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所得税法等の一部を改正する法律案要綱

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賃金の上昇が物価高に追い付いていない国民の負担を緩和し、物価の上昇を上回る持続的な賃金の上昇が行われる経済の実現を目指す観点からの令和六年分における所得税額の特別控除の実施及び給与等の支給額が増加した場合の税額控除制度の強化等並びに資本の蓄積の推進及び生産性の向上による供給力の強化のための産業競争力基盤強化商品生産用資産を取得した場合の税額控除制度及び特許権等の譲渡等による所得の課税の特例の創設を行うとともに、新たな産業の創出及び育成を推進するための特定の取締役等が受ける新株予約権の行使による株式の取得に係る経済的利益の非課税等の適用要件の見直し並びに経済のグローバル化を踏まえた特定プラットフォーム事業者を介して行う電気通信利用役務の提供に関する消費税の課税の特例の創設を行うほか、納税環境の整備、租税特別措置の見直し等所要の措置を講ずることとし、次により所得税法等の一部を改正することとする。

所得税法の一部改正(第1条関係)

非課税所得となる相続、遺贈又は個人からの贈与により取得するものから、公益信託に関する法律に規定する公益信託(以下「新公益信託」という。)から給付を受けた財産に該当するものを除外することとする。(所得税法第9条関係)

新公益信託の信託財産につき生ずる所得(貸付信託の受益権の収益の分配に係るものにあっては、当該受益権が当該新公益信託の信託財産に引き続き属していた期間に対応する部分の額として一定の計算をした金額に相当する部分に限る。)については、所得税を課さないこととする。(所得税法第11条関係)

(注)上記の改正は、公益信託に関する法律の施行の日以後に効力が生ずる新公益信託(同法附則に規定する移行認可を受けた信託を含む。)について適用する。(附則第2条関係)

新公益信託の受託者である個人に対する贈与又は遺贈(その信託財産とするためのものに限る。)により、居住者の有する譲渡所得の基因となる資産等の移転があった場合には、当該居住者に対しその贈与又は遺贈によるみなし譲渡課税を適用することとする。(所得税法第59条関係)

新公益信託の委託者(居住者に限る。)がその有する資産を信託した場合には、当該資産を信託した時において、当該委託者から当該新公益信託の受託者に対して贈与又は遺贈により当該資産の移転が行われたものとして、当該委託者に対しその贈与又は遺贈によるみなし譲渡課税を適用することとする。(所得税法第67条の3関係)

新公益信託の信託財産とするために支出した当該新公益信託に係る信託事務に関連する寄附金について、寄附金控除の対象とすることとする。(所得税法第78条関係)

源泉徴収制度及び支払調書の対象となる報酬又は料金等の範囲に、社会保険診療報酬支払基金から支払われる流行初期医療の確保に要する費用を加えることとする。(所得税法第204条関係)

支払調書等の電子情報処理組織を使用する方法等による提出義務制度について、当該制度の対象となるかどうかの判定基準となるその年の前々年に提出すべきであった支払調書等の枚数を30以上(現行:100以上)に引き下げることとする。(所得税法第228条の4関係)

(注)上記の改正は、令和9年1月1日以後に提出すべき支払調書等について適用する。(附則第5条関係)

脱炭素成長型経済構造移行推進機構を公共法人等の範囲に加えることとする。(所得税法別表第1関係)

その他所要の規定の整備を行うこととする。

法人税法の一部改正(第2条関係)

適格現物出資の対象となる現物出資について、次の見直しを行うこととする。(法人税法第2条関係)

(1)対象となる現物出資から、外国法人に内国法人の無形資産等の移転を行うもの(その無形資産等の全部がその外国法人の恒久的施設を通じて行う事業に係る資産となる一定のものを除く。)を除外する。

(2)対象となる現物出資に該当するかどうかを判定する際の現物出資により移転する資産又は負債の内外判定は、内国法人の本店等若しくは外国法人の恒久的施設を通じて行う事業に係る資産若しくは負債又は内国法人の国外事業所等若しくは外国法人の本店等を通じて行う事業に係る資産若しくは負債のいずれに該当するかによることとする。

(注)上記の改正は、令和6年10月1日以後に行われる現物出資について適用する。(附則第6条関係)

公益信託について、次の整備を行うこととする。

(1)公益信託に関する法律に規定する公益信託(以下「新公益信託」という。)に対する取扱いを次のとおりとするほか、所要の措置を講ずる。(法人税法第2条、第12条、旧法人税法附則第19条の3関係)

受益者がその信託財産に属する資産及び負債を有するものとみなされ、かつ、その信託財産に帰せられる収益及び費用が受益者の収益及び費用とみなされる信託に該当しないこととする。

その信託財産に属する資産及び負債並びにその信託財産に帰せられる収益及び費用は受託者である法人の各事業年度の所得の金額の計算上その法人の資産及び負債並びに収益及び費用でないものとみなすこととする。

(2)新公益信託の信託財産とするために支出したその新公益信託に係る信託事務に関連する寄附金について、一般の寄附金の損金算入限度額とは別に、一定の損金算入限度額に相当する金額の範囲内で損金算入ができることとする。(法人税法第37条関係)

(注)上記の改正は、公益信託に関する法律の施行の日以後に効力が生ずる新公益信託(同法附則に規定する移行認可を受けた信託を含む。)について適用する。(附則第7条関係)

第二次納税義務に係る納付税額の損金不算入制度における国税徴収法等の第二次納税義務の規定により納付し、又は納入すべき国税等の範囲に、株式会社等が偽りその他不正の行為により国税等を免れ、又は国税等の還付を受けた場合におけるその役員等である法人が国税徴収法等の第二次納税義務の規定により納付し、又は納入すべき国税等を加えることとする。(法人税法第39条関係)

暗号資産の譲渡損益及び時価評価損益について、法人が事業年度終了の時において有する市場暗号資産に該当する暗号資産のうち譲渡についての制限その他の条件が付されている暗号資産であってその条件が付されていることにつき適切に公表されるための手続が行われている一定のもの(以下「特定譲渡制限付暗号資産」という。)のその時における評価額は、時価法又は原価法のうちその法人が選定した方法(その法人が発行し、かつ、その発行の時から継続して有する特定譲渡制限付暗号資産にあっては、原価法)により評価した金額とする。(法人税法第61条関係)

各対象会計年度の国際最低課税額に対する法人税について、次の見直しを行うこととする。(法人税法第82条、第82条の2関係)

(1)最終親会社の範囲から政府関係会社等のうち国等の資産を運用することを主たる目的とする一定のものを除外した上、会社等が最終親会社に該当するかどうかの判定については、その一定の政府関係会社等が直接又は間接に有する支配持分はないものとみなす。

(2)無国籍構成会社等が自国内最低課税額に係る税を課されている場合には、無国籍構成会社等に係るグループ国際最低課税額の計算においてその自国内最低課税額に係る税の額を控除する。

(注)無国籍共同支配会社等に係るグループ国際最低課税額についても、同様とする。

(3)特定多国籍企業グループ等に属する構成会社等が我が国以外の国又は地域の租税に関する法令において自国内最低課税額に係る税を課することとされている場合において、各対象会計年度のその自国内最低課税額に係る税が一定の要件を満たすときは、その対象会計年度のその構成会社等の所在地国に係るグループ国際最低課税額(その構成会社等が無国籍構成会社等である場合にあっては、その構成会社等に係るグループ国際最低課税額)は、零とすることができる。

(注)共同支配会社等に係るグループ国際最低課税額についても、同様とする。

(4)特定多国籍企業グループ等に属する構成会社等(その構成会社等の所在地国を所在地国とする構成会社等のうちに連結除外構成会社等(企業集団の計算書類において連結の範囲から除かれる一定の構成会社等をいう。)が含まれるものに限る。)が各対象会計年度において一定の要件を満たす場合には、その対象会計年度のその所在地国に係る当期国別国際最低課税額は、零とすることができる。

(注)上記の改正は、内国法人の令和6年4月1日以後に開始する対象会計年度の国際最低課税額に対する法人税について適用する。(附則第10条関係)

特定多国籍企業グループ等報告事項等の提供制度について、特定多国籍企業グループ等報告事項等を、次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める事項等とするほか、所要の措置を講ずることとする。(法人税法第150条の3関係)

(1)(2)に掲げる場合以外の場合特定多国籍企業グループ等の最終親会社等の名称、その特定多国籍企業グループ等に属する構成会社等の所在地国ごとの国別実効税率の水準その他の一定の事項

(2)特定多国籍企業グループ等報告事項等を提供する内国法人が最終親会社等その他の一定の構成会社等に該当する場合(1)に定める事項及びその特定多国籍企業グループ等のグループ国際最低課税額に関する事項

(注)上記の改正は、令和6年4月1日以後に開始する対象会計年度に係る特定多国籍企業グループ等報告事項等について適用する。(附則第11条関係)

脱炭素成長型経済構造移行推進機構を公益法人等の範囲に加えることとする。(法人税法別表第2関係)

その他所要の規定の整備を行うこととする。

相続税法の一部改正(第3条関係)

公益信託について、次の整備を行うこととする。

(1)公益信託に関する法律に規定する公益信託(以下「新公益信託」という。)の受託者が遺贈により取得した財産(その信託財産として取得したものに限る。)の価額は、相続税の課税価格に算入しない。(相続税法第12条関係)

(2)新公益信託から給付を受けた財産及び新公益信託の受託者が贈与により取得した財産(その信託財産として取得したものに限る。)の価額は、贈与税の課税価格に算入しない。(相続税法第21条の3関係)

(3)その他所要の措置を講ずる。

(注)上記の改正は、公益信託に関する法律の施行の日から施行する。(附則第1条関係)

調書の電子情報処理組織を使用する方法等による提出義務制度について、当該制度の対象となるかどうかの判定基準となるその年の前々年に提出すべきであった調書の枚数を30以上(現行:100以上)に引き下げることとする。(相続税法第59条関係)

(注)上記の改正は、令和9年1月1日以後に提出すべき調書について適用する。(附則第12条関係)

その他所要の規定の整備を行うこととする。

登録免許税法の一部改正(第4条関係)

脱炭素成長型経済構造移行推進機構が自己のために受ける事務所用建物の所有権の取得登記及び当該建物の敷地の用に供する土地の権利の取得登記については、登録免許税を課さないこととする。(登録免許税法別表第3関係)

その他所要の規定の整備を行うこととする。

消費税法の一部改正(第5条関係)

特定期間における課税売上高による納税義務の免除の特例について、給与等の一定の金額の合計額をもって課税売上高とすることができる措置の対象から国外事業者を除外することとする。(消費税法第9条の2関係)

(注)上記の改正は、令和6年10月1日以後に開始する個人事業者のその年又は法人のその事業年度について適用する。(附則第13条関係)

新設法人の納税義務の免除の特例及び特定新規設立法人の納税義務の免除の特例について、その事業年度の基準期間がある外国法人が、当該基準期間の末日の翌日以後に国内において課税資産の譲渡等に係る事業を開始した場合には、当該事業年度については、基準期間がないものとみなして、これらの特例を適用することとする。(消費税法第12条の2、第12条の3関係)

