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所得税法等の一部を改正する法律案要綱

所得税法等の一部を改正する法律案要綱

現下の経済・財政状況等を踏まえ、安心で活力ある経済社会の実現に資する観点から、住宅・土地税制、法人関係税制、中小企業関係税制、相続税制、金融・証券税制、国際課税、自動車課税等について所要の措置を講ずることとし、次により所得税法等の一部を改正することとする。

一 所得税法の一部改正(第1条関係)

  • 1 個人が納付する外国等の独占禁止法の課徴金に類するものの額は、必要経費に算入しないこととする。(所得税法第45条関係)

  • (注)上記の改正は、平成21年4月1日以後の行為に係るものについて適用する。(附則第3条関係)

  • 2 外国税額控除の適用を受けた外国所得税の額が後に減額された場合において、その減額に係る年分の控除対象外国所得税額からその減額された外国所得税の額を控除する等の措置の適用については、外国税額控除の適用を受けた年の翌年以後7年内の各年において減額された場合に限ることとする。(所得税法第95条関係)

  • (注)上記の改正は、居住者の平成21年4月1日以後に減額される外国所得税の額について適用する。(附則第4条関係)

  • 3 一定の債券の買戻又は売戻条件付売買取引から生ずる差益は、国内において業務を行う者に対する貸付金で当該業務に係るものの利子に含まれることとする。(所得税法第161条関係)

  • 4 個人に対して支払う株式等証券投資信託等の償還・解約金等のうち収益の分配に係る収入金額とされる部分以外の部分の金額について、株式等の譲渡の対価の支払調書等の対象とすることとする。(所得税法第224条の3、第225条、第228条関係)

  • (注)上記の改正は、平成21年4月1日以後に支払う公募株式等証券投資信託の償還・解約金及び平成22年1月1日以後に支払う私募株式等証券投資信託の償還・解約金等について適用する。(附則第5条関係)

  • 5 金融商品取引法第2条第1項第19号に掲げる有価証券に表示される権利の行使若しくは放棄又は当該有価証券の譲渡を先物取引に関する支払調書制度等の対象となる差金等決済の範囲に加えることとする。(所得税法第224条の5、第225条関係)

  • (注)上記の改正は、平成22年1月1日以後に行われる金融商品取引法第2条第1項第19号に掲げる有価証券の差金等決済について適用する。(附則第5条関係)

  • 6 その他所要の規定の整備を行うこととする。

二 法人税法の一部改正(第2条関係)

  • 1 外国子会社配当益金不算入制度の導入

    • (1) 内国法人が外国子会社(内国法人が保有しているその株式等の数又は金額がその発行済株式等の総数又は総額の25%以上に相当する数又は金額となっている等の要件を備えている外国法人をいう。)から受ける剰余金の配当等の額がある場合には、その剰余金の配当等の額からその剰余金の配当等の額に係る費用に相当する金額を控除した金額について、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入しないこととする。(法人税法第23条の2関係)

    • (注)上記の改正は、内国法人の平成21年4月1日以後に開始する事業年度において受ける外国子会社からの剰余金の配当等の額について適用する。(附則第6条関係)

    • (2) 内国法人が外国子会社から受ける剰余金の配当等の額につき益金不算入とする場合等において、その剰余金の配当等の額に対して課される外国源泉税等の額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しないこととする。(法人税法第39条の2関係)

    • (注)上記の改正は、内国法人の平成21年4月1日以後に開始する事業年度において受ける剰余金の配当等の額に係る外国源泉税等の額について適用する。(附則第10条関係)

  • 2 外国税額控除制度について、次の措置を講ずることとする。

    • (1) 間接外国税額控除制度について、所要の経過措置を講じた上、廃止する。(法人税法第69条、第81条の15、附則第12条、第16条関係)

    • (2) 外国税額控除の適用を受けた外国法人税の額が後に減額された場合において、その減額に係る事業年度の控除対象外国法人税額からその減額された外国法人税の額を控除する等の措置の適用については、外国税額控除の適用を受けた事業年度開始の日後7年以内に開始する各事業年度において減額された場合に限る。(法人税法第69条、第81条の15関係)

    • (注)上記の改正は、内国法人の平成21年4月1日以後に開始する事業年度において減額される外国法人税の額について適用する。(附則第12条、第16条関係)

    • (3) 内国法人が外国税額控除制度の適用を受ける場合に確定申告書に添付することとされている書類のうち、一定の書類については、添付することに代えて保存することによりその適用を認める。(法人税法第69条、第81条の15関係)

  • 3 評価損の計上対象となる資産の範囲に債権を追加することとする。(法人税法第33条関係)

  • 4 法人が納付する外国等の独占禁止法の課徴金に類するものの額は、損金の額に算入しないこととする。(法人税法第55条関係)

  • (注)上記の改正は、平成21年4月1日以後の行為に係るものについて適用する。(附則第11条関係)

  • 5 仮装経理に基づく過大申告の場合の更正に伴う法人税額の控除・還付制度について、会社更生法の規定による更生手続開始の決定等の事実が生じた場合に仮装経理法人税額の還付を請求することができることとするほか、還付の方法等について所要の規定の整備を行うこととする。(法人税法第70条、第81条の16、第134条の2関係)

  • 6 一定の債券の買戻又は売戻条件付売買取引から生ずる差益は、国内において業務を行う者に対する貸付金で当該業務に係るものの利子に含まれることとする。(法人税法第138条関係)

  • 7 その他所要の規定の整備を行うこととする。

三 登録免許税法の一部改正(第3条関係)

銀行等が受ける外国銀行代理業務に係る認可及び金融商品取引所が受ける排出権取引等を行う市場の開設に係る認可の登録免許税について、その税率を1件につき15万円とすることとする。(登録免許税法別表第1関係)

四 地方道路税法の一部改正(第4条関係)

  • 1 名称を地方揮発油税法に改めることとする。

  • 2 課税目的について、都道府県及び市町村(特別区を含む。)に対し財源を譲与するとの規定に改めることとする。(地方揮発油税法第1条関係)

  • 3 その他所要の規定の整備を行うこととする。

五 租税特別措置法の一部改正(第5条関係)

  • 1 住宅・土地税制

    • (1) 住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除制度について、適用期限を5年延長するとともに、次の措置を講ずることとする。(租税特別措置法第41条、第41条の2、第41条の2の2関係)

      • 1 住宅の取得等をして平成21年から平成25年までの間に居住の用に供した場合の控除期間、住宅借入金等の年末残高の限度額及び控除率を次のとおりとする。

        居住年控除期間住宅借入金等の
        年末残高の限度額
        控除率
        平成21年 10年間 5,000万円 1.0%
        平成22年 10年間 5,000万円 1.0%
        平成23年 10年間 4,000万円 1.0%
        平成24年 10年間 3,000万円 1.0%
        平成25年 10年間 2,000万円 1.0%
      • 2 長期優良住宅の普及の促進に関する法律に規定する認定長期優良住宅に該当する家屋で一定のもの(以下「認定長期優良住宅」という。)の新築又は認定長期優良住宅で建築後使用されたことのないものの取得をして、同法の施行の日から平成25年までの間に居住の用に供した場合の特例を創設し、その控除期間、住宅借入金等の年末残高の限度額及び控除率を次のとおりとする。

