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所得税法等の一部を改正する法律案要綱

二 租税特別措置法及び阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律の一部改正(第12条及び第13条関係)


 研究開発減税

(1)

 試験研究費の総額に係る特別税額控除制度の創設
 試験研究費の額が増加した場合の特別税額控除制度との選択制で、試験研究費の総額に対し次の控除割合による特別税額控除を認めることとする。ただし、当期の税額の100分の20相当額を限度とする。 (租税特別措置法第10条、第42条の4、第68条の9関係)

1

 特別税額控除割合は、試験研究費の総額の平均売上金額(当期を含む4年間の売上金額の平均額)に対する割合(以下「試験研究費割合」という。)に応じ、次のとおりとする。


 試験研究費割合が100分の10以上 100分の10


 試験研究費割合が100分の10未満 100分の8+試験研究費割合×0.2

2

 3年間の時限措置として、上記1の特別税額控除割合に100分の2を上乗せし、試験研究費割合に応じ、次のとおりとする。


 試験研究費割合が100分の10以上 100分の12


 試験研究費割合が100分の10未満 100分の10+試験研究費割合×0.2

(2)

 産学官連携の共同研究・委託研究に係る特別税額控除制度の創設
 国の試験研究機関、大学等との共同試験研究等に係る試験研究費の額がある場合には、当該試験研究費の額について上記(1)を適用するとともに、100分の12から上記(1)1の税額控除割合を控除した割合による特別税額控除を認めることとする。ただし、上記(1)の特別税額控除額と合計して、当期の税額の100分の20相当額を限度とする。 (租税特別措置法第10条、第42条の4、第68条の9関係)
 なお、3年間の時限措置として、上記特別税額控除割合に100分の3を上乗せし、特別税額控除割合を100分の15とする。

(3)

 中小企業技術基盤強化税制の拡充
 中小企業技術基盤強化税制について、試験研究費の額が増加した場合の特別税額控除制度並びに上記(1)及び(2)の特別税額控除制度の適用に代えて、試験研究費の総額の100分の12(現行100分の6(平成15年3月31日までは100分の10))相当額の特別税額控除を認めることとする。ただし、当期の税額の100分の20相当額を限度とする。 (租税特別措置法第10条、第42条の4、第68条の9関係)
 なお、3年間の時限措置として、上記特別税額控除割合に100分の3を上乗せし、特別税額控除割合を100分の15とする。

(4)

 税額控除限度超過額の繰越控除(1年)
 前1年以内に開始した事業年度又は連結事業年度において、上記(1)から(3)までの特別税額控除制度による控除をしても控除しきれない金額がある場合に、その事業年度又は連結事業年度の試験研究費の総額が前事業年度又は前連結事業年度の試験研究費の総額を超えるときは、その控除しきれない金額の繰越控除を認めることとする。ただし、当期における上記(1)から(3)までの特別税額控除額と合計して、当期の税額の100分の20相当額を限度とする。 (租税特別措置法第10条、第42条の4、第68条の9関係)

(5)

 試験研究費の額が増加した場合の特別税額控除制度の適用期限の延長等
 試験研究費の額が増加した場合の特別税額控除制度について、特別試験研究費の範囲を見直すとともに、その適用期限を3年延長することとする。 (租税特別措置法第10条、第42条の4、第68条の9関係)

(注

)上記(1)から(3)までの措置は、平成15年1月1日以後に開始する事業年度又は連結親法人事業年度で、かつ、平成15年4月1日以後に終了する事業年度又は連結事業年度について適用し、個人については、平成15年分以後の所得税について適用する。 (附則第58条、第88条、第107条関係)


 設備投資減税

(1)

 情報通信機器等を取得した場合等の特別償却又は特別税額控除制度の創設
 平成15年1月1日から平成18年3月31日までの期間内に、一定の情報通信機器等の取得等をして、これを国内にある事業の用に供した場合には、取得価額の100分の50相当額の特別償却と取得価額の100分の10相当額の特別税額控除との選択適用を認めることとする。また、一定の個人又は法人にあっては、一定のリース情報通信機器等の賃借をして、これを国内にある事業の用に供した場合には、リース費用の一定額について100分の10相当額の特別税額控除を認めることとする。ただし、当期の税額の100分の20相当額を限度とし、控除限度超過額については1年間の繰越しを認める。 (租税特別措置法第10条の6、第42条の11、第68条の15関係)

(2)

 開発研究用設備の特別償却制度の創設
 平成15年1月1日から平成18年3月31日までの期間内に、一定の開発研究用設備の取得等をして、これを国内にある開発研究の用に供した場合には、その取得価額の100分の50相当額の特別償却を認めることとする。 (租税特別措置法第11条の3、第44条の3、第68条の20の2関係)

(注

)上記(1)及び(2)の措置は、平成15年4月1日以後に終了する事業年度又は連結事業年度について適用し、個人については、平成15年分以後の所得税について適用する。
 なお、同日前に終了する事業年度又は連結事業年度において平成15年1月1日から平成15年3月31日までの間に対象設備等の取得等をした場合には、平成15年4月1日を含む事業年度又は連結事業年度において、特別償却相当額又は特別税額控除相当額の償却又は繰越控除を認める。 (租税特別措置法第42条の11、第44条の3、第68条の15、第68条の20の2関係)


 中小企業・ベンチャー企業支援

(1)

