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所得税法等の一部を改正する法律案要綱

所得税法等の一部を改正する法律案要綱



 国税通則法の一部改正(第10条関係)

 

 郵送等に係る書類の提出時期について、国税庁長官が定める書類が郵便等により提出された場合には、その郵便物等の通信日付印により表示された日にその提出がされたものとみなすこととする。(国税通則法第22条関係)

 国税の徴収の所轄庁について、税務署長又は税関長は、必要があると認めるときは、その徴収する国税について他の税務署長又は税関長に徴収の引継ぎをすることができることとする。(国税通則法第43条関係)

 無申告加算税について、次の措置を講ずることとする。(国税通則法第66条関係)

 

(1)

 無申告加算税の割合(現行100分の15)について、納付すべき税額が50万円を超える部分に対する割合を100分の20に引き上げる。

 

(2)

 調査があったことにより決定があるべきことを予知して提出されたものでない期限後申告書の提出があった場合において、期限内申告書を提出する意思があったと認められる一定の場合で、かつ、法定申告期限から2週間を経過する日までに提出されたものである場合には、無申告加算税を課さない。

 

(注

) 上記(1)及び(2)の改正は、平成19年1月1日以後に法定申告期限が到来する国税について適用する。(附則第73条関係)

 源泉徴収による国税に係る不納付加算税について、調査があったことにより納税の告知があるべきことを予知して納付されたものでない法定納期限後の納付があった場合において、法定納期限までに納付する意思があったと認められる一定の場合で、かつ、法定納期限から1月を経過する日までに納付されたものである場合には、不納付加算税を課さないこととする。(国税通則法第67条関係)

 

(注

)上記の改正は、平成19年1月1日以後に法定納期限が到来する国税について適用する。(附則第74条関係)

 その他所要の規定の整備を行うこととする。



一 国税徴収法の一部改正(第11条関係)

 

 徴収職員は、滞納処分に関する調査について必要があるときは、官公署等に協力を求めることができることとする。(国税徴収法第146条の2関係)

 その他所要の規定の整備を行うこととする。



二 租税条約の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律の一部改正(第12条関係)

 

 我が国の居住者等が条約相手国との間で課税上の取扱いの異なる事業体を通じて配当等の支払を受ける場合において、所得税に加えて住民税も対象とする租税条約の適用があるときの所得税と住民税との配分等に関する規定の整備を行うこととする。(租税条約の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律第3条の2、第3条の2の2関係)

 条約相手国から犯則事件の調査に必要な情報提供の要請があった場合には、要請された者に対して質問、検査等をすることができることとする。また、必要があるときは、裁判官の許可状により、臨検、捜索等をすることができることとする。(租税条約の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律第10条の2~第10条の4関係)

 その他所要の規定の整備を行うこととする。



三 租税特別措置法の一部改正(第13条関係)

 

 研究開発税制

 

(1)

 試験研究費の総額に係る特別税額控除制度について、平成18年4月1日から平成20年3月31日までの間に開始する各事業年度において、試験研究費の額のうち比較試験研究費の額を上回る部分の特別税額控除割合に100分の5を加える特例を2年間の時限措置として講ずることとする。(租税特別措置法第10条、第42条の4、第68条の9関係)

 

(2)

 中小企業技術基盤強化税制について、平成18年4月1日から平成20年3月31日までの間に開始する各事業年度において、試験研究費の額のうち比較試験研究費の額を上回る部分の特別税額控除割合に100分の5を加える特例を2年間の時限措置として講ずることとする。(租税特別措置法第10条、第42条の4、第68条の9関係)

 

(3)

 特別試験研究費の範囲に、希少疾病用医薬品等に関する試験研究費を加えることとする。(租税特別措置法第10条、第42条の4、第68条の9関係)