        居住年控除期間住宅借入金等の
        年末残高の限度額
        控除率
        平成21年 10年間 5,000万円 1.2%
        平成22年 10年間 5,000万円 1.2%
        平成23年 10年間 5,000万円 1.2%
        平成24年 10年間 4,000万円 1.0%
        平成25年 10年間 3,000万円 1.0%
      • 3 住宅の取得等をして居住の用に供した居住者が、その居住の用に供した日以後その年(以下「当初居住年」という。)の12月31日までの間に給与等の支払者からの転任の命令その他これに準ずるやむを得ない事由によりその住宅をその者の居住の用に供しなくなった後、当初居住年の翌年以後、再び当該住宅を居住の用に供した場合には、当初居住年において居住の用に供していたことを証する書類等の提出がある場合に限り、当該住宅の取得等に係る住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の適用年のうちその者が再び居住の用に供した日の属する年(以下「再居住年」という。)以後の各適用年(当該再居住年に当該住宅を賃貸の用に供していた場合には当該再居住年の翌年以後の各適用年)について住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の適用を受けることができる。

      • (注)上記の改正は、平成21年1月1日以後に自己の居住の用に供しなくなった場合について適用する。(附則第33条関係)

      • 4 居住者がその所有している家屋について、居住の用に供する前に増改築等をして、6ヶ月以内に居住の用に供した場合には、当該増改築等について住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の適用を受けることができる。

      • (注)上記の改正は、増改築等をした居住用家屋を平成21年1月1日以後に自己の居住の用に供する場合について適用する。(附則第33条関係)

      • 5 二以上の居住年に係る住宅の取得等に係る住宅借入金等の金額を有する場合の控除額の調整措置その他所要の措置を講ずる。

    • (2) 認定長期優良住宅の新築等をした場合の所得税額の特別控除の創設

      認定長期優良住宅の新築等をした場合の所得税額の特別控除制度を次のとおり創設することとする。(租税特別措置法第41条の19の4関係)

      • 1 居住者が、国内において、住宅の用に供する認定長期優良住宅の新築又は建築後使用されたことのない認定長期優良住宅の取得をして、長期優良住宅の普及の促進に関する法律の施行の日から平成23年12月31日までの間に居住の用に供した場合には、一定の要件の下で、その者のその居住の用に供した日の属する年分の所得税額から、当該認定長期優良住宅について講じられた構造及び設備に係る標準的な費用の額(1,000万円を限度)の10%に相当する金額(以下「税額控除限度額」という。)を控除する。

      • 2 居住者がその年において、その年の前年における税額控除限度額のうち1の控除をしてもなお控除しきれない金額を有する場合又はその年の前年分の所得税につき確定申告書を提出すべき場合及び提出することができる場合のいずれにも該当しない場合には、その年分の所得税の額から、当該控除しきれない金額に相当する金額又はその年の前年における税額控除限度額を控除する。

    • (3) 既存住宅に係る特定の改修工事をした場合の所得税額の特別控除の創設

      既存住宅に係る特定の改修工事をした場合の所得税額の特別控除制度を次のとおり創設することとする。(租税特別措置法第41条の19の3関係)

      • 1 年齢が50歳以上である者等一定の居住者(以下「特定居住者」という。)が、その所有する居住用の家屋について次の改修工事をして、平成21年4月1日から平成22年12月31日までの間にその者の居住の用に供した場合には、一定の要件の下で、当該特定居住者のその居住の用に供した日の属する年分の所得税の額から、次の金額の合計額(当該合計額が20万円を超える場合には20万円とし、特定設備の設置工事を行う場合において当該合計額が30万円を超えるときは30万円とする。)を控除する。

        • イ 高齢者等が自立した日常生活を営むのに必要な構造及び設備の基準に適合させるための一定の改修工事 当該改修工事に要した費用の額又は当該改修工事の標準的な費用の額のいずれか少ない金額(当該金額が200万円を超える場合には、200万円)の10%に相当する金額

        • ロ エネルギーの使用の合理化に資する一定の改修工事 当該改修工事に要した費用の額又は当該改修工事の標準的な費用の額のいずれか少ない金額(当該金額が200万円を超える場合には200万円とし、特定設備の設置工事を行う場合において当該金額が300万円を超えるときは300万円とする。)の10%に相当する金額

      • 2 特定居住者以外の居住者が、その所有する居住用の家屋について上記1ロの改修工事をして、平成21年4月1日から平成22年12月31日までの間にその者の居住の用に供した場合には、一定の要件の下で、その者のその居住の用に供した日の属する年分の所得税の額から、上記1ロの金額を控除する。

    • (4) 特定の増改築等に係る住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の控除額に係る特例の適用期限を5年延長する等所要の措置を講ずることとする。(租税特別措置法第41条の3の2関係)

    • (5) 既存住宅の耐震改修をした場合の所得税額の特別控除について、次の措置を講じた上、適用期限を5年延長することとする。(租税特別措置法第41条の19の2関係)

      • 1 地方公共団体が作成する耐震改修計画において、補助対象が耐震診断のみの場合を加える。

      • 2 税額控除の対象となる金額について、住宅耐震改修に要した費用の額と当該住宅耐震改修に係る耐震工事の標準的な費用の額のいずれか少ない金額とする。

    • (注)上記の改正は、平成21年1月1日以後に行う住宅耐震改修について適用する。(附則第35条関係)

    • (6) 住宅用家屋の所有権の保存登記若しくは移転登記又は住宅取得資金の貸付け等に係る抵当権の設定登記に対する登録免許税の税率の軽減措置の適用期限を2年延長することとする。(租税特別措置法第72条の2、第73条、第74条関係)

    • (7) 特定の土地等の長期譲渡所得の特別控除制度の創設

      個人又は法人が、平成21年1月1日から平成22年12月31日までの間に取得(特別の関係がある者からの取得並びに相続、遺贈、贈与及び交換によるものその他一定のものを除く。)をした国内にある土地等で、その年1月1日において所有期間が5年を超えるものの譲渡をした場合には、その年中に譲渡をした土地等に係る長期譲渡所得の金額から1,000万円(当該長期譲渡所得の金額が1,000万円に満たない場合には、当該長期譲渡所得の金額) を控除することとする。(租税特別措置法第35条の2、第65条の5の2、第68条の76の2関係)

    • (8) 平成21年及び平成22年に土地等の先行取得をした場合の課税の特例の創設

      事業者が、平成21年1月1日から平成22年12月31日までの期間内に国内にある土地等の取得をし、その取得の日を含む事業年度の確定申告書の提出期限までにこの特例の適用を受ける旨の届出書を納税地の所轄税務署長に提出した場合において、その取得の日を含む事業年度終了の日後10年以内にその事業者の所有する他の土地等の譲渡をしたときは、その先行して取得をした土地等(以下「先行取得土地等」という。)について、他の土地等に係る譲渡利益金額の100分の80(その譲渡の日を含む事業年度においてこの特例の適用を受ける先行取得土地等が平成22年1月1日から同年12月31日までの間に取得をされたもののみである場合には、100分の60)相当額を限度として、圧縮記帳ができることとする。(租税特別措置法第37条の9の5、第66条の2、第68条の85の4関係)