 同族会社の留保金課税制度について、自己資本比率(総資産に占める自己資本の割合)が100分の50以下の中小法人又は中小連結親法人(資本金1億円以下の法人又は連結親法人)の、平成15年4月1日から平成18年3月31日までの間に開始する事業年度又は連結親法人事業年度については、留保金課税を適用しない措置を講ずるとともに、課税留保金額に対する税額の5%軽減措置を廃止することとする。 (租税特別措置法第68条の2、第68条の109関係)

(2)

 交際費等の損金不算入制度について、400万円の定額控除を認める対象法人の範囲を資本金1億円以下(現行5,000万円以下)の中小法人又は中小連結法人に拡大するとともに、定額控除額までの金額の損金不算入割合を100分の20から100分の10に引き下げた上、その適用期限を3年延長することとする。 (租税特別措置法第61条の4、第68条の66関係)

(3)

 中小企業者等又は中小連結法人等が、平成15年4月1日から平成18年3月31日までの間に、取得価額30万円未満の減価償却資産を取得した場合には、その取得価額の全額の損金算入等を認めることとする。 (租税特別措置法第28条の2、第67条の8、第68条の103の2関係)

(4)

 特定中小会社が発行した株式に係る課税の特例について、次の措置を講ずることとする。

1

 中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法の特定中小会社の特定株式を払込みにより取得した場合に、一定の要件の下で、その取得をした年分の株式等に係る譲渡所得等の金額からその特定株式の取得に要した金額(当該株式等に係る譲渡所得等の金額を限度とする。)を控除する特例を創設する。 (租税特別措置法第37条の13関係)

2

 特定中小会社の特定株式を当該特定中小会社が発行した株式に係る上場等の日以後に譲渡した場合の譲渡所得等の課税の特例の要件とされている譲渡期間を、当該上場等の日以後3年以内(現行1年以内)に延長する。 (租税特別措置法第37条の13の3関係)

(5)

 事業基盤強化設備を取得した場合等の特別償却又は特別税額控除制度について、事業化設備等を取得した場合等の特別償却又は特別税額控除制度を統合するとともに、適用対象者から飲食店業を営む大規模法人、中小企業における労働力の確保及び良好な雇用の機会の創出のための雇用管理の改善の促進に関する法律の認定計画に従って改善事業を実施する認定組合等及びその構成員並びに産業活力再生特別措置法の認定事業再構築計画に従って事業再構築を行う中小企業者を除外した上、その適用期限を2年延長することとする。 (租税特別措置法第10条の4、第42条の7、第68条の12関係)

(6)

 商業施設等の特別償却制度について、中小小売商業振興法の商店街整備等支援計画に係る措置を除外した上、その適用期限を2年延長することとする。 (租税特別措置法第11条の7、第44条の7、第68条の24関係)


 金融・証券税制

(1)

 配当課税の見直し

1

 上場株式等の配当等に対する源泉徴収税率の特例の創設
 平成15年4月1日以後に支払を受ける一定の上場株式等の配当等について、源泉徴収税率を15%(本則20%)に軽減することとする。
 なお、平成15年4月1日以後5年間に支払を受ける当該一定の上場株式等の配当等に係る源泉徴収税率については、平成15年4月1日から同年12月31日までは10%、平成16年1月1日から平成20年3月31日までは7%の税率を適用することとする。 (租税特別措置法第9条の3、附則第68条関係)

2

 上場株式等の配当所得に係る申告不要の特例の適用上限額の撤廃
 少額配当の申告不要の特例の対象となる配当等のうち平成15年4月1日以後に支払を受ける一定の上場株式等の配当等については、1回の支払金額に係る適用上限額を撤廃することとする。 (租税特別措置法第8条の5関係)

3

 株式等に係る配当所得の35%の税率による源泉分離選択課税の特例は、平成15年3月31日をもって廃止することとする。 (旧租税特別措置法第8条の5関係)

(2)

 投資信託課税の見直し
 公募証券投資信託(公社債投資信託を除く。以下同じ。)については、平成16年1月1日以後、現行の利子並み課税の対象から除外した上、次の措置を講ずることとする。

1

 公募証券投資信託の収益の分配に係る配当等を上記(1)1及び2の特例の対象とする。 (租税特別措置法第8条の2、第8条の3、第8条の5、第9条の3関係)

2

 公募証券投資信託の償還又は一部解約により支払われる金額は、その公募証券投資信託について信託された金額のうちその受益証券に係る部分の金額までを限り、株式等の譲渡所得等に係る収入金額とみなす。 (租税特別措置法第37条の10関係)

(3)

 上場株式等に係る譲渡所得等に関する特例措置の見直し

1

 平成15年1月1日から平成19年12月31日までの間に上場株式等を譲渡したときは、その譲渡による上場株式等に係る譲渡所得等の金額に対して課する所得税の額は、上場株式等に係る課税譲渡所得等の金額の7%に相当する金額とすることとする。 (租税特別措置法第37条の11関係)

2

 上記1の特例の創設に伴い、次の特例を廃止することとする。
 

 長期所有上場特定株式等の譲渡所得に係る100万円特別控除の特例(旧租税特別措置法第37条の10関係)
 

 長期所有上場株式等に係る譲渡所得等に対する暫定税率の特例(旧租税特別措置法第37条の11関係)

(注

)上記の改正は、平成15年分以後の所得税について適用する。 (附則第58条関係)

(4)