 情報基盤強化税制の創設
 青色申告書を提出する事業者が、平成18年4月1日から平成20年3月31日までの間に、情報基盤強化設備等の取得等をして、これを国内にある事業の用に供した場合において、一定の要件を満たすときは、その情報基盤強化設備等の基準取得価額の100分の50相当額の特別償却と100分の10相当額の特別税額控除との選択適用ができる制度を2年間の時限措置として創設することとする。また、個人又は一定の法人にあっては、一定のリース情報基盤強化設備等の賃借をして、これを国内にある事業の用に供した場合において、一定の要件を満たすときは、リース費用の総額の一定の金額について100分の10相当額の特別税額控除ができることとする。ただし、当期の税額の100分の20相当額を限度とし、控除限度超過額については1年間の繰越しができることとする。(租税特別措置法第10条の6、第42条の11、第68条の15関係)

 中小企業関係

 

(1)

 中小企業投資促進税制について、対象資産に一定のソフトウエアを加えるとともに、その適用期限を2年延長することとする。(租税特別措置法第10条の3、第42条の6、第68条の11関係)

 

(2)

 交際費等の損金不算入制度について、損金不算入となる交際費等の範囲から一定の金額以下の一定の飲食費を除外した上、平成18年4月1日から平成20年3月31日までの間に開始する各事業年度について適用することとする。(租税特別措置法第61条の4、第68条の66関係)

 

(3)

 欠損金の繰戻しによる還付の不適用制度について、創業5年以内の中小企業者の適用除外措置を2年延長することとする。(租税特別措置法第66条の12関係)

 

(4)

 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例について、当期に取得等をした少額減価償却資産の取得価額の合計額が300万円を超える場合には、その超える部分に係る減価償却資産を対象から除外した上、平成18年4月1日から平成20年3月31日までの間に取得等をする減価償却資産について適用することとする。(租税特別措置法第28条の2、第67条の5、第68条の102の2関係)

 

(5)

 中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律の経営革新計画の承認を受けた中小企業者がその計画に従って経営革新のための事業を実施している平成18年4月1日から平成20年3月31日までの間に開始する各事業年度について、留保金課税を不適用とする措置を講ずることとする。(租税特別措置法第68条の2、第68条の109関係)

 土地・住宅税制

 

(1)

 不動産の登記に係る登録免許税の税率の特例を廃止することとする。(旧租税特別措置法第72条関係)

 

(2)

 平成18年4月1日から平成20年3月31日までの間に受ける土地に関する次の登記に対する登録免許税について、それぞれ次のとおり税率を軽減することとする。(租税特別措置法第72条関係)

 

 

1

 売買による所有権の移転登記 1,000分の10(本則1,000分の20)

 

 

2

 所有権の信託の登記 1,000分の2(本則1,000分の4)

 

(3)

 中心市街地の活性化に関する法律の制定に伴い、次の措置を講ずることとする。

 

 

1

 既成市街地等内にある土地等の中高層耐火建築物等の建設のための買換え等の場合の譲渡所得の課税の特例の適用対象となる中高層の耐火共同住宅建築事業の施行区域の範囲に、同法の認定基本計画に基づいて行われる中心市街地共同住宅供給事業(都市福利施設の整備を行う事業と一体的に行われるものに限る。)の区域を加える。(租税特別措置法第37条の5関係)

 

 

2

 優良賃貸住宅等の割増償却制度について、中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律の一部を改正する等の法律の施行の日から平成20年3月31日までの間に取得等をする中心市街地優良賃貸住宅につき、5年間、普通償却限度額の100分の36(耐用年数が35年以上のものについては、100分の50)の割増償却ができる措置を加える。なお、本制度の対象となる賃貸住宅から特定優良賃貸住宅を除外する。(租税特別措置法第14条、第47条、第68条の34関係)

 

 

3

 その他所要の整備を行う。

 

(4)

 国有財産特別措置法の普通財産のうち一定の土地(以下「特定普通財産」という。)に隣接する土地(当該特定普通財産の上に存する権利を含む。)を有する者が、同法の交換の特例により当該隣接する土地と当該特定普通財産との交換をしたときは、一定の要件の下で、課税の繰延べの特例措置を講ずることとする。(租税特別措置法第37条の9の4、第66条、第68条の85の3関係)

 

(5)

 既存住宅の耐震改修をした場合の所得税額の特別控除制度の創設(租税特別措置法第41条の19の2関係)