(注)上記の改正は、令和6年10月1日以後に開始する事業年度について適用する。(附則第13条関係)

特定新規設立法人の納税義務の免除の特例の対象となる特定新規設立法人の範囲に、新規設立法人が他の者により支配される場合における他の者及び当該他の者と特殊な関係にある法人のうちいずれかの者の基準期間に相当する期間における総収入金額が50億円を超える場合における当該新規設立法人を加えることとする。(消費税法第12条の3関係)

(注)上記の改正は、令和6年10月1日以後に開始する事業年度について適用する。(附則第13条関係)

事業者が、金地金等の仕入れ等を行った場合において、その課税期間中の当該金地金等の仕入れ等の金額の合計額が高額である一定の場合に該当するときは、当該課税期間の翌課税期間から当該課税期間の初日以後3年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間においては、事業者免税点制度及び簡易課税制度を適用できないこととする。(消費税法第12条の4、第37条関係)

(注)上記の改正は、令和6年4月1日以後に事業者が行う金地金等の仕入れ等について適用する。(附則第13条関係)

公益信託について、次の整備を行うこととする。

(1)公益信託に関する法律に規定する公益信託(以下「新公益信託」という。)の受託者について、信託資産等及び固有資産等ごとに、受託者をそれぞれ別の者とみなして消費税法の規定を適用する。(消費税法第14条、第15条、旧消費税法附則第19条の2関係)

(2)新公益信託に係る受託事業者は、特定収入がある場合の仕入控除税額の調整措置の対象とする。(消費税法第60条関係)

(注)上記の改正は、公益信託に関する法律の施行の日以後に効力が生ずる新公益信託(同法附則に規定する移行認可を受けた信託を含む。)について適用する。(附則第13条関係)

消費税のプラットフォーム課税制度を次のとおり創設することとする。(消費税法第15条の2関係)

(1)国外事業者が国内において行う電気通信利用役務の提供(事業者向け電気通信利用役務の提供に該当するものを除く。以下同じ。)がデジタルプラットフォームを介して行われるものであって、その対価について(2)の指定を受けたプラットフォーム事業者(以下「特定プラットフォーム事業者」という。)を介して収受するものである場合には、特定プラットフォーム事業者が当該電気通信利用役務の提供を行ったものとみなす。

(2)国税庁長官は、プラットフォーム事業者のその課税期間において、その提供するデジタルプラットフォームを介して国外事業者が国内において行う電気通信利用役務の提供に係る対価の額のうち、当該プラットフォーム事業者を介して収受するものの合計額が50億円を超える場合には、当該プラットフォーム事業者を特定プラットフォーム事業者として指定するものとする。

(3)(2)の指定を受けるべき者は、その課税期間に係る確定申告書の提出期限までに、一定の事項を記載した届出書をその納税地を所轄する税務署長を経由して国税庁長官に提出しなければならない。

(4)国税庁長官は、特定プラットフォーム事業者を指定したときは、当該特定プラットフォーム事業者に対してその旨を通知するとともに、当該特定プラットフォーム事業者に係るデジタルプラットフォームの名称等について速やかに公表しなければならないこととし、当該通知を受けた特定プラットフォーム事業者は、(1)の適用対象となる国外事業者に対して、(1)が適用されることとなる旨及びその年月日を通知するものとする。

(5)特定プラットフォーム事業者は、確定申告書に(1)の対象となる金額等を記載した明細書を添付しなければならない。

(6)その他所要の措置を講ずる。

(注)上記の改正は、令和7年4月1日以後に国内において行われる電気通信利用役務の提供について適用するとともに、所要の経過措置を講ずる。(附則第13条関係)

事業者が行った課税仕入れに係る資産が外国人旅行者向け消費税免税制度(輸出物品販売場制度)により消費税が免除された物品に係るものである場合(当該事業者が、当該消費税が免除されたものであることを知っていた場合に限る。)には、仕入税額控除制度を適用できないこととする。(消費税法第30条関係)

(注)上記の改正は、令和6年4月1日以後に国内において事業者が行う課税仕入れについて適用する。(附則第13条関係)

その課税期間の初日において恒久的施設を有しない国外事業者については、簡易課税制度を適用できないこととする。(消費税法第37条関係)

(注)上記の改正は、令和6年10月1日以後に開始する課税期間について適用する。(附則第13条関係)

特例輸入者による特例申告の納期限の延長において必須とされている担保について、消費税の保全のために必要があると認められる場合にのみ提供を求めることができることとする。(消費税法第51条関係)

(注)上記の改正は、令和6年10月1日以後に納期限の延長についての申請書を提出する場合について適用する。(附則第13条関係)

10偽りその他不正の行為により消費税の還付を受けた者に対する罰則の適用対象に、更正の請求に基づく更正による還付を受けた者を加えることとする。(消費税法第64条関係)

(注)上記の改正は、公布の日から起算して10日を経過した日から施行する。(附則第1条関係)

11脱炭素成長型経済構造移行推進機構を消費税法別表第三法人に加えることとする。(消費税法別表第3関係)

12その他所要の規定の整備を行うこととする。

酒税法の一部改正(第6条関係)

特例輸入者による特例申告の納期限の延長において必須とされている担保について、酒税の保全のため必要があると認められる場合にのみ提供を求めることができることとする。(酒税法第30条の6関係)

(注)上記の改正は、令和6年10月1日以後に納期限の延長についての申請書を提出する場合について適用する。(附則第14条関係)

その他所要の規定の整備を行うこととする。

たばこ税法の一部改正(第7条関係)

特例輸入者による特例申告の納期限の延長において必須とされている担保について、たばこ税の保全のために必要があると認められる場合にのみ提供を求めることができることとする。(たばこ税法第22条関係)

(注)上記の改正は、令和6年10月1日以後に納期限の延長についての申請書を提出する場合について適用する。(附則第15条関係)

その他所要の規定の整備を行うこととする。

揮発油税法の一部改正(第8条関係)

特例輸入者による特例申告の納期限の延長において必須とされている担保について、揮発油税の保全のために必要があると認められる場合にのみ提供を求めることができることとする。(揮発油税法第13条関係)

(注)上記の改正は、令和6年10月1日以後に納期限の延長についての申請書を提出する場合について適用する。(附則第16条関係)

その他所要の規定の整備を行うこととする。

石油石炭税法の一部改正(第9条関係)

特例輸入者による特例申告の納期限の延長において必須とされている担保について、石油石炭税の保全のために必要があると認められる場合にのみ提供を求めることができることとする。(石油石炭税法第18条関係)

(注)上記の改正は、令和6年10月1日以後に納期限の延長についての申請書を提出する場合について適用する。(附則第17条関係)

その他所要の規定の整備を行うこととする。

印紙税法の一部改正(第10条関係)

公益信託に関する法律に規定する公益信託の信託行為に関する契約書(同法の規定による一定の行政庁の認可を受けた後に作成されるものに限る。)には、印紙税を課さないこととする。(印紙税法別表第1関係)

(注)上記の改正は、公益信託に関する法律の施行の日から施行する。(附則第1条関係)

非課税文書の表について、次の見直しを行うこととする。(印紙税法別表第3関係)

(1)非課税文書の表から、国立研究開発法人情報通信研究機構が作成する国立研究開発法人情報通信研究機構法第14条第1項第1号から第8号までの業務及び特定通信・放送開発事業実施円滑化法第6条第1項第1号の業務に関する文書を除外する。

(注)令和6年4月1日前に国立研究開発法人情報通信研究機構が作成した文書に係る印紙税については、なお従前の例による。(附則第18条関係)

(2)脱炭素成長型経済構造移行推進機構が作成する脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律第54条第1項各号に掲げる業務に関する文書を非課税文書の範囲に加える。

(3)都市緑化支援機構が作成する古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法第14条第1項第1号に掲げる業務として行う同法第13条第1項に規定する対象土地の買入れ等に係る不動産譲渡契約書を非課税文書の範囲に加える。

(注)上記の改正は、都市緑地法等の一部を改正する法律の施行の日から施行する。(附則第1条関係)

(4)社会保険診療報酬支払基金が作成する感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第36条の25第1項各号に掲げる業務に関する文書を非課税文書の範囲に加える。

十一国税通則法の一部改正(第11条関係)

過少申告加算税又は無申告加算税に代えて課される重加算税の適用対象に、隠蔽し、又は仮装された事実に基づき更正請求書を提出していた場合を加えることとする。(国税通則法第68条関係)

(注)上記の改正は、令和7年1月1日以後に法定申告期限等が到来する国税について適用する。(附則第19条関係)

その他所要の規定の整備を行うこととする。

十二国税徴収法の一部改正(第12条関係)

偽りその他不正の行為により国税を免れ、又は国税の還付を受けた株式会社、合資会社又は合同会社がその国税(その附帯税を含む。1において同じ。)を納付していない場合において、滞納処分を執行してもなお徴収不足であると認められるときは、その偽りその他不正の行為をしたその株式会社の役員又はその合資会社若しくは合同会社の業務を執行する有限責任社員(その役員又は有限責任社員を判定の基礎となる株主又は社員として選定した場合にその株式会社、合資会社又は合同会社が被支配会社に該当する場合におけるその役員又は有限責任社員に限る。以下「特定役員等」という。)は、その偽りその他不正の行為により免れ、若しくは還付を受けた国税の額又はその株式会社、合資会社若しくは合同会社の財産のうち、その偽りその他不正の行為があった時以後に、その特定役員等が移転を受けたもの及びその特定役員等が移転をしたもの(その取引の内容その他の事情を勘案して、当該取引の相手方との間で通常の取引の条件に従って行われたと認められる一定の取引として移転をしたものを除く。)の価額のいずれか低い額を限度として、その滞納に係る国税の第二次納税義務を負うこととする。(国税徴収法第40条関係)

(注)上記の改正は、令和7年1月1日以後に偽りその他不正の行為により免れ、又は還付を受けた国税について適用する。(附則第20条関係)

換価代金等の交付について、次の措置を講ずることとする。(国税徴収法第133条関係)

(1)換価代金等の供託がされた場合における当該供託に係る債権者は、その供託の事由が消滅したときは、直ちに、その旨を税務署長に届け出なければならないこととする。

(2)税務署長は、換価代金等の供託がされた場合において、その供託がされた日等から(1)の届出がされることなく2年を経過したときは、当該供託に係る債権者に対し、その供託に係る供託の事由が消滅しているときは(1)の届出をし、又はその供託に係る供託の事由が消滅していないときはその旨の届出をすべき旨を催告しなければならないこととする。

(3)(2)の催告を受けた供託に係る債権者が、催告を受けた日から14日以内にその届出をしないときは、税務署長は、当該供託に係る債権者を除外して供託金について換価代金等の配当を実施する旨の決定をすることができることとする。

(4)(3)の決定は、供託に係る債権者がその決定の告知を受けた日から7日を経過した日にその効力を生ずることとする。

(5)その他所要の措置を講ずる。

(注)上記の改正は、民事関係手続等における情報通信技術の活用等の推進を図るための関係法律の整備に関する法律附則第3号に掲げる規定の施行の日から施行する。(附則第1条関係)