    • (9) 土地の売買による所有権の移転登記等に対する登録免許税の税率の軽減措置について、平成21年4月1日以後に段階的に引き上げることとしていた税率を、次のとおり、2年間据え置き、平成23年4月1日から段階的に引き上げることとする。(租税特別措置法第72条関係)

      • 1 土地の売買による所有権の移転登記(現行1,000分の10)

        平成21年4月1日から平成23年3月31日まで 1,000分の10

        平成23年4月1日から平成24年3月31日まで 1,000分の13

        平成24年4月1日から平成25年3月31日まで 1,000分の15

      • 2 土地の所有権の信託の登記(現行1,000分の2)

        平成21年4月1日から平成23年3月31日まで 1,000分の2

        平成23年4月1日から平成24年3月31日まで 1,000分の2.5

        平成24年4月1日から平成25年3月31日まで 1,000分の3

    • (10) 上記(9)の見直しに併せ、次に掲げる不動産の登記に対する登録免許税の税率の軽減措置について、平成21年4月1日以後に引き上げることとしていた税率を1年間据え置くこととする。

      • 1 農地保有合理化法人が農用地区域内の農用地を取得した場合の所有権の移転登記(現行1,000分の8)(租税特別措置法第76条関係)

      • 2 漁業協同組合が水産業協同組合法の規定により漁業協同組合連合会の権利義務の包括承継をした場合の不動産の所有権の移転登記(現行1,000分の4)及び不動産の地上権等の移転登記(現行1,000分の2)(租税特別措置法第78条関係)

      • 3 農業協同組合が農業協同組合法の規定による認可を受けて他の農業協同組合と合併をした場合の不動産の所有権の移転登記(現行1,000分の2.5)(租税特別措置法第80条の3関係)

      • 4 特定目的会社が資産流動化計画に基づき特定不動産を取得した場合等の所有権の移転登記(現行1,000分の8)(租税特別措置法第83条の3関係)

    • (11) 特定の資産の買換えの場合等の課税の特例について、長期所有の土地、建物等から国内にある土地、建物、機械装置等への買換えの適用期限を3年延長することとする。(租税特別措置法第37条、第65条の7~第65条の9、第68条の78~第68条の80関係)

    • (12) 優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例について、大都市地域における優良宅地開発の促進に関する緊急措置法の認定及び開発許可を受けて行われる複合的宅地開発事業の事業者に対する譲渡を除外した上、その適用期限を5年延長することとする。(租税特別措置法第31条の2関係)

    • (13) 特定住宅地造成事業等のために土地等を譲渡した場合の1,500万円特別控除について、次の措置を講ずることとする。(租税特別措置法第34条の2、第65条の4、第68条の75、附則第29条、第43条、第58条関係)

      • 1 特定の民間住宅地造成事業のために土地等を譲渡した場合の適用期限を3年延長する。

      • 2 適用対象から、中小小売商業振興法の認定を受けた高度化事業計画に基づく高度化事業の用に供するために土地等を譲渡した場合を所要の経過措置を講じた上、除外する。

    • (14) 農地保有の合理化等のために農地等を譲渡した場合の800万円特別控除について、適用対象から農用地区域内の特定遊休農地を農業経営基盤強化促進法に規定する勧告に係る協議により特定農業法人に譲渡した場合を除外することとする。(租税特別措置法第34条の3、第65条の5、第68条の76関係)

    • (15) 認定事業用地適正化計画の事業用地の区域内にある土地等の交換等の場合の譲渡所得の課税の特例の適用期限を2年延長することとする。(租税特別措置法第37条の9の2、第65条の13、第68条の84関係)

    • (16) 土地の譲渡等がある場合の特別税率及び短期所有に係る土地の譲渡等がある場合の特別税率について、適用停止措置の期限を5年延長することとする。なお、土地の譲渡等がある場合の特別税率の適用除外措置(優良住宅地等のための譲渡等に係る適用除外措置)について、対象となる譲渡から大都市地域における優良宅地開発の促進に関する緊急措置法の認定及び開発許可を受けて行われる複合的宅地開発事業の事業者に対する譲渡を除外した上、その適用除外措置の期限を5年延長する。(租税特別措置法第28条の4、第62条の3、第63条、第68条の68、第68条の69関係)

  • 2 法人関係税制

    • (1) エネルギー需給構造改革推進投資促進税制における即時償却措置の創設

      エネルギー需給構造改革推進設備等を取得した場合の特別償却又は特別税額控除制度について、次のとおり見直しを行うこととする。(租税特別措置法第10条の2、第42条の5、第68条の10関係)

      • 1 平成21年4月1日から平成23年3月31日までの間にエネルギー需給構造改革推進設備等の取得等をしてその取得等の日から1年以内に事業の用に供した場合には、その用に供した日を含む事業年度において、エネルギー需給構造改革推進設備等の即時償却ができる措置を創設する。

      • 2 エネルギー需給構造改革推進設備等を取得した場合の特別償却又は特別税額控除制度の適用期限を2年延長する。

    • (2) 資源需給構造変化対応設備等の特別償却制度の創設

      資源需給構造変化対応設備等の特別償却制度を次のとおり創設することとする。(租税特別措置法第11条の3、第44条の3、第68条の21関係)

      • 1 産業活力再生特別措置法の改正に伴い、同法の改正法の施行の日から平成24年3月31日までの間において、青色申告書を提出する事業者で資源生産性革新計画又は資源制約対応製品生産設備導入計画について認定を受けたものが、これらの計画に記載された資源生産性革新設備等又は資源制約対応製品生産設備(以下「資源需給構造変化対応設備等」という。)の取得等をしてその事業の用に供した場合には、その用に供した日を含む事業年度において、資源需給構造変化対応設備等の取得価額の100分の30(建物等については、100分の15)相当額の特別償却ができる措置を創設する。

      • 2 上記1の措置に加えて、産業活力再生特別措置法の改正法の施行の日から平成23年3月31日までの間に資源需給構造変化対応設備等の取得等をして事業の用に供した場合には、その用に供した日を含む事業年度において、資源需給構造変化対応設備等の即時償却ができる措置を創設する。

  • 3 中小企業関係税制

    • (1) 中小企業者等の法人税率の特例

      次に掲げる法人の平成21年4月1日から平成23年3月31日までの間に終了する各事業年度の所得の金額のうち年800万円以下の金額に対する法人税率を18%(現行22%)に引き下げることとする。(租税特別措置法第42条の3の2、第68条の8関係)

      • 1 普通法人のうち各事業年度終了の時において資本金の額若しくは出資金の額が1億円以下であるもの若しくは資本若しくは出資を有しないもの(保険業法に規定する相互会社等を除く。)又は人格のない社団等

      • 2 一般社団法人等(一般社団法人及び一般財団法人並びに公益社団法人及び公益財団法人をいう。)又は法人税法以外の法律によって公益法人等とみなされているもの

      • 3 公益法人等又は協同組合等

      • 4 特定医療法人

      なお、協同組合等又は特定医療法人が連結親法人である場合の税率は、年800万円以下の金額に対して19%(現行23%)に引き下げる。

    • (2) 中小企業者等の欠損金の繰戻しによる還付制度の適用

      欠損金の繰戻しによる還付の不適用措置について、対象から次に掲げる法人を除外し、これらの法人の各事業年度において生じた欠損金額について、欠損金の繰戻しによる還付制度の適用ができることとする。(租税特別措置法第66条の13、第68条の98関係)

