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関税・外国為替等審議会
第56回外国為替等分科会議事録

令和5年11月10日(金)

財務省 国際局

於 財務省第3特別会議室
(本庁舎4階)

1.開会

2.最近の国際金融情勢について

3.閉会

出席者
委員

五十嵐チカ

財務省

三村国際局長

伊藤恵子

土谷国際局次長

植田健一

緒方国際局審議官

片山銘人

矢作国際局審議官

亀坂安紀子

梶川副財務官

河野真理子

藤井副財務官

神作裕之

飯塚国際局総務課長

木村

野村国際局調査課長

杉山晶子

木原国際機構課長

田村善之

齊藤国際調整室長

原田喜美枝

陣田開発政策課長

和田照子

城田大臣官房参事官

臨時委員

佐藤清隆

津田開発機関課長

左三川郁子

土生外国為替室長

専門委員

伊藤亜聖

山下対外取引管理室長

伊藤由希子

村口大臣官房企画官

玉木林太郎

髙木資金移転対策室長

山﨑大臣官房企画官

中西地域協力企画官

鶴野資金管理室長

棚瀨資金管理専門官

経産省

田中大臣官房審議官

鋤先大臣官房審議官


午前10時00分開会

○神作分科会長おはようございます。定刻となりましたので、ただいまより第56回外国為替等分科会を開催いたします。

委員の皆様方におかれましては、御多用中のところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。

本日は、オンラインでの参加を含め、17名の委員に御参加いただいております。

具体的な留意点などにつきまして、事務局より御説明をお願いいたします。

○野村調査課長おはようございます。調査課長、野村でございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。

本日も、会議室で御参加の委員と、オンライン参加の委員とのハイブリッド開催の形になっているところでございます。そういう関係で、まず、会議室で御参加の委員の皆様方におかれましては、オンラインで御参加の委員の皆様に音声が明瞭に伝わりますよう、できるだけ発言の際にはマイクに近づいて御発言いただきますようよろしくお願いいたします。また、オンラインで御参加の委員の皆様におかれましては、事前にお伝えしているところでございますけれども、御発言時以外はミュートにしていただきますようお願い申し上げます。また、途中でWebexがつながらないといったことがございましたら、御案内しておりますとおり、電話会議システムのほうで引き続き御参加いただければと思っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○神作分科会長よろしくお願いいたします。

それでは早速、本日の議事に入りたいと存じます。

本日の議題は、最近の国際金融情勢についてでございます。

まず、事務局より御説明を頂いた後、意見交換の時間をお取りしたいと存じます。

それでは、早速でございますけども、木原国際機構課長、御説明をどうかよろしくお願いいたします。

○木原国際機構課長国際機構課長の木原でございます。先生方、おはようございます。画面共有をされていると思いますので、こちらの資料に基づいて御説明をさせていただきます。

まず、冒頭の2ページ、10月の初めに総会のタイミングで公表されたWorld Economic Outlook(世界経済見通し)の概要でございます。

1つ目の丸にありますように、世界全体の成長率についてはそれほど大きく改定はされておりません。ハイライトをしておきたいのは、1つ目の丸の2行目、3行目の部分、長期的な影響として、パンデミック、ウクライナにおける戦争、地経学的分断、ジオエコノミクスという英語を最近使われたりします。それが長期的な影響としてあって、よりシクリカルな短期的な周期的な影響として、やはりインフレ対応、債務、あるいは自然災害、こういうものが挙げられているということでございます。

各国の見通しにつきましては、米国は、依然としてQ2も強かったというところで、上方改定。ユーロ圏は、特にやはり今年はドイツがマイナス成長ということで見込まれておりますので、若干の引下げ。中国についても、御案内のとおり、不動産市場の問題、投資の減速、いろいろございます。そういう中で、2023年は5.0%と5%台が維持されておりますけれども、下方改定ということでございます。日本については、Q2、特に外需が強かったということもある中で、特に今年は若干の上方改定ということになっております。

インフレ率については、2023年に引き続き、先進国では4.6%、途上国では8.5%ということで、少しずつ下がっていく見通しでありますけれども、依然として、当然でありますが、インフレターゲットを上回る水準であるということでございます。

リスクは、上方・下方のバランスが改善しているが、依然として下方に傾いているということで、ただ、上方リスクとして、やはりインフレの沈静化、あるいは、内需回復が予想以上に強いというようなところも言及されております。下方リスクについては、中国経済の成長鈍化。②で、気候変動、あるいは地政学的ショックで、特にコモディティプライスへの影響があるのではないかと。インフレが予想どおりには引き下がっていかないと。資産価格下落というものが見込まれる中での金融市場へのインパクトですとか、途上国の債務状況。あとは、地政学的リスク、貿易や資本移動等の規制による経済協調の阻害、フラグメンテーションという言葉も最近よく使われておりますけど、そういうものがリスクとして挙げられているということかと思います。

おめくりいただきまして、その次の3ページ目の部分、政策対応でございますけれども、短期は、依然としてインフレ対応が、当然でございますが、トップに参ります。その次に、金融監督の強化。これは、全般的な利上げの中での金融環境のタイト化の中できちんといろんなことをやっていかなければいけないと。あとは、中国の問題が明示的にここで書かれています。財政政策の正常化ということで、フィスカル・スペース、あるいはポリシー・ルームを回復するために、今は引締めが適切なタイミング、そういう国が多いでしょうと。歳出が必要であれば、特に物価高対応みたいなものであれば、脆弱層への支援の重点化が必要で、中期的な財政計画というものがきちんとアンカーとして機能する必要があると。債務危機の防止は、依然として、WEOの文脈でも、特に途上国、新興国を念頭に強調されているところでございます。

中期的には、構造改革、従来言われていることでありますけれども、教育、あるいは労働供給の増加、スタートアップ支援、デジタル化、こういうものが挙げられています。2つ目として、気候変動対策ですとか、グリーン・トランジションの関係で、いろいろな取組をやっていく必要があるということ。あとは、「グリーン回廊」の確立・データシェアリングみたいなところで、ここは、各国はいろんな規制を、エコノミックセキュリティのような観点がある中でも、きちんとそういうものが対象に含まれないような、最低限この部分についてはなるべく自由な貿易、投資環境を維持しましょうと、そういうコリドーを、ガードレールと言ったりしますけど、そういうものをやったらいいのではないかというようなことが少し書かれております。最後に、一般論として、国際協調の強化、分断、こういうものの影響を緩和していく必要があるということになります。

4ページのほうは数字のテーブルですので、御説明は割愛させていただきまして、6ページのほうに参ります。ここからは、10月の半ばにモロッコのマラケシュでございました一連の国際会議の概要について御説明をいたします。

初めに、6ページはG7でございます。10月12日に開催をいたしまして、共同声明を採択しておりますが、1つ目のセクションは国際情勢ということで、直前にモロッコ、アフガニスタンで地震があったり、あるいはリビアの洪水ということで、非常にいろんな自然災害がありましたので、そういうものに対する哀悼の意を表明した上で、10月7日にハマスがイスラエルに対する攻撃を始めて、その直後のG7の開催となったという中で、10月12日時点でのG7としての考え方ということになりますけれども、ハマスによるイスラエル国に対するテロ攻撃を断固として非難し、イスラエル国民との連帯表明ということで、その後、非常に大きな形で事態が進展しておりますので、現時点でのG7の考えというものは、今週、東京でG7の外務大臣会合をやられておりますので、そこでまとめられているということかと思います。

ロシア対応・ウクライナ支援については、マルチェンコ財務大臣に対面で御参加いただきまして、引き続きウクライナに対する揺るぎない支援を再確認。あとは、ロシアに対する非難。特に、2つ目のポツですけど、ロシアがウクライナの長期的な再建の費用を支払うようにする取組を続けて、あらゆる可能な方策を探求していくと。あとは、短期的な資金ニーズ、特に、これはIMFのプログラムをやっておりますけれども、また12月にレビューが来ます。そういうものを目がけながら、きちんとG7としてもサポートをしていくということ。あと、凍結資産については、特別な収入が凍結資産から発生している場合、後ほど調査課長のほうからも御説明があるかと思いますが、そういうものをウクライナ支援に向け得る方策を探求していこうということで合意をしているところでございます。

RISE、日本のG7議長国下で進めてきたサプライチェーンの多様化の部分の低・中所得国支援ですけど、こちらは、マラケシュのほうでの立上げのイベントを、これも後ほど説明がありますが、10月11日、G7の前日に開催しましたので、その立上げを歓迎すると。

あと、途上国支援・アフリカの部分については、これは去年ドイツもやったのですけれども、G7-アフリカラウンドテーブルというものをG7の2日後、10月14日に開催しましたので、それへの期待の表明と。この中身は後ほど別途御説明を申し上げます。

G20の取組への関与等、こういうものについてのG7としての考え方を少しまとめておりますけど、やはり、債務問題は、共通枠組をきちんとやっていこうと。スリランカの債務措置、こちらについても、債権国会合でいろいろな進展がありましたので、その進展を歓迎すると。MDBsについては、既存資本の活用、こういうものをきちんとやっていくということと、あとは、譲許的資金、これを、特に地球規模課題への対処、あるいは、これは引き続きとなりますけれども、最貧国への支援に導入していくということで、これをきちんとやっていくと。IMFクォータ見直しについては、G7においては、12月15日、本年末の期限までに増資を伴って見直しが完了するよう最大限の努力を継続ということであります。為替については従来のコミットメントの再確認となります。

続きまして、その次のページはG20でございます。G20については、7月にガンディーナガルで財務大臣会合がありまして、その後、9月にG20サミットがあった、その後ということになります。そういう中では、今回はサミットにおける首脳宣言の文言、こちらはウクライナ・ロシアの問題が1ページ以上にわたっていろいろ書いてありますけど、そういうものが書かれたものですが、それを踏まえる形で、久しぶりに財務大臣会合でも共同声明、コミュニケを出したということになります。コミュニケが出たのは、ロシアによるウクライナ侵攻の前、2022年2月以来の7回ぶりということになります。

世界経済の認識については、日本の認識は基本的には踏襲されております。

MDBsの部分については、サミットで出されたメッセージでありますけれども、より良く、より大きく、より効果的なMDBs、これを実現する。首脳からの要請を再確認するということで、来年の4月に、IMF・世界銀行春会合の際にG20がまたありますので、それまでにそれを実現するための道筋を提案するようにG20の作業部会に要請をしたということになります。既存資金の効率的な活用ですとか、そういうものは引き続き重要視されております。増資については、増資の必要性、タイミング、こういうものは各MDBの理事会で議論をするという認識は確認をされているところであります。譲許的資金については、特にIBRDのほうについて、今後どうやって限られた譲許的資金を動員して、それを配分していくのか、そういう枠組みをきちんと作っていく、それが重要であるという考え方が確認されています。

債務については共通枠組をきちんとやっていこうということで、ザンビアについて、この時点では債務措置に関する覚書の最終化に向けて前進した作業、これを歓迎するということになっておりますけれども、その後、覚書自体は最終化されまして、実際の覚書のゴーサイン、こういうもののプロセスを今、進めているということになります。チャドについて、既に共通枠組で一定の結論は出ておりますけれども、チャドの場合は明示的な債務措置というものが含まれない形での合意でしたので、ザンビアについて、実際に債務措置を伴う形での合意ということになれば、共通枠組の中では初めてのケースということになるかと思います。スリランカの債務状況、これはきちんと適時解決に向けた進展を歓迎して、可能な限り早期の合意を要請ということが書かれております。あと、日本が従来重視しております債務の透明性の向上、引き続き言及がございます。

金融セクターについては、インドのほうで暗号資産の取組を非常に熱心にやっておりました。今後どうやって取り組んでいくかというロードマップをG20として採択したということがあります。