保全差押金額を限度とした差押え又はその保全差押金額について提供されている担保に係る国税について、その納付すべき額の確定がない場合におけるその差押え又は担保を解除しなければならない期限を、その保全差押金額を書面で通知をした日から1年(現行:6月)を経過した日までとすることとする。(国税徴収法第159条関係)

(注)上記の改正は、令和7年1月1日以後にされる保全差押金額の決定について適用する。(附則第20条関係)

その他所要の規定の整備を行うこととする。

十三租税特別措置法の一部改正(第13条関係)

個人所得課税

(1)金融機関等の受ける利子所得等に対する源泉徴収の不適用の適用対象に、一定の社債であって、金融商品取引業者のうち第一種金融商品取引業を行う者又は登録金融機関に当該社債の譲渡についての制限を付すことその他の一定の要件を満たす方法による保管の委託がされた当該社債の利子等を加えることとする。(租税特別措置法第8条関係)

(2)特定の取締役等が受ける新株予約権の行使による株式の取得に係る経済的利益の非課税等の特例について、次の措置を講ずることとする。(租税特別措置法第29条の2関係)

その年における特定新株予約権の行使に係る権利行使価額について、次のとおりとする。

付与決議の日においてその設立の日以後の期間が5年未満の株式会社が付与した特定新株予約権については、当該権利行使価額を2で除して計算した金額とする。

付与決議の日においてその設立の日以後の期間が5年以上20年未満であることその他の一定の要件を満たす株式会社が付与した特定新株予約権については、当該権利行使価額を3で除して計算した金額とする。

対象となる新株予約権に係る契約の要件に、「新株予約権の行使に係る株式会社と当該新株予約権を与えられた者との間であらかじめ締結される新株予約権の行使により交付をされる当該株式会社の株式(譲渡制限株式に限る。)の管理に関する取決め(当該管理に係る契約が権利者の別に締結されるものであることその他の一定の要件が定められるものに限る。)に従い、取得後直ちに、当該株式会社により管理がされること」を加え、現行の「新株予約権の行使により取得をする株式につき金融商品取引業者等の営業所等に保管の委託等がされること」との選択適用とする。

権利者が付与決議の日において特定新株予約権の行使に係る株式会社の大口株主等に該当しなかったことを誓約する書面等について、当該書面等の提出に代えて、当該書面等に記載すべき事項を電磁的方法により提供できることとする。

特定株式及び承継特定株式の範囲に、株式の管理に関する取決めに従い一定の株式会社により管理がされている株式等を加えるとともに、当該株式会社による管理に係る契約の解約又は終了等の事由により、当該特定株式又は承継特定株式の全部又は一部の返還又は移転があった場合には、その事由が生じた時に、当該特定株式又は承継特定株式の譲渡等があったものとみなす。

株式の管理に関する取決めに従い特定株式又は承継特定株式の管理をしている株式会社は、特定株式等の異動状況に関する調書を毎年1月31日までに税務署長に提出しなければならないこととする。

その他所要の措置を講ずる。

(3)山林所得に係る森林計画特別控除の適用期限を2年延長することとする。(租税特別措置法第30条の2関係)

(4)収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例等の適用対象に、土地収用法に規定する事業の施行者が行う当該事業の施行に伴う漁港水面施設運営権の消滅により補償金を取得する場合を加えることとする。(租税特別措置法第33条、第64条関係)

(5)特定土地区画整理事業等のために土地等を譲渡した場合の2,000万円特別控除について、次の措置を講ずることとする。(租税特別措置法第34条、第65条の3関係)

適用対象に、古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法に規定する対象土地が同法の規定により都市緑化支援機構に買い取られる場合(一定の要件を満たす場合に限る。)を加える。

適用対象に、都市緑地法に規定する対象土地が同法の規定により都市緑化支援機構に買い取られる場合(一定の要件を満たす場合に限る。)を加える。

その他所要の措置を講ずる。

(6)特定の民間住宅地造成事業のために土地等を譲渡した場合の1,500万円特別控除の適用期限を3年延長することとする。(租税特別措置法第34条の2、第65条の4関係)

(7)特定の居住用財産の買換え及び交換の場合の長期譲渡所得の課税の特例の適用期限を2年延長することとする。(租税特別措置法第36条の2、第36条の5関係)

(8)非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置について、次の措置を講ずることとする。(租税特別措置法第37条の14関係)

受入期間内に受け入れた上場株式等の取得対価の額の合計額が240万円を超えないこと等の要件を満たすことにより特定非課税管理勘定に受け入れることができる上場株式等の範囲に、上場株式等について与えられた新株予約権の行使により取得をした上場株式等その他の一定のものを加える。

非課税口座を開設し、又は開設していた居住者等は、勘定廃止通知書又は非課税口座廃止通知書を添付した非課税口座開設届出書の提出に代えて、勘定廃止通知書記載事項若しくは非課税口座廃止通知書記載事項の記載をした非課税口座開設届出書の提出又は非課税口座開設届出書の提出と併せて行われる電磁的方法による勘定廃止通知書記載事項若しくは非課税口座廃止通知書記載事項の提供等ができることとする。

金融商品取引業者等の営業所の長は、勘定廃止通知書又は非課税口座廃止通知書の交付に代えて、電磁的方法による勘定廃止通知書記載事項又は非課税口座廃止通知書記載事項の提供ができることとする。

金融商品取引業者等の営業所に非課税口座を開設している居住者等は、勘定廃止通知書又は非課税口座廃止通知書の提出に代えて、電磁的方法による勘定廃止通知書記載事項又は非課税口座廃止通知書記載事項の提供等ができることとする。

(9)公益法人等に対して財産を寄附した場合の譲渡所得等の非課税措置について、次の措置を講ずることとする。(租税特別措置法第40条関係)

適用対象となる公益法人等の範囲に、公益信託に関する法律に規定する公益信託(以下「新公益信託」という。)の受託者(非居住者又は外国法人に該当するものを除く。以下同じ。)を加える。

次に掲げる非課税措置の継続適用の対象に、公益社団法人及び公益財団法人が解散する場合又は公益認定の取消しの処分を受けた場合において、非課税措置の適用を受けた財産等(以下「非課税財産等」という。)を類似の公益事務をその目的とする新公益信託の信託財産とするときを加える。

公益法人等が解散する場合における非課税措置の継続適用

公益社団法人及び公益財団法人が公益認定の取消しの処分を受けた場合における非課税措置の継続適用

非課税財産等を有する新公益信託の受託者(以下「当初受託者」という。)が、次に掲げる事由(当該事由により国税庁長官の承認を取り消すことができる一定の場合の当該事由を除く。)により、当該非課税財産等を次に掲げる事由の区分に応じそれぞれ次に定める者(新受託者の選任等につき公益信託に関する法律の認可を受け、又は届出がされた当該新公益信託の受託者に該当するものに限る。以下「引継受託者」という。)に移転しようとする場合において、当該非課税財産等の移転に関する届出書を国税庁長官に提出したときは、引継受託者を当初受託者とみなすこととする。

その任務の終了新受託者

法人の合併当該合併後存続する法人又は当該合併により設立する法人

法人の分割当該分割により受託者としての権利義務を承継する法人

非課税財産等を有する新公益信託(以下「当初新公益信託」という。)の受託者が、新公益信託の終了(当該終了に係る事由により国税庁長官の承認を取り消すことができる一定の場合の当該終了を除く。)により、当該非課税財産等を他の公益法人等(当初新公益信託に係る帰属権利者となるべき者に該当するものに限る。)に移転し、又は類似の公益事務をその目的とする他の新公益信託(その受託者が当初新公益信託に係る帰属権利者となるべき者に該当する者であるものに限る。)の信託財産としようとする場合において、当該非課税財産等の移転に関する届出書を国税庁長官に提出したときは、当該他の公益法人等又は他の新公益信託の受託者を当初新公益信託の受託者とみなすこととする。

その他所要の措置を講ずる。

(10)住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除について、次の措置を講ずることとする。(租税特別措置法第41条、第41条の2関係)

個人で、年齢40歳未満であって配偶者を有する者、年齢40歳以上であって年齢40歳未満の配偶者を有する者又は年齢19歳未満の扶養親族を有する者(以下「特例対象個人」という。)が、認定住宅等の新築等又は買取再販認定住宅等の取得をして令和6年1月1日から同年12月31日までの間に居住の用に供した場合の住宅借入金等の年末残高の限度額(借入限度額)を次のとおりとして本特例の適用ができることとする。

住宅の区分

借入限度額

認定住宅

5,000万円

特定エネルギー消費性能向上住宅

4,500万円

エネルギー消費性能向上住宅

4,000万円

特例認定住宅等の新築等に係る住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の特例について、令和6年12月31日以前に建築確認を受けた家屋についても適用対象とする。

その他所要の措置を講ずる。

(11)令和6年分における特別税額控除制度を次のとおり創設することとする。(租税特別措置法第41条の3の3~第41条の3の10関係)

令和6年分における所得税額の特別控除

居住者の令和6年分の所得税については、その者のその年分の所得税の額から、令和6年分特別税額控除額を控除する。ただし、その者のその年分の所得税に係るその年の合計所得金額が1,805万円を超える場合については、この限りでない。

イの令和6年分特別税額控除額は、次の合計額とする。

(イ)3万円

(ロ)居住者の一定の同一生計配偶者又は扶養親族1人につき3万円

令和6年分の所得税に係る予定納税に係る特別控除の額の控除等

居住者の令和6年分の所得税に係る第1期納付分の予定納税額は、当該第1期納付分の予定納税額に相当する金額から予定納税特別控除額の控除をした金額に相当する金額とすること等とする。

イの予定納税特別控除額は、3万円とする。

一定の居住者の令和6年分の所得税につき予定納税額の減額の承認の申請により予定納税額から減額の承認に係る予定納税特別控除額の控除を受けることができること等とする。

ハの減額の承認に係る予定納税特別控除額は、①ロの令和6年分特別税額控除額の見積額とする。

令和6年6月以後に支払われる給与等に係る特別控除の額の控除等

令和6年6月1日において給与等の支払者から主たる給与等の支払を受ける者である居住者の同日以後最初に当該支払者から支払を受ける同年中の主たる給与等(年末調整の対象となるものを除く。)に係る源泉徴収税額は、当該源泉徴収税額に相当する金額から給与特別控除額の控除(当該源泉徴収税額に相当する金額を限度とする。)をした金額に相当する金額とする。

給与特別控除額のうちイの控除をしてもなお控除しきれない部分の金額があるときは、当該控除しきれない部分の金額を、当該居住者がイの最初に主たる給与等の支払を受けた日後に当該支払者から支払を受ける令和6年中の主たる給与等(年末調整の対象となるものを除く。)に係る源泉徴収税額に相当する金額から順次控除(それぞれの当該源泉徴収税額に相当する金額を限度とする。)をした金額に相当する金額をもって、それぞれの当該主たる給与等に係る源泉徴収税額とする。