 

 

1

 居住者が、平成18年4月1日から平成20年12月31日までの間に、一定の計画区域内において、その者の居住の用に供する家屋(昭和56年5月31日以前に建築された家屋で一定のものに限る。)の一定の耐震改修(以下「住宅耐震改修」という。)をした場合には、その者のその年分の所得税の額から、当該住宅耐震改修に要した費用の額の10%相当額(最高20万円)を控除することとする。

 

 

2

 上記1の税額控除の適用に当たっては、確定申告書に、当該税額控除の金額の計算に関する明細書、地方公共団体の長の住宅耐震改修等証明書を添付することとする。

 

(6)

 住宅取得等資金に係る相続時精算課税の特例の適用期限を2年延長することとする。(租税特別措置法第70条の3、第70条の3の2関係)

 

(7)

 給与所得者等が住宅資金の貸付け等を受けた場合の課税の特例の適用期限を2年延長することとする。(租税特別措置法第29条関係)

 

(8)

 特定目的会社が資産流動化計画に基づき特定不動産を取得した場合等の所有権の移転登記等に対する登録免許税の税率の軽減措置について、軽減税率を不動産の所有権の移転登記にあっては1,000分の8(現行1,000分の6)に、質権又は抵当権の移転登記にあっては1,000分の1.5(現行1,000分の1)にそれぞれ引き上げた上、その適用期限を2年延長することとする。(租税特別措置法第83条の3)

 国際課税
 国外支配株主等に係る負債の利子の課税の特例について、次の措置を講ずることとする。

 

(1)

 この特例の対象に、法人に資金を供与する一定の者等(以下「資金供与者等」という。)に対する負債並びに国外支配株主等及び資金供与者等に支払う一定の費用を加える。(租税特別措置法第66条の5、第68条の3の6、第68条の89関係)

 

(2)

 国外支配株主等及び資金供与者等に対する負債及びその負債の利子等から、一定の債券現先取引等に係る負債及びその負債の利子等を控除することができる。この場合、適用要件となる国外支配株主等の資本持分又は自己資本の額に係る各倍数は、2倍とする。(租税特別措置法第66条の5、第68条の3の6、第68条の89関係)

 

(注

) 上記(1)の改正は、平成18年4月1日以後に開始する事業年度について適用し、上記(2)の改正は平成18年4月1日以後に終了する事業年度について適用する。(附則第114条、第126条、第140条関係)

 社会経済情勢の変化への対応

 

(1)

 特定口座年間取引報告書の電子交付

 

 

1

 証券業者等は、特定口座年間取引報告書の交付に代えて、特定口座を開設している居住者等の承諾を得て、特定口座年間取引報告書に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができることとする。ただし、その居住者等の請求があるときは、特定口座年間取引報告書を交付しなければならないこととする。(租税特別措置法第37条の11の3関係)

 

 

2

 上記1ただし書の特定口座年間取引報告書の交付義務の違反行為については所要の罰則を設けることとする。(租税特別措置法第42条の3関係)

 

 

(注

) 上記の改正は、平成19年1月1日以後に交付する特定口座年間取引報告書について適用する。(附則第92条関係)

 

(2)

 会社法の制定に伴い、次のとおり整備を行うこととする。

 

 

1

 配当等関係

 

 

 

 確定申告を要しない配当等の金額要件に係る一回の支払額について、10万円を配当計算期間の月数(最高12月)によりあん分して計算した金額以下とする。(租税特別措置法第8条の5関係)

(注

)上記の改正は、配当等の支払に係る基準日が会社法施行日以後であるものについて適用する。(附則第77条関係)

 上場株式等の配当等に係る源泉徴収税率等の特例の適用対象から除かれる大口株主の判定は、配当等の支払に係る基準日において行う。(租税特別措置法第9条の3関係)

(注

)上記の改正は、配当等の支払に係る基準日が会社法施行日以後であるものについて適用する。(附則第78条関係)

 

 

2

 株式等に関する取引関係

 

 

 

 特定の取締役等が受ける新株予約権等の行使による株式の取得に係る経済的利益の非課税等の特例について、次の措置を講ずる。(租税特別措置法第29条の2関係)

