットもデメリットもあるわけですが、殊、足元について申し上げますと、本日委員の先生からもお話がありましたけれども、今の状況ですと、まさに円安によってかなり輸入物価が、また今足元プラスにもなっておりますし、賃上げが起こり始めているのに賃上げがインフレを超えていかなくて実質給与がプラスにならないということの中の大きな足かせ要因が円安であることは間違いありませんので、そういう意味でいつも大臣から申し上げているように、今この足元について申し上げれば、やはりメリットよりはデメリットが大きいんだろうと。それから、いつも私自身も、あるいは大臣も国会に行けば必ず、ボラティリティに則ることが大事で、ボラティリティから離れるといけないということを言うわけですが、そのボラティリティの究極のところは、今日まさに関経連の御意見も御紹介を頂きましたけれども、やはり企業がいろいろな事業計画を立てるに当たって、こういう想定外のレートになるとやっていられないよねということが基本だと存じますので、やはりそういうことも念頭に置きながら、我々としてはまさに日頃から対応するべきときには対応しながら、日々足元でウォッチをしているということの結果の1つとして先般、5月31日に発表いたしましたけれども、最近も約9.8兆円の介入をさせていただいているというところかと存じます。
非常に長くなりましたけれども、私からは以上です。
○神作分科会長どうもありがとうございました。
それでは、時間も若干超過しておりますので、これで本日の議事は終了させていただきます。
今回の議事録の作成は私に御一任いただければと存じます。その際、発言部分を事前に御覧になりたい委員の方におかれましては、会合終了後にその旨を事務局に御一報いただければと存じます。御連絡いただきました委員の方には議事録の案の段階で事務局に作成いただく案を見ていただき、それについてコメントいただくということとさせていただきます。その後1週間程度の間に御意見がない場合には御了解を頂いたものとして取り扱わせていただきます。
次回の分科会につきましては、事務局と御相談の上、改めて御連絡をさせていただきます。
本日は、長時間にわたり御参加いただき、誠にありがとうございました。
午後3時18分閉会