イ及びロの給与特別控除額は、次の合計額とする。

(イ)3万円

(ロ)給与所得者の扶養控除等申告書に記載された一定の源泉控除対象配偶者で合計所得金額の見積額が48万円以下である者又は一定の控除対象扶養親族等1人につき3万円

令和6年における年末調整に係る特別控除の額の控除等

居住者の令和6年中に支払の確定した給与等に係る年末調整による年税額は、当該年税額に相当する金額から年末調整特別控除額を控除した金額に相当する金額とする。

イの年末調整特別控除額は次の合計額とする。

(イ)3万円

(ロ)給与所得者の配偶者控除等申告書に記載された一定の控除対象配偶者又は給与所得者の扶養控除等申告書に記載された一定の控除対象扶養親族等1人につき3万円

令和6年6月以後に支払われる公的年金等に係る特別控除の額の控除等

公的年金等で一定のものの支払を受ける者である居住者の令和6年6月1日以後最初に当該公的年金等の支払者から支払を受ける同年分の所得税に係る公的年金等に係る源泉徴収税額は、当該源泉徴収税額に相当する金額から年金特別控除額の控除(当該源泉徴収税額に相当する金額を限度とする。)をした金額に相当する金額とする。

年金特別控除額のうちイの控除をしてもなお控除しきれない部分の金額があるときは、当該控除しきれない部分の金額を、当該居住者がイの最初に公的年金等の支払を受けた日後に当該支払者から支払を受ける令和6年分の所得税に係る公的年金等に係る源泉徴収税額に相当する金額から順次控除(それぞれの当該源泉徴収税額に相当する金額を限度とする。)をした金額に相当する金額をもって、それぞれの当該公的年金等に係る源泉徴収税額とする。

イ及びロの年金特別控除額は、次の合計額とする。

(イ)3万円

(ロ)公的年金等の受給者の扶養親族等申告書に記載された一定の源泉控除対象配偶者で合計所得金額の見積額が48万円以下である者又は一定の控除対象扶養親族等1人につき3万円

その他所要の措置を講ずる。

(注)上記の改正は、令和6年6月1日から施行することとし、上記④の改正は、同年中に支払うべき給与等でその最後に支払をする日が同日以後であるものについて適用する。(附則第1条、第34条関係)

(12)居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の適用期限を2年延長することとする。(租税特別措置法第41条の5関係)

(13)特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の適用期限を2年延長することとする。(租税特別措置法第41条の5の2関係)

(14)政治活動に関する寄附をした場合の寄附金控除の特例又は所得税額の特別控除の適用期限を5年延長することとする。(租税特別措置法第41条の18関係)

(15)特定新規中小会社が発行した株式を取得した場合の課税の特例について、次の措置を講ずることとする。(租税特別措置法第41条の19関係)

適用対象となる国家戦略特別区域法に規定する特定事業を行う株式会社により発行される株式の発行期限を2年延長する。

適用対象となる地域再生法に規定する特定地域再生事業を行う株式会社により発行される株式の発行期限を2年延長する。

(16)既存住宅の耐震改修をした場合の所得税額の特別控除の適用期限を2年延長することとする。(租税特別措置法第41条の19の2関係)

(17)既存住宅に係る特定の改修工事をした場合の所得税額の特別控除について、次の措置を講ずることとする。(租税特別措置法第41条の19の3関係)

特例対象個人が、その者の所有する居住用の家屋について子育てに係る特例対象個人の負担を軽減するための一定の改修工事(以下「子育て対応改修工事等」という。)をして、当該居住用の家屋を令和6年4月1日から同年12月31日までの間にその者の居住の用に供した場合には、当該特例対象個人の令和6年分の所得税の額から、その子育て対応改修工事等に係る標準的な工事費用相当額(250万円を限度)の10%に相当する金額を控除できることとする。

適用対象者の合計所得金額要件を2,000万円以下(現行:3,000万円以下)に引き下げる。

その他所要の措置を講ずる。

(注)上記②の改正は、高齢者等居住改修工事等、一般断熱改修工事等、多世帯同居改修工事等、住宅耐震改修又は耐久性向上改修工事等をして、令和6年1月1日以後に自己の居住の用に供する場合について適用する。(附則第35条関係)

(18)認定住宅等の新築等をした場合の所得税額の特別控除について、適用対象者の合計所得金額要件を2,000万円以下(現行:3,000万円以下)に引き下げた上、その適用期限を2年延長することとする。(租税特別措置法第41条の19の4関係)

(注)上記の改正は、認定住宅等の新築等をして、令和6年1月1日以後に自己の居住の用に供する場合について適用する。(附則第36条関係)

(19)支払調書等の電子情報処理組織を使用する方法等による提出義務制度について、当該制度の対象となるかどうかの判定基準となるその年の前々年に提出すべきであった支払調書等の枚数を30以上(現行:100以上)に引き下げることとする。(租税特別措置法第42条の2の2関係)

(注)上記の改正は、令和9年1月1日以後に提出すべき支払調書等について適用する。(附則第37条関係)

法人課税

(1)試験研究を行った場合の特別税額控除制度について、次の見直しを行うこととする。(租税特別措置法第10条、第42条の4関係)

一般の試験研究費の額に係る特別税額控除制度について、増減試験研究費割合が零に満たない場合の特別税額控除割合を、100分の8.5から、その満たない部分の割合に25分の8.5(次に掲げる事業年度にあっては、それぞれ次に定める割合)を乗じて計算した割合を減算した割合(零を下限とする。)とする。

令和11年4月1日前に開始する事業年度30分の8.5

令和11年4月1日から令和13年3月31日までの間に開始する事業年度27.5分の8.5

試験研究費の額から、事業者が内国法人又は居住者である場合のその事業者の国外事業所等を通じて行う事業に係る費用の額を除外する。

(注1)上記①の改正は、令和8年4月1日以後に開始する事業年度分の法人税について適用する。(附則第22条、第39条関係)

(注2)上記②の改正は、令和7年4月1日以後に開始する事業年度分の法人税について適用する。(附則第22条、第39条関係)

(2)国際戦略総合特別区域において機械等を取得した場合の特別償却又は特別税額控除制度について、令和6年4月1日から令和8年3月31日までの間に取得等をした特定機械装置等(令和6年3月31日以前に受けた指定に係る指定法人事業実施計画に同日において記載されているものを除く。)につき次の見直しを行った上、その適用期限を2年延長することとする。(租税特別措置法第42条の11関係)

機械装置及び開発研究用器具備品の償却割合を100分の30(現行:100分の34)に、建物等及び構築物の償却割合を100分の15(現行:100分の17)に、それぞれ引き下げる。

機械装置及び開発研究用器具備品の特別税額控除割合を100分の8(現行:100分の10)に、建物等及び構築物の特別税額控除割合を100分の4(現行:100分の5)に、それぞれ引き下げる。

(3)地域経済けん引事業の促進区域内において特定事業用機械等を取得した場合の特別償却又は特別税額控除制度について、機械装置及び器具備品の特別税額控除割合を、その承認地域経済牽引事業が地域の事業者に対して著しい経済的効果を及ぼす一定のものである場合には100分の6(現行:100分の5)に引き上げることとする。(租税特別措置法第10条の4、第42条の11の2関係)

(4)地方活力向上地域等において特定建物等を取得した場合の特別償却又は特別税額控除制度について、次の見直しを行った上、その適用期限を2年延長することとする。(租税特別措置法第10条の4の2、第42条の11の3関係)

対象となる特定建物等の範囲に、特定業務施設の新設に併せて整備される特定業務児童福祉施設に該当する建物等及び構築物を加える。

一の特定業務施設を構成する建物等及び構築物の取得価額の合計額の上限を80億円(現行:上限なし)とする。

(5)地方活力向上地域等において雇用者の数が増加した場合の特別税額控除制度について、次の見直しを行った上、その適用期限を2年延長することとする。(租税特別措置法第10条の5、第42条の12関係)

適用対象となる事業年度について、地方活力向上地域等特定業務施設整備計画が特定業務施設の新設に係るものである場合には、その特定業務施設を事業の用に供した日から同日の翌日以後2年を経過する日までの期間(現行:計画の認定を受けた日から同日の翌日以後2年を経過する日までの期間)内の日を含む事業年度とする。

地方事業所特別基準雇用者数に係る措置における地方事業所特別基準雇用者数について、移転型事業に関する計画の認定を受けた事業者の適用年度及びその適用年度前の各事業年度のうち、その事業者のその計画の認定を受けた日(その計画の認定に係る地方活力向上地域等特定業務施設整備計画が特定業務施設の新設に係るものである場合には、その特定業務施設を事業の用に供した日)以後に終了する各事業年度のイに掲げる数のうちロに掲げる数に達するまでの数(現行:その事業者の適用年度及びその適用年度前の各事業年度のうち、その計画の認定を受けた日以後に終了する各事業年度のイに掲げる数)の合計数とする。

その事業者のその計画の認定に係る特定業務施設のみをその事業者の事業所とみなした場合における基準雇用者数として証明がされた数

その事業者のその計画の認定に係る特定業務施設のみをその事業者の事業所と、その事業者の特定雇用者のみをその事業者の雇用者と、それぞれみなした場合における基準雇用者数として証明がされた数

事業主都合による離職者がいないこととの要件について、その判定の対象となる事業年度を対象年度及びその対象年度開始の日前2年(現行:1年)以内に開始した各事業年度とする。

(6)給与等の支給額が増加した場合の特別税額控除制度について、次の措置を講ずることとする。(租税特別措置法第10条の5の4、第42条の12の5関係)

継続雇用者給与等支給額が増加した場合に係る措置について、次の見直しを行った上、その適用期限を3年延長する。

原則の特別税額控除割合を100分の10(現行:100分の15)に引き下げる。

特別税額控除割合の上乗せ措置について、次に掲げる要件を満たす場合には特別税額控除割合にそれぞれ次に定める割合を加算する措置とする。

(イ)継続雇用者給与等支給増加割合が100分の4以上であること100分の5(継続雇用者給与等支給増加割合が100分の5以上である場合には100分の10とし、継続雇用者給与等支給増加割合が100分の7以上である場合には100分の15とする。)

(ロ)次に掲げる要件の全てを満たすこと100分の5

教育訓練費の額から比較教育訓練費の額を控除した金額のその比較教育訓練費の額に対する割合が100分の10以上であること。

教育訓練費の額の雇用者給与等支給額に対する割合が100分の0.05以上であること。

(ハ)その事業年度終了の時において次に掲げる者のいずれかに該当すること100分の5

次世代育成支援対策推進法に規定する特例認定一般事業主

女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に規定する特例認定一般事業主

本措置の適用を受けるために「給与等の支給額の引上げの方針、下請事業者その他の取引先との適切な関係の構築の方針等の一定の事項」を公表しなければならない事業者に、その事業年度終了の時において常時使用する従業員の数が2,000人を超えるものを加える。