      • 1 普通法人のうち、各事業年度終了の時において資本金の額若しくは出資金の額が1億円以下であるもの又は資本若しくは出資を有しないもの(保険業法に規定する相互会社等を除く。)

      • 2 公益法人等又は協同組合等

      • 3 法人税法以外の法律によって公益法人等とみなされているもの

      • 4 人格のない社団等

    • (注)上記(2)の改正は、平成21年2月1日以後に終了する事業年度において生じた欠損金額について適用する。(附則第47条、第62条関係)

    • (3) 事業基盤強化設備を取得した場合等の特別償却又は特別税額控除制度の適用期限を2年延長することとする。(租税特別措置法第10条の4、第42条の7、第68条の12関係)

    • (4) 商店街の活性化のための地域住民の需要に応じた事業活動の促進に関する法律の制定に伴い、特定住宅地造成事業等のために土地等を譲渡した場合の1,500万円特別控除の適用対象に、同法の認定商店街活性化事業計画に基づく商店街活性化事業又は認定商店街活性化支援事業計画に基づく商店街活性化支援事業の用に供するために土地等を譲渡した場合を加えることとする。(租税特別措置法第34条の2、第65条の4、第68条の75、附則第29条、第43条、第58条関係)

  • 4 相続税制

    • (1) 非上場株式等に係る贈与税及び相続税の納税猶予制度の創設等

      • 1 次のとおり非上場株式等に係る贈与税の納税猶予制度を創設することとする。(租税特別措置法第70条の7関係)

        • イ 概要

          認定贈与承継会社(中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律第12条第1項の経済産業大臣の認定を受けた非上場会社で一定の要件を満たす会社をいう。以下同じ。)の代表権を有していた者が、その親族で一定の要件を満たす者(以下「経営承継受贈者」という。)に、その保有する認定贈与承継会社に係る非上場株式等の全部(贈与前から既にその経営承継受贈者が保有していたものを含めて、発行済議決権株式等の総数等の3分の2に達するまでの部分を上限とする。以下「特例受贈非上場株式等」という。)の贈与をした場合には、その特例受贈非上場株式等の贈与に係る贈与税の全額について、その贈与者の死亡の日までその納税を猶予する。

        • ロ 猶予税額の免除

          その経営承継受贈者が特例受贈非上場株式等を死亡の時まで保有し続けた場合又はその贈与者が死亡した場合には、猶予税額の納付を免除する。

          このほか、経営贈与承継期間(5年間)経過後における猶予税額の納付の免除については次による。

          • (イ) 特例受贈非上場株式等に係る会社について、破産手続開始の決定又は特別清算開始の命令があった場合には、猶予税額の全額の納付を免除する。

          • (ロ) 経営承継受贈者と一定の関係を有する者以外の者へ保有する特例受贈非上場株式等を一括して譲渡した場合において、その譲渡対価又は譲渡時の時価のいずれか高い額が猶予税額を下回るときは、その差額分の猶予税額の納付を免除する。

          なお、上記(イ)及び(ロ)の場合において免除するとされる額のうち、過去5年間に経営承継受贈者及びその者と生計を一にする者に対して支払われた配当等に相当する額は、免除しない。

        • ハ 猶予税額の納付

          • (イ) 経営贈与承継期間(5年間)内に、経営承継受贈者が代表権を有しなくなる等、当該認定の取消事由に該当する事実が生じた場合には、猶予税額の全額を納付する。

          • (ロ) 経営贈与承継期間経過後において、特例受贈非上場株式等の譲渡等をした場合には、特例受贈非上場株式等の総数に対する譲渡等をした特例受贈非上場株式等の数の割合に応じて猶予税額を納付する。

          • (ハ) その他、継続届出書を税務署長に提出しなかった場合、担保の変更に応じなかった場合等には納税猶予の期限が確定し、猶予税額の全額を納付する。

        • ニ 利子税の納付

          上記ハにより、猶予税額の全部又は一部を納付する場合には、贈与税の法定申告期限からの期間に係る利子税(年3.6%)を併せて納付する。

        • ホ 担保の提供

          贈与の納税猶予の適用を受けるためには、猶予税額に相当する担保を提供しなければならない。その際、特例受贈非上場株式等のすべてを担保に提供した場合には、その価額がその猶予税額に満たないときであっても、猶予税額に相当する担保が提供されたものとみなす。

        • へ その他

          • (イ) 本制度の対象とならない資産保有型会社の判定において、過去5年間に経営承継受贈者及びその者と一定の関係を有する者に対して支払われた配当等に相当する額を特定資産及び総資産の額に加算する。

          • (ロ) 贈与前3年以内に経営承継受贈者及びその者と一定の関係を有する者からの現物出資又は贈与により取得した資産の合計額の総資産に占める割合が70%以上である会社に係る株式等については、本制度を適用しないこととするほか、経営承継受贈者の贈与税等の負担を不当に減少させる結果となると認められる行為に対応するための措置を講ずる。

          • (ハ) 経営承継受贈者は、経営贈与承継期間内は毎年、その後は3年毎に継続届出書を税務署長に提出しなければならない。

          • (ニ) その他所要の措置を講ずる。

      • 2 次のとおり、非上場株式等に係る相続税の納税猶予制度を創設することとする。(租税特別措置法第70条の7の2関係)

        • イ 概要

          認定承継会社(中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律第12条第1項の経済産業大臣の認定を受けた非上場会社で一定の要件を満たす会社をいう。以下同じ。)の代表権を有していた被相続人から、相続又は遺贈によりその認定承継会社の非上場株式等の取得をした一定の者(以下「経営承継相続人等」という。)が納付すべき相続税額のうち、その非上場株式等(相続開始前から既に保有していたものを含めて、その認定承継会社の発行済議決権株式等の総数等の3分の2に達するまでの部分に限る。以下「特例非上場株式等」という。)に係る課税価格の80%に対応する相続税額については、その経営承継相続人等の死亡等の日までその納税を猶予する。

        • ロ 猶予税額の計算

          経営承継相続人等以外の相続人の取得財産は不変とした上で、経営承継相続人等が、通常の課税価格による特例非上場株式等のみを相続するものとして計算した場合の経営承継相続人等の相続税額と、課税価格を20%に減額した特例非上場株式等のみを相続するものとして計算した場合の経営承継相続人等の相続税額の差額を、経営承継相続人等の猶予税額とする。

        • ハ 猶予税額の免除については、贈与税の納税猶予と同様とするほか、経営承継期間(5年間)経過後に贈与税の納税猶予の適用を受ける経営承継受贈者に特例非上場株式等を贈与した場合には、その適用を受ける特例非上場株式等に係る相続税の猶予税額の納付を免除する。

        • ニ 猶予税額の納付、利子税の納付等については、贈与税の納税猶予と同様とするほか、所要の措置を講ずる。

      • (注)上記の改正は、平成20年10月1日以後の相続又は遺贈により取得をする非上場株式等に係る相続税について適用する。(附則第63条関係)

      • 3 上記1の経営承継受贈者に係る贈与者が死亡した場合には、引き続き保有する特例受贈非上場株式等をその贈与者から相続又は遺贈により取得したものとみなし、贈与時の時価により他の相続財産と合算して相続税額を計算することとする。(租税特別措置法第70条の7の3関係)

