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外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律案要綱

1. 対内直接投資等及び特定取得の届出の特例正

  • (1) 外国投資家(この法律等に違反したものを除く。)は、対内直接投資等のうち、国の安全等に係る対内直接投資等に該当するおそれが大きいもの以外のもの又は特定取得のうち、国の安全に係る特定取得に該当するおそれが大きいもの以外のものを行おうとする場合には、対内直接投資等が国の安全等に係る対内直接投資等に該当しないための基準又は特定取得が国の安全に係る特定取得に該当しないための基準を遵守することを条件に、第27条第1項又は第28条第1項の規定による届出を要しないこととする。(第27条の2第1項及び第28条の2第1項関係)

  • (2)(1)の基準の制定又は改廃の立案をしようとするときは、関税・外国為替等審議会の意見を聴かなければならないこととする。(第27条の2第2項及び第28条の2第2項関係))

  • (3)(1)により第27条第1項又は第28条第1項の規定による届出をしなかった外国投資家が、(1)の基準に違反しているときは、当該基準を遵守するために必要な措置をとるべきことを勧告することができることとし、当該勧告に従わなかったときは、当該勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができることとする。(第27条の2第3項及び第4項並びに第28条の2第3項及び第4項関係)

  • (4)(3)の命令に違反した場合であって、当該対内直接投資等又は特定取得が国の安全等に係る対内直接投資等又は国の安全に係る特定取得に該当するときは、関税・外国為替等審議会の意見を聴いて、当該対内直接投資等又は特定取得により取得した株式又は持分の全部又は一部の処分その他必要な措置を命ずることができることとする。(第29条第5項関係)

2. 対内直接投資等の定義の見直し

  • (1) 対内直接投資等に該当する上場会社等の株式の取得を、株式取得者及び当該株式取得者の密接関係者が所有等をする株式の数を合計した株式の数の当該上場会社等の発行済株式の総数に占める割合が100分の1以上となる場合とすることとする。(第26条第2項第3号関係)

  • (2) 対内直接投資等に該当する行為に、上場会社等の議決権の取得(議決権取得者及び当該議決権取得者の密接関係者が保有等をする議決権の数を合計した純議決権数の当該上場会社等の総議決権に占める割合が100分の1以上となる場合の取得に限る。)を追加することとする。(第26条第2項第4号関係)

  • (3) 対内直接投資等に該当する行為に、会社の経営に重要な影響を与える事項に関し行う同意(上場会社等にあっては、同意者及び当該同意者の密接関係者の保有等をする議決権の数を合計した純議決権数の当該上場会社等の総議決権に占める割合が100分の1以上である場合に限る。)を追加することとする。(第26条第2項第5号関係)

  • (4) 対内直接投資等に該当する行為に、居住者(法人に限る。)からの事業の譲受け、吸収分割及び合併による事業の承継を追加することとする。(第26条第2項第8号関係)

3. 国内行政機関及び外国政府との情報交換

  • (1) 対内直接投資等及び特定取得の運用に関し、特に必要があるときは、外務大臣その他の関係行政機関の長に資料又は情報の提供、意見の表明その他必要な協力を求めることができること及び外務大臣その他関係行政機関の長は、財務大臣及び事業所管大臣に、意見を述べることができることとする。(第69条の3関係)

  • (2) 第27条及び第28条に掲げる規定に相当する外国の法令を執行する外国の当局(以下「外国執行当局」という。)に対し、その職務(第27条及び第28条に相当するものに限る。)の遂行に資する情報を、当該情報が外国執行当局の職務の遂行に資する目的以外の目的で使用されないこと等を確認した上で、提供することができることとする。(第69条の4第1項及び第2項関係)

4. 外国投資家の定義の見直し

  •   民法に規定する組合契約で会社に対する投資事業を営むことを約するものによって成立する組合等であって、非居住者である個人等による出資の金額の総組合員による出資の金額の総額に占める割合が100分の50以上に相当するもの等を、外国投資家とすることとする。(第26条第1項第4号関係)

5. 対内直接投資等に係る措置命令の対象の見直し

  •   外国投資家が届出をせずに対内直接投資等を行った場合等において、対内直接投資等が国の安全等に係る対内直接投資等に該当するときは、当該対内直接投資等により取得した株式又は持分の全部又は一部の処分その他必要な措置を命ずることができることとする。(第29条関係)

6. その他

  •  その他所要の規定の整備を行うこととする。

7. 附則

  • (1)この法律は、公布の日から6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとする。(附則第1条関係)

  • (2)この法律による改正後の外国為替及び外国貿易法第26条第2項第3号から第5号まで及び第8号の規定は、施行日から30日を経過した日以後に行う対内直接投資等について適用する等、所要の経過措置に関する規定を設けることとする。(附則第3条、第4条及び第5条関係)