青色申告書を提出する事業者が、令和6年4月1日から令和9年3月31日までの間に開始する各事業年度において国内雇用者に対して給与等を支給する場合で、かつ、その事業年度終了の時において常時使用する従業員の数が2,000人以下の事業者に該当する場合において、継続雇用者給与等支給増加割合が100分の3以上であるとき(その事業年度終了の時において、その法人の資本金の額又は出資金の額が10億円以上であり、かつ、その法人の常時使用する従業員の数が1,000人以上である場合には、給与等の支給額の引上げの方針、下請事業者その他の取引先との適切な関係の構築の方針等の一定の事項を公表している場合に限る。)は、控除対象雇用者給与等支給増加額に100分の10(次に掲げる要件を満たす場合には、それぞれ次に定める割合を加算した割合)を乗じて計算した金額の特別税額控除ができる。ただし、特別税額控除額については、当期の税額の100分の20相当額を限度とする。

継続雇用者給与等支給増加割合が100分の4以上であること100分の15

次に掲げる要件の全てを満たすこと100分の5

(イ)教育訓練費の額から比較教育訓練費の額を控除した金額のその比較教育訓練費の額に対する割合が100分の10以上であること。

(ロ)教育訓練費の額の雇用者給与等支給額に対する割合が100分の0.05以上であること。

次に掲げる要件のいずれかを満たすこと100分の5

(イ)その事業年度終了の時において次世代育成支援対策推進法に規定する特例認定一般事業主に該当すること。

(ロ)その事業年度において女性の職業生活における活躍の推進に関する法律の認定を受けたこと(女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供及び雇用環境の整備の状況が特に良好な一定の場合に限る。)。

(ハ)その事業年度終了の時において女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に規定する特例認定一般事業主に該当すること。

中小企業者等の雇用者給与等支給額が増加した場合に係る措置について、次の見直しを行った上、その適用期限を3年延長する。

教育訓練費に係る上乗せ措置について、教育訓練費の額から比較教育訓練費の額を控除した金額のその比較教育訓練費の額に対する割合が100分の5以上であり、かつ、教育訓練費の額の雇用者給与等支給額に対する割合が100分の0.05以上である場合には、特別税額控除割合に100分の10を加算する措置とする。

次に掲げる要件のいずれかを満たす場合には、特別税額控除割合に100分の5を加算する。

(イ)その事業年度において次世代育成支援対策推進法の認定を受けたこと(次世代育成支援対策の実施の状況が良好な一定の場合に限る。)。

(ロ)その事業年度終了の時において次世代育成支援対策推進法に規定する特例認定一般事業主に該当すること。

(ハ)その事業年度において女性の職業生活における活躍の推進に関する法律の認定を受けたこと(女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供及び雇用環境の整備の状況が良好な一定の場合に限る。)。

(ニ)その事業年度終了の時において女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に規定する特例認定一般事業主に該当すること。

青色申告書を提出する事業者の各事業年度において雇用者給与等支給額が比較雇用者給与等支給額を超える場合において、前5年以内に開始した各事業年度における③の措置による控除しきれない金額があるときは、その控除しきれない金額の繰越控除ができる。ただし、繰越控除額については、①から③までの措置と合計して、当期の税額の100分の20相当額を限度とする。

(注)上記の改正は、令和6年4月1日以後に開始する事業年度において生ずる控除しきれない金額について適用する。(附則第26条、第44条関係)

給与等の支給額から控除するその給与等に充てるため他の者から支払を受ける金額から、役務の提供の対価として支払を受ける金額を除外する。

(7)事業適応設備を取得した場合等の特別償却又は特別税額控除制度について、次の措置を講ずることとする。

生産工程効率化等設備等に係る措置について、次の見直しを行う。(租税特別措置法第10条の5の6、第42条の12の7関係)

適用対象となる事業者を産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律の施行の日から令和8年3月31日までの間にされた産業競争力強化法の認定に係る同法に規定する認定事業適応事業者であるものとする。

対象資産について、次の見直しを行う。

(イ)産業競争力強化法の認定の日から同日以後3年を経過する日までの間に取得等をするものとする。

(ロ)需要開拓商品生産設備を除外する。

(ハ)令和6年4月1日前に認定の申請がされた認定エネルギー利用環境負荷低減事業適応計画に記載された生産工程効率化等設備で同日以後に取得等をされたものを除外する。

中小企業者(適用除外事業者に該当するものを除く。)が事業の用に供した生産工程効率化等設備の特別税額控除割合を100分の10(エネルギーの利用による環境への負荷の低減に著しく資する一定のものについては、100分の14)とする。

産業競争力基盤強化商品生産用資産を取得した場合の特別税額控除措置を次のとおり創設する。(租税特別措置法第42条の12の7関係)

青色申告書を提出する法人で新たな事業の創出及び産業への投資を促進するための産業競争力強化法等の一部を改正する法律の施行の日から令和9年3月31日までの間にされた産業競争力強化法の認定に係る同法に規定する認定事業適応事業者(以下「認定産業競争力基盤強化商品生産販売事業者」という。)であるものが、その認定エネルギー利用環境負荷低減事業適応計画に記載された同法に規定する産業競争力基盤強化商品(以下「産業競争力基盤強化商品」という。)のうち同法の半導体(以下「半導体」という。)の生産をするための設備の新設又は増設をする場合において、その新設又は増設に係る機械その他の減価償却資産(以下「半導体生産用資産」という。)の取得等をして、その法人の事業の用に供したときは、その事業の用に供した日からその認定の日以後10年を経過する日までの期間内の日を含む各事業年度(以下「供用中年度」という。)において、その半導体生産用資産により生産された半導体が次に掲げる半導体のいずれに該当するかに応じそれぞれ次に定める金額と、その事業の用に供したその半導体生産用資産及びこれとともにその半導体を生産するために直接又は間接に使用する減価償却資産に対して投資した金額の合計額として一定の金額(その半導体生産用資産について既に本措置により特別税額控除の対象となった金額等を除く。)とのうちいずれか少ない金額の合計額の特別税額控除ができる。ただし、特別税額控除額については、情報技術事業適応設備、事業適応繰延資産及び生産工程効率化等設備に係る特別税額控除措置と合計して当期の法人税額の100分の20相当額を限度とし、税額控除限度超過額については3年間の繰越しができる。

(イ)演算半導体1万6,000円(トランジスター上に配置される導線の中心の間隔が最も短い箇所において130ナノメートルを超える演算半導体にあっては、1万6,000円にその演算半導体の標準的な価額の基準演算半導体の標準的な価額に対する一定の割合を乗じて計算した金額)に、その半導体生産用資産により生産された演算半導体のうちその供用中年度において販売されたものの直径200ミリメートルのウエハーで換算した枚数にその販売された日に応じた一定の割合を乗じて計算した数の合計を乗じて計算した金額

(ロ)(イ)に掲げる半導体以外の半導体(以下「その他半導体」という。)4,000円(パワー半導体等にあっては、4,000円にそのパワー半導体等の標準的な価額の基準半導体の標準的な価額に対する一定の割合を乗じて計算した金額)に、その半導体生産用資産により生産されたその他半導体のうちその供用中年度において販売されたものの直径200ミリメートルのウエハーで換算した枚数にその販売された日に応じた一定の割合を乗じて計算した数の合計を乗じて計算した金額

青色申告書を提出する法人で新たな事業の創出及び産業への投資を促進するための産業競争力強化法等の一部を改正する法律の施行の日から令和9年3月31日までの間にされた産業競争力強化法の認定に係る認定産業競争力基盤強化商品生産販売事業者であるものが、その認定エネルギー利用環境負荷低減事業適応計画に記載された産業競争力基盤強化商品(半導体を除く。以下「特定産業競争力基盤強化商品」という。)の生産をするための設備の新設又は増設をする場合において、その新設又は増設に係る機械その他の減価償却資産(以下「特定商品生産用資産」という。)の取得等をして、その法人の事業の用に供したときは、その事業の用に供した日からその認定の日以後10年を経過する日までの期間内の日を含む各事業年度(以下「供用中年度」という。)において、その特定商品生産用資産により生産された特定産業競争力基盤強化商品が次に掲げる商品のいずれに該当するかに応じそれぞれ次に定める金額と、その事業の用に供したその特定商品生産用資産及びこれとともにその特定産業競争力基盤強化商品を生産するために直接又は間接に使用する減価償却資産に対して投資した金額の合計額として一定の金額(その特定商品生産用資産について既に本措置により特別税額控除の対象となった金額等を除く。)とのうちいずれか少ない金額の合計額の特別税額控除ができる。ただし、特別税額控除額については、情報技術事業適応設備、事業適応繰延資産、生産工程効率化等設備及び半導体生産用資産に係る特別税額控除措置と合計して当期の法人税額の100分の40相当額を限度とし、税額控除限度超過額については4年間の繰越しができる。

(イ)産業競争力強化法に規定する自動車(以下「自動車」という。)20万円(内燃機関を有しないもの(軽自動車を除く。)にあっては、40万円)に、その特定商品生産用資産により生産された自動車のうちその供用中年度において販売されたものの台数にその販売された日に応じた一定の割合を乗じて計算した数の合計を乗じて計算した金額

(ロ)産業競争力強化法の鉄鋼(以下「鉄鋼」という。)2万円に、その特定商品生産用資産により生産された鉄鋼のうちその供用中年度において販売されたもののトンで表した重量にその販売された日に応じた一定の割合を乗じて計算した数の合計を乗じて計算した金額

(ハ) 産業競争力強化法に規定する基礎化学品(以下「基礎化学品」という。)5万円に、その特定商品生産用資産により生産された基礎化学品のうちその供用中年度において販売されたもののトンで表した重量にその販売された日に応じた一定の割合を乗じて計算した数の合計を乗じて計算した金額

(ニ)産業競争力強化法の燃料(以下「燃料」という。)30円に、その特定商品生産用資産により生産された燃料のうちその供用中年度において販売されたもののリットルで表した体積にその販売された日に応じた一定の割合を乗じて計算した数の合計を乗じて計算した金額

本措置は、次に掲げる要件のいずれにも該当しない事業年度については、適用しない。ただし、その事業年度が設立事業年度及び合併等事業年度のいずれにも該当しない場合であって、その事業年度の所得の金額がその前事業年度の所得の金額以下である一定の場合におけるその事業年度については、この限りでない。

(イ)継続雇用者給与等支給額から継続雇用者比較給与等支給額を控除した金額のその継続雇用者比較給与等支給額に対する割合が100分の1以上であること。

(ロ)aに掲げる金額がbに掲げる金額の100分の40相当額を超えること。

その法人がその事業年度において取得等をした国内資産でその事業年度終了の日において有するものの取得価額の合計額

その法人がその有する減価償却資産につきその事業年度においてその償却費として損金経理をした金額の合計額

ロの措置の適用がある場合には、その特別税額控除額は、地方法人税の課税標準となる法人税額から控除しない。

(8)法人税額等から控除される特別控除額の特例における特定税額控除規定を不適用とする措置について、法人の資本金の額又は出資金の額が10億円以上であり、かつ、その法人の常時使用する従業員の数が1,000人以上である場合及び前事業年度の所得の金額が零を超える一定の場合のいずれにも該当する場合における要件の上乗せ措置を次のとおり見直した上、その適用期限を3年延長することとする。(租税特別措置法第10条の6、第42条の13関係)

要件の上乗せ措置の対象に、事業年度終了の時においてその事業者の常時使用する従業員の数が2,000人を超える場合及び前事業年度の所得の金額が零を超える一定の場合のいずれにも該当する場合を加える。