      • 4 上記3の場合における経営承継受贈者は、相続又は遺贈により取得したものとみなされた特例受贈非上場株式等について、上記2と同様の相続税の納税猶予制度を適用できることとする。(租税特別措置法第70条の7の4関係)

      • 5 現行の特例については次の措置を講ずることとする。

        • イ 特定同族会社株式等に係る相続税の課税価格の計算の特例は平成21年3月31日をもって廃止する。(旧租税特別措置法第69条の5関係)

          この場合において、平成21年3月31日までに、この特例の適用を受けるため相続時精算課税制度を選択して贈与を受けた株式等について次の経過措置を講ずる。(附則第64条関係)

          • (イ) この特例の適用要件を満たしている場合には、相続時にこの特例を適用する。

          • (ロ) 平成22年3月31日までに相続税の納税猶予の適用を受ける旨の選択をした特定受贈者については、この特例に代えて上記2の相続税の納税猶予を適用する。

        • ロ 特定同族株式等に係る贈与税の相続時精算課税制度の特例は、イ(ロ)と同様の経過措置を講じた上、廃止する。(旧租税特別措置法第70条の3の3、第70条の3の4、附則第64条関係)

    • (2) 農地等に係る相続税の納税猶予制度等について、次のとおり見直しを行うこととする。(租税特別措置法第70条の4、第70条の5、第70条の6、第70条の6の2、第70条の6の3関係)

      • 1 市街化区域外の農地等に係る相続税の納税猶予制度について、次の措置を講ずる。

        • イ 農業経営基盤強化促進法の規定に基づき貸し付けられた農地等については、その貸付けによる賃借権等の設定はなかったものと、農業経営は廃止していないものとして納税猶予の適用を認める。

        • ロ 納税猶予適用者について、20年間の営農継続により猶予税額の納付を免除する措置を廃止する。

        • ハ 猶予期間中に障害、疾病等のやむを得ない事情により営農継続が困難となったときは、農地等の貸付けをした場合でも、その貸付けによる賃借権等の設定はなかったものと、農業経営は廃止していないものとして納税猶予の継続を認める。

        • ニ 納税猶予適用者が、納税猶予に係る農地等の譲渡等をした場合に納付する猶予税額に係る利子税については、税率を年3.6%(現行年6.6%)に引き下げる。

      • 2 市街化区域内の農地等に係る相続税の納税猶予制度について、上記1ハの措置(都市営農農地等を有する者については、上記1ハ及びニの措置)を講ずる。

      • 3 納税猶予の取消事由である耕作の放棄について要件の見直しを行うほか、所要の見直しを行う。

      • 4 その他、農地等に係る贈与税の納税猶予制度等について所要の見直しを行う。

    • (注)上記の改正は、農地法等の一部を改正する法律の施行の日以後の相続若しくは遺贈又は贈与により取得をする農地等に係る相続税又は贈与税について適用する。(附則第66条関係)

  • 5 金融・証券税制

    • (1) 先物取引に係る雑所得等の課税の特例の対象に、平成22年1月1日以後に行う金融商品取引法第2条第1項第19号に掲げる有価証券で金融商品取引所に上場されているものに表示される権利の行使若しくは放棄又は当該有価証券の一定の譲渡による事業所得、譲渡所得及び雑所得を加えることとする。(租税特別措置法第41条の14関係)

    • (2) 特定管理株式が価値を失った場合の株式等に係る譲渡所得等の課税の特例の適用対象に、平成21年1月4日において特定管理株式であった株式で同年1月5日に特定管理口座から払い出されたもののうち、同日以後に当該株式と同一銘柄の株式を売買していないことが証明されたものを加えることとする。(租税特別措置法第37条の10の2関係)

    • (3) 上場会社等の自己の株式の公開買付けの場合のみなし配当課税の特例の適用期限を1年延長することとする。(租税特別措置法第9条の6関係)

    • (4) 内国法人又は国内に恒久的施設を有する外国法人が、国内において上場証券投資信託の終了又は一部の解約により支払を受ける収益の分配については、所得税を課さないこととする。

      この場合において、当該上場証券投資信託の終了又は一部の解約により償還金等の支払をする者は、当該償還金等の額その他一定の事項を記載した支払調書を、その上場証券投資信託の終了又は一部の解約があった日の属する月の翌月末日までに、当該支払をする者の本店等の所在地の所轄税務署長に提出しなければならないこととする。(租税特別措置法第9条の4の2関係)

    • (注)上記の改正は、平成21年4月1日以後の上場証券投資信託の終了又は一部の解約について適用する。(附則第23条関係)

  • 6 国際課税

    • (1) 内国法人等の特定外国子会社等に係る所得の課税の特例等について、次の措置を講ずることとする。

      • 1 特定外国子会社等が支払う剰余金の配当等の額は、当該特定外国子会社等の適用対象金額の計算上控除しない。(租税特別措置法第40条の4、第66条の6、第68条の90関係)

      • (注)上記の改正は、特定外国子会社等の平成21年4月1日以後に開始する事業年度の適用対象金額について適用する。(附則第31条、第44条、第59条関係)

      • 2 内国法人等が特定外国子会社等(外国子会社配当益金不算入制度における外国子会社に該当するものを除く。)から受ける剰余金の配当等の額がある場合には、その剰余金の配当等の額のうち特定課税対象金額(内国法人の剰余金の配当等の額を受ける日を含む事業年度及び当該事業年度開始の日前10年以内に開始した各事業年度において益金の額に算入された課税対象金額(内国法人の有する直接保有の株式等に対応する部分の金額に限る。)の合計額をいう。)等に達するまでの金額は、益金の額に算入しない。(租税特別措置法第40条の5、第66条の8、第68条の92関係)

      • (注)上記の改正は、内国法人等が特定外国子会社等から受ける剰余金の配当等の額(特定外国子会社等の平成21年4月1日以後に開始する事業年度に係るものに限る。)がある場合について適用する。(附則第31条、第44条、第59条関係)

      • 3 特殊関係株主等である内国法人等に係る特定外国法人に係る所得の課税の特例における適用対象金額の計算等について所要の改正を行う。(租税特別措置法第40条の7、第40条の8、第66条の9の2、第66条の9の4、第68条の93の2、第68条の93の4関係)

    • (2) 投資事業有限責任組合契約に関する法律に規定する投資事業有限責任組合(外国におけるこれに類するものを含む。以下「投資組合」という。)の組合員である非居住者又は外国法人で次の要件を満たすものは、国内に恒久的施設を有しない非居住者又は外国法人に該当する者とみなすこととする。(租税特別措置法第41条の21、第67条の16関係)

      • 1 投資組合の有限責任組合員であること。

      • 2 投資組合の業務を執行しないこと。

      • 3 投資組合の組合財産に対する持分の割合が25%未満であること。

      • 4 投資組合の無限責任組合員と特殊の関係のある者でないこと。

      • 5 国内に投資組合の事業以外の事業に係る恒久的施設を有しないこと。

    • (注)上記の改正は、平成21年4月1日以後に非居住者又は外国法人が有する国内源泉所得について適用する。(附則第36条、第50条関係)