あとは、G20財務大臣会合は10月の会議が最後になりましたので、会議の最後で、ブラジルのほうから来年のプライオリティということで幾つか説明がございました。1つ目は世界経済のリスクへの対応ということで、ここは、ネットゼロですとか、あるいは格差、貧困の問題、こういうものをブラジルとしては非常に重視をしていくと。②のほうで、MDBsの資金能力増強ですとか、あるいは、新興途上国の発言権の拡大みたいなものを含めた国際金融機関の改革。③として、より公平な税制の実現ということで、これは、所得の高い層ですとか、多国籍企業、そういったものが念頭にあるように聞いております。具体的な話としてこれから明らかになってくると思います。④として、低・中所得国、こういう国々への譲許的資金の増加、あるいは債務プロセスの改善。あとは、格差是正、環境配慮、こういうものを促すために官民でどうやってリスクシェアリングができるのか、こういうことを議論していきたいという説明があったところでございます。

8ページ目、私の御説明の部分はこれが最後になりますけれども、IMFCというIMFの会議も併せて大臣・総裁級で開催されております。こちらはG20とはメンバーシップが異なりますので、コミュニケではなくて議長声明ということで、ロシア非難の文言を少し強めで書いてあるような形になっております。G20の首脳宣言の文言、これはG20の財務大臣会合で使われたものでもありますけど、それを書いた上で、多くのメンバーがロシアによる戦争を非難したということも書かれているということでございます。

特にIMFの場合、今、今年の12月15日の期限までにクォータの見直しを行っておりますけれども、IMFCの時点では増資の具体的な手法には言及せず、有意義な増資への支持を表明ということで書かれておりました。こちらにつきましては、今週の11月7日に理事会がございまして、そちらのほうで、増資規模は50%、増資の配分に当たっては、今の各国のクォータシェアに応じて配分をするという提案、これを理事会のほうで議論して、その提案についての加盟国の投票がこれから始まっていくというステージにございます。実際に、増資の合意にはIMF加盟国の全投票件数の85%以上の支持が必要であるということでございます。

途上国支援については、日本としては、特にSDRチャネリングは、今までは20%というのが各国の目線だったわけですけど、今年の春に40%まで引き上げておったところですが、その40%で使っていない部分を活用しまして、IMFの低所得国支援をやるPRGT(貧困削減・成長トラスト)というところへの利子補給金への追加貢献を表明しております。PRGTは基本的に、現在ですと無利子で融資を途上国にしておるわけですけれども、融資原資はSDR金利で加盟国から動員していますので、その差分を埋めるための利子補給金が必要になっているということでございます。2021年に利子補給金が足りなくなっていくという中で調達目標が掲げられたわけですけれども、日本の追加貢献もあって、この目標が今回達成されたということでございます。

下のほうで世銀・IMF合同開発委員会のほうの記述もございますけど、こちらは、後ほどMDBsのより具体的な内容を御説明する中で、より詳細にお話をさせていただければと思います。

私からは以上になります。

○野村調査課長続きまして、調査課長、野村でございます。資料の9ページ、10ページ、11ページについて御説明を申し上げます。

まず、9ページでございますけれども、こちらに財務省が実施しております対ロシア関係の制裁措置をまとめさせていただいておりますが、前回の6月の分科会以降、新たな制裁措置として実施いたしましたことは、5ポツのところでございますが、ロシア向けのサービスの提供禁止の一環といたしまして、本年の6月30日に建築・エンジニアリングサービスの提供の禁止というものを追加しているところでございます。

それから、おめくりいただきまして、次に、ロシアの凍結資産の関係の動きでございます。10ページのこちらの資料につきましては、前回も入れさせていただいたところでございますけども、既にロシアの凍結資産の扱いにつきまして、首脳レベル、そして、それを受けました財務大臣の声明におきましても、2つのことにつきましてこれまで確認しているところでございます。1つ目は、ロシアがウクライナの長期的な再建の費用を支払うようにしていくということ。2つ目は、ロシアがウクライナに対してもたらした損害を支払うまでの間、我々はロシアの国家資産に対する資産凍結を続けていくということ。この2点についてやっていくということがこれまで確認されているところでございます。

おめくりいただきまして、11ページでございますけども、そうした中、今回の10月のG7財務大臣・中央銀行総裁声明におきまして、2点新たに追加をしているところがございます。1つ目は、上のパラでございますけども、我々はまた、それぞれの法制度と国際法に整合的に、ウクライナ支援のためのあらゆる可能な方策を探求するということ。それから、下のほうのパラでございますけども、こちらはいろいろ報道等でも出ておりましたが、先ほど木原国際機構課長のほうからも御案内がございましたけれども、ロシアの国家資産を凍結したことから発生した特別な収入について、それをウクライナの支援に活用するということでございますが、こちらに書いております文言で申しますと、凍結されたロシアの国家資産に直接起因する、民間事業者に保有された特別な収入のうち、ロシアに返還する必要がないものについてどのようにしてウクライナ支援に活用していくべきか、そこについて探求していくということが合意されております。これは、日本語でここに書いてあるものだけを読みますと、何のことか、イメージをつかみにくいと思いますので、具体例をちょっと挙げて御説明を申し上げます。既に報道等でも出ておりますが、ベルギーにございます民間の国際的な証券の集中保管機関のユーロクリアというものがございます。こちらが、ロシアが国家資産として保有している証券を預かっていると。その預かっている証券は、当然ながら債券ですと利子もございますし、満期の償還金もあります。株であれば当然配当等もあるわけでございますけども、制裁がなければ、そうしたものについては本来の所有者に対して送るわけでございますが、現在、ロシアに対して、我々は資産凍結措置というものをG7としてやっているところでございます。そういたしますと、本来送るものがユーロクリアにどんどんたまっていく、送れなくてたまっていくという現象が起きているわけでございます。ユーロクリアにおいて、そうしたたまったお金を投資して、運用して、そして益が出た場合については、それは彼らの益として今は計上しているわけでございますけれども、それについてウクライナの支援に活用できないかということを、今、EUは検討をしているというところでございます。もし同じような、「特別な収入」というふうに呼んでおりますけども、そうした資産凍結をしたことによって民間事業者に発生した「特別な収入」で、かつ、それはロシアに返す必要がないというものについて、そういうものがある場合については、ほかのG7の国においてもそういうものがあれば、同じようにウクライナ支援への活用について検討していきましょうということが今回の声明に盛り込まれているところでございます。

私からは以上でございます。

○城田参事官続きまして、12ページ以降、ウクライナ向け支援から、参事官の城田が説明をさせていただきます。

12ページの資料ですけれども、こちらは、前回の6月の分科会からのアップデート事項に限って説明をさせていただきます。

全体の枠組みに関しましては変更はございませんで、財政支援としては大きく55億ドルの支援を日本としてはやっていくと。こちらはアップデートはございません。

民間活動支援の中で、保証の供与と各国公的金融機関の連携強化を通じて支援を行っていくと。ここも、大枠では変わらないのですけれども、細かいところですが、支援金額として、MIGAへの拠出の部分が、前回の6月には2,300万ドルだったところ、10月にコミットメントを200万ドル増やしまして、2,500万ドルにアップデートされております。

また、新しい項目としてこのページに加わっておりますのは、能力開発支援、ページの一番下のところでございますけれども、これはウクライナの国内資金の動員に関する能力開発を支援するためということで、IMFの信託基金に対して貢献をすること、こちらをマラケシュでの世銀・IMF総会にて公表させていただいております。

次の13ページの周辺国向け支援、こちらは6月の前回の分科会から変更はございませんので、飛ばします。

新しい話としてウクライナとの間でこの間ありましたのは、14ページにございますが、8月2日にウクライナのキーウに参りまして、日ウクライナの財務協議の立ち上げということを行いました。ウクライナ側の参加者としてはマルチェンコ財務大臣、こちら側は神田財務官が参加する形となっております。協議を行った内容については、共同プレスリリースを同日に発表しております。

中身としましては、まずは、現地での包括的な対話を行ったということで、日本のウクライナ支援への揺るぎない姿勢を示すことができたと考えております。ウクライナからは、日本の支援ですとか、あとは、日本の国際場裡、特にG7について議長国として主導的な役割を果たしてくれていることについて、深い感謝を表明されております。また、ウクライナ側としましては、IMF支援プログラムの下での各種改革実施に対しての力強いコミットメントを表明しておりました。日本のほうからは、実施中の総額76億ドルの支援内容のほう、こちらを改めて紹介するとともに、日本として協力できる分野として、例えば、国税・税関等の歳入分野における技術支援ですとか、あと、戦争の被害を受けた住宅向けの世銀プロジェクトの準備に関しての追加支援の準備などがあることを表明しております。また、一昨日に公表されておりましたけれども、来年の2月19日に日ウクライナ経済復興推進会議を東京で行うということで、当時はまだ時期が決まっておりませんでしたが、そういった準備をしているということを伝達しておりました。ウクライナ側からは、可能な限りロシアの凍結資産を復興費用に充当したいという話がありまして、先ほど木原国際機構課長ですとか、あるいは野村調査課長からも話がございましたが、今後、G7で議論をしましょうということで、G7コミュニケのほうにそちらが反映されていたり、あるいは、日本からは、ロシアがウクライナの長期的な再建の費用を支払うことに向けたG7広島サミットの決意ということを再確認いたしました。

日ウクライナ財務協議の機会に合わせまして、バイ面会として、下にございますように、ウクライナのスヴィリデンコ第一副首相との面会を設けたほかに、帰路に、翌日、ポーランドでジェチコフスカ財務大臣との面会を実施いたしました。

続きまして、15ページ、G7-アフリカラウンドテーブルですけれども、こちらは、先ほど頭出しがございましたが、モロッコのマラケシュでの世銀・IMF総会のマージンにて、G7議長国として日本が主催して、閣僚級のアフリカとG7諸国、あとは、G20の議長国ですとか、国際機関の長などを呼んでのラウンドテーブルを開催いたしました。出席者としては、こちらにございますように、アフリカ諸国としてはコモロ、ガーナ、モロッコ、ナイジェリア、セネガル、南アフリカ、ザンビアからの参加がございました。主な議論の内容としましては、アフリカ諸国、これらの国々の気候変動ですとか、パンデミック、食料安全保障といった複合的なグローバルな課題から大きな打撃を受けているということが確認されました。また、G7各国のバイのイニシアティブを各種やっていること、あるいは、マルチとして、PGIIですとか、RISEを含む各種公的資金の取組が民間資金動員のために進められているということについて紹介いたしました。また、政治や経済システムの安定を通じて投資家の安心感を高めることがアフリカに対して民間資金を呼び込む基礎となること、そういった声が多くありました。また、アフリカ諸国の重い債務状況を踏まえて、債務持続可能性と透明性が投資判断の重要な要素であることや、債権国が共通枠組を通じて債務措置を迅速に実施し、予見可能性を高める必要があるということの確認もこちらで行いました。

下のほうの枠の中にございますように、関連して、OECDがこの機会に「Supporting EMDEs in attracting more, better, and safe FDI」という戦略を公表してございます。

私のほうからは以上です。

○齊藤国際調整室長続きまして、16ページです。国際調整室長の齊藤と申します。よろしくお願いします。私からは、G7議長のプライオリティの1つとして、G7や韓国などの同志国、それから、世銀等と構築してきたRISEについて御説明をいたします。

RISEは強靱で包摂的なサプライチェーンの強化という英単語の頭文字を取ったものでございまして、その目指す成果は、資料の左下にありますとおり、主に2つでございます。1つは、途上国が重要鉱物の採掘という上流だけではなく、精錬、加工といった中流、それから、製造といった下流にも活動を拡大することを助けることにより、途上国の持続可能な発展につなげるというものです。もう1つは、太陽光ですとか、それから、蓄電池といったクリーンエネルギー関連製品の安定供給を通じて、ネットゼロの達成に貢献するというものです。

具体的な取組といたしましては、資料の右下にありますとおり、途上国における課題の特定、それに対応するための支援の提供、そして、協調投融資の促進に向けた現地でのプラットフォームの提供といったことを想定してございます。