国内設備投資額に係る要件について、イに掲げる金額がロに掲げる金額の100分の40(現行:100分の30)相当額を超えることとする。

その事業者がその事業年度において取得等をした国内資産でその事業年度終了の日において有するものの取得価額の合計額

その事業者がその有する減価償却資産につきその事業年度においてその償却費として損金経理をした金額の合計額

(9)環境負荷低減事業活動用資産等の特別償却制度について、本制度の適用に関する政令委任規定を設けた上、その適用期限を2年延長することとする。(租税特別措置法第11条の4、第44条の4関係)

(10)青色申告書を提出する事業者で農業の生産性の向上のためのスマート農業技術の活用の促進に関する法律に規定する認定生産方式革新事業者であるものが、同法の施行の日から令和9年3月31日までの間に、その認定生産方式革新事業者として行う生産方式革新事業活動等の用に供するための次に掲げる機械その他の減価償却資産(以下「生産方式革新事業活動用資産等」という。)の取得等をして、その事業者のその生産方式革新事業活動等の用に供した場合には、次に掲げる生産方式革新事業活動用資産等の区分に応じそれぞれ次に定める金額の特別償却ができることとする。(租税特別措置法第11条の5、第44条の5関係)

認定生産方式革新実施計画に記載された設備等を構成する機械装置、器具備品、建物等及び構築物のうち、農作業の効率化等を通じた農業の生産性の向上に著しく資する一定のものその取得価額の100分の32(建物等及び構築物については、100分の16)相当額

認定生産方式革新実施計画に記載された設備等を構成する機械装置のうち、その認定生産方式革新実施計画に係る農業者等が行う生産方式革新事業活動の促進に特に資する一定のものその取得価額の100分の25相当額

(11)特定地域における工業用機械等の特別償却制度について、次の見直しを行うこととする。(租税特別措置法第12条、第45条関係)

過疎地域等に係る措置の適用期限を3年延長する。

奄美群島に係る措置を除外する。

(12)事業再編計画の認定を受けた場合の事業再編促進機械等の割増償却制度は、所要の経過措置を講じた上、廃止することとする。(旧租税特別措置法第13条、第46条関係)

(13)輸出事業用資産の割増償却制度について、対象資産から開発研究の用に供されるものを除外した上、その適用期限を2年延長することとする。(租税特別措置法第13条、第46条関係)

(14)倉庫用建物等の割増償却制度について、流通業務の省力化に特に資する一定の要件を満たす特定流通業務施設であることにつき証明がされた事業年度のみ本制度の適用ができることとした上、その適用期限を2年延長することとする。(租税特別措置法第15条、第48条関係)

(15)特別償却等に関する複数の規定の不適用措置について、事業者の有する減価償却資産につきその事業年度前の各事業年度において特別償却又は特別税額控除の規定のうちいずれか一の規定の適用を受けた場合には、その減価償却資産については、そのいずれか一の規定以外の特別償却又は特別税額控除の規定は、適用しないこととする。(租税特別措置法第19条、第53条関係)

(16)中小企業事業再編投資損失準備金制度について、次の措置を講じた上、その適用期限を3年延長することとする。(租税特別措置法第56条関係)

株式等の取得の日を含む事業年度終了の日においてその事業承継等に係る特定保険契約を締結している場合には、その株式等について中小企業事業再編投資損失準備金として積み立てた金額は、損金の額に算入できないこととする。

準備金の取崩事由に特定保険契約を締結した場合(その特定保険契約に係る事業承継等として特定法人の株式等の取得をしていた場合に限る。)を加え、その取崩金額はその締結した日におけるその特定法人に係る中小企業事業再編投資損失準備金の金額とする。

青色申告書を提出する法人で新たな事業の創出及び産業への投資を促進するための産業競争力強化法等の一部を改正する法律の施行の日から令和9年3月31日までの間に産業競争力強化法の認定を受けた認定特別事業再編事業者であるものが、その認定に係る特別事業再編計画に従って行う特別事業再編のための措置として他の法人の株式等の取得(購入による取得に限る。)をし、かつ、これをその取得の日を含む事業年度終了の日まで引き続き有している場合(その取得をした株式等(以下「特定株式等」という。)の取得価額が100億円を超える金額又は1億円に満たない金額である場合及び同日においてその措置に係る特定保険契約を締結している場合を除く。)において、その特定株式等の価格の低落による損失に備えるため、その特定株式等の取得価額に次の特定株式等の区分に応じそれぞれ次に定める割合を乗じて計算した金額以下の金額を中小企業事業再編投資損失準備金として積み立てたときは、その積み立てた金額は、その事業年度において損金の額に算入できる。

その認定に係る特別事業再編計画に従って行う最初の特別事業再編のための措置として取得をした株式等100分の90

イに掲げるもの以外の株式等100分の100

なお、この準備金については、特定株式等の譲渡その他の取崩事由に該当することとなった場合には、その事由に応じた金額を取り崩して益金の額に算入するほか、その積み立てられた事業年度終了の日の翌日から10年を経過したものがある場合には、その経過した準備金の金額にその事業年度の月数を乗じてこれを60で除して計算した金額を益金の額に算入する。

(17)青色申告書を提出する法人が、令和7年4月1日から令和14年3月31日までの間に開始する各事業年度(以下「対象事業年度」という。)において、特許権譲渡等取引を行った場合には、次に掲げる金額のうちいずれか少ない金額の100分の30相当額の所得控除ができることとする。(租税特別措置法第59条の3関係)

次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める金額

その法人がその対象事業年度において行った特許権譲渡等取引に係る特定特許権等のいずれについてもその特定特許権等に直接関連する研究開発に係る研究開発費の額として一定の金額がその法人の令和7年4月1日前に開始した事業年度において生じていない場合又はその対象事業年度が令和9年4月1日以後に開始する事業年度である場合その対象事業年度において行った特許権譲渡等取引ごとに、(イ)に掲げる金額に(ロ)に掲げる金額のうちに(ハ)に掲げる金額の占める割合((ロ)に掲げる金額が零である場合には、零)を乗じて計算した金額を合計した金額

(イ)その特許権譲渡等取引に係る所得の金額として一定の金額

(ロ)その対象事業年度及びその対象事業年度前の各事業年度(令和7年4月1日以後に開始する事業年度に限る。)において生じた研究開発費の額のうち、その特許権譲渡等取引に係る特定特許権等に直接関連する研究開発に係る金額として一定の金額の合計額

(ハ)(ロ)に掲げる金額に含まれる適格研究開発費の額の合計額

イに掲げる場合以外の場合(イ)に掲げる金額に(ロ)に掲げる金額のうちに(ハ)に掲げる金額の占める割合((ロ)に掲げる金額が零である場合には、零)を乗じて計算した金額

(イ)その対象事業年度において行った特許権譲渡等取引に係る所得の金額として一定の金額の合計額

(ロ)その対象事業年度及びその対象事業年度開始の日前2年以内に開始した各事業年度において生じた研究開発費の額の合計額

(ハ)(ロ)に掲げる金額に含まれる適格研究開発費の額の合計額

その対象事業年度の所得の金額として一定の金額

なお、その法人が、各事業年度において、その法人に係る関連者との間で特許権譲受等取引を行った場合に、その特許権譲受等取引につきその法人がその関連者に支払う対価の額が独立企業間価格に満たないときは、その法人のその事業年度以後の各事業年度における本制度の適用については、その特許権譲受等取引は、独立企業間価格で行われたものとみなす。

(18)国家戦略特別区域における指定法人の課税の特例について、所得控除割合を100分の18(現行:100分の20)に引き下げた上、その適用期限を2年延長することとする。(租税特別措置法第61条関係)

(注)上記の改正は、令和6年4月1日以後に指定を受ける内国法人(指定に係る認定区域計画に定められている特定事業の実施に関する一定の計画を同日前に国家戦略特別区域担当大臣に提出したものを除く。)の各事業年度分の法人税について適用する。(附則第50条関係)

(19)技術研究組合の所得の計算の特例について、対象資産を新たな知見を得るため又は利用可能な知見の新たな応用を考案するために行う試験研究の用に直接供する固定資産に限定した上、その適用期限を3年延長することとする。(租税特別措置法第66条の10関係)

(20)特定の基金に対する負担金等の損金算入の特例における独立行政法人中小企業基盤整備機構が行う中小企業倒産防止共済事業に係る措置について、事業者の締結していた中小企業倒産防止共済法に規定する共済契約につき解除があった後同法に規定する共済契約を締結したその事業者がその解除の日から同日以後2年を経過する日までの間にその共済契約について支出する掛金については、本特例を適用しないこととする。(租税特別措置法第28条、第66条の11関係)

(注) 上記の改正は、令和6年10月1日以後の共済契約の解除について適用する。(附則第30条、第53条関係)

(21)認定株式分配に係る課税の特例の適用期限を4年延長することとする。(租税特別措置法第68条の2の2関係)

(22)交際費等の損金不算入制度の適用期限を3年延長することとする。(租税特別措置法第61条の4関係)

(23)次に掲げる租税特別措置の適用期限を2年延長することとする。

国家戦略特別区域において機械等を取得した場合の特別償却又は特別税額控除(租税特別措置法第42条の10関係)

海外投資等損失準備金(租税特別措置法第55条関係)

中小企業者の欠損金等以外の欠損金の繰戻しによる還付制度の不適用(租税特別措置法第66条の12関係)

特定事業活動として特別新事業開拓事業者の株式の取得をした場合の課税の特例(租税特別措置法第66条の13関係)

中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例(租税特別措置法第28条の2、第67条の5関係)

国際課税

(1)振替社債等の利子等の課税の特例の対象となる振替社債等の範囲から、振替特定目的信託受益権のうち社債的受益権に該当するものを除外することとする。(租税特別措置法第5条の3関係)

(2)外国金融機関等の店頭デリバティブ取引の証拠金に係る利子の課税の特例の適用期限を3年延長することとする。(租税特別措置法第42条関係)

(3)対象純支払利子等に係る課税の特例の適用により損金不算入とされた金額(以下「超過利子額」という。)の損金算入制度について、令和4年4月1日から令和7年3月31日までの間に開始した事業年度に係る超過利子額の繰越期間を10年(原則:7年)に延長することとする。(租税特別措置法第66条の5の3関係)

資産課税

(1)国等に対して相続財産を贈与した場合等の相続税の非課税措置のうち公益信託に関する措置について、次の見直しを行うこととする。(租税特別措置法第70条関係)

相続又は遺贈により財産を取得した者が、当該財産の全部又は一部を相続税の申告書の提出期限までに公益信託に関する法律に規定する公益信託(以下「新公益信託」という。)の信託財産とするために支出をした場合には、当該支出をした者又はその親族等の相続税又は贈与税の負担が不当に減少する結果となると認められる場合を除き、当該支出をした財産の価額は相続税の課税価格の計算の基礎に算入しない。

①の財産を受け入れた新公益信託がその受入れの日から2年を経過した日までに終了(信託の併合による終了を除く。)をした場合又は新公益信託の受託者がその財産を同日までに公益信託に関する法律に規定する公益信託事務の用に供しない場合若しくは供しなくなった場合には、当該財産の価額は相続税の課税価格の計算の基礎に算入する。