    • (3) 外国法人が受ける割引債の償還差益に係る国内源泉所得の範囲等について、 次のとおり見直しを行うこととする。(租税特別措置法第67条の17関係)

      • 1 外国法人が発行する割引債の償還差益のうち国内において行う事業に帰せられるものを、法人税法上の国内源泉所得とみなす。

      • 2 国内に恒久的施設を有しない外国法人が受ける割引債の償還差益を、法人税の申告の対象から除外する。

    • (注)上記の改正は、平成21年4月1日以後に発行される割引債の償還差益について適用する。(附則第51条関係)

    • (4) 外国金融機関等の債券現先取引に係る利子の課税の特例等について、所要の規定の整備を行うこととする。(租税特別措置法第7条、第42条の2、第67条の11関係)

  • 7 自動車課税

    一定の要件を満たす検査自動車について平成21年4月1日から平成24年4月30日までの間に自動車検査証の交付等(自動車重量税法第5条第3号に掲げる自動車以外の自動車に係るものであって、当該自動車について平成21年4月1日以後最初に受けるものに限る。)を受ける場合には、当該自動車検査証の交付等に係る自動車重量税を減免することとする。(租税特別措置法第90条の12関係)

  • 8 その他

    • (1) 農地制度の見直しに伴い、次のとおり見直しを行うこととする。

      • 1 特定住宅地造成事業等のために土地等を譲渡した場合の1,500万円特別控除の適用対象に、農用地区域内にある農用地が農業経営基盤強化促進法の協議に基づいて、同法に規定する農地利用集積円滑化団体に買い取られる場合を加える。(租税特別措置法第34条の2、第65条の4、第68条の75関係)

      • 2 特定の資産の買換えの場合等の課税の特例における特定農業法人が農業経営基盤強化促進法の勧告に係る協議により農用地区域等内にある土地等を取得する買換えについて、農業経営基盤強化促進法から農地法に基づく制度とされたことに伴う所要の整備を行う。(租税特別措置法第65条の7~第65条の9、第68条の78~第68条の80関係)

      • 3 特定土地区画整理事業等のために土地等を譲渡した場合の2,000万円特別控除の適用対象から草地利用権に係る土地等が農地法の裁定により買い取られる場合を所要の経過措置を講じた上、除外する。(租税特別措置法第34条、第65条の3、第68条の74、附則第29条、第43条、第58条関係)

      • 4 特定農業法人が農用地区域内の特定遊休農地を取得した場合の所有権の移転登記に対する登録免許税の税率の軽減措置について、その適用期限を2年延長した上、見直し後の遊休農地の規制に対応した措置を講ずる。(租税特別措置法第76条関係)

      • 5 農地法等の一部を改正する法律の施行の日から平成22年3月31日までの間に、農業経営基盤強化促進法に規定する農地利用集積円滑化団体が農地利用集積円滑化事業(農地売買等事業)により農用地を取得する場合の所有権の移転登記に対する登録免許税の税率を1,000分の8(本則1,000分の20)に軽減する措置を講ずる。(租税特別措置法第76条関係)

      • 6 農地法等の一部を改正する法律の施行の日から平成23年3月31日までの間に、一定の要件を満たす農業経営者が農業経営基盤強化促進法に規定する農地利用集積円滑化事業(農地所有者代理事業)により農用地区域内の農用地等を取得した場合の所有権の移転登記に対する登録免許税の税率を1,000分の8(本則1,000分の20)に軽減する措置を講ずる。(租税特別措置法第77条関係)

    • (2) パラリンピック競技大会における成績優秀者を表彰するものとして財団法人日本障害者スポーツ協会から交付される一定の金品及び住民基本台帳に記録されている者の属する世帯の世帯主等に対して市町村又は特別区から給付される一定の給付金については、所得税を課さないこととする。(租税特別措置法第41条の8関係)

    • (3) 情報基盤強化設備等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除制度について償却限度額及び特別控除額の計算の基礎となる情報基盤強化設備等の基準取得価額をその取得価額に政令で定める割合を乗じて計算した金額とすることとする。(租税特別措置法第10条の6関係)

    • (4) 船舶の特別償却制度について、次のとおり見直しを行うこととする。(租税特別措置法第11条、第43条、第68条の16関係)

      • 1 外航船舶で対外船舶運航事業を営む法人の日本船舶による収入金額の課税の特例(租税特別措置法第59条の2、第68条の62の2)の適用を受ける法人が取得等をする日本船舶に該当しないものに係る償却割合を100分の16(現行100分の18)に引き下げる。

      • 2 内航船舶で環境への負荷の低減に著しく資するものに係る償却割合を100分の18(現行100分の16)に引き上げる。

    • (5) 地震防災対策用資産の特別償却制度における地震防災対策用資産に係る措置について、償却割合を100分の20(現行100分の8)に引き上げた上、その適用期限を2年延長することとする。(租税特別措置法第11条の2、第44条、第68条の19関係)

    • (6) 新用途米穀加工品等製造設備の特別償却制度の創設

      青色申告書を提出する事業者で米穀の新用途への利用の促進に関する法律の生産製造連携事業計画について認定を受けたものが、同法の施行の日から平成23年3月31日までの間に、その認定に係る生産製造連携事業計画に記載された新用途米穀加工品等製造設備の取得等をしてその事業の用に供した場合には、その用に供した日を含む事業年度において、その取得価額の100分の30相当額の特別償却ができることとする。(租税特別措置法第11条の7、第44条の7、第68条の26関係)

    • (7) 特定地域における工業用機械等の特別償却制度について、次のとおり見直しを行うこととする。(租税特別措置法第12条、第45条、第68条の27関係)

      • 1 青色申告書を提出する事業者が、山村振興法の振興山村として指定された地区内において、製造の事業等の用に供する工業用機械等の取得等をしてその事業の用に供した場合には、その用に供した日を含む事業年度において、その取得価額の100分の10(建物等については、100分の6)相当額の特別償却ができる措置を加える。

      • 2 水源地域に係る措置を除外する。

    • (8) 医療用機器等の特別償却制度について、次のとおり見直しを行った上、その適用期限を2年延長することとする。(租税特別措置法第12条の2、第12条の3、第45条の2、第68条の29関係)

      • 1 青色申告書を提出する事業者で医療保健業を営むものが、平成21年4月1日から平成23年3月31日までの間に、新型インフルエンザに係る医療の提供を目的とする病床の確保に資する機器の取得等をして医療保健業の用に供した場合には、その用に供した日を含む事業年度において、その取得価額の100分の20相当額の特別償却ができる措置を加える。

      • 2 一般の医療用機器に係る措置の対象となる医療用機器を、一定の規模のもので高度な医療の提供に資するもの又は先進的なものとする。

    • (9) 優良賃貸住宅の割増償却制度における高齢者向け優良賃貸住宅に係る措置について、次のとおり見直しを行った上、その適用期限を2年延長することとする。(租税特別措置法第14条、第47条、第68条の34関係)

      • 1 高齢者の居住の安定確保に関する法律の認定計画(一定の認定支援施設の記載があるものに限る。)に基づき整備が行われた高齢者向け優良賃貸住宅

        • イ 耐用年数が35年未満であるもの 100分の40(現行100分の28)

        • ロ 耐用年数が35年以上であるもの 100分の55(現行100分の40)