 源泉徴収選択口座等の改善

1

 源泉徴収方式の改善(年間分一括納付方式への変更)


 平成16年以後の源泉徴収選択口座(源泉徴収を選択した特定口座をいう。)における源泉徴収の方式について、譲渡等の都度、証券業者がその源泉徴収選択口座に係る年初からの通算所得金額の増減額の15%(平成19年までは7%)相当額の所得税の源泉徴収又は還付を行うとともに、年末において還付されずに残っている源泉徴収税額を原則として翌年1月10日までに納付する方式に改めることとする。 (租税特別措置法第37条の11の4関係)


 平成15年中の源泉徴収選択口座における源泉徴収の方式については、15%(同年4月以降は7%)の税率による源泉徴収並びに月ごとの納付及び還付の仕組みを維持した上、証券業者が源泉徴収選択口座においてその年中に源泉徴収をした所得税の合計額(還付をした金額を除く。)のうちその源泉徴収選択口座に係る年間通算所得金額の7%相当額を超える部分の金額をその源泉徴収選択口座を開設した者に還付する措置を講ずることとする。 (附則第79条関係)

2

 源泉徴収選択口座に係る特定口座年間取引報告書の提出不要
 源泉徴収選択口座に係る特定口座年間取引報告書について、税務署長への提出を不要とすることとする。 (租税特別措置法第37条の11の4、附則第79条関係)

(5)

 その他

1

 金融機関等の受ける利子所得に対する源泉徴収の不適用の特例について、次の措置を講ずることとする。 (租税特別措置法第8条関係)


 適用対象となる証券業者等の範囲に、証券取引清算機関を加える。


 適用対象に、公社債の主たる取引者とされる一定の内国法人が支払を受ける公社債の利子のうち、社債等の振替に関する法律に規定する振替口座簿に記載又は記録がされた公社債の利子でその記載又は記録されていた期間内に生じたものを加える。

2

 償還差益に対する発行時源泉徴収免除の特例の対象となる短期公社債の範囲に、国有林野事業特別会計法又は石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計法の規定により発行される国債を加えることとする。 (租税特別措置法第41条の12関係)


 土地・住宅税制

(1)

 登録免許税

1

 不動産の価額を課税標準とする土地の登記に係る登録免許税について、課税標準を固定資産課税台帳の登録価格の3分の1とする措置を廃止することとする。 (旧租税特別措置法第84条の5関係)

2

 不動産の価額を課税標準とする登記に係る登録免許税については、平成15年4月1日から平成18年3月31日までの間の措置として、五1の新税率を2分の1に軽減することとする。 (租税特別措置法第72条関係)

3

 上記五1並びに上記1及び2の改正に伴い、以下の租税特別措置について税率の調整その他所要の規定の整備を行うこととする。


 国有農地等の所有権の移転登記等に対する登録免許税の税率の軽減(租税特別措置法第76条関係)


 農地保有合理化法人が農用地等を取得した場合の所有権の移転登記に対する登録免許税の税率の軽減(租税特別措置法第77条関係)


 勧告等によってする登記に対する登録免許税の税率の軽減(租税特別措置法第80条関係)


 会社分割に伴う不動産の所有権の移転登記等に対する登録免許税の税率の軽減(租税特別措置法第81条関係)


 民間都市開発推進機構が取得する土地の所有権の移転登記に対する登録免許税の税率の軽減(租税特別措置法第83条の2関係)


 特定目的会社が資産流動化計画に基づき特定不動産を取得した場合等の所有権の移転登記等に対する登録免許税の税率の軽減(租税特別措置法第83条の4関係)

(2)

 都市再生特別措置法の制定に関連して、以下の措置を講ずることとする。

1

 優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例等の対象となる土地等の譲渡の範囲に、都市再生特別措置法の認定を受けて一定の要件を満たす都市再生事業を行う同法の認定事業者等に対する土地等の譲渡で当該譲渡に係る土地等が当該事業の用に供されるものを加える。 (租税特別措置法第31条の2、第62条の3、第68条の68関係)

2

 都市再生特別措置法の認定を受けて行われる一定の要件を満たす都市再生事業により建築された建築物につき、5年間普通償却限度額の100分の50の割増償却を認める。 (租税特別措置法第14条の2、第47条の2、第68条の35関係)

3

 都市再生特別措置法に規定する認定事業者が、平成18年3月31日までに国土交通大臣の認定を受けた同法に規定する認定計画(以下「認定民間都市再生事業計画」という。)に基づき都市再生事業のうち一定のもの(以下「特定民間都市再生事業」という。)の用に供するため、その認定後2年以内に当該特定民間都市再生事業の事業区域内の土地を取得する場合における所有権の移転登記については、登録免許税の税率を1,000分の7(平成17年3月31日までに認定を受けた認定民間都市再生事業計画に基づき取得する土地の所有権の移転登記については、1,000分の5)(本則1,000分の20)に軽減する。 (租税特別措置法第83条の3関係)

4

 都市再生特別措置法に規定する認定事業者が、認定民間都市再生事業計画に基づき特定民間都市再生事業により建築される建物を取得する場合における所有権の保存登記については、登録免許税の税率を1,000分の1.5(本則1,000分の4)に軽減する。 (租税特別措置法第83条の3関係)