(注)上記の改正は、公益信託に関する法律の施行の日以後に支出をする財産に係る相続税について適用する。(附則第54条関係)

(2)直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置について、非課税限度額の上乗せ措置の対象となる住宅用の家屋を次に掲げる要件のいずれかを満たすものとした上、その適用期限を3年延長することとする。(租税特別措置法第70条の2関係)

当該住宅用の家屋(新築をした住宅用の家屋又は取得をした建築後使用されたことのない住宅用の家屋に限る。)がエネルギーの使用の合理化に著しく資する住宅用の家屋として一定のものであること。

当該住宅用の家屋がエネルギーの使用の合理化に資する住宅用の家屋(新築をした住宅用の家屋又は取得をした建築後使用されたことのない住宅用の家屋を除く。)、地震に対する安全性に係る基準に適合する住宅用の家屋又は高齢者等が自立した日常生活を営むのに必要な構造及び設備の基準に適合する住宅用の家屋として一定のものであること。

(注)上記の改正は、令和6年1月1日以後に贈与により取得をする住宅取得等資金に係る贈与税について適用するとともに、所要の経過措置を講ずる。(附則第54条関係)

(3)特定の贈与者から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例の適用期限を3年延長することとする。(租税特別措置法第70条の3関係)

(4)産業競争力強化法に規定する特別事業再編を実施する認定特別事業再編事業者が次に掲げる事項について登記を受ける場合において、当該事項が認定特別事業再編計画に係る認定(新たな事業の創出及び産業への投資を促進するための産業競争力強化法等の一部を改正する法律の施行の日から令和9年3月31日までの間にされたものに限る。)に係るものであるときは、当該登記に対する登録免許税の税率を次のとおり軽減する措置を講ずることとする。(租税特別措置法第80条関係)

合併による増資の登記

1,000分の1(純増部分については、1,000分の1.5)

(本則1,000分の1.5(純増部分については、1,000分の7))

分割による増資の登記

1,000分の3(本則1,000分の7)

事業に必要な資産の譲受けの場合における次に掲げる登記

不動産の所有権の移転登記

1,000分の12(本則1,000分の20)

船舶の所有権の移転登記

1,000分の18(本則1,000分の28)

合併による次に掲げる登記

不動産の所有権の移転登記

1,000分の1(本則1,000分の4)

船舶の所有権の移転登記

1,000分の2(本則1,000分の4)

分割による次に掲げる登記

不動産の所有権の移転登記

1,000分の1(本則1,000分の20)

船舶の所有権の移転登記

1,000分の18(本則1,000分の28)

(5)特定創業支援等事業による支援を受けて行う会社の設立の登記に対する登録免許税の税率の軽減措置について、適用対象となる登記の範囲から合名会社及び合資会社の設立登記を除外した上、その適用期限を3年延長する。(租税特別措置法第80条関係)

(6)次に掲げる事項について登記を受ける場合において、当該事項が農業の生産性の向上のためのスマート農業技術の活用の促進に関する法律に規定する認定開発供給実施計画の認定(同法の施行の日から令和9年3月31日までの間にされたものに限る。)に係るものであるときは、当該登記に対する登録免許税の税率を次のとおり軽減する措置を講ずることとする。(租税特別措置法第80条の3関係)

株式会社の設立又は増資の登記

1,000分の3.5(本則1,000分の7)

合併による株式会社の設立又は増資の登記

1,000分の1(純増部分については、1,000分の3.5)

(本則1,000分の1.5(純増部分については、1,000分の7))

分割による株式会社の設立又は増資の登記

1,000分の5(本則1,000分の7)

法人の設立等の場合における不動産の所有権の移転登記

1,000分の16(本則1,000分の20)

合併による不動産の所有権の移転登記

1,000分の2(本則1,000分の4)

分割による不動産の所有権の移転登記

1,000分の4(本則1,000分の20)

(7)特定国際船舶の所有権の保存登記等に対する登録免許税の税率の軽減措置について、適用対象となる建造した船舶を海上運送法に規定する認定特定船舶導入計画に基づき建造した特定船舶に限定し、当該特定船舶に係る次に掲げる登記に対する登録免許税の税率を次のとおり引き下げた上、その適用期限を3年延長することとする。(租税特別措置法第82条関係)

所有権の保存登記1,000分の2(本則1,000分の3.5)

抵当権の設定登記1,000分の2(本則1,000分の3.5)

(8)都市緑化支援機構(公益社団法人又は公益財団法人であるものに限る。)が、都市緑地法等の一部を改正する法律の施行の日から令和8年3月31日までの間に都市緑地法等の規定による都道府県等の要請に基づき土地の所有権の取得をした場合における当該土地の所有権の移転登記に対する登録免許税を免税とする措置を講ずることとする。(租税特別措置法第82条の2関係)

(9)地域公共交通の活性化及び再生に関する法律に規定する鉄道事業者が、同法に規定する認定鉄道事業再構築実施計画(令和6年4月1日から令和9年3月31日までの間に認定を受けたものに限る。)に基づき取得する不動産の所有権等の移転登記に対する登録免許税の税率を次のとおり軽減する措置を講ずることとする。(租税特別措置法第83条の4関係)

所有権の移転登記1,000分の10(本則1,000分の20)

地上権又は賃借権の移転登記1,000分の5(本則1,000分の10)

(10)次に掲げる租税特別措置の適用期限を3年延長することとする。

住宅用家屋の所有権の保存登記若しくは移転登記又は住宅取得資金の貸付け等に係る抵当権の設定登記に対する登録免許税の税率の軽減措置(租税特別措置法第72条の2、第73条、第75条関係)

特定認定長期優良住宅の所有権の保存登記等に対する登録免許税の税率の軽減措置(租税特別措置法第74条関係)

認定低炭素住宅の所有権の保存登記等に対する登録免許税の税率の軽減措置(租税特別措置法第74条の2関係)

特定の増改築等がされた住宅用家屋の所有権の移転登記に対する登録免許税の税率の軽減措置(租税特別措置法第74条の3関係)

産業競争力強化法に規定する認定事業再編計画等に基づき行う登記に対する登録免許税の税率の軽減措置(租税特別措置法第80条関係)

(11)次に掲げる租税特別措置の適用期限を2年延長することとする。

マンション建替事業の施行者等が受ける権利変換手続開始の登記等に対する登録免許税の免税措置(租税特別措置法第76条関係)

農地中間管理機構が農用地等を取得した場合の所有権の移転登記に対する登録免許税の税率の軽減措置(租税特別措置法第77条の2関係)

経営強化計画等に基づき行う登記に対する登録免許税の税率の軽減措置(租税特別措置法第80条の2関係)

特定連絡道路工事施行者が取得した特定連絡道路に係る土地の所有権の移転登記に対する登録免許税の免税措置(租税特別措置法第84条の2の2関係)

(12)農業競争力強化支援法に規定する認定事業再編計画に基づき行う登記に対する登録免許税の税率の軽減措置は、所要の経過措置を講じた上、廃止することとする。(旧租税特別措置法第80条関係)

(13)次に掲げる租税特別措置は、適用期限の到来をもって廃止することとする。

認定経営力向上計画に基づき行う登記に対する登録免許税の税率の軽減措置(旧租税特別措置法第80条関係)

認定特定民間中心市街地経済活力向上事業計画に基づき不動産を取得した場合の所有権の移転登記等に対する登録免許税の税率の軽減措置(旧租税特別措置法第81条関係)

低未利用土地権利設定等促進計画に基づき不動産を取得した場合の所有権等の移転登記等に対する登録免許税の税率の軽減措置(旧租税特別措置法第83条の2関係)

特定の社債的受益権に係る特定目的信託の終了に伴い信託財産を買い戻した場合の所有権の移転登記等に対する登録免許税の免税措置(旧租税特別措置法第83条の4関係)

消費課税

(1)外国公館等に対する課税資産の譲渡等に係る免税措置の要件である事業者による一定の書類の保存について、電磁的記録の保存により行うことができることとする。(租税特別措置法第86条関係)

(2)入国者が輸入する紙巻たばこのたばこ税の税率の特例措置の適用期限を1年延長することとする。(租税特別措置法第88条の2関係)

(3)次に掲げる租税特別措置の適用期限を3年延長することとする。

沖縄発電用特定石炭等に係る石油石炭税の免税措置(租税特別措置法第90条の4の3関係)

不動産の譲渡に関する契約書等に係る印紙税の税率の特例措置(租税特別措置法第91条関係)

(4)公共交通移動等円滑化基準に適合した乗合自動車等に係る自動車重量税の免税措置の適用期限を2年延長することとする。(租税特別措置法第90条の13関係)

その他所要の税制の整備を行うこととする。

十四輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律の一部改正(第14条関係)

保税地域から引き取られる課税物品に係る重加算税の特例について、所要の措置を講ずることとする。(輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律第19条関係)

(注)上記の改正は、令和7年1月1日から施行する。(附則第1条関係)

十五外国居住者等の所得に対する相互主義による所得税等の非課税等に関する法律の一部改正(第15条関係)

暗号資産等取引情報の自動的な提供のための報告制度を次のとおり整備することとする。(外国居住者等の所得に対する相互主義による所得税等の非課税等に関する法律第41条の3、第47条関係)

(1)報告暗号資産交換業者等は、その年の12月31日において当該報告暗号資産交換業者等との間でその営業所等を通じて暗号資産等取引を行った者が報告対象契約を締結している場合等には、特定対象者の氏名又は名称、住所又は本店等の所在地及び特定居住地国、その年において当該報告暗号資産交換業者等との間で行われた暗号資産等売買等に係る暗号資産等の種類ごとの名称、当該種類ごとの暗号資産等の売却又は購入の対価の額の合計額その他一定の事項(以下1において「報告事項」という。)を、その年の翌年4月30日までに、電子情報処理組織を使用する方法等により、当該報告暗号資産交換業者等の本店等の所在地の所轄税務署長に提供しなければならない。

(2)暗号資産等取引を行った者若しくはその関係者又は報告暗号資産交換業者等が、当該暗号資産等取引に係る契約に関する報告事項について、提供を回避することを主たる目的の一つとして当該報告事項に係る行為を行った場合等には、当該行為がなかったもの等として、本制度を適用する。

(3)税務職員は、報告事項の提供に関する調査について必要があるときは、当該報告事項の提供をする義務がある者に質問し、帳簿書類その他の物件を検査し、又は当該物件(その写しを含む。)の提示若しくは提出を求めることができる。

(4)報告事項の提供義務に対する違反行為等について所要の罰則を規定する。

(5)その他所要の措置を講ずる。

その他所要の規定の整備を行うこととする。

(注)上記の改正は、令和8年1月1日から施行する。(附則第1条関係)

十六租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律の一部改正(第16条関係)

非居住者に係る金融口座情報の自動的交換のための報告制度について、次の見直しを行うこととする。(租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律第10条の5関係)