      • 2 高齢者向け優良賃貸住宅で上記1以外のもの

        • イ 耐用年数が35年未満であるもの 100分の20(現行100分の28)

        • ロ 耐用年数が35年以上であるもの 100分の28(現行100分の40)

    • (10) 農業経営基盤強化準備金制度について、農業経営基盤強化準備金を積み立てている個人(特別障害者に該当する者に限る。)の一定の推定相続人が当該農業経営基盤強化準備金に係る事業の全部を譲り受けた場合には、その事業の全部を譲り受けた日における当該農業経営基盤強化準備金の金額を当該推定相続人の農業経営基盤強化準備金の金額とみなす措置を講じた上、その適用期限を2年延長することとする。(租税特別措置法第24条の2、第61条の2、第68条の64関係)

    • (11) 特定目的会社に係る課税の特例等について、支払配当の損金算入の要件である支払配当の額が配当可能所得の金額の100分の90相当額を超えていることとの要件を支払配当の額が配当可能利益の額の100分の90相当額を超えていることとする等の見直しを行うこととする。(租税特別措置法第67条の14、第67条の15、第68条の3の2、第68条の3の3関係)

    • (12) 特例民法法人の事業を承継するために設立された一定の認可地縁団体が、平成21年4月1日から平成25年11月30日までの間に解散した当該特例民法法人からその期間内にその残余財産を取得する場合には、その残余財産に係る不動産の所有権等の移転登記に対する登録免許税を免税とする措置を講ずることとする。(租税特別措置法第84条の3関係)

    • (13) その他の租税特別措置の改正

      租税特別措置について、所要の経過措置を講じた上、次の措置を講ずることとする。

      • 1 廃止

        • イ 保全事業等資産の特別償却(旧租税特別措置法第43条の3、第68条の18関係)

        • ロ 電子計算機買戻損失準備金(旧租税特別措置法第57条、第68条の50関係)

        • ハ 独立行政法人住宅金融支援機構が受ける抵当権の設定登記に対する登録免許税の免税措置(旧租税特別措置法第74条の2関係)

        • ニ 農林漁業金融公庫資金等の転貸の場合の抵当権の設定登記に対する登録免許税の税率の軽減措置(旧租税特別措置法第78条関係)

        • ホ 特定外貿埠頭管理運営者が指定法人からの出資に伴い土地等を取得した場合の所有権の移転登記に対する登録免許税の税率の軽減措置(旧租税特別措置法第82条の3関係)

        • ヘ 株式分割等に係る株券等に対する印紙税の非課税(旧租税特別措置法第91条の4関係)

      • 2 縮減等

        • イ 関西文化学術研究都市の文化学術研究地区における文化学術研究施設の特別償却制度について、機械装置に係る償却割合を100分の16(現行100分の20)に、建物等に係る償却割合を100分の8(現行100分の10)に、それぞれ引き下げた上、その適用期限を2年延長する。(租税特別措置法第43条の2、第68条の17関係)

        • ロ 事業革新設備の特別償却制度について、適用対象から共同事業再編計画に係る措置及び技術活用事業革新計画に係る措置を除外するとともに、償却割合を100分の25(現行100分の30)に引き下げた上、その適用期限を2年延長する。(租税特別措置法第11条の3、第44条の3、第68条の21関係)

        • ハ 特定再開発建築物等の割増償却制度における市街地再開発事業に係る措置について、対象となる建築物を市街地の土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新に著しく資するものとした上、その適用期限を2年延長する。(租税特別措置法第14条の2、第47条の2、第68条の35関係)

        • ニ 植林費の損金算入の特例について、対象となる植林費から、一定の規模の法人の国又は地方公共団体から交付を受けた補助金等の対象事業に係る植林費を除外した上、その適用期限を2年延長する。(租税特別措置法第52条、第68条の38関係)

        • ホ 特定災害防止準備金制度における露天掘による鉱物の採掘事業を営む事業者に係る措置について、対象となる事業者を石炭の採掘事業を営む法人に限定した上、その適用期限を2年延長する。(租税特別措置法第20条の2、第55条の6、第68条の45関係)

        • ヘ 漁業協同組合等の留保所得の特別控除制度について、対象となる協同組合等から漁業協同組合、漁業協同組合連合会、水産加工業協同組合、水産加工業協同組合連合会、森林組合及び森林組合連合会を除外するとともに、対象となる事業年度から協同組合等(その設立が都道府県ごとに1個又は全国を通じて1個に限られているものを除く。)の設立後10年を経過する日を含む事業年度後の各事業年度を除外した上、その適用期限を2年延長する。(租税特別措置法第61条関係)

        • ト 認定事業再構築計画等に基づき行う登記に対する登録免許税の税率の軽減措置について、産業活力再生特別措置法の一部改正に伴い、対象となる計画類型に資源生産性革新計画及び中小企業承継事業再生計画を加えるとともに、共同事業再編計画及び技術活用事業革新計画を除外する。(租税特別措置法第80条関係)

        • チ 会社分割に伴う不動産の所有権の移転登記等に対する登録免許税の税率の軽減措置について、次の登記等に係る軽減税率の見直しを行った上、その適用期限を3年延長する。(租税特別措置法第81条関係)

          • (イ) 所有権の移転登記(現行1,000分の8)

            平成21年4月1日から平成23年3月31日まで 1,000分の8

            平成23年4月1日から平成24年3月31日まで 1,000分の13

          • (ロ) 地上権等の移転登記(現行1,000分の4)

            平成21年4月1日から平成23年3月31日まで 1,000分の4

            平成23年4月1日から平成24年3月31日まで 1,000分の6.5

          • (ハ) 先取特権等の移転登記(現行1,000分の1.4)

            平成21年4月1日から平成23年3月31日まで 1,000分の1.4

            平成23年4月1日から平成24年3月31日まで 1,000分の1.8

        • リ 電子情報処理組織による登記の申請の場合の登録免許税額の特別控除制度について、適用対象となる建物の所有権の保存登記をその表題登記も電子情報処理組織を使用して申請されたものとした上、その適用期限を平成23年3月31日まで延長する。(租税特別措置法第84条の5関係)

        • (注)上記の改正は、平成22年1月1日以後に電子情報処理組織を使用して登記の申請を行う場合における登録免許税について適用する。(附則第67条関係)

      • 3 適用期限の延長

        • イ 鉄道事業者が取得した特定の鉄道施設に係る土地等の所有権の移転登記等に対する登録免許税の免税措置の適用期限を7年延長する。(租税特別措置法第84条の2関係)

        • ロ 次に掲げる特別措置の適用期限を5年延長する。

          • (イ) 政治活動に関する寄附をした場合の寄附金控除の特例又は所得税額の特別控除(租税特別措置法第41条の18関係)

          • (ロ) 損害保険会社の受取配当等の益金不算入等の特例(租税特別措置法第67条の7、第68条の104関係)

        • ハ 次に掲げる特別措置の適用期限を2年延長する。

          • (イ) 山林所得に係る森林計画特別控除(租税特別措置法第30条の2関係)

          • (ロ) 電子証明書を有する個人の電子情報処理組織による申告に係る所得税額の特別控除(租税特別措置法第41条の19の5関係)