最後に、順番が前後いたしますけれども、資料の中ほど、経緯の欄の2ポツを御覧ください。先日の世銀・IMF年次総会のマージンにおきまして、ドナー国、それから、インド、チリといった国からも参加を得まして、大臣級の会合を日本が主催いたしました。その際にRISEを公式に立ち上げたということでございます。その際、鈴木大臣からは、日本がRISEに対して合計で2,500万ドルの貢献をする予定であることを公表いただきました。ほかに、イギリス、イタリア、カナダ、ドイツ、韓国からも資金貢献さ表明されておりまして、現在のプレッジの合計額は5,000万ドルを超える規模となってございます。この翌日に開催されましたG7のコミュニケにおきましては、RISEの実施を今後もG7として支援するということがうたわれておりまして、日本としても引き続き本取組を主導していくこととしております。

私からは以上です。

○陣田開発政策課長続きまして、開発政策課長の陣田でございます。債務問題、それから、国際保健に関して説明をします。

17ページでございます。債務状況でございますけれども、これまでは先進国を中心とするパリクラブが主導して債務問題について協議してきました。債権につきましては、中国をはじめとする新興債権国、こういう国をどう巻き込んでいくかということが重要となっております。

そこで、共通枠組ができておりますけれども、足元の動きでございます。ザンビアにつきまして、6月に債権者委員会とザンビア当局が債務再編条件に大筋合意をしまして、ようやく、10月でございますけれども、覚書に合意したというところでございます。このほか、ガーナにつきましては、5月にIMF理事会におきましてIMF支援プログラムを承認しまして、現在、債務再編内容の技術的な議論を行っているところでございます。

続きまして、スリランカ、中所得国のほうでございますけれども、こちらにつきましては、日仏印の共同議長国とともに今年の4月にスリランカの債権国会合を立ち上げております。その後、債権国会合をいろんなレベルでやっておりまして、10月には共同議長会合を次官級で開催しまして、これまでの議論の進捗を歓迎したところでございます。

続きまして、18ページ、国際保健でございます。日本はかねてからユニバーサル・ヘルス・カバレッジの重要性を指摘しておりまして、これまで財務大臣と保健大臣の連携の強化を提唱するなど、積極的な取組を行ってきたところでございます。

特に、最近の成果としましては、パンデミック基金、こちらは2022年に世界銀行に設立されておりまして、今回、7月に第1回の案件の採択をしております。現在、第2回の案件の募集を開始するべく取り組み中でございます。

19ページに移ります。続きまして、サージファイナンスでございます。こちらは、パンデミック発生のときの対応のために必要な資金、これを迅速かつ効率的に供給するメカニズムが必要ではないかということを日本で提唱しておりまして、5月に行われたG7におきまして共通理解というものを取りまとめております。これを踏まえまして、G20のほうでも議論をしておりまして、9月に行いましたニューデリー・サミットで、ニューデリー首脳宣言におきましては、ファイナンス・メカニズムについてどのように最適化し、よりよく調整し、必要なときに適切に強化し得るかについて、さらなる検討を期待するということで、議論を継続してございます。

それから、20ページでございます。本年9月でございますけれども、岸田総理のほうから新たな円借款制度を公表しております。こちらは、途上国による危機への予防・備えを支援するための成果連動型借款、それから、途上国による危機発生時の機動的な対応を支援する公衆衛生危機スタンドバイ借款、この2つの新たな円借款制度をつくることによりまして、PPRで必要となります資金を一体的に支援するという取組を行っております。

私からは以上でございます。

○津田開発機関課長続きまして、21ページ、MDBsの改革と、我々はキャフと呼んでおりますけど、CAFレビューについて御説明いたします。開発機関課長の津田と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

昨今の気候変動やパンデミック等の国境を越える課題の深刻化によりまして、これまでの個別国の個別の課題に対応するというよりも、途上国支援全体におきましてグローバルな課題に正面から対処していくという改革の必要性が去年の秋から議論されておりました。このような中で、世銀をはじめとするいわゆるMDBs(国際開発金融機関)におきまして、地球規模課題への対応強化、MDBエヴォリューション――日本語では改革と訳しておりますけれども、――ですとか、既存資本を活用しまして開発資金ニーズの増加に対応するための取組、CAFレビューが進められております。

MDBエヴォリューションにつきましては、先ほど申し上げましたとおり、地球課題への対応強化を通じて開発効果の最大化を図る取組でございますけれども、各MDBの理事会での議論に加えまして、G20におきましても、今年の議長国のインドからの要請に基づきましてMDBs強化に関する報告書というものが出されまして、多額の資金動員が求められているところでございます。そのような中で、今年、先月ですけれども、世銀・IMF合同開発委員会におきまして、世銀のビジョン・ミッションの改定、それから、業務モデル・財務モデルの見直しの進捗について報告が行われました。ビジョン・ミッションにつきましては、これまでの貧困削減と繁栄の共有という2つの目的を、地球規模課題を解決する中で達成していくということが正面から認められたところでございます。財務モデルにつきましても、後ほど御説明しますCAFレビューと同時並行で議論が進んでいるところでございます。残された大きな課題の1つとしまして、譲許的資金、これはグラントですとか、極めて長期の融資、低金利の融資ということですけれども、こういった資金を、低所得国だけではなくて、どのように配分していくかという枠組みですとか、民間資金動員をどのように強化していくかという具体策についてさらに検討が行われる予定でございます。

もう1つの資本の十分性に関する枠組み、CAFレビューでございますけれども、こちらは、2022年のインドネシアのG20議長国下におきまして、既存資本を最大限活用するための方策のレポートが出されまして、このレポートに示されました各提言につきましてMDBsの進捗が進んでおりまして、それらを整理したロードマップというものが今年の7月に策定されて、9月のG20サミットでも報告されました。その中で日本は、先月の開発委員会におきまして鈴木大臣の方から、ドナー国の保証を活用するポートフォリオ保証プラットフォーム、これは、世銀全体の融資、ポートフォリオを保証することによって資本性が認定され、レバレッジを掛ける形で数十億ドル規模の融資余力の拡大に貢献するという仕組みでございますけれども、これに貢献する用意があるということを表明いただきまして、今後も議論を続けていく予定でございます。

以上でございます。

○野村調査課長続きまして、アジアの関係で、1点ですけれども、23ページの資料で日韓財務対話の概要につきまして御説明を申し上げます。

お示しのスライドに書かせていただいておりますとおり、本年の6月29日に東京で、日本の財務省からは鈴木大臣、韓国の企画財政部からは秋経済副総理兼企画財政部長官の御出席を得まして、7年ぶりに日韓財務対話を開催したところでございます。対話におきましては、こちらのスライドに書かせていただいておりますが、世界経済や地域経済に関する事項、あるいは、アジア域内の金融安定に関すること、その他、二国間協力など、様々な事項についての意見交換がされたところでございます。この中で1点ハイライトをさせていただきますと、報道等でも触れておりましたけれども、2016年以降失効しておりました日韓の二国間通貨スワップの取極につきまして、100億ドル規模で再開することに合意しているところでございます。なお、この日韓の財務対話につきましては、今後、毎年の開催を予定しているところでございまして、来年は、時期は未定ではございますけれども、韓国にて開催することで合意しているところでございます。

以上でございます。

○神作分科会長御説明、どうもありがとうございました。

それでは、意見交換に移りたいと存じます。

委員の皆様におかれましては、御発言の際には、御臨席の委員の方々は従前どおり名札を立てていただき、オンラインで御参加の委員の方々は、事前に事務局より御案内させていただきましたとおり、御発言の意思をシステム上の挙手にて事務局までお知らせいただければと思います。

それでは、御質問、御意見のある方はお知らせください。

それでは、伊藤由希子委員、御発言ください。お願いします。

○伊藤(由)委員1発目だと思っていなかったので、どうもありがとうございました。ちょっと本質的な論点ではないかもしれないですけど、2点ほどコメントをいたしたいと思います。

まず、3ページ目のところです。短期の財政政策というところで、やはり財政政策の正常化が大事だということはここにも書かれていて、脆弱層への支援に重点化ということが書かれていて、昨今の減税策などもこれに類するものなのかと思いますけれども、このタイミングでの減税が本当にふさわしいのかどうかということは意見があって、本来ならば、もう少し国債の償還に使うなりして財政健全化を図るほうが国際金融の安定にもつながるのではないかというふうに思っております。どうしても減税というのはばらまきの要素が増えてしまいますし、薄いウイスキーを飲んでいるみたいで、もらっている人もあまりありがたみがないというところも多分にあろうかと思います。やはり、財政健全化をうたっている以上は、短期ということでここには書いてあるので、コミットメントをしっかり図るべきではないかという点が1点です。

もう1点は18ページから20ページの辺りです。保健分野での協力ということが書いてありまして、これは非常に大変重要な試みだということで、これ自体に異論があるわけではないのですけれども、どうも、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジということに関しますと、日本が先導してきて、東南アジアにも普及をさせてきましたみたいなスタンスがここでは何となく感じられるような書き方ではあるのですが、今はやはり、社会保障の分野で、東南アジアの学会などにも出て行きますと、ちょっと日本の先を行っているというんですかね。五、六年前にはもう既に韓国や台湾が日本の先を行って、一元化された国民のヘルスデータをうまく使って医療費の適正化に努めていると。今や、タイやインドネシアのような国も皆保険はもう実現しています。ファイナンスの点ではもちろん脆弱な部分はありますけど、その分、データを活用して、なるべく無駄な医療はさせないという形で、むしろ日本のほうがシステムとしては学ぶべき点は多くあるというふうに思っておりますので、いつまでも日本が元祖みたいな言い方をして、もちろんファイナンスの協力という点で重要なことは否定しないのですが、もう少し日本の社会保障政策にも還元すべき、学ぶべき、向こうの逆に進んでいる点から学ぶべきところはうまく協調して取り込んでいくというような海外プレッシャーというんですかね。そういったものも必要ではないかというふうに思った次第です。

以上です。ありがとうございました。

○神作分科会長どうもありがとうございました。

既に多くの方に御発言の意思を知らせていただいておりますので、時間の関係上、まとめて御質問を頂き、その後で事務局等から整理しながら御回答を頂きたいと思います。

会場で御参加いただいております植田委員、木村委員の順でまず御発言ください。

○植田委員いつも御丁寧な御説明をどうもありがとうございます。

多分大きく分けて3点ほどで、どちらかというとざっくばらんなコメントという感じになります。

1つ目は、World Economic Outlook(世界経済見通し)のところで、下方リスクが微妙に入って、僕がさっと見た限りでは、気候変動・地政学的ショックによるコモディティ価格のボラティリティプラス価格上昇というものが。ボラティリティだけではなく、価格上昇が入っているような気がしますし、また、当然、気候変動・地政学的なものなど、いろいろあって、貿易や資本移動等の規制による経済協調の阻害とありましたけど、その2つに基づいて世界全体でGDPが下がっているというような試算があったのではないかと何となく記憶しておりますが、要は、やはり、いわゆるフラグメンテーションにより、世界経済の各国の、とりわけ低所得国のGDP成長率がたしか下がっているというコストが出ていたかと思いますが、ここのところは、思い返すと、コロナのときも、コロナのリスクをゼロにするのか、それとも、社会経済活動をある程度許して、コストを考えつつバランスよくということをたしかコロナのときにどの国でもやっていましたけれども、ここでも多分同じような状況があって、軍事的な意味でのベネフィットを最大にするということがある一方で、経済上はフラグメンテーションが進めば進むほど、世界経済全体、特に低所得国のGDPの下降という意味でのコストが生じましたので、そのバランスをやはりよく考えていくべきではないかと思います。