 

(イ

) 適用対象に会社法の決議に基づき付与された新株予約権を追加する。

 

(ロ

) 適用対象者の範囲に、執行役を加える。

 

(ハ

) 特定新株予約権等の付与に関する調書及び特定株式等の異動状況に関する調書について、光ディスク等による提出の特例を設ける。

 

(注

)上記(イ)から(ハ)までの改正は、会社法施行日以後に行われる付与決議に基づき締結される契約により与えられる特定新株予約権等に係る株式について適用する。(附則第88条関係)

 

(ニ

) 上記(ハ)の調書の提出に関する国税職員の質問検査権を設けるとともに、当該調書の提出等の義務に対する違反行為については所要の罰則を設ける。(租税特別措置法第29条の2、第42条の3関係)

 

(注

)上記(ニ)の改正は、平成19年1月1日以後の質問若しくは検査又は提出について適用する。(附則第88条関係)

 株式等に係る譲渡所得等の課税の特例について、対象となる株式等の範囲に株式の割当てを受ける権利等を追加する等所要の整備を行う。(租税特別措置法第37条の10関係)

(注

)上記の改正は、会社法施行日以後に行う株式等の譲渡について適用する。(附則第90条関係)

 上場株式等を譲渡した場合の株式等に係る譲渡所得等の課税の特例及び特定上場株式等に係る譲渡所得等の非課税の適用対象となる譲渡の範囲に、発行法人が行う一株に満たない端数に係る上場株式等及び特定上場株式等の競売等による当該上場株式等及び当該特定上場株式等の譲渡を追加する。(租税特別措置法第37条の11、第37条の14関係)

(注

)上記の改正は、会社法施行日以後の上場株式等及び特定上場株式等の譲渡について適用する。(附則第91条、附則第94条関係)

 

 

3

 その他所要の整備を行う。

 

(3)

 建築物の耐震改修の促進に関する法律の改正に伴い、青色申告書を提出する事業者が、平成18年4月1日から平成20年3月31日までの間に、耐震診断により耐震改修が必要とされた特定建築物について同法の計画の認定を受けた計画に基づき行う耐震改修工事に伴い取得等をする建物部分について、その取得価額の100分の10相当額の特別償却ができる措置を講ずることとする。(租税特別措置法第11条の2、第44条、第68条の19関係)

 

(4)

 再商品化設備等の特別償却制度について、生物資源を利用した製品を製造するための機械その他の減価償却資産につき取得価額の100分の14相当額の特別償却ができる措置を加えるとともに、再生資源を利用した製品を製造するための機械その他の減価償却資産に係る措置を除外した上、その適用期限を2年延長することとする。(租税特別措置法第11条の7、第44条の7、第68条の26関係)

 

(5)

 障害者を雇用する場合の機械等の割増償却制度について、障害者雇用割合の計算の基礎となる雇用障害者数の範囲に精神障害者である短時間労働者を加えることとする。(租税特別措置法第13条、第46条の2、第68条の31関係)

 

(6)

 公共交通機関に係る障害者対応設備等の特別償却制度について、対象設備に航空運送事業用の身体障害者等の利用に資する一定の航空機を加えるとともに、その適用期限を2年延長することとする。(租税特別措置法第13条、第46条の2、第68条の31関係)

 

(7)

 保険会社等の異常危険準備金制度について、対象法人に少額短期保険業者を加えることとする。(租税特別措置法第57条の5、第68条の55関係)

 

(8)

 日本郵政株式会社が移行期間内の各事業年度において、社会・地域貢献基金を積み立てた場合には、当期に積み立てた金額を損金算入することができる社会・地域貢献準備金制度を創設することとする。(租税特別措置法第57条の9、第68条の58の2関係)

 

(9)

 株式交換等に係る課税の特例を廃止することとする。(旧租税特別措置法第37条の14、第67条の9、第67条の10、第68条の104、第68条の105関係)

 