5

 認定民間都市再生事業に係る特定民間都市再生事業の事業区域内の土地に関する権利を有していた者が、当該認定民間都市再生事業計画に基づきその認定後2年以内に当該認定計画に係る特定民間都市再生事業を実施する同法に規定する認定事業者等にその土地に関する権利の譲渡をし、その譲渡をした権利に代わるものとして当該認定事業者等から当該認定民間都市再生事業計画に従って建築された建築物の敷地の用に供されている土地の所有権を取得した場合における所有権の移転登記については、登録免許税の税率を1,000分の8(本則1,000分の20)に軽減する。 (租税特別措置法第83条の3関係)

(3)

 住宅取得等資金に係る相続時精算課税制度の特例の創設等

1

 20歳以上の一定の受贈者が自己の居住の用に供する一定の家屋を取得するための資金又は自己の居住の用に供する家屋の一定の増改築のための資金(以下「住宅取得等資金」という。)を親からの贈与により取得した場合には、その親が65歳未満である場合においても上記三1(1)の相続時精算課税の適用を選択することができることとする。 (租税特別措置法第70条の3関係)

2

 三1の相続時精算課税適用者及び上記1の特定受贈者が住宅取得等資金を贈与により取得した場合における三1(4)1の特別控除は、当該住宅取得等資金に限り1,000万円を加算し、3,500万円とすることとする。 (租税特別措置法第70条の3の2関係)

(注

)上記1及び2の特例は、平成15年1月1日から平成17年12月31日までの間に贈与により取得する住宅取得等資金について適用する。 (附則第123条関係)

3

 住宅取得資金等の贈与を受けた場合の贈与税額の計算の特例については、平成17年12月31日までの経過措置を講じた上、廃止することとする。(附則第123条関係)

(注

3の経過措置の適用を受けた者は、当該贈与を受けた年以後5年間は、当該贈与に係る贈与者からの贈与について、相続時精算課税制度は適用できない。 (附則第123条関係)

(4)

 優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例等の対象となる土地等の譲渡の範囲に、マンションの建替えの円滑化等に関する法律の買取請求に基づくマンション建替事業の施行者に対する土地等の譲渡又は一定の要件を満たすマンション建替事業の施行者に対する隣接施行敷地に係る土地等の譲渡で当該譲渡に係る土地等がこれらの事業の用に供されるものを加えることとする。 (租税特別措置法第31条の2、第62条の3、第68条の68関係)

(5)

 特定住宅地造成事業等のために土地等を譲渡した場合の1,500万円特別控除の対象に、マンション建替事業が施行された場合においてやむを得ない事情により土地等がマンションの建替えの円滑化等に関する法律の買取請求に基づきマンション建替事業の施行者に買い取られるときを加えることとする。 (租税特別措置法第34条の2、第65条の4、第68条の75関係)

(6)

 不動産の譲渡に関する契約書等に係る印紙税の税率の特例措置の適用期限を2年延長することとする。 (租税特別措置法第91条関係)

(7)

 住宅の取得等をして住宅ローン控除の適用を受けていた居住者が、給与等の支払者から転任の命令その他これに準ずるやむを得ない事由によりその住宅をその者の居住の用に供しなくなった後、当該住宅に再び入居した場合には、一定の要件の下で、当該住宅の取得等に係る住宅ローン控除の適用年のうちその者が再び入居した日の属する年(以下「再居住年」という。)以後の各適用年(当該再居住年に当該住宅を賃貸の用に供していた場合には当該再居住年の翌年以後の各適用年)について住宅ローン控除の再適用を受けることができることとする。 (租税特別措置法第41条関係)

(注

)上記の改正は、平成15年4月1日以後に居住の用に供しなくなった場合について適用する。 (附則第83条関係)

(8)

 既存建築物を有する者が、平成15年4月1日から平成17年3月31日までの間に、その建築物を一定の優良賃貸住宅に改良した場合には、その工事によって取得した建物等について、取得価額の100分の10の特別償却を認めることとする。 (租税特別措置法第14条、第47条、第68条の34関係)

(9)

 マンション建替事業の施行者等が受ける権利変換手続開始の登記等に対する登録免許税の免税措置の適用対象に、マンション建替組合が組合員からの買取請求により取得する区分所有権及び敷地利用権の取得の登記を加えることとする。 (租税特別措置法第75条関係)

(10

) 住宅用家屋の所有権の保存登記若しくは移転登記又は住宅取得資金の貸付け等に係る抵当権の設定登記に対する登録免許税の税率の軽減措置について、所要の規定の整備を行った上、適用期限を2年延長することとする。 (租税特別措置法第72条の2~第74条)


 社会経済情勢の変化への対応

(1)

 産業活力再生特別措置法の改正に伴い、次の措置を講ずる。なお、現行の産業活力再生特別措置法に係る措置は、次の4の措置を除き、廃止することとする。

1

 改正後の産業活力再生特別措置法の事業革新設備を導入する旨の記載がある計画の認定事業者等が取得等をする事業革新設備について、取得価額の100分の24(同法の事業再構築計画又は経営資源再活用計画の認定事業者等が取得等をする事業革新設備については、100分の30とし、同法の共同事業再編計画の認定事業者等が取得等をする事業革新設備については、100分の40とする。)の特別償却を認める。 (租税特別措置法第11条の4、第44条の4、第68条の21関係)

2

 改正後の産業活力再生特別措置法の共同事業再編計画の認定事業者が、当該共同事業再編計画に従い、共同で現物出資により共同新設会社を設立する際に生ずる譲渡益について、一定の要件の下に、課税の繰延べを認める。 (租税特別措置法第66条、第68条の86関係)