第2点目はロシアのところなんですけれども、ロシアに関しましても細かく分けて多分2つ、同じことなんですが、ロシアに対して、ウクライナにもたらした損害を支払うまでいろいろやるよということの1つ目は、今、いわゆる凍結している資産です。先ほど、11ページ目に書いてあって、非常に細かく説明していただきました。ユーロクリアというような話で説明していただきましたけども、やはりこれは、私も細かいところになると法律的なことは分かりませんが、主権国家の財産を勝手に取ると、当然、何度も言っていますけど、戦争ということになりかねませんので、戦争状態そのものになってしまいますので、くれぐれも法律に注意してやっていただければと思うということです。

それから、それ以外においても、戦争が終わっても、とにかく全部ロシアに払わせるのだということが書いてありまして、そのとおりだと思うんですけど、これも前回に言いましたが、それをやったのは第一次大戦のときのドイツに対する賠償問題でしたので、あくまでもそのときそのときの、終わってからですけれども、ロシアの返済能力も見極めながらということは、今から言う必要はないと思うんですが、そのときになったら考えるべきではないかなと思います。

最後は非常に細かいところで、どちらかというと最後のほうのページですが、21ページの最後の最後に出てきたポートフォリオ保証プラットフォームというのは、イメージが湧くような、湧かないような。これは多分、世銀とかがいろんな発展途上国にローンを出す際に、それをドナー国として日本、もしくはほかのドナー国が保証をつけるというイメージ、一本一本ではなくて、全体に保証をつけるというイメージだと思うんですけども、これはどういうことかというと、よく分からない。例えば、どの国でもいいですけど、スリランカでも何でもいいですが、もしアリアが生じて返せなくなったら、それは代わりに日本が払うということなのか、それとも、そうではなくて、世銀自体が発行している債券を払えなくなったときに日本が保証をしているのか、どちらかがよく分からない。世銀から行くローンに対して保証をつけているのか、世銀が返さないといけないものに対して保証をつけているのかが分からない。もし世銀から行くほうに対して保証をつけるのであれば、MIGAという多数国間投資保証機関がたしかあった。この中でも出てきましたけども、ありましたので、MIGAの民間のローンに保証をつけているとしていますが、どちらかというと、感覚的にはMIGAをむしろ強化して、MIGAからやったほうが何となくいいのではないかなと。何となくですみません。具体的にどうしたらいいかと言えないのですけども、いろんな機構のやり方が存在するよりは、1本にまとまっていたほうが分かりやすいのではないかという、いろんなボーダーの方に、国民の皆さんに説明をするに当たってもというような趣旨です。

以上です。

○神作分科会長どうもありがとうございました。

それでは、続きまして、会場で御参加の木村委員、御発言ください。

○木村委員丁寧な御説明をどうもありがとうございました。

私のほうからは、コメントが1つと、あと、お伺いしたい質問が1つございます。

コメントとしては、御説明にあったように、最近の国際情勢を見渡すと、ウクライナ危機、それから、あと、中東情勢の不安定化ということを伺って、世界経済は下方リスクということがより増えていると思います。それだけに世界経済を支える多国間の連携ということがより重要性を増していると思うんですけど、先ほどのウクライナプラス中東情勢の不安定化ということで、連携そのものがますます難しくなっているという、すごく難しい局面があるなという感じがします。実際に、例えば今年のG7とかG20とかを見ていると、日本はG7議長国として、スリランカの債務再編とか、国際局の皆さんの御努力もあって、大きな役割を果たしたと思うんですけど、とはいえ、G7、G20の全体としては二重の弱体化というのでしょうか。例えばG20は、御説明にあったように、共同声明を久しぶりに採択しましたが、ロシアを直接非難する表現は避けたというか、なくなった。むしろグローバルサウスの台頭が国際秩序をより不安定にするおそれもあるのではないかという指摘も出ています。では、しっかりすべきG7でも、中核となるはずのアメリカが内向きの戦争に明け暮れて、国債のデフォルト騒ぎとか、最近もアメリカの政府の閉鎖問題とかが起きて、国際的な指導力を十分果たせないのではないかという状況にあると思います。それだけに、こうした問題に対する日本の役割というのはより期待される局面でもあると思うんですが、ちょっと気がかりな面というのは、IMFの見通しだと、今年の名目GDPですが、ドイツに抜かれて世界4位に転落するのではないかと。マイナス成長のドイツに抜かれるということは何とも理解し難くて、円安という数字のマジックかもしれませんけど、いずれ日本のGDPはインドとかインドネシアに抜かれるのではないかという予測もあります。神田財務官は、GDPの規模を追うだけではなくて、ウェルビーイングとか、そういう価値観の重視とかも唱えられていて、これはこれで大事なことだと思いますけど、他方、現実問題として、日本が国際社会でのパワーというんですかね。国力の低下に伴って発言力が低下することになれば、多国間の連携という日本にとって重要な命綱である、そこの再構築に対する国際交渉にも影響を及ぼしかねないということが気がかりなところです。

御質問なんですけど、こうした厳しい状況を踏まえて、今後の国際秩序とか、世界経済の安定化とか、多国間連携の再構築に向けて、日本が果たすべき役割ということに関してどのような展望とか、あるいは戦略とかというものをお持ちかどうかということを教えていただければと思います。

以上です。

○神作分科会長どうもありがとうございました。

続きまして、オンラインで御参加の伊藤亜聖委員、五十嵐チカ委員、澤田委員、それから、伊藤恵子委員の4名の方から御発言の希望を寄せていただいております。ありがとうございます。順番に御発言を頂ければと思います。

まず、伊藤亜聖委員、御発言ください。

○伊藤(亜)委員伊藤亜聖と申します。2点ほど御質問をさせていただきます。いずれも、今回頂いている資料のもう少し川上にある問題、あるいは論点としての、中国に係る論点です。

1つ目は、先月で一帯一路(BRI)がおよそ10周年であったという、ある意味で1つのメルクマールになる時期でありました。一帯一路(BRI)に関しては、対外的な金融投融資の金額から見ると、ある種ピークを過ぎて、かなり金額的には絞るようになってきているということは、様々なデータ、例えばボストン大学のデータ等から判明しているわけです。これは言うまでもなく、今回の資料で頂いている途上国の債務の問題とも中長期的にはつながってくるであろうということです。もう1つは、BRI自体が論点としてかなりシフトしてきて、例えば、先月、北京で開催された会合、ハイレベルフォーラムでは、デジタル、気候変動、それから保健、まさに今回のIMFの論点にも挙がっているようなものを組み込んだ形にして再編が進んできていると。これをどのように見ていくのかということが1つです。

2点目は、このところ、中国の財政金融政策のトップがどうも判明したと。習近平第3期において何立峰副首相がその立場を担うようになったということが判明したということです。中国共産党の中央財政・経済委員会の主任であるということに加えて、中央金融委員会の弁公室の主任ということなので、事実上、財政政策においても金融政策においても、この方が完全にキーパーソンであるということで、今、まさに米国のイエレン財務長官とも会談をしたということで、次回、APEC等があるときに、例えば、こういったキーパーソンとの、あるいは新しい政策が当然動き出すことが予想されますので、その点に対してどういうインプットをしていくのか、あるいはそういうチャンネルがあるのかという点はちょっとお伺いしてみたいということです。

以上です。

○神作分科会長どうもありがとうございました。

続きまして、五十嵐委員、御発言ください。

○五十嵐委員五十嵐でございます。御説明ありがとうございました。

私からは、9ページから11ページにかけてのウクライナ情勢をめぐる制裁措置の関連、それから、16ページのRISEについて、コメントを幾つか申し上げたいと思います。

9ページに示されておりますウクライナ情勢をめぐる我が国の制裁措置ということで、恐らく、この末尾にあります資産凍結の対象者のリストの充実とその速度につきましては、日本の対応としては異例のスピードなのではないかという印象を強く持っております。刻々と変化する国際情勢を踏まえた機動的な対応ということで、歓迎すべきだと思いますし、直近で実施されましたロシア向けのサービス提供禁止、こちらにつきましては、ロシアの戦争継続能力を低下させるということで、役務提供といいますか、建築やエンジニアリングサービスの提供についても許可制の採用ということでございますが、日本の場合はLNGなど、エネルギー安全保障の問題もありますので、難しい局面だったかと思うのですが、例外を設けてバランスを取りながら機動的に対応されたということで、9月末からたしか施行されているはずですので、今後の動向を見守っていきたいというふうに思っております。

資料の11ページで記載していただいておりますロシアの凍結された国家資産です。ユーロクリアにたまっている資産についての利子をどうするかであるとか、その辺りのところでございますけれども、こちらは植田委員から御指摘があったかと思いますが、基本的なところとして、国家資産の場合は主権免除という問題がございますので、当然のことながら、国際法との関係で、没収は無理でしょうと、凍結が限界でしょうといった議論もあるところでございますが、さはさりながら、金額の規模でありますとか、期間の長期化に照らしますと、そこから発生している利子と、EUがその利子の活用について示唆をしたり、あるいは、ベルギーが利子について追加課税をして、それを軍事支援、人道支援に充てたりと、いろいろな動きがある中で、10月12日の声明で、そのような民間事業者に保有された特別な収入があって、法令に適合するという形で何か探索できないかと、この動きについても歓迎したいと思っております。

この制裁の関連につきましては、直近動向がかなり動いているところでして、1点目としては、昨年末のFATF勧告対応法の6つの法令が加わった中で、外為法の改正に基づいて、国策の下支えをするといいますか、事業者レベルでの制裁対応に係るリスクベース、それから体制整備ということで、外国為替取引等取扱業者遵守基準が法律上の義務として定められたということで、かなり大きな動きだという理解をしております。こちらにつきましては、それに関しての具体的なガイドラインのパブコメが数日前にたしか締め切られたところだと思いますので、年明け、来年4月からの完全施行に向けて実務対応を進めていかれるように誘導していただければというふうに思っております。

2点目として、FATFのフォローアップ。残念ながら重点フォローアップ対象国になってしまったのですけれども、この間、財務省の御担当者各位、金融庁の方もそうですが、大変な御尽力をされたということで、10月末に第2回のフォローアップの結果報告を受けて、5項目ですかね。従前ですと不合格エリアにあった4段階のうちの下から2番目であったものが上から2番目と、一応合格エリアにシフトができたということで、その中にはやはり、テロ関連の犯罪化でありますとか、テロ資金の凍結措置の強化、法人の実質所有者に関する制度の充実などが評価されたというふうに理解しております。G7議長国として、リーダーシップといいますか、国際金融ハブとしてのプレゼンスを十分アピールできる機会でもあったのではないかというふうに感じております。その関連で、暗号資産についても、トラベルルールということで、暗号資産交換業者の間で受取人や送金人のデータをやり取りするといったところもこの春に法制化されたということで、引き続き国際金融ハブとしてのプレゼンスということでリーダーシップを取っていくことができればと思っております。

16ページのRISEにつきまして一言だけ申し上げます。このイニシアティブは非常に重要だという認識をしておりまして、特に中・低所得国の持続可能な発展ということはもちろんなんですけれども、やはり、クリーンエネルギー関連製品の安定供給を通じて、ネットゼロに向けた試みをダイナミズムを持って動かしていくということで、日本は今のところ、5,000万ドル超の資金貢献のうち、半分ですかね、2,500万ドルを負担するということではございますが、こういった資金貢献の局面に限らず、折々の成果の振り返りでありますとか、より実効的な対応といったところについても役割を果たしていければというふうに期待しております。

以上でございます。

○神作分科会長どうもありがとうございました。

それでは、続きまして、オンラインで御参加いただいております澤田康幸委員、御発言ください。

○澤田委員よろしくお願いします。最近の情勢について、非常に分かりやすく説明していただきましてありがとうございます。

私のほうからは、3つほどの質問と、短いですけれども、あと、1つコメントといいますか、感想といいますか、そういうものがございます。

1つ目のコメントは、中・低所得国の債務についてはG20の共通枠組、これが進んでいるというところだと思うんですけれども、パリクラブの役割として何か動きがあるのか。中国がメンバーではないということが大問題なわけですけれども、それを少し、何かございましたら教えていただきたい。それが第1点です。