(注

)平成18年10月1日前に行った特定子会社株式の移転による譲渡に係る所得税並びに株式交換等による移転及び子会社株式等の譲渡に係る法人税については、従前どおりとする。(附則第93条、第120条、第146条関係)

 

(10)

 農協系統金融機関の組織再編成について、認定経営基盤強化計画に基づき行う登記に対する登録免許税の税率の軽減措置の適用対象に加えた上、平成18年4月1日から平成20年3月31日までの間の措置として次の措置を講ずることとする。(租税特別措置法第80条の2、第80条の3関係)

 

 

1

 農林中央金庫が農林中央金庫及び特定農水産業協同組合等による信用事業の再編及び強化に関する法律の規定による認可を受けて信用農業協同組合連合会から一定の要件の下に事業譲渡を受けた場合の不動産の抵当権の移転登記に対する登録免許税の税率を1,000分の1.5(本則1,000分の2)に軽減する。

 

 

2

 信用農業協同組合連合会が農業協同組合法の規定による認可を受けて農業協同組合から一定の要件の下に信用事業を譲り受けた場合の不動産の抵当権の移転登記に対する登録免許税の税率を1,000分の1.5(本則1,000分の2)に軽減する。

 

 

3

 特定農業協同組合が農業協同組合法の規定による認可を受けて他の特定農業協同組合から一定の要件の下に信用事業を譲り受けた場合の不動産の抵当権の移転登記に対する登録免許税の税率を1,000分の1.5(本則1,000分の2)に軽減する。

 

 

4

 特定農業協同組合が農業協同組合法の規定による認可を受けて他の特定農業協同組合と一定の要件の下に合併をする場合の登録免許税の税率を、不動産の所有権の移転登記にあっては1,000分の2.5(本則1,000分の4)に、抵当権の移転登記にあっては1,000分の0.5(本則1,000分の1)にそれぞれ軽減する。

 

(11)

 特定外貿埠頭の管理運営に関する法律の規定により国土交通大臣の指定を受けた株式会社(以下「指定会社」という。)が、海上物流の基盤強化のための港湾法等の一部を改正する法律の施行の日から平成21年3月31日までの間に、同法の規定により外貿埠頭公団の解散及び業務の承継に関する法律に規定する指定法人から外貿埠頭その他の外貿埠頭事業に関連する不動産の出資を受けた場合において、指定会社が当該出資により取得した不動産の所有権の移転登記を受けるときは、その登記に対する登録免許税の税率を1,000分の8(平成20年4月1日以後に受ける当該出資に係るものにあっては、1,000分の15)(本則1,000分の20)に軽減する措置を講ずることとする。(租税特別措置法第82条の3関係)

 

(12)

 ビールに係る酒税の税率の特例措置について、新規参入者の適用対象期間を製造免許を受けた日から5年(現行3年)に延長した上、その適用期限を2年延長することとする。(租税特別措置法第87条の6関係)

 

(13)

 たばこ税の引上げ

 

 

1

 たばこ税の税率の特例措置について、平成18年7月1日以降当分の間、その税率を製造たばこ(専売納付金制度下において3級品とされていた紙巻たばこを除く。)については3,552円/千本(現行3,126円/千本)に、専売納付金制度下において3級品とされていた紙巻たばこについては1,686円/千本(現行1,484円/千本)に引き上げることとする。(租税特別措置法第88条関係)

 

 

2

 入国者が携帯又は別送して輸入する紙巻たばこに係るたばこ税の税率の特例措置の適用期限を1年延長した上、その税率を平成18年7月1日以降7,000円/千本(現行6,000円/千本)に引き上げることとする。(租税特別措置法第88条の2関係)

 

 

3

 その他

 

 

 

 平成18年7月1日において、製造たばこの製造場又は保税地域以外の場所で、製造たばこを販売するため一定数量以上所持する者に対して、手持品課税を行うこととする。(附則第156条関係)

 その他所要の規定の整備を行うこととする。

 その他の租税特別措置の改正
 租税特別措置について、所要の経過措置を講じた上、次の措置を講ずることとする。

 

(1)

 廃止
 次に掲げる特別措置を廃止する。

 

 