          • (ハ) 集積区域における集積産業用資産の特別償却(租税特別措置法第11条の5、第44条の2、第68条の20関係)

          • (ニ) 共同利用施設の特別償却(租税特別措置法第44条の5、第68条の24関係)

          • (ホ) 障害者を雇用する場合の機械等の割増償却(租税特別措置法第13条、第46条の2、第68条の31関係)

          • (ヘ) 事業所内託児施設等の割増償却(租税特別措置法第46条の4、第68条の33関係)

          • (ト) 倉庫用建物等の割増償却(租税特別措置法第15条、第48条、第68条の36関係)

          • (チ) 公益法人等又は協同組合等の貸倒引当金の特例における繰入限度額の割増措置(租税特別措置法第57条の10、第68条の59関係)

          • (リ) 鉱工業技術研究組合の所得計算の特例(租税特別措置法第66条の10、第68条の94関係)

          • (ヌ) 利用権設定等促進事業により農用地区域内の農用地等を取得した場合の所有権の移転登記に対する登録免許税の税率の軽減措置(租税特別措置法第77条関係)

          • (ル) 信用保証協会等が受ける抵当権の設定登記等に対する登録免許税の税率の軽減措置(租税特別措置法第78条の2関係)

          • (ヲ) 卸売市場法の規定による認定に係る登記に対する登録免許税の税率の軽減措置(租税特別措置法第79条関係)

          • (ワ) 認定民間都市再生事業計画等に基づき建築物を建築した場合等の所有権の保存登記等に対する登録免許税の税率の軽減措置(租税特別措置法第83条関係)

          • (カ) 鉄鋼の製造に使用する石炭、コークスの製造に使用する石炭及びセメントの製造に使用する石炭に係る石油石炭税の免税(租税特別措置法第90条の4の2関係)

          • (ヨ) 国産石油アスファルト等に係る石油石炭税の還付(租税特別措置法第90条の6の2関係)

          • (タ) 特定離島路線航空機に積み込まれる航空機燃料に係る航空機燃料税の税率の特例(租税特別措置法第90条の9関係)

          • (レ) 不動産の譲渡に関する契約書等に係る印紙税の税率の特例(租税特別措置法第91条関係)

        • ニ 次に掲げる特別措置の適用期限を1年延長する。

          • (イ) 入国者が輸入するウイスキー等に係る酒税の税率の特例(租税特別措置法第87条の5関係)

          • (ロ) 入国者が輸入する紙巻たばこに係るたばこ税の税率の特例(租税特別措置法第88条の2関係)

    • (14) その他所要の税制の整備を行うこととする。

六 阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律の一部改正(第6条関係)

住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の改正に伴う所要の整備を行うこととする。(阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律第16条関係)

七 所得税法等の一部を改正する法律(平成20年法律第23号)の一部改正(第7条関係)

  • 1 上場株式等の配当所得及び譲渡所得等に対する税率の特例の見直し

    平成21年1月1日から平成23年12月31日までの間の上場株式等の配当所得及び譲渡所得等に対する税率を7%軽減税率とすることとする。(所得税法等の一部を改正する法律附則第32条、第43条関係)

  • 2 上場株式等の配当等に係る源泉徴収税率等の特例の延長

    • (1) 平成21年1月1日から平成22年12月31日までの間に居住者又は国内に恒久的施設を有する非居住者に対して支払う上場株式等の配当等に係る源泉徴収税率に対する7%軽減税率の特例を1年延長することとする。(所得税法等の一部を改正する法律附則第33条関係)

    • (2) 国内に恒久的施設を有しない非居住者又は内国法人若しくは外国法人に対して支払う上場株式等の配当等に係る7%軽減税率の特例を平成23年12月31日まで(現行 平成21年3月31日まで)延長することとする。(所得税法等の一部を改正する法律附則第33条関係)

  • 3 源泉徴収選択口座における源泉徴収税率の特例の延長

    平成21年1月1日から平成22年12月31日までの間の源泉徴収選択口座における源泉徴収税率に対する7%軽減税率の特例を1年延長することとする。(所得税法等の一部を改正する法律附則第45条関係)

  • 4 その他所要の規定の整備を行うこととする。

八 その他(附則関係)

  • 1 施行期日

    この法律は、別段の定めがあるものを除き、平成21年4月1日から施行することとする。(附則第1条関係)

  • 2 税制の抜本的な改革に係る措置

    • (1) 政府は、基礎年金の国庫負担割合の2分の1への引上げのための財源措置並びに年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する費用の見通しを踏まえつつ、平成20年度を含む3年以内の景気回復に向けた集中的な取組により経済状況を好転させることを前提として、遅滞なく、かつ、段階的に消費税を含む税制の抜本的な改革を行うため、平成23年度までに必要な法制上の措置を講ずるものとする。この場合において、当該改革は、2010年代の半ばまでに持続可能な財政構造を確立することを旨とするものとする。(附則第104条関係)

    • (2) 上記(1)の改革を具体的に実施するための施行期日等を法制上定めるに当たっては、景気回復過程の状況、国際経済の動向等を見極め、予期せざる経済変動にも柔軟に対応できる仕組みとするものとし、当該改革は、不断に行政改革を推進すること及び歳出の無駄の排除を徹底することに一段と注力して行われるものとする。(附則第104条関係)

    • (3) 上記(1)の措置は、次に定める基本的方向性により検討を加え、その結果に基づいて講じられるものとする。(附則第104条関係)

      • 1 個人所得課税については、格差の是正及び所得再分配機能の回復の観点から、各種控除及び税率構造を見直し、最高税率及び給与所得控除の上限の調整等により高所得者の税負担を引き上げるとともに、給付付き税額控除の検討を含む歳出面も合わせた総合的な取組の中で子育て等に配慮して中低所得者世帯の負担の軽減を検討すること並びに金融所得課税の一体化を更に推進すること。

      • 2 法人課税については、国際的整合性の確保及び国際競争力の強化の観点から、社会保険料を含む企業の実質的な負担に留意しつつ、課税ベースの拡大とともに、法人の実効税率の引下げを検討すること。

      • 3 消費課税については、その負担が確実に国民に還元されることを明らかにする観点から、消費税の全額が制度として確立された年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する費用に充てられることが予算及び決算において明確化されることを前提に、消費税の税率を検討すること。その際、歳出面も合わせた視点に立って複数税率の検討等の総合的な取組を行うことにより低所得者への配慮について検討すること。

      • 4 自動車関係諸税については、簡素化を図るとともに、厳しい財政事情、環境に与える影響等を踏まえつつ、税制の在り方及び暫定税率を含む税率の在り方を総合的に見直し、負担の軽減を検討すること。

      • 5 資産課税については、格差の固定化の防止、老後における扶養の社会化の進展への対処等の観点から、相続税の課税ベース、税率構造等を見直し、負担の適正化を検討すること。

      • 6 納税者番号制度の導入の準備を含め、納税者の利便の向上及び課税の適正化を図ること。

      • 7 地方税制については、地方分権の推進及び国と地方を通じた社会保障制度の安定財源の確保の観点から、地方消費税の充実を検討するとともに、地方法人課税の在り方を見直すことにより、税源の偏在性が小さく、税収が安定的な地方税体系の構築を進めること。

      • 8 低炭素化を促進する観点から、税制全体のグリーン化を推進すること。