それから、第2点で、今日は触れられていませんでしたけれども、直近の日本の経常黒字が急増しているという状況がありまして、これに対するアジア、あるいはアメリカの反応が何かあれば。あるいは、その反応に備えてこういうことをやっているというようなことがあれば教えていただきたい。これが第2点です。

それから、第3点は、コメントと、大きい感想めいた話になるのですが、日本の戦略とか立場とか取組みたいなことなんですけれども、今日の御説明でも、自然災害、パンデミック、それから、債務問題というような、経済危機につながるようなリスクですね。ウクライナ、パレスチナの紛争、パレスチナの話は今日はありませんけれども、紛争というものもあり、地球全体の気候変動ということもあり、非常に大きな災害というものが共通したイシューになっているのかなと。地球規模課題の中でも、巨大災害、これに非常に焦点が当たっているという感じがしました。災害が複合するということもあって、ウクライナ危機からアフリカの食料価格が急騰になるとか、あるいは、アジアのサプライチェーンが非常に大きな影響を受けるというようなことがあって、そういう複合災害というものも、例えばWorld Economic Forumでもポリクライシスというような言葉を使って焦点を当てているのですが、こういう地球規模の大災害に対して、日本は非常にあらゆる側面からエンゲージしていると。パンデミック危機にしろ、高齢化危機というものも1つの危機なわけですけれども、それに対するエンゲージにしろ、サージファイナンス、BPR、RISE、それから、ASEAN+3のチェンマイ・イニシアティブ(CMIM)はそもそもフィナンシャルセーフティネットであるわけですが、それが自然災害ファイナンスとリスクファイナンスというような議論も進んでいるということで、非常に日本は、地球規模の世界全体に影響を与える大災害に対して、本当に様々な側面から深くエンゲージしているというところで、これが言わば日本の特色といいますか、特筆すべき戦略、立場であるということだと思います。これは感想なんですけれども。

それに関連して、こういう立場をG7とか、G20とか、ASEAN+3とか、そういうところで、その場、そのセクター、そのイシューに合わせて打ち出していただくということは非常に重要だと思うんですが、やはり、全体として日本はこうなんだということをタイムリーに引き続き打ち出していくということも必要だということで、ちょっとお聞きしたいのですが、世銀が来年の6月に財政リスクのフォーラムを姫路市で開催されるということを承知しておりまして、阪神・淡路大震災が1995年から30年弱ということで、やられるということは承知しているのですが、これは前回もちょっとお伺いしたかもしれませんけれども、国連防災世界会議を仙台で2015年に開きまして、これは神戸、横浜、仙台で10年おきぐらいにやられているのですが、こういうような場を日本主導で、10年たちますので、ぜひ開催していただいて、そういうものを財務省からもサポートして、日本の戦略を、日本ブランドといいますか、そういうものを打ち出していただきたいと思うんですが、防災会議がそろそろ開催されるのかどうかということについてと、それから、それ以外のかなり大きなハイレベルの、もちろんG20、G7もありますけども、それ以外のハイレベルの、何か日本ブランドを打ち出せるようなブランドとか、あるいはハイレベルの会合とか、そういうものがございましたらちょっと教えていただきたいということでございます。

○神作分科会長どうもありがとうございました。

それでは、続きまして、オンラインで御参加くださっております伊藤恵子委員、御発言ください。

○伊藤(恵)委員伊藤恵子です。御説明ありがとうございました。

私からは1点の御質問と1つのコメントなんですけれども、16ページのRISEに関連して少し教えていただければと思います。それは、アメリカがどういう感じのスタンスなのかなというところをある程度御存じの範囲で教えていただきたいなという御質問です。この文章を読みますと、日本が主導してRISEを進めているという印象を受けまして、現時点での各国の資金貢献の合計5,000万ドル超のうち、半分ぐらいは日本がと、今、表明しているということかと思います。これはこれで、進めていくということに対してはいいと思っているのですけれども、アメリカはIPEFのほうでもサプライチェーン強靱化ということをやっていまして、G7にアメリカはもちろん入っていますので、アメリカもRISEの取組に対しては賛成なんだと思うんですが、どういう感じのスタンスでアメリカはRISEというものを支持しているのか。一方で、IPEFでサプライチェーンがあるということも言いつつ、こちらのRISEとの間で、すみ分けなのか、補完的に両方一緒に動いていくというスタンスなのか、その辺りの関係を分かる範囲でもう少し教えていただければということが御質問です。

コメントは、先ほど澤田委員が経常収支のお話に触れられましたし、最初に伊藤由希子委員が財政健全化のようなコメントをされましたけれども、一応これは外為審なので、なかなか円安をどうこうするとか、何か為替を誘導するという話はできないと思いつつも、円安がどういったことを引き起こしているかという話に関しても何らかのタイミングで議論をする必要があるのではないかなということをちょっと思っています。コメントです。

以上です。ありがとうございました。

○神作分科会長どうもありがとうございました。

それでは、オンラインで御参加いただいております和田照子委員から御発言の希望を寄せていただいております。ありがとうございます。どうぞ御発言ください。

○和田委員ありがとうございます。経団連の和田と申します。

まず、今御指摘にもありましたRISEについてですけど、これはコメントなんですが、やはり、サプライチェーンの強靱化に向けたイニシアティブということで、経済界としても歓迎できる動きだというふうに考えております。特に、こういうエネルギーとかグリーンという、日本としても貢献し得る高度な技術を持っている分野への貢献につながるということで、非常にありがたい動きかなと思っております。サプライチェーン強靱化という目的に向けてあらゆる政策ツールを駆使するという観点から、コメントというか、お願いでございますけれども、やはり、プライチェーンの強靱化に向けては、できるだけ多様な国と協力できる環境が整っていることが大事だというふうに考えておりまして、その観点からすると、日本と補完的な関係のある低・中所得の国々、グローバルサウスの国々との間のEPAのネットワークなども、ちょっと長い目線になるかもしれませんが、ぜひ拡大の方向で御検討いただきたいというふうに考えております。

それから、あともう1つ、ちょっとスライドを遡りますけれども、12枚目のウクライナへの支援についてでございます。ウクライナの復興支援につきましては、日本の経済界でも非常に関心を持っておられる企業も多くて、できるだけ前向きに協力したいというふうに考えておるところです。経団連でも最近、ウクライナの経済復興に向けた取組を強化しておりまして、これまで部会ということでやっていたものを特別委員会に格上げして、この協力をぜひ強力に推進していきたいというふうに考えているところです。そういう意欲のある民間企業にとって今、一番のハードルになっておりますのは、復興のニーズです。現地の復興の具体的なニーズがなかなか把握しにくいということでございまして、現地になかなか渡航できない状況の中で、どうやって復興ニーズを具体的にくみ上げて、あらかじめ日本国内において企業が復興に向けてどういう取組ができるかということを考えるためには、やはり、情報を前広にぜひ政府のほうで把握して、関係する企業に提供していただきたいという希望がございます。ウクライナ政府、あるいはウクライナ政府から情報を得たいろんな国際機関のほうでも、関連の、例えばインフラの破壊状況ですとか、どういうニーズがあるかということも把握されているというふうに思いますので、そういう情報について民間企業にも速やかに提供していただけますと、現地に渡航できない状況の中でも復興支援に向けた準備ができるのかなと思っております。ぜひ御検討いただきたいと思います。ありがとうございます。

○神作分科会長どうもありがとうございました。

それでは、続きまして、会場で御参加くださっております片山委員、御発言ください。

○片山委員連合の片山です。どうぞよろしくお願いします。

私は、低・中所得国の債務問題に関する足元の動きにつきまして、ちょっと御質問させていただければと思います。

今、チャドとかエチオピア、ザンビア、ガーナで債務救済が要請されて、ザンビアでは10月に覚書が交わされたということですが、今後、国として再建していかなければいけないと思うんですけど、こうした国に対する支援策、今後の対応について、ちょっと教えていただければと思います。よろしくお願いします。

○神作分科会長どうもありがとうございました。

たくさんの御質問を寄せていただき、どうもありがとうございます。

ここでまとめて事務局より御回答を頂ければと思います。どうかよろしくお願いいたします。

○野村調査課長大変貴重な御意見、御質問をありがとうございます。

私から、まず幾つか御回答を申し上げたいと思います。植田委員、あるいは木村委員からもお話がございましたが、まさに今、ウクライナとロシアとの戦争が起きている中で、世界経済にフラグメンテーションが起きていると。それが世界経済の重しになってきて、そうした中で、日本としては国際協調をどうこれからさらに復活させていくかということについて、力を注いでいくべきではないかという話だったと思います。特に経済の話について、日本のGDPが低下する中でどうやって発言力を出していくかというような話もございました。当然ながら、私どもは日本経済を元気にするという観点から日々の経済対策を営んでいるところでございまして、そちらは当然しっかりと取り組んでいくところでございますけれども、国際経済のそうしたフラグメンテーションをいかにコントロールするかという観点で申し上げますと、確かに、今、私どものほうで実施しております制裁というものは、ある意味でフラグメンテーションを加速させるような取組というふうに映るところは当然あるわけでございます。ただ、制裁をするというのはそれなりの理由があるわけでございまして、それはやはり、国際協調の精神を根本から踏みにじるようなことをロシアがやっているからこそ我々は制裁をしているということでございます。言い換えますと、まさにそれは国際協調の精神をきちんと大事にしなければいけないということ、それを復活させるために、我々はそれに反する行為に対して、本当に異例の措置として制裁をしているところでございますので、いかに制裁を実効的に実施して、そして、国際社会の基本的な価値を踏みにじるような行為をやめさせて、そして元の国際協調の世界に戻していくかということ、これをまず短期的な目標として目指さなければならないというふうに考えているところでございます。

それから、ロシアの凍結資産の関係でも、植田委員、五十嵐委員をはじめ、貴重な御意見をありがとうございます。その中で特に、違法なことをやってはいけないというお話がございました。これは当たり前なことだと我々としても思っているところでございまして、そうした中で、今日お示しをさせていただきました資料の中の11ページのコミュニケの和訳でございますけれども、この中でも、そこはまさに慎重に、「適用可能な法令の下で」とか、あるいは「法令に適合するかたちで」という形で、我々自身が違法なことをすることはないのですよと、そこは明確にさせていただいております。違法なことをやったロシアに対して、我々自身が違法なことをするということはないようにやっていきましょうということは、G7の中でも共通認識として持っているところでございます。

それから、五十嵐委員からも、凍結資産の関係、それから、FATFの関係でいろいろと貴重なコメントをありがとうございます。去年、FATFの関連法を改正いたしまして、そして今回、第2回のフォローアップという中で、我々はその成果をFATFの事務局の中との協議を通じて、我々の評価の引上げという形でこれまで出してきているところでございますけども、まだ残された指摘事項もございますので、これは来年、またさらなる引上げを目指してしっかり取り組んでいきたいというふうに思っているところでございます。

それから、中国の関係で幾つか御質問がございました。特に、新たな財政金融政策の指導体制が中国の中で整ってきているというところでございますけれども、これも委員の御指摘のとおりでございまして、こうした新たな中国の指導体制等についての情報は、我々も日々取得をしているところでございます。また、APECの場等でのハイレベルの会議が調整されているといった報道があるところでございますけれども、そうした動きも念頭に置きながら、政府全体として、その中の財務省も、様々なレベルで必要なコミュニケーションを新たな指導体制の中でもしっかりと取っていきたいというふうに考えているところでございます。