1

 研究開発税制における増加試験研究費の特別税額控除(旧租税特別措置法第10条、第42条の4、第68条の9関係)

 

 

2

 研究開発税制における試験研究費の総額に係る特別税額控除制度の特別税額控除割合の上乗せ(旧租税特別措置法第10条、第42条の4、第68条の9関係)

 

 

3

 情報通信機器等を取得した場合等の特別償却又は特別税額控除(旧租税特別措置法第10条の6、第42条の11、第68条の15関係)

 

 

4

 電線類地中化設備の特別償却(旧租税特別措置法第11条、第43条、第68条の16関係)

 

 

5

 航空機の特別償却(旧租税特別措置法第43条、第68条の16関係)

 

 

6

 開発研究用設備の特別償却(旧租税特別措置法第11条の3、第44条の3、第68条の20の2関係)

 

 

7

 漁業経営改善計画を実施する者の漁船の割増償却(旧租税特別措置法第13条の4、第46条の4、第68条の33関係)

 

 

8

 ガス熱量変更準備金(旧租税特別措置法第56条の2、第68条の49関係)

 

 

9

 中小企業者等に対する同族会社の特別税率の不適用(旧租税特別措置法第68条の2、第68条の109関係)

 

 

10

 農林中央金庫等が特定農業協同組合等から事業譲渡により不動産に関する権利を取得した場合の所有権の移転登記等に対する登録免許税の税率の軽減(旧租税特別措置法第78条の2関係)

 

 

11

 農業協同組合が農業協同組合法の規定により農業協同組合連合会の権利義務を包括承継した場合の不動産の権利の移転登記に対する登録免許税の税率の軽減(旧租税特別措置法第78条の2関係)

 

 

12

 漁業経営改善計画を実施する漁業者が取得する漁船の所有権の保存登記等に対する登録免許税の税率の軽減(旧租税特別措置法第79条関係)

 

(2)

 縮減等

 

 

1

 特別償却

 

 

 

 特定電気通信設備等の特別償却制度について、次のとおり見直しを行った上、その適用期限を平成20年3月31日まで延長する。(租税特別措置法第11条の4、第44条の4、第68条の23関係)

 

(イ

) 電気通信利便性充実設備に係る措置について、有線テレビジョン放送に係る一定の設備の償却割合の上乗せ措置を廃止する。

 

(ロ

) 広帯域加入者網普及促進設備に係る措置について、償却割合を100分の10(現行100分の12)に引き下げる。

 商業施設等の特別償却制度について、適用対象から中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律に係る措置を除外する。(租税特別措置法第11条の5、第44条の5、第68条の24関係)

 農業経営改善計画等を実施する者の機械等の割増償却制度について、適用対象から共同改善計画に係る措置を除外する。(租税特別措置法第13条の3、第46条の3、第68条の32関係)

 

 

2

 準備金等

 

 

 

 特定災害防止準備金制度について、適用対象から最終処分災害防止準備金(維持管理積立金の積立てがされるべき特定廃棄物最終処分場に係るものを除く。)を除外した上、特定廃棄物最終処分場の維持管理積立金に係る措置の適用期限を2年延長する。(租税特別措置法第20条の2、第20条の3、第55条の6、第55条の7、第68条の45、第68条の46関係)

 収用等に伴い特別勘定を設けた場合の課税の特例等について、特別勘定を有する者が非適格株式交換等を行った場合には、一定の特別勘定について益金算入する。(租税特別措置法第64条の2、第65条の8、第65条の12、第65条の14、第68条の71、第68条の79、第68条の83、第68条の85関係)

 特定の資産の買換えの場合等の課税の特例について、次のとおり見直しを行った上、その適用期限を5年延長する。(租税特別措置法第37条、第65条の7~第65条の9、第68条の78~第68条の80関係)

 

(イ

) 次の買換えを適用対象から除外する。

 

 

 低開発地域工業開発地区等及び誘致区域の外から低開発地域工業開発地区等内への買換えのうち低開発地域工業開発地区に係る措置

 

 

 特定農山村地域内の所有権移転等促進計画に定めるところによる買換え

 

 