(1)報告金融機関等は、次に掲げる者につき、それぞれ次に定める日までに、当該報告金融機関等の保有する特定対象者の住所その他の情報に基づき当該特定対象者の住所等所在地国と認められる国又は地域を特定しなければならない。

令和7年12月31日以前に報告金融機関等との間でその営業所等を通じて特定取引を行った者で同日において当該特定取引(一定の特定取引を除く。)に係る契約を締結しているもの令和9年12月31日

令和8年1月1日以後に報告金融機関等との間でその営業所等を通じて特定取引を行う者で届出書の提出をしなかったもの当該特定取引を行った日から2年を経過する日

(2)我が国及び租税条約の相手国等の双方の居住者に該当する者について、我が国及び当該相手国等の双方を居住地国とする。

非居住者に係る暗号資産等取引情報の自動的交換のための報告制度を次のとおり整備することとする。(租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律第10条の9~第10条の14、第13条関係)

(1)次に掲げる者は、特定対象者の氏名又は名称、住所又は本店等の所在地、居住地国その他一定の事項を記載した届出書を、①に掲げる者にあっては①の暗号資産等取引を行う際、②に掲げる者にあっては令和8年12月31日までに、それぞれ次の報告暗号資産交換業者等の営業所等の長に提出しなければならない。この場合において、それぞれ次の報告暗号資産交換業者等の営業所等の長は、当該届出書に記載されている事項を確認しなければならない。

令和8年1月1日以後に報告暗号資産交換業者等との間でその営業所等を通じて暗号資産等取引を行う者

令和7年12月31日において報告暗号資産交換業者等との間でその営業所等を通じて暗号資産等取引をしている者

(2)報告暗号資産交換業者等は、その年の12月31日において当該報告暗号資産交換業者等との間でその営業所等を通じて暗号資産等取引を行った者が報告対象契約を締結している場合等には、特定対象者の氏名又は名称、住所又は本店等の所在地及び特定居住地国、その年において当該報告暗号資産交換業者等との間で行われた暗号資産等売買等に係る暗号資産等の種類ごとの名称、当該種類ごとの暗号資産等の売却又は購入の対価の額の合計額その他一定の事項(以下2において「報告事項」という。)を、その年の翌年4月30日までに、電子情報処理組織を使用する方法等により、当該報告暗号資産交換業者等の本店等の所在地の所轄税務署長に提供しなければならない。

(3)暗号資産等取引を行った者若しくはその関係者又は報告暗号資産交換業者等が、当該暗号資産等取引に係る契約に関する報告事項について、提供を回避することを主たる目的の一つとして当該報告事項に係る行為を行った場合等には、当該行為がなかったもの等として、本制度を適用する。

(4)税務職員は、報告事項の提供に関する調査について必要があるときは、当該報告事項の提供をする義務がある者に質問し、帳簿書類その他の物件を検査し、又は当該物件(その写しを含む。)の提示若しくは提出を求めることができる。

(5)届出書の提出義務及び報告事項の提供義務に対する違反行為等について所要の罰則を規定する。

(6)その他所要の措置を講ずる。

その他所要の規定の整備を行うこととする。

(注)上記の改正は、令和8年1月1日から施行する。(附則第1条関係)

十七沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律の一部改正(第17条関係)

沖縄の揮発油に係る揮発油税及び地方揮発油税の軽減措置の適用期限を3年延長することとする。(沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律第80条関係)

その他所要の規定の整備を行うこととする。

十八内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律の一部改正(第18条関係)

国外送金等調書、国外証券移管等調書及び国外電子決済手段移転等調書の電子情報処理組織を使用する方法等による提出義務制度について、当該制度の対象となるかどうかの判定基準となるその年の前々年に提出すべきであったこれらの調書の枚数を30以上(現行:100以上)に引き下げることとする。(内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律第4条関係)

(注)上記の改正は、令和9年1月1日以後に提出すべき国外送金等調書、国外証券移管等調書及び国外電子決済手段移転等調書について適用する。(附則第57条関係)

十九東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律の一部改正(第19条関係)

個人所得課税

東日本大震災の被災者等に係る住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の控除額に係る特例について、次の措置を講ずることとする。(東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律第13条の2関係)

(1)特例対象個人である住宅被災者が、認定住宅等の新築等又は買取再販認定住宅等の取得をして令和6年1月1日から同年12月31日までの間に居住の用に供した場合の再建住宅借入金等の年末残高の限度額(借入限度額)を次のとおりとして本特例の適用ができることとする。

住宅の区分

借入限度額

認定住宅

5,000万円

特定エネルギー消費性能向上住宅

エネルギー消費性能向上住宅

(2)十三1(10)②と同様の措置を講ずる。

(3)その他所要の措置を講ずる。

法人課税

(1)特定復興産業集積区域において機械等を取得した場合の特別償却又は特別税額控除制度について、その適用期限を2年延長した上、令和7年4月1日から令和8年3月31日までの間に取得等をした特定機械装置等につき、次の見直しを行うこととする。(東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律第10条、第17条の2関係)

機械装置の償却割合を100分の45(現行:100分の50)に、建物等及び構築物の償却割合を100分の23(現行:100分の25)に、それぞれ引き下げる。

機械装置の特別税額控除割合を100分の14(現行:100分の15)に、建物等及び構築物の特別税額控除割合を100分の7(現行:100分の8)に、それぞれ引き下げる。

(2)特定復興産業集積区域において被災雇用者等を雇用した場合の特別税額控除制度について、その適用期限を2年延長した上、令和7年4月1日から令和8年3月31日までの間に認定地方公共団体の指定を受けた事業者の特別税額控除割合を100分の9(現行:100分の10)に引き下げることとする。(東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律第10条の3、第17条の3関係)

(3)特定復興産業集積区域における開発研究用資産の特別償却制度等について、その適用期限を2年延長した上、令和7年4月1日から令和8年3月31日までの間に取得等をした開発研究用資産の償却割合を100分の30(中小企業者等については、100分の45)(現行:100分の34(中小企業者等については、100分の50))に引き下げることとする。(東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律第10条の5、第17条の5関係)

(4)次に掲げる措置は、所要の経過措置を講じた上、廃止することとする。

再投資等準備金(旧東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律第18条の3関係)

再投資設備等の特別償却(旧東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律第18条の4関係)

特定の資産の買換えの場合等の課税の特例(旧東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律第12条、第19条~第21条関係)

資産課税

(1)東日本大震災の被災者が直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置について、次の見直しを行うこととする。(東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律第38条の2関係)

適用対象者を警戒区域設定指示等が行われた日において当該警戒区域設定指示等の対象区域内に所在する家屋をその居住の用に供していた者又はその居住の用に供しようとしていた者に限定する。

非課税限度額の上乗せ措置の対象となる住宅用の家屋を次に掲げる要件のいずれかを満たすものとする。

当該住宅用の家屋(新築をした住宅用の家屋又は取得をした建築後使用されたことのない住宅用の家屋に限る。)がエネルギーの使用の合理化に著しく資する住宅用の家屋として一定のものであること。

当該住宅用の家屋がエネルギーの使用の合理化に資する住宅用の家屋(新築をした住宅用の家屋又は取得をした建築後使用されたことのない住宅用の家屋を除く。)、地震に対する安全性に係る基準に適合する住宅用の家屋又は高齢者等が自立した日常生活を営むのに必要な構造及び設備の基準に適合する住宅用の家屋として一定のものであること。

(注)上記の改正は、令和6年1月1日以後に贈与により取得をする住宅取得等資金に係る贈与税について適用するとともに、所要の経過措置を講ずる。(附則第62条関係)

(2)経営強化計画に基づき行う登記に対する登録免許税の税率の軽減措置の適用期限を2年延長することとする。(東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律第41条の2関係)

その他所要の規定の整備を行うこととする。

二十東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法の一部改正(第20条関係)

令和6年6月以後に支払われる給与等に係る特別控除の額の控除等の特例等により控除された金額がある場合には、源泉徴収すべき復興特別所得税の額は、控除をしないで計算した所得税の額に100分の2.1の税率を乗じて計算した金額とすることとする。(東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法第28条関係)

(注)上記の改正は、令和6年6月1日から施行する。(附則第1条関係)

その他所要の規定の整備を行うこととする。

二十一所得税法等の一部を改正する法律(平成28年法律第15号)の一部改正(第21条関係)

その課税期間の初日において恒久的施設を有しない国外事業者については、適格請求書発行事業者となる小規模事業者に係る税額控除に関する経過措置を適用できないこととする。(所得税法等の一部を改正する法律附則第51条の2関係)

(注)上記の改正は、令和6年10月1日以後に開始する課税期間について適用する。(附則第63条関係)

適格請求書発行事業者以外の者から行った課税仕入れに係る税額控除に関する経過措置について、その対象から個人事業者にあってはその年、法人にあってはその事業年度において一の適格請求書発行事業者以外の者からの課税仕入れに係る支払対価の額の合計額が10億円を超える場合における当該超える部分の課税仕入れを除外することとする。(所得税法等の一部を改正する法律附則第52条、第53条関係)

(注)上記の改正は、令和6年10月1日以後に開始する課税期間について適用する。(附則第63条関係)

その他所要の規定の整備を行うこととする。

二十二所得税法等の一部を改正する法律(令和5年法律第3号)の一部改正(第22条関係)

各対象会計年度の国際最低課税額に対する法人税における令和6年4月1日から令和8年12月31日までの間に開始する対象会計年度(令和10年6月30日までに終了するものに限る。)に係る適用免除基準について、国別報告事項又はこれに相当する事項が提供されない場合においても適用できることとする。(所得税法等の一部を改正する法律附則第14条関係)

特定多国籍企業グループ等に属する内国法人に係る各対象会計年度の国際最低課税額に対する法人税の申告書又は特定基準法人税額に対する地方法人税の申告書の提出期限が令和8年6月30日前である場合には、これらの申告書の提出期限は、同日とする。(所得税法等の一部を改正する法律附則第14条の2、第18条の2関係)

特定多国籍企業グループ等に属する構成会社等である内国法人に係る特定多国籍企業グループ等報告事項等、最終親会社等届出事項又はこれらを代表して提供する法人等に関する事項の提供の期限が令和8年6月30日前である場合には、これらの提供の期限は、同日とする。(所得税法等の一部を改正する法律附則第16条関係)

その他所要の規定の整備を行うこととする。

二十三その他(附則関係)

施行期日

この法律は、別段の定めがあるものを除き、令和6年4月1日から施行することとする。(附則第1条関係)

防衛力強化に係る財源確保のための税制措置

政府は、この法律の公布後、我が国の防衛力の抜本的な強化及び抜本的に強化された防衛力の維持に必要な安定的な財源を確保するための税制について、令和9年度に向けて複数年かけて段階的に実施するとした令和5年度税制改正の大綱(令和4年12月23日閣議決定)及び令和6年度税制改正の大綱(令和5年12月22日閣議決定)に基づき、防衛力強化に係る財源確保のための税制措置を実施するため、令和9年度に至る各年度の防衛力強化に係る財源確保の必要性を勘案しつつ、所得税、法人税及びたばこ税について所要の検討を加え、その結果に基づいて適当な時期に必要な法制上の措置を講ずるものとする。(附則第74条関係)