3

 次に掲げる事項について登記を受ける場合において、当該事項が、改正後の産業活力再生特別措置法に規定する認定事業再構築計画、認定共同事業再編計画又は認定経営資源再活用計画に係る認定(平成20年3月31日までに受けたものに限る。)に係るものであるときは、当該登記に対する登録免許税の税率を次のとおり軽減する。 (租税特別措置法第80条の2関係)


 株式会社又は有限会社の設立又は資本の増加(ロに該当するものを除く。)
 1,000分の2.5(平成18年3月31日までに受けた認定に係るものについては、1,000分の1.5)  (本則1,000分の7)


 合併又は分割による株式会社又は有限会社の設立又は資本の増加
  1,000分の1(本則1,000分の1.5)



増加した資本の金額のうち、合併により消滅した会社又は分割をした会社の資本の金額を超える部分については、1,000分の2.5(平成18年3月31日までに受けた認定に係るものについては、1,000分の1.5)  (本則1,000分の7)




 法人の設立等の場合における船舶の所有権の取得(ホに該当するものを除く。)
1,000分の23(本則1,000分の28)


 合併による法人の設立等の場合における不動産又は船舶の所有権の取得

(イ

) 不動産の所有権の取得
 1,000分の1.5(平成18年3月31日までに受けた認定に係るものについて は、1,000分の1)(本則1,000分の4)

(ロ

) 船舶の所有権の取得
 1,000分の3(本則1,000分の4)

4

 産業活力再生特別措置法の設備廃棄等による欠損金額の特例措置について、その対象となる計画に改正後の産業活力再生特別措置法の共同事業再編計画及び経営資源再活用計画を加えるとともに、欠損金の繰越期間の特例につき適用期限を2年延長する。 (租税特別措置法第66条の12関係)

(2)

 飼料の製造業者が、平成15年4月1日から平成17年3月31日までの間に、牛海綿状脳症のまん延の防止に寄与する飼料製造設備等の取得等をした場合には、取得価額の100分の18(建物等については、100分の9)の特別償却を認めることとする。 (租税特別措置法第44条の8、第68条の24の2関係)

(3)

 再商品化設備等の特別償却制度について、対象設備に自動車破砕残さの再資源化をするための施設を加えるほか、基準取得価額の見直しを行うこととする。 (租税特別措置法第11条の9、第44条の9、第68条の25関係)

(4)

 離島振興対策実施地域における工業用機械等の特別償却制度について、対象事業及び対象資産の見直しを行うこととする。 (租税特別措置法第12条、第45条、第68条の27関係)

(5)

 医療用機器等の特別償却制度について、次の見直しを行った上、その適用期限を2年延長することとする。 (租税特別措置法第12条の2、第12条の3、第45条の2、第68条の29関係)

1

 対象設備から看護業務省力化機器を除外するとともに、新たに医療の安全の確保に資する医療用機器等について、取得価額の100分の20の特別償却を認める。

2

 建替え病院用建物の特別償却の対象資産に一定の有床診療所の療養病床を加える。

(6)

 農業経営改善計画等を実施する者の機械等の割増償却制度について、割増償却の対象期間を拡充した上、その適用期限(認定期限)を2年延長することとする。 (租税特別措置法第13条の3、第46条の3、第68条の32関係)

(7)

 漁業協同組合が、平成15年4月1日又は漁業協同組合合併促進法の一部を改正する法律の施行の日の翌日のいずれか遅い日から平成18年3月31日までの間に、漁業協同組合合併促進法による都道府県知事の認定を受けて行う一定の合併により取得した不動産又は船舶に係る次の登記に対する登録免許税について、次のように軽減する措置を講ずることとする。 (租税特別措置法第78条の2関係)

1 不動産の所有権の移転登記

1,000分の1(本則1,000分の4)

2 不動産の地上権等の移転登記

   1,000分の0.5(本則1,000分の2)

3 船舶の所有権の移転登記

1,000分の2(本則1,000分の4)

(8)

 次に掲げる事項について登記を受ける場合において、当該事項が、金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措置法に規定する認定経営基盤強化計画に係る認定(平成20年3月31日までに一定の金融機関等が受けたものに限る。)に係るものであるときは、当該登記に対する登録免許税の税率を次のとおり軽減する。 (租税特別措置法第80条の3関係)

1

 株式会社の設立又は資本の増加(2に該当するものを除く。)
 1,000分の2.5(平成18年3月31日までに受けた認定に係るものについては、1,000分の1.5)(本則1,000分の7)

2

 合併又は分割による株式会社の設立又は資本の増加
 1,000分の1(本則1,000分の1.5)



増加した資本の金額のうち、合併により消滅した会社又は分割をした会社の資本の金額を超える部分については、1,000分の2.5(平成18年3月31日までに受けた認定に係るものについては、1,000分の1.5)(本則 1,000分の7)



3

 合併による法人の設立等の場合における不動産の所有権の取得
 1,000分の1.5(平成18年3月31日までに受けた認定に係るものについては、1,000分の1)(本則1,000分の4)

4

 法人の設立等の場合における抵当権の取得
 1,000分の1.5(平成18年3月31日までに受けた認定に係るものについては、1,000分の1)(本則1,000分の2)

5

 合併による法人の設立等の場合における抵当権の取得
 1,000分の0.5(本則1,000分の1)

(9)