 沿道地区計画の区域内の沿道整備権利移転等促進計画に定めるところによる買換え

 

(ロ

) 船舶から船舶への買換えのうち漁船から漁船への買換え以外のものについて、適用対象となる買換資産を一定の要件に該当する船舶に限定す
る。

 金融機関等の受取配当等の益金不算入等の特例について、適用対象から銀行持株会社等に係る措置を除外する。(旧租税特別措置法第67条の6関
係)

 

 

3

 登録免許税の特例

 

 

 

 農林漁業金融公庫資金等の転貸の場合の抵当権の設定登記に対する税率の軽減措置について、軽減税率を1,000分の2(現行1,000分の1.5)に引き上げた上、その適用期限を1年延長する。(租税特別措置法第78条関係)

 漁業協同組合が水産業協同組合法の規定により漁業協同組合連合会の権利義務を包括承継した場合の不動産の所有権の移転登記等に対する税率の軽減措置について、軽減税率を、不動産の所有権の移転登記にあっては 1,000分の4(現行1,000分の2)に、不動産の地上権又は賃借権の移転登記にあっては1,000分の2(現行1,000分の1)にそれぞれ引き上げた上、その適用期限を2年延長する。(租税特別措置法第78条の2関係)

 漁業協同組合が漁業協同組合合併促進法の規定による認定を受けて合併した場合の不動産の所有権の移転登記等に対する税率の軽減措置について、軽減税率を、不動産の所有権の移転登記にあっては1,000分の2(現行1,000分の1)に、不動産の地上権又は賃借権の移転登記にあっては1,000分の1(現行1,000分の0.5)にそれぞれ引き上げた上、その適用期限を2年延長する。(租税特別措置法第78条の2関係)

 卸売市場法の規定による認定に係る登記に対する税率の軽減措置について、適用対象を卸売業者及び仲卸業者とするとともに、軽減税率を、合併による法人の設立の場合等における不動産の所有権の移転登記にあっては1,000分の3(平成18年4月1日から平成20年3月31日までの間に受ける認定に係るものにあっては、1,000分の2)(現行1,000分の1)に、平成20年4月1日以後に受ける認定に係る会社の設立の登記及び資本の増加の登記における純増部分の登記にあっては1,000分の5(現行1,000分の3.5)にそれぞれ引き上げる等の改正を行った上、その適用期限を3年延長する。(租税特別措置法第79条、附則第186条関係)

 会社分割に伴う不動産の所有権の移転登記等に対する税率の軽減措置について、不動産に関する権利の登記の軽減税率を次のとおり引き上げた上、その適用期限を3年延長する。
 なお、不動産に関する権利以外の権利の登記については、2年間に限り、本則税率と現行の軽減税率との中間水準の税率とする措置を講ずる。(租税特別措置法第81条関係)

 

(イ

) 所有権の移転登記 1,000分の4(平成20年4月1日以後の分割に係るもの 1,000分の8)(現行1,000分の2)

 

(ロ

) 地上権等の移転登記 1,000分の2(平成20年4月1日以後の分割に係るもの 1,000分の4)(現行1,000分の1)

 

(ハ

) 先取特権等の移転登記 1,000分の1.2(平成20年4月1日以後の分割に係るもの 1,000分の1.4)(現行1,000分の1)

 

(ニ

) 所有権の移転の仮登記等 1,000分の2(平成20年4月1日以後の分割に係るもの 1,000分の4)(現行1,000分の1)

 

(ホ

) 地上権等の移転の仮登記等 1,000分の1(平成20年4月1日以後の分割に係るもの 1,000分の2)(現行1,000分の0.5)

 国際船舶の所有権の保存登記等に対する税率の軽減措置について、平成18年4月1日から平成20年3月31日までの間に、建造又は取得した国際船舶に係る所有権の保存登記及び抵当権の設定登記の軽減税率を1,000分の2.5(現行1,000分の2)に引き上げた上、その適用期限を2年延長する。(租税特別措置法第82条の2関係)