私のほうからは以上でございます。

○木原国際機構課長国際機構課長の木原でございます。

私からは、大きく言うと2点で、1点目は植田委員のWEOのプロジェクションに関するお話ということで、今回の1つのテーマは、やはり、世界全体で見たときの成長率見通しの全体的な水準が過去数十年間で最も低い水準だということが大きなメッセージだったということは、委員のおっしゃるとおりだと思います。そういう中で、植田委員がおっしゃったように、いろんな経済安保的な観点により関心が高まる中で、バランスをうまく取らなければいけないということも御指摘のとおりだと思っていまして、我々もG7の文脈で、今年は特に議長国としていろんな議論をしましたけれども、1つ重要なメッセージだと思ったのは、エフィシェンシー(効率性)とレジリエンス(強靱性)、これをうまくバランスしていく、こういうことを絶えず念頭に置きながら議論をしてきたということだと思います。そういう中で、やはり既存の国際ルールを守るであるとか、いろんな措置を入れるときにはトランスペアレンシー(透明性)を持ってやるとか、そういうことが大事であろうなと思って議論をしてきております。

フラグメンテーションの部分で若干感想めいたことも含めて申し上げますと、もちろん、フラグメンテーションが発生すると効率性が損なわれるということは、そのとおりだというふうに思っているわけでございますけれども、他方で、要は外政的にいろいろな、特に安全保障面でのリスクが高まる中で、ダイバーシフィケーションが経済的には合理的な活動であるという側面もやはりあるのだろうと思っていまして、そういう意味では、IMFもいろんな分析をするわけですけれども、ダイバーシフィケーションのベネフィットというものを取り込んだ形での分析フレームワークというものは必ずしもないのかなと思っているところもございます。なので、例えば投資ポートフォリオの議論ですと、ダイバーシフィケーションのベネフィットは当然あって、1つの資産に自分の全資産を入れるのは当然駄目ですという議論になるわけですけれども、トレードの分析フレームワークでは、やはりそちらのほうにやや偏った分析が続いているという中で、それを両立させるような分析を少しこれからやっていく必要があるのかなというふうに思っていて、そういう意味では、先生方の御知見をぜひお伺いできればと思っているところもあります。

もう1つは、やはりそういった意味で、同じように基金面のアナロジーで申し上げますと、基本的にはリスクの絶対値があって、そのリスクが発現する可能性(プロバビリティ)があってということだと思うんですが、それも、経済安全保障の文脈で言うと、リスクは恐らく正規分布ではなくて、リスクが起こる可能性はかなり低いけれども、それが発現したときの被害は極めて大きい。そういう中での合理的な行動は何なのだろうかということは、やはり少し考えなければいけないのかなというふうに思っているところでございます。

2点目は、木村委員から幾つかお話がございました。まず、日独逆転の部分でございます。かなり報道でも取り上げられましたけれども、2023年、まだ終わっておりませんけれども、今回のIMFのようなプロジェクションで言うと、名目のドル立ての数字が日独で逆転をするということかと思います。若干テクニカルになりますけれども、我々が見た感じをお話ししたいと思いますが、委員がおっしゃったような、やや為替の影響の部分と、あと、実態の成長のトラックレコードを反映した部分の両方があるというふうに思っています。例えばですけれども、2020年の時点で、これは日本とドイツのドル立ての名目のGDPなので、コロナが半分ぐらい始まっているタイミングになりますが、それで申し上げますと、日本のドル立て名目GDPは5兆ドルぐらいで、ドイツがその時点では3.9兆ドルぐらいです。なので、かなり差がその時点であったということになります。それが3年かけて急激に逆転するということなので、そこはやはり、為替の部分の影響と、あとは、特に去年ですけれども、インフレ率が違うということが影響としては大きいという意味で、そういう意味では、計算上の影響というものは非常に大きい部分があると思います。ただ、他方で、今度は、名目GDPになりますけど、自国通貨立てでそれぞれを見ましょうということで、例えばですが、2010年から2023年ぐらいまでで、日独がそれぞれ、名目自国通貨立てGDPがどのくらい成長したかという数字ですけれども、日本ですとその数字が16%ぐらい、ドイツですと59%ぐらいという形なので、名目の自国通貨立てで見ても、少し長いスパンを取れば、やはり成長という意味ではドイツのほうが高かったと、そういう側面はあるのかなというふうに思います。

あと、木村委員からは、国際情勢が難しくなる中で、G7、G20、あるいは日本としてどうしていくのかという、非常にある意味ハイレベルというか、難しい御質問を頂きました。なかなかそういう難しい状況がある中で、我々も一生懸命少しずつ成果を出すように頑張っているところでありますが、1つあるのは、やはり、いろんなグローバルなルールをつくっていくときに、新興国の役割が高まっているので、彼らもきちんと取り込んだ形でいろんな議論をしていかなければいけない。これは変わらない現実だと思います。そういう中では、今までのG7とは違って、国の体制ですとか、価値観が違う国々も入れた形での国際交渉が必要になってくると。そういう中では難易度も増すし、時間もかかることが多いと。それは事実なんだと思います。ただ、気候変動の問題とかは典型例かもしれませんけれども、それだけではなくて、債務の問題、お話に出たようなマネーロンダリングの問題、新しいデジタルアセットの金融規制の問題、あるいは、税の問題、全てそうですが、やはり、グローバルにある程度、ミニマムスタンダードなのかもしれないけれども、ルールを入れていかないと、一部の国だけでルールを入れても意味がないよねと。そういうものが非常に多くなっているということだと思いますので、それはやはり、大変だと思いますけれども、少しずつやっていかなければいけないと。

そういう中で大事だと思っているのは、今の時点で申し上げられることは、例えば2つぐらいあると思っていますが、1つは、少しずつ成果を出していくということだと思っています。債務の部分で、フレームワーク、中国も入れた形での債務再編の取組が続いていますけれども、御批判にあるように、取組が遅いという事実はもちろんあると思いますが、少しずつ進んでいる側面もあると思います。例えば、ザンビアの例では、先ほど申し上げましたように、債務措置を伴う形で、初めて今回、MOUに実際に署名がなされて、それが進んでいけば初めてのケースになると思います。そういった形で少しずつ実績を積み上げながらやっていくと。これが1つの大事なアプローチなのかなというふうに思っているのが1点目です。

あとは、やはり、G20がそういう状況にある中で、G7の中の議論というのは非常により大事になってきていると思いますし、G7の重要性というのは、G7各国がより認識しているということはあると思います。それは引き続き続いていくと思うんですけれども、そこから少しさらに仲間を増やしていく、そういうことを絶えず考えなければいけないという視点が大事だと思います。なので、例えば制裁の面で言うと、プライスキャップであればオーストラリアが仲間に入ったりですとか、先ほどお話に出ましたけれども、韓国との関係でいろいろまた新しい取組を始めたりですとか、あるいは、ロシア・ウクライナの関係であれば、当然、G7に入っていないヨーロッパの国々との連携みたいな形もできますので、そういった国際情勢を踏まえた上での現実的な我々としての仲間づくりの努力みたいなものがこれから一層重要になるかなというふうに思っています。

以上です。

○齊藤国際調整室長では、RISEにつきまして幾つかコメント、質問を頂きましたので、私からお答えいたします。齊藤でございます。

まず、五十嵐委員からエンカレッジングなコメントを頂きまして、ありがとうございます。立上げまでも苦労はなくはなかったのですけれども、まさに立ち上げて、スタート地点に立ったところということでございますので、これから着実に実行に移していければなというふうに思っているところでございます。

それから、伊藤恵子委員、和田委員からコメント、御質問を頂きまして、まとめてお答えするような形になるかもしれませんけれども、まず、サプライチェーンの強靱化というのは世界的に重要な課題になってきておりまして、我々として、RISEだけで全て解決できるとはもちろん全く思っておりませんで、そういう意味では、伊藤恵子委員から御指摘があったようなIPEFですとか、いろいろなツール、取組があるのだろうなというふうに思っています。例えば、MSP(Minerals Security Partnership)という取組をG7、特にアメリカ中心にやってきているわけですけれども、こちらは主に鉱山の開発の上流部分についてフォーカスしている取組であると。他方で、RISEにつきましては、途上国が中流ですとか、下流ですとか、そういったところまで活動を広げていくことを支援するという取組でございまして、MSPなども念頭に、RISEを構築するに当たっては、そういったほかの取組とのシナジーなども考えながら構築してきたということでございます。

それから、アメリカのスタンスでございますけれども、RISEは、まずはG7の中で議論をしてきたわけでございますが、それは、大臣というハイレベルから、我々のレベルでワーキンググループを何回か開催して構築してきたわけなんですけれども、いずれのレベルにおきましても、アメリカのトレジャリーは相当積極的に参加をしてきてございます。アメリカだけではなくて、現時点で資金貢献を表明できていない国は、予算プロセスの関係等もあると思いますので、ほかにも何か国も資金貢献に関心を示している国はありますけれども、それぞれの国の予算プロセス、カレンダーの関係で、まだ表明に至っていないということなのかなと思っております。

それから、RISEですけれども、Iが、Inclusiveと入っておりまして、まさに和田委員から御指摘がありましたとおり、先進国側もG7に閉じているわけではなくて、例えば、韓国は資金貢献を表明してきてくれておりますし、それから、被支援国側も、今回のイベントにはチリ、インドという国に参加していただきましたが、幅広く門戸を開いているというような状況でございます。それから、我々としましても、現時点で最大の資金貢献国といたしまして、日本の顔、それから、日本企業の顔が見えるような形で取組を進めていきたいなというふうに思っておりますけれども、恐らく、支援対象地域の想定が、アフリカですとか、中央アジアですとか、南米ですとか、そういった、まずは資源が豊富にある地域が主要なターゲットになってくるのかなと思っているところ、恐らくなかなか日本企業として進出が難しい部分があろうかなと思いますので、ぜひそこは、どういったところがボトルネックになっているのかですとか、そういったことをまたお教えいただければ、我々の活動に活かせるかなというふうに思っております。

私からは以上でございます。

○陣田開発政策課長開発政策課の陣田でございます。

債務につきまして、まず、澤田委員から、共通枠組におけるパリクラブの役割はどうかという御質問がございました。現在のパリクラブでございますけれども、ほぼ毎月会合を行っておりまして、共通枠組に係る論点について、パリクラブメンバーでも議論を行っております。実際に決定するのは債権者委員会、これは中国やインド、あるいは、新興債権国を含めたメンバーでやっておりますけれども、パリクラブで、メンバーの知見、あるいは、これまでのベストプラクティス、こういうものが非常に、中国とかの新興債権国は非常に敏感になると思います。議論をしているうちに、解決そのものはケース・バイ・ケースがございますけれども、いかに個別国に応じた対応が適切かということについて、パリクラブメンバーが説明をするということによって、例えば新たな債権国、中国とかインドなどが学んでいく、こういうプロセスを非常に辛抱強くやっているところでございます。ザンビアにつきましては非常に時間がかかりましたけれども、こういうものをベースにしまして、非常にパリクラブがコアとなってやっていくことが一番スムーズかなと思っております。

続きまして、片山委員のほうからの、例えば、共通枠組のザンビア等の国に対する今後の対応でございますけれども、日本としましては、まず、バイの支援、それから、マルチを通じた支援がございますが、ODAなどにつきましては、基本的には債務の持続可能性、こういうものに考慮をしながら、各国のニーズに応じた支援を検討していくということになっております。同時に、IMFとか世銀などを通じまして、二国間の支援、例えば足元の税収確保とか、あるいは歳出の合理化を通じた財政健全化、これを支援すると。当然、併せて貧困者減に向けた支援も必要になると。そしてこれは、マルチを通じた支援、こういうものも併せて必要になると思っております。

続きまして、伊藤亜聖委員のほうからの、中国のBRIにつきましての最近の状況でございますけれども、委員の御指摘のとおり、足元は過去の一時期の融資の量に比べまして相当減っております。こちらにつきましては、まさに我々も、中国は、いわゆる債務のわなと言われておりますけれども、中国自身がわなにはまった部分もございまして、そういう失敗を受けていろいろ対応をしているものと考えていますが、言わば量より質に力点を置かれるようなことはよいことだと思っております。いずれにしても、我々としましては引き続き注視してまいりたいと思っております。