 株式会社産業再生機構法の制定に伴い、同法の規定により行われる産業再生委員会の委員の登記について、重要財産委員会の委員と同様に申請件数1件につき3万円の登録免許税を課す規定の整備を行うこととする。 (租税特別措置法第84条の5関係)

(10

) 清酒等に係る酒税の税率の特例の適用対象に発泡酒(麦芽重量割合が50%以上のものを除く。)及び合成清酒(租税特別措置法第87条の3第1項の適用を受けるものを除く。)を追加した上、その適用期限を5年延長するとともに、各酒類に対する酒税の税額を本則税額にそれぞれ次の割合を乗じた金額とすることとする。 (租税特別措置法第87条関係)
 

1

 清酒及びしょうちゅう甲類
 平成15年4月1日から平成18年3月31日まで
 平成18年4月1日から平成20年3月31日まで


  100分の70
  100分の75

2

 合成清酒、果実酒及び発泡酒
 平成15年4月1日から平成20年3月31日まで


  100分の70

3

 しょうちゅう乙類
 平成15年4月1日から平成19年3月31日まで
 平成19年4月1日から平成20年3月31日まで


  100分の70
  100分の75

(11

) 平成18年3月31日までにビールの製造免許を受けた者(前年度におけるビールの課税移出数量が1,300kl以下の者に限る。)の当年度におけるビールの課税移出数量のうち200klの範囲内のものに対する酒税の税額を、平成15年4月1日から平成18年3月31日までに初めてビールの製造免許を受けた者については当該免許を受けた日から3年間(平成15年3月31日以前にビールの製造免許を受けた者については平成15年4月1日から平成18年3月31日まで)、本則税額の100分の80に軽減する措置を講ずることとする。 (租税特別措置法第87条の6関係)

(12

) たばこ税の引上げ

1

 たばこ税の税率の特例措置について、平成15年7月1日以降当分の間、その税率を製造たばこ(専売納付金制度下において3級品とされていた紙巻たばこを除く。)については3,126円/千本(現行2,716円/千本)に、専売納付金制度下において3級品とされていた紙巻たばこについては1,484円/千本(現行1,289円/千本)に引き上げることとする。 (租税特別措置法第88条関係)

2

 入国者が携帯又は別送して輸入する紙巻たばこに係るたばこ税の税率の特例措置の適用期限を1年延長した上、その税率を平成15年7月1日以降6,000円/千本(現行5,000円/千本)に引き上げることとする。 (租税特別措置法第88条の2関係)

3

 その他


 平成15年7月1日において、製造たばこ製造場又は保税地域以外の場所で、製造たばこを販売のため一定数量以上所持する者に対して、手持品課税を行うこととする。 (附則第131条関係)


 その他所要の規定の整備を図ることとする。

(13

) 平成15年10月1日から平成17年3月31日までの間、鉄鋼の製造に使用する石炭、コークスの製造に使用する石炭及びセメントの製造に使用する石炭について、石油石炭税の免税措置を講ずることとする。 (租税特別措置法第90条の4の2関係)

(14

) 平成15年10月1日から平成19年3月31日までの間、沖縄県で発電の用に供する石炭について、石油石炭税の免税措置を講ずることとする。 (租税特別措置法第90条の4の3関係)

(15

) 株式分割等に係る株券に対する印紙税の非課税措置の対象範囲に、協同組織金融機関の作成する優先出資証券を加えた上、その適用期限を2年延長することとする。 (租税特別措置法第91条の4関係)


 その他の租税特別措置の改正
 租税特別措置について、所要の経過措置を講じた上、次の措置を講ずることとする。

(1)

 廃止
 次に掲げる租税特別措置を廃止する。

1

 事業化設備等を取得した場合等の特別償却又は特別税額控除(旧租税特別措置法第10条の4、第42条の8、第68条の12関係)

2

 中小企業者等又は中小連結法人の機械の特別償却(旧租税特別措置法第12条の2、第45条の2、第68条の28関係)

3

 鉱業用坑道等の特別償却(旧租税特別措置法第16条、第49条、第68条の37関係)

4

 プログラム等準備金(旧租税特別措置法第20条の2、第57条、第68条の51関係)

5

 技術等海外取引に係る所得又は連結所得の特別控除(旧租税特別措置法第21条、第58条、第68条の60関係)

6

 農地等の贈与による所有権の移転登記等に対する登録免許税の税率の軽減(旧租税特別措置法第77条関係)

7

 中小企業者が集団化等のため取得する土地等の所有権の移転登記に対する登録免許税の税率の軽減(経過措置を含む。)(旧租税特別措置法第78条の3関係)

8

 公的医療機関の開設者等が国立病院等に係る土地等を取得した場合の所有権の移転登記に対する登録免許税の税率の軽減(旧租税特別措置法第81条関係)

9

 不動産特定共同事業者が取得する土地等の所有権の移転登記に対する登録免許税の税率の軽減(旧租税特別措置法第83条の3関係)

10

 中高層耐火建築物等の所有権等の移転登記に対する登録免許税の税率の軽減(旧租税特別措置法第83条の4関係)

11

 防災街区整備権利移転等促進計画に基づき土地を取得した場合の所有権の移転登記に対する登録免許税の税率の軽減(旧租税特別措置法第83条の5関係)

12

 認定再開発事業計画に基づき土地を取得した場合の所有権の移転登記に対する登録免許税の税率の軽減(旧租税特別措置法第83条の5関係)