 認定民間都市再生事業計画に基づき土地等を取得した場合等の所有権の移転登記等に対する税率の軽減措置について、適用対象を認定事業者とするとともに、軽減税率を、土地の所有権の移転登記にあっては1,000分の8(現行1,000分の7)に、建物の所有権の保存登記(国土交通大臣の認定の日から3年以内に建築した場合に限る。)にあっては1,000分の3(現行1,000分の1.5)にそれぞれ引き上げる等の改正を行った上、その適用期限を1年延長する。(租税特別措置法第83条関係)

 

(3)

 適用期限の延長

 

 

1

 使途秘匿金の支出がある場合の課税の特例の適用期限を2年延長する。(租税特別措置法第62条、第68条の67関係)

 

 

2

 欠損金の繰戻しによる還付の不適用制度の適用期限を2年延長する。(租税特別措置法第66条の12、第68条の98関係)

 

 

3

 次に掲げる租税特別措置の適用期限を2年延長する。

 

 

 

 エネルギー需給構造改革推進投資促進税制(租税特別措置法第10条の2、第42条の5、第68条の10関係)

 海外投資等損失準備金(租税特別措置法第55条、第68条の43関係)

 金属鉱業等鉱害防止準備金(租税特別措置法第20条、第55条の5、第68条の44関係)

 民間国外債等の利子及び発行差金の課税の特例(租税特別措置法第6条、第41条の13、第67条の16関係)

 特別国際金融取引勘定において経理された預金等の利子の非課税(租税特別措置法第7条、第67条の11関係)

 外国金融機関等の債券現先取引に係る利子の課税の特例(租税特別措置法第42条の2、第67条の16関係)

 マンション建替事業の施行者等が受ける権利変換手続開始の登記等の免税(租税特別措置法第75条関係)

 農地保有合理化法人が農用地を取得した場合の所有権の移転登記の税率の軽減(租税特別措置法第76条関係)

 関西国際空港株式会社等の登記の免税(租税特別措置法第82条関係)

 特定の輸入石油製品等に係る石油石炭税の免税(租税特別措置法第90条の4関係)

 特定の国産石油製品に係る石油石炭税の還付(租税特別措置法第90条の5、第90条の6関係)

 

 

4

 次に掲げる特別措置の適用期限を1年延長する。

 

 

 

 倉庫用建物等の割増償却(租税特別措置法第15条、第48条、第68条の36関係)

 入国者が輸入するウイスキー等に係る酒税の税率の特例(租税特別措置法第87条の5関係)

 その他

 

(1)

 低アルコール分の蒸留酒類等に係る酒税の税率の特例措置について、蒸留酒類等のうちアルコール分が13度未満のもの(リキュールについては、アルコール分が12度未満のもの)に係る酒税の税率を1kl当たり次のとおりとすることとする。(租税特別措置法第87条の2関係)

 

 

1

 アルコール分が9度未満のもの

80,000円

2

 アルコール分が9度以上13度未満のもの

 

 

 80,000円にアルコール分が8度を超える1度ごとに10,000円を加えた金額

(注

)上記の改正は、平成18年5月1日から施行する。(附則第1条関係)

 

(2)

 二輪の小型自動車の自動車検査証の有効期間が初回のみ3年とされることに伴い、自動車検査証の有効期間が3年とされる二輪の小型自動車に係る自動車重量税の特例税率を、営業用自動車にあっては5,100円と、営業用自動車以外の自動車にあっては7,500円とすることとする。(租税特別措置法第90条の11関係)

 

(3)

 その他所要の税制の整備を行うこととする。



四 経済社会の変化等に対応して早急に講ずべき所得税及び法人税の負担軽減措置に関する法律の廃止(第14条関係)

 

 経済社会の変化等に対応して早急に講ずべき所得税及び法人税の負担軽減措置に関する法律は、廃止することとする。

(注

) 平成18年分以前の所得税及び平成19年1月1日前に開始した事業年度の所得に対する法人税等については、従前どおりとする。(附則第158条、第161条関係)

 その他所要の経過措置等を講ずることとする。



五 施行期日

 

 この法律は、別段の定めがあるものを除き、平成18年4月1日から施行することとする。(附則第1条関係)