最後に、伊藤由希子委員からの保健の関係でございまして、日本は、日本の優れた事例だけではなくて、海外の事例も学ぶべきということでございまして、日本も謙虚な姿勢で海外の事例を学ぶことは当然でございますので、こういうベストプラクティスを日本は学んで、これをさらに国際貢献につなげていきたいと思っています。

以上でございます。

○城田参事官私のほうは、和田委員のほうから、ウクライナの復興支援について、経団連ですとか、日本企業のほうも関心を持たれているというお話を頂きまして、ありがとうございます。こちらのほうは大変心強い動きだと認識いたしました。あわせて、その際に、復興の具体的なニーズについて、なかなか現地入りすることは難しい状況なので、企業に速やかに提供してほしいという御要望を承ったものと承知しております。現在、復興につきましては、ウクライナのほうで復興計画づくりの策定を進めているところと承知しておりますけれども、具体的なニーズですとか、そういったものをどういった形で本当に情報を必要としているような企業の方々にお届けしたらいいのか、そういったことも含めてちょっと検討させていただき、また、御相談させていただければと思います。よろしくお願いいたします。

○津田開発機関課長開発機関課長の津田でございます。

植田委員から頂きましたポートフォリオ保証プラットフォームでございますけれども、説明が足りず失礼いたしました。こちらにつきましては、世銀のバランスシートの左側、いわゆる貸出しのポートフォリオでアリアが出たときに、ポートフォリオ保証を提供しているドナー国が言わばカバーをするというものでございます。日本以外に、あるいは日本に先行して、アメリカが250億ドルの融資規模に相当する、実際はレバレッジが掛かりますので、保証の提供自体は小さいのですけれども、そういうことを発表していますので、また、それ以外のほかのドナー国が入れば、プロラタで分担をすると。ただ、非常にレアなイベントだと思っておりますけれども、制度設計としてはそうなっておりますので、それはすなわち、何らかのバランスシートで損が出たときに、その損失を吸収する機能があるということで、これは資本類似性があるということになりまして、先ほど申し上げたように、レバレッジが利く形で融資総量を拡大することができるということでございます。それだったら、MIGAが保証を提供しているではないかということにつきましては、MIGAを強化して、世銀に限らず、多くのMDBsの融資についての保証をもっと強化すべきであるということにつきましても、2022年のCAFレビューの報告書についても記載がございます。今、何が起きているかを申し上げますと、結局、膨大な開発ニーズをどうするかですとか、それから、気候変動、紛争、あるいは脆弱国など、非常に新しい課題などが出てきた中で、非常に多くの手法を若干試行錯誤的にやっていく状況でございまして、その中で、2022年のCAFレビュー以外にも、例えば、今年の6月に世銀のバンガ総裁が着任した直後でございますけれども、プライベートセクター投資ラボという諮問機関をつくりまして、民間金融機関、MIGAをどう強化するかを含めて議論を続けて、様々な手法が議論されているところでございます。若干分かりにくいところもあるかもしれませんけれども、一つ一つの制度につきましてきちんと説明を尽くしてまいりたいと思っております。

もう1点、防災につきまして澤田委員から御質問を頂きましたけれども、国連防災世界会議は2015年に仙台で行われたものでございますが、そのときに採択されました仙台フレームワークは2015年から2030年のフレームワークでございまして、現在、中間レビューが行われているところでございまして、中間レビューを踏まえて、次の会議をどのようにするかということが議論されているところでございます。財務省としましては、委員からも言及がございました姫路で開かれます防災会議「グローバルフォーラム2024」というものをしっかり盛り上げていく必要があると思っておりまして、先月の合同開発委員会での鈴木大臣の総務ステートメントでも、他国の参加を呼びかける形で防災の主流化に努めてまいりたいということでございます。

私からは以上でございます。

○野村調査課長続きまして、1点補足でございます。すみません。澤田委員から、足元の経常収支の改善状況についての御質問を頂いておりました。委員の御指摘のとおりでございまして、もちろん経常収支の状況というのは様々な要因を背景とするものでございますけれども、主な足元の改善の要因といたしましては、特に、対前年比での原油価格の低下を背景といたしました貿易赤字の縮小、あるいは、世界的な高金利を背景といたしました所得収支の改善というものが大きな要因だと認識しているところでございます。こうした足元の経常収支の改善の状況についてのアメリカやアジアからの反応ということでございますけども、これまでのところ、特段の反応というものは聞こえていないところでございます。

以上でございます。

○神作分科会長どうもありがとうございました。まとめて御回答を頂きました。

多少時間の余裕もございますけれども、まだ御発言を頂いていない方、あるいは追加の御発言等がもしございましたら、挙手、あるいは名札を立ててお知らせいただければと存じます。いかがでしょうか。よろしゅうございますか。

○三村国際局長国際局長、三村でございます。本日もお忙しい中お集まり、あるいは御参加いただきまして、また、非常に闊達な御議論を頂きまして、誠にありがとうございます。

少しだけ時間もございますので、貴重なお時間をさらに頂くのは若干恐縮ながら、せっかくお時間がございますので、いろいろと頂きました御意見にそれぞれの担当課長より相当程度お答えをいたしましたけれども、少しお答えしていないところ、あるいは、少し私なりに補足するところだけ、順次申し上げさせていただければと思います。

初めに、これは一番答えにくいので、多分課長たちもお答えをしなかったのだと思いますが、伊藤由希子委員から、財政政策の正常化が大事であると。あるいは、貧困層への重点化というような話の中で足元の我が国における減税といった話もございまして、当然、実際に現在、政府にいる立場として、物を言うのは気をつけなければいけないわけでございますけれども、まさに御指摘の背景にございますとおり、今、G7、あるいはG20の世界では、コロナの中での様々な取組、特に貧困層への取組をやってきておるわけですが、こういう財政的な取組は、基本はテンポラリー・アンド・ターゲッティッドであると。一時的かつ的を絞ったものでなければいけないということを言ってきているわけでございます。伝統的にG20、あるいはG7もかつてあったかもしれませんが、例えば、エネルギー補助金などというものはできるだけ早くやめるべきであると、我々は特に新興国、途上国には呼びかけてきた経緯もあるわけでございますけれど、基本的に、人に呼びかけることは我が胸にも問わなければいけないわけでございますので、ぜひ私どももこういったことはまさにターゲッティッド・アンド・テンポラリーでなければいけないし、的を絞らなければいけないし、また、そもそも財政政策の正常化の大事さ自体はG20でも、あるいはG7でも議論しているという中で、これは当然我が事としてもしっかりと受け止めるということが、オール財務省としての責任だろうというふうに思っているところでございます。

それから、植田委員、あるいは、五十嵐委員のほうからロシアの凍結資産のお話がございました。若干国際法的なところを申し上げますと、これは五十嵐委員からも御指摘いただいたとおりで、基本的に主権免除というものがございますので、ソブリンの資産を凍結するとか、没収するというのは、基本的に主権免除との関係がネックになるわけでございます。いずれにしても、我々はあくまでも法の支配を掲げている側でございますので、ゆめゆめ、国際法の違反とか、国際法上疑義があるようなやり方はできないというのは、これは我々にとっても絶対的なラインですし、恐らくG7のほかの国も基本的にそういうラインだと思いますので、そういう中で、今、国際法的な議論をしておりますし、先ほど調査課長から御紹介したようなユーロクリアの話も、いろいろと議論がありながら、まだ最終決定は出ていないわけですけれども、彼らも、今申し上げたような様々な国際法の関係、あとは、当然、EUの地域としての国内法の関係、この辺りを非常に詰めているという状況ではないかというふうに理解をしているところでございます。

それから、木村委員から、GDPをこの中でどうしていくのかという話で、先ほど国際機構課長からもいろいろありましたけれども、そことも若干重複をいたしますが、1つは、今日はIMFクォータが比例増資になりますというふうにさらりと御紹介をしましたけれども、これはまさに、そういう中になっても、発言力は何とか維持していけるかもしれないというお話ではございます。あまりこれを大きめに言いますと、またいろいろとありますので、なかなか申し上げにくいところはあるのですが、少なくとも結果においてはそういうところがあるわけですが、ただ、そういう個別のミクロの話はさておきまして、どうやって対抗していくのか、あるいは日本のプレゼンスを維持していくのかというところは、やはり残念ながらといいますか、いつも申し上げることですが、日本単独で何かをするとか、何か物を言うというだけではなかなか限界もございますので、G7はもとよりですけれども、G7以外の国も含めて、しかも、恐らく、全てのイシューについて、常に同じ仲間ということではなくて、問題ごとに意見を同じにする国、異にする国がございますので、意見を同じにする国といろんな場面で連携しながらということが1つと、あとは、そういったことをやるためにも、やっぱり日本がいてくれると助かるという雰囲気を常につくらないといけませんので、これもいつも申し上げておりますが、我々は経済力をさておきましても、例えばG7の中で唯一欧米系でないとか、唯一NATOではないとか、唯一アジアに属しているとか、あるいは、アフリカなんかとの関係では、植民地のような歴史もないとか、いろいろほかのG7とはちょっと違ったメリットといいますか、アドバンテージがあることも事実でございますので、いろんな場面で、そういう意味では、今、グローバルサウスと言われている中で、そこと、伝統的なG7といいますか、欧米との間の橋渡し役というときに、ちょっと欧米とは違った顔とか役割を日本が果たせるよというのは、実際、これは我々も日々の仕事の中でいろんなところで実感するところもございますので、そういったところが恐らく日本の生きていく道ではないかと私自身は思っているところでございます。

それから、伊藤亜聖委員の幾つかの御指摘の中で、何立峰が中国の財政金融政策のトップのようだけれども、どうするのかという御指摘がございました。まさしく我々も今、最近、内部でもそういう議論をしているところでございまして、当然御承知の上での御指摘だと思いますけれども、例えば、ほかのG7を見ますと、最近、ドイツですとか、フランスなんかは、まさに財務対話というような形で、それぞれドイツやフランスの財務大臣と、何立峰をトップとする中国側と、そういう対話なんかもやっているわけでございます。恐らく、今度はAPECで米中首脳会談などというものもございますが、我々のほうも、現在の政権の方針として、もちろん主張するべきは主張をするけれども、一方で、共通の課題等々については対応をし、協力すべきは協力するという安定的・建設的な環境をつくりたいのだということが岸田政権の方針でございますので、また、我々のほうも、日中財務対話ですとか、あるいは、外務大臣を伝統的にはヘッドとしていますが、ハイレベルの経済の政策対話などというものもかつては開かれておりまして、コロナの前は開かれていた過去もございますので、そういった既存の枠組みがいいのか、あるいは、それをさらに発展させていくのがいいのか、そういったことを考えながら、中国の新体制がようやく固まって見えてきたというところもございますので、対話のルートを考えていきたいというふうに思っているところでございます。

それから、五十嵐委員からいろんな御指摘を頂いた中で、FATFにつきましては先ほど調査課長の野村のほうから申し上げましたが、あと、暗号資産のトラベルルールについてのリーダーシップの発揮をという非常にありがたい御指摘も頂戴いたしまして、これは以前御紹介したことがあるかどうかは分かりませんが、実はFATFのほうでは、暗号資産につきましては、日本はそれなりに頑張ってきておるつもりでございまして、FATFの暗号資産の関係のコンタクトグループという作業グループがございます。あるいは、その上にワーキンググループがございますが、これはいずれも日本が共同議長をやってございまして、FATFの中でも暗号資産関連で、普通の預金を銀行で送金する場合などと同じようなトラベルルールを導入せよというルールをつくるに当たっての作業部会で、まさに日本が共同議長としてこれを導入したということでございます。そういう経緯もあって、FATFの具体化の国内法上の対応も日本としてはいち早くやったということでございますので、共同議長という立場からも、あるいは、内容的にもこの部分については特に日本が率先して議論をしてきたという経緯もございますので、これだけではないつもりでございますけれども、まさにFATFにおいては、我々は単に相互審査でバツをもらって、一生懸命それに合格するように頑張るという受け身だけではございませんで、むしろFATFのルールを率先して日本としてつくっていくという能動的・主導的な役割を果たすつもりでFATFに取り組んでおりますので、ぜひそういったことをやっていきたいと思っているところでございます。