13

 民間都市開発の推進に関する特別措置法の認定計画に基づき土地を取得した場合の所有権の移転登記に対する登録免許税の税率の軽減(旧租税特別措置法第83条の5関係)

14

 認定特定事業計画等に基づき施設等を取得した場合の所有権の移転登記に対する登録免許税の税率の軽減(旧租税特別措置法第83条の6関係)

(2)

 縮減等

1

 特別償却


 船舶等の特別償却制度について、機械その他の設備に係る償却割合を100分の6(現行100分の10)に引き下げる。 (租税特別措置法第11条、第43条、第68条の16関係)


 関西文化学術研究都市の文化学術研究地区における文化学術研究施設の特別償却制度について、機械装置に係る償却割合を100分の24(現行100分の25)に引き下げた上、その適用期限を2年延長する。 (租税特別措置法第43条の2、第68条の17関係)


 特定中核的民間施設等の特別償却制度について、次のとおり見直した上、その適用期限を2年延長する。 (租税特別措置法第43条の3、第68条の18関係)
 

(イ

) 山村振興法の保全事業用資産の特別償却制度について、建物等に係る償却割合を100分の6(現行100分の8)に引き下げる。

(ロ

) 特定農山村法の農林業等活性化基盤施設の特別償却制度について、機械装置に係る償却割合を100分の10(現行100分の15)に引き下げる。


 地震防災対策用資産の特別償却制度について、対象地域のうち一定の区域に係る償却割合を100分の8(現行100分の9)に引き下げた上、その適用期限を2年延長する。 (租税特別措置法第11条の2、第44条、第68条の19関係)


 特定余暇利用施設の特別償却制度について、償却割合を、基本構想承認後5年超8年以内の取得等については100分の7(現行5年超7年以内100分の10、7年超8年以内100分の8)に、基本構想承認後10年超12年以内の取得等については100分の5(現行100分の6)に、それぞれ引き下げる。 (租税特別措置法第11条の5、第44条の5、第68条の22関係)


 特定電気通信設備等の特別償却制度について、電気通信基盤充実設備、電気通信役務安定提供設備及び不正アクセス対策用設備を除外する等対象設備の見直しを行うとともに、電気通信利便性充実設備に係る償却割合を100分の10(現行100分の12)に、広帯域加入者網普及促進設備に係る償却割合を100分の15(現行100分の18)にそれぞれ引き下げた上、その適用期限を2年延長する。 (租税特別措置法第11条の6、第44条の6、第68条の23関係)


 農村地域工業等導入地区における工業用機械等の特別償却制度について、機械装置に係る償却割合を100分の8(現行100分の9)に、建物等に係る償却割合を100分の4(現行100分の5)にそれぞれ引き下げる。 (租税特別措置法第12条、第45条、第68条の27関係)


 過疎地域等における工業用機械等の特別償却制度について、水源地域に係る措置の機械装置に係る償却割合を100分の11(現行100分の12)に引き下げる。 (租税特別措置法第12条、第45条、第68条の27関係)


 高齢者向け優良賃貸住宅の割増償却制度について、割増率を耐用年数35年以上のものにあっては100分の50(現行100分の55)に、耐用年数35年未満のものにあっては100分の36(現行100分の40)にそれぞれ引き下げた上、その適用期限を2年延長する。 (租税特別措置法第14条、第47条、第68条の34関係)


 特定再開発建築物等の割増償却制度について、対象となる特定再開発建築物等の範囲を見直した上、その適用期限を2年延長する。 (租税特別措置法第14条の2、第47条の2、第68条の35関係)


 鉱工業技術研究組合等に対する支出金の特別償却制度について、対象となる支出金の範囲を見直した上、その適用期限を2年延長する。 (租税特別措置法第18条、第52条、第68条の39関係)

2

 準備金等


 海外投資等損失準備金制度について、資源開発事業法人等が行うことができる資源開発事業等の範囲の見直しを行う。 (租税特別措置法第55条、第68条の43関係)


 農業協同組合等の留保所得の特別控除制度について、対象となる協同組合等の範囲を見直した上、その適用期限を2年延長する。 (租税特別措置法第61条関係)


 農用地利用集積準備金制度について、積立率を100分の9(現行100分の10)に引き下げた上、その適用期限を2年延長する。 (租税特別措置法第61条の2、第68条の64関係)


 鉱工業技術研究組合等の所得計算の特例制度について、対象となる組合の範囲を見直した上、その適用期限を2年延長する。 (租税特別措置法第66条の10、第68条の94関係)


 欠損金の繰越期間の特例制度について、特定通信・放送開発事業実施円滑化法の認定実施計画を実施する中小企業者に係る措置を除外した上、中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法の認定研究開発等事業計画を実施する中小企業者に係る措置の適用期限を2年延長する。 (租税特別措置法第66条の13関係)

3

 農用地区域等内の農地等を取得した場合等の所有権の移転登記に対する登録免許税の税率の軽減措置について、次の見直しを行う。 (租税特別措置法第77条の2関係)


 農業振興地域の整備に関する法律の規定による市町村長の勧告に係る協議等により農地等を取得した場合の軽減措置及び林業経営基盤の強化等の促進のための資金の融通等に関する暫定措置法の認定を受けた者が都道府県知事に対する森林所有権の移転のあっせんの申出に基づき森林に係る土地を取得した場合の軽減措置を廃止する。