それから、澤田委員の御指摘の中の経常黒字の話は先ほど調査課長のほうから補足をさせていただいたとおりでございますけど、これは、改めて申し上げますと、私のところにも、特に昨今の経常黒字で、アメリカから、あるいはほかの国から文句が来ているというような話はございませんし、今週だったと思いますが、直近のアメリカの為替報告書も、ちょうど対象期間に経常黒字が減っているだけの機械的な結果ですから、外れたからどうとか、入ったからどうではないのですが、いわゆる監視の対象リストからも日本は入っていないというような状況であることが、ファクトとしては足元の状況でございます。ただ、もちろん、だからいいのかどうかということはございまして、恐らく足元は、先ほど調査課長も少し御紹介いたしましたけれども、御承知のように、貿易収支はどちらかというと、直近の10月は少し黒字に戻しましたが、基本は、最近は赤字のほうが多くて、昔とは違って、貿易収支は赤字の中、一生懸命、かつての投資の果実であるところの第一次所得収支でそれを補っている上に、それがさらに膨らんでいるので、何とかなっている、そういう基本構造があるのは事実でございます。それが、足元エネルギー価格が下がって、貿易収支がちょっと戻りましたので、あるいは、インバウンドで旅行収支が戻っていますので経常黒字が増えているということではございますけれども、非常に冷たい言い方をすれば、インバウンドとかつての投資の果実頼みというところがありまして、貿易収支も、主たる輸出の足元が伸びておりますのは自動車関連でございますので、自動車なり、原動機というようなものが輸出では増えているわけですが、これも正直申し上げて、電気自動車(EV)みたいな流れの中で、10年後もこのままでいられるのかというと、私は全く楽観できないなと思っておるわけでございまして、足元の経常収支の日々の動向は、当然私どもは統計の担当部局として、フォローをするわけですが、この後ろにいろんな日本経済の課題と、もちろん強みも、両方あると思いますので、こういったものを引き続きしっかりと分析しながら、より大きな政策の判断につなげていかなければいけないだろうと、このように思っているところでございます。

それから、伊藤恵子委員からのRISEについて、アメリカのスタンスは先ほど国際調整室長からお答えをいたしましたけれども、これは財務省ルートだけではございませんで、本当のことを言うと、ほかのものがどうなのかという意味ではないのですが、RISEは、恐らく今年のG7の中で日本が打ち出したイニシアティブの中で最も評判のいいものの1つであることは間違いございませんで、財務トラックだけではありませんで、例えばシェルパ・ルートですとか、そういった首脳ルート、そういったいろんなところでも、日本から伺わなくても、RISEにほかの国が言及をしてくれて、非常にいいイニシアティブだと言ってくれるということがございまして、アメリカなんかからもまさにそういう反応がございます。足元のアメリカがお金を出していないでしょうというところですが、他国のことなので、調整室長が先ほど少し遠慮気味に申し上げておりましたが、御承知のようなアメリカの現在の予算の状況でございますので、ウクライナ支援、イスラエル支援ですらああいう状況ということでございますので、なかなか今、今日のこの時点でアメリカのほうから新たに予算を受けることはいろんな状況で手間取っているという状況ではございますけれども、政策的には大変に強い支援を、これは米国もそうですし、ほかの国からも受けているのかなというふうに思っているところでございます。

それから、和田委員からウクライナの復興の関係の情報共有をというお話がございまして、先ほど参事官からお答えを申し上げたとおりですが、1点、関連の情報で申し上げますと、御承知のとおりかもしれませんが、例えば現地の情報という意味では、JICAのほうは11月からだったと思いますけれども、キーウの現地事務所を再開してくれてございますし、それから、G7の中でもいろいろ、ウクライナの復興に向けての連絡の枠組みのようなものがあるのでございますが、そういったものにもJICAから事務局にも人を出していただいているということを実はしてございます。それから、新潟のときをきっかけに、JBICのほうが議長国における政府系機関ということで音頭を取ってくれまして、これは、G7プラスほかのヨーロッパの同志国を含めての、世界各国のJBICなりJICAに相当するような機関が、EBRDを中心に集まって、共に案件形成とか案件情報を共有し合うという枠組みも日本が議長国で立ち上げておりますので、我々としては、こういったJICAですとか、JBICですとか、いろんなルートで政府サイドにも情報が入ってくると思いますから、そういったあらゆるルートで、当然入ってきた情報につきましては、経団連の皆さんをはじめ、日本の企業の皆様方にも共有をさせていただくということかなと思っております。

最後に、片山委員からの債務の後の再建という話、これも先ほど少しお答えを申し上げましたけれども、具体的なことを1つだけ申し上げると、例えばスリランカ。これだけ我々が音頭を取って債務再編ということで汗をかいているつもりのわけでございますけれども、これは、それだけやって、その後、ようやく債務再編のルートに乗って、スリランカにみんなでいろんな援助をして、プロジェクトを始めるときに、ここで日本が何にもやらないで取り残されていたのでは、ある種、しようがないわけでございまして、もともと過去には、スリランカとの関係を率直に申し上げますと、日本の円借款のプロジェクトが前政権下でドタキャンされてしまったりとか、足元にも実はいろんな問題があるわけでございますが、基本的には当然、債務再編は、道筋をつけて、それで終わりではございませんで、その後、これは日本企業にとっても貢献でき、あるいはビジネスにもなるし、一方で、スリランカのまさに安定的な経済発展につながるような、できるだけウィン・ウィンなものを、円借款、あるいは行く行くはJBICなどにもあっていいと思いますが、そういったものでサポートをするということは当然で、その前提として債務再編にも取り組んでいるというところがございまして、債務再編自体はまだ途上ではございますけれども、そういった債務再編があいなった、その後にどういう支援をしていくかという話も、実は、外務省、その他関係省庁と、日本国内の内輪でやっているだけではございませんで、内々にはスリランカ側ともやったりしてございますので、これは1つの例でございますが、そういった形で、債務再編後の話も含めて、いろんなところで戦略的にやっていくということかなと思ってございます。

いずれにいたしましても、本日の様々な御指摘も踏まえまして、お話にもございましたように、複合的な危機、困難がある中ではございますが、引き続き先生方に御指導を頂きながら取組を続けてまいりたいと思ってございます。ありがとうございます。

○神作分科会長三村国際局長、大変丁寧な御説明、御回答をありがとうございました。

この間、オンラインで御参加いただいている亀坂委員から挙手を頂いておりますが、亀坂委員、御発言の希望はございますでしょうか。

○亀坂委員すみません、国際局長に議論を取りまとめていただいた後で申し訳ないですが、時間にまだ余裕があればということで、皆様の発言に触発されてなんですが、1点だけ質問をさせていただければと思います。

どういうことかと申しますと、資料では3ページにちらっとだけ触れられたことなんですが、食料安全保障の問題で、グローバルサウスとか、民主主義国のほうがもはやマイナーな存在になっているぐらいの状況で、これから経済成長が見込まれるグローバルサウスをどう取り込むかとか、そういった問題意識を持ってのことなんですけれども、日本がひょっとして、食料安全保障の分野で、IMFとかを通じてということでもなんですが、国際社会の安定とか、あるいは、グローバルサウスを取り込むことに貢献できる可能性がないかどうかということを質問させていただければと思います。先ほどウクライナ支援に関しても他の方から御発言がありましたが、企業としてどういった支援ができるかということで、日本の政府というか、国際局の方々となるのでしょうが、例えば中国に輸出できなくなって余ってしまった食材とか、そういった、要するに、今の米中対立とか、ロシア問題とかの中で、食料安全保障の問題というのは非常に重要になってきていると思うんです。今年の3月に財務省主催で開催していただいたG7の関連イベントで、G7以外の首脳陣からもいろいろ御発言があったと思うんですけれども、G7がこうしたいということに従ってどれだけ自分たちにメリットがあるのかと。自分たちの国民をそれで食べさせられるようになるのかというような発言をされていたのが非常に印象的で、そうであれば、グローバルサウスとかも興味を持っている食料安保で、例えば日本が割と中心的な役割を担って、IMFを通じてそういった分野に力を入れるということは現実的に可能なのかどうかということを思いまして、大変恐縮ながら挙手をさせていただきました。

以上です。

○神作分科会長ありがとうございました。

これは木原国際機構課長にお答えいただいてよろしいですか。お願いします。

○木原国際機構課長亀坂委員、御質問をありがとうございます。

私どもでIMFを担当しておりますけれども、まず、バックグラウンドとしては、IMFの支援は、どうしても国際収支危機に陥った国々、例えば輸出より輸入のほうが多かったり、あるいは、資本が流出して外貨準備がなくなってしまった国にどう支援するかと、そういう視点での支援になりますので、直接食料をあげたりとか、そういう枠組みはなかなかIMFとしては難しいという現実がございます。ただ、他方で、亀坂委員がおっしゃるとおり、グローバルサウスが直面している課題にどう対応しなければいけないのかということは非常に強く意識されている部分でありますし、日本もそういう取組はどんどん支援をしていきたいというふうに思っています。例えばでありますけれども、まさに食料価格の問題ですと、ロシアの侵攻以降、小麦の輸出を中心にウクライナ、ロシアからの輸出が大きく損なわれた形で、非常に大きな影響があって、特に北アフリカですとか、アフリカの国々で非常に大きなインパクトがあったと。ですので、そういう場合は、IMFのほうで、去年の夏ですけれども、新しい融資制度というものをつくっています。それは、食料輸出が急激に減ったり、あるいは、価格の上昇によって、食料の輸入額、これが非常に大きく短期間で増えてしまって、そういう中で困難に陥っている国に対しては特別な融資を新しくできるようにしましょうと。そういう形の取組というものはIMFの中でもやっていまして、そういった形で、IMFの支援の枠組みの中ではありますけれども、少しでも実際に、特に地政学的なテンションも高まる中で、どうしてもいろんな影響が出てくる中で、国際機関としてそれぞれの支援の枠組みの中で少しでもサポートをしていくと。特に、いろんな紛争の中で、言わば二次的なインパクトをいろんな形で経済的に受ける国々に対してのサポートをしっかりしていくということはやっていかなければいけないというふうに思っています。

○神作分科会長どうもありがとうございました。

ほかに御発言はございますでしょうか。

○亀坂委員ありがとうございました。先ほど伊藤由希子委員からも財政のこととかの御指摘があったと思うんですけれども、単に金銭面で支援するというよりも、状況次第では食料とか、違った形で支援したほうが、財政面の負担とかもひょっとしたら軽減する形でできる可能性があるのではないかなと思いまして、なので、IMFに限らず、広く財務省の方々で御議論できるようなことに関して、食料安保関連で議論をしていただければと思った次第です。

以上です。ありがとうございました。

○神作分科会長どうもありがとうございました。

よろしいでしょうか。

活発な御議論を頂き、誠にありがとうございました。

本日はこれで議事を終了させていただきたいと思いますけれども、今回の議事録の作成について、1点お諮りしたいことがございます。議事録の作成は、僣越でございますけど、私に御一任を頂ければと存じます。その際、発言部分を事前に御覧になりたいという方は、事務局にその旨をお伝えいただくということといたしまして、御連絡を頂戴しました委員の方には議事録を案の段階で御送付して、見ていただきたいと考えております。その後、1週間程度の間に御意見がない場合には、御了解いただいたものとして確定させていただきたいと存じます。

次回の分科会につきましては、事務局と御相談の上、改めて御連絡をさせていただきます。

本日は長時間にわたり御出席賜り、誠にありがとうございました。どうもお疲れさまでした。

午前11時58分閉会