 農業経営基盤強化促進法に規定する利用権設定等促進事業により農地等を取得した場合の所有権の移転登記に対する登録免許税の税率の軽減措置について、軽減税率を調整した上、その適用期限を2年延長する。

4

 農林中央金庫等が特定農業協同組合等から事業譲渡により土地等を取得した場合等の所有権の移転登記等に対する登録免許税の税率の軽減措置について、次の見直しを行う。 (租税特別措置法第78条の2関係)


 農林中央金庫等が特定農業協同組合等から事業譲渡により不動産に関する権利を取得した場合の軽減措置、農林中央金庫等が特定漁業協同組合等から不動産等に関する権利を取得した場合の軽減措置及び漁業協同組合が水産業協同組合法の規定により漁業協同組合連合会の権利義務を包括承継した場合の軽減措置について、軽減税率の調整を行う。


 農業協同組合が農業協同組合法の規定により農業協同組合連合会から権利義務を包括承継した場合の軽減措置について、軽減税率を調整した上、その適用期限を2年延長する。


 森林組合が、平成15年4月1日から平成17年3月31日までの間に、森林組合法の規定により森林組合連合会の権利義務を包括承継した場合について、不動産の所有権の移転登記等に対する登録免許税の税率を1,000分の2(本則1,000分の20)等に軽減する措置を加える。


 農業共済組合及び農業共済組合連合会を登録免許税法別表第三(非課税の登記等の表)に掲名するとともに、同組合が農業災害補償法の規定により同連合会の権利義務を包括承継した場合の軽減措置及び同組合が合併により不動産を取得した場合の軽減措置を廃止する。

(3)

 適用期限の延長等

1

 揮発油税及び地方道路税並びに自動車重量税について、税率の特例措置の適用期限を5年延長することとする。 (租税特別措置法第89条、第90条の11関係)

2

 特定の用途に供される揮発油に係る揮発油税及び地方道路税の免税措置について、その適用期限を5年延長することとする。 (租税特別措置法第89条の3、第89条の4関係)

3

 製造過程管理高度化設備等の特別償却の適用期限を平成17年3月31日まで延長する。 (租税特別措置法第11条の8、第44条の8、第68条の24の2関係)

4

 登録免許税の特例


 農林漁業金融公庫資金等の転貸の場合の抵当権の設定登記に対する登録免許税の税率の軽減措置の適用期限を2年延長する。 (租税特別措置法第78条関係)


 商工組合中央金庫、信用保証協会、農業信用基金協会等の抵当権の設定登記等に対する登録免許税の税率の軽減措置の適用期限を2年延長する。 (租税特別措置法第78条の3関係)


 特定の公共的建設事業の用に供する土地を取得した場合の所有権の保存登記に対する登録免許税の税率の軽減措置について、軽減税率を調整した上、その適用期限を1年延長する。 (租税特別措置法第83条関係)

5

 次に掲げる特別措置の適用期限を2年延長する。


 山林所得に係る森林計画特別控除(租税特別措置法第30条の2関係)


 特定高度技術産業集積地域における高度技術産業用設備の特別償却(租税特別措置法第44条の2、第68条の20関係)


 経営基盤強化計画を実施する特定組合等の構成員等の機械等の割増償却(租税特別措置法第13条の2、第46条、第68条の30関係)


 障害者を雇用する場合の機械等の割増償却(租税特別措置法第13条、第46条の2、第68条の31関係)


 植林費の損金算入の特例(租税特別措置法第50条、第68条の38関係)


 特定災害防止準備金(租税特別措置法第20条の2、第55条の6、第68条の45関係)


 電子計算機買戻損失準備金(租税特別措置法第57条、第68条の50関係)


 中小企業等又は中小連結法人等の貸倒引当金の特例(租税特別措置法第57条の9、第68条の59関係)


 国産石油アスファルト等に係る石油税の還付(租税特別措置法第90条の6の2関係)


 特定離島路線航空機に積み込まれる航空機燃料に係る航空機燃料税の税率の特例(租税特別措置法第90条の9関係)

6

 次に掲げる特別措置の適用期限を1年延長する。


 入国者が輸入するウイスキー等に係る酒税の税率の特例(租税特別措置法第87条の5関係)


 沖縄特定離島路線航空機に積み込まれる航空機燃料に係る航空機燃料税の税率の特例(租税特別措置法第90条の8の2関係)


 その他

(1)

 特定の基金に対する負担金等の損金算入の特例について、適用対象となる負担金の範囲に、社債等の振替に関する法律の加入者保護信託の信託財産とするための負担金を加えることとする。 (租税特別措置法第66条の11、第68条の95関係)

(2)

 認定特定非営利活動法人がその収益事業に属する資産のうちからその収益事業以外の事業のために支出した金額については、その収益事業に係る寄附金の額とみなすこととする。 (租税特別措置法第66条の11の2関係)

(3)

 商品先物取引に係る雑所得等の課税の特例について、次の措置を講ずるとともに、その適用期限を撤廃した上、同特例を「先物取引に係る雑所得等の課税の特例」に改めることとする。 (租税特別措置法第41条の14、第41条の15関係)

1

 適用対象に、居住者又は国内に恒久的施設を有する非居住者が、平成16年1月1日以後に証券取引法に規定する有価証券先物取引、有価証券指数等先物取引及び有価証券オプション取引(以下「有価証券先物取引等」という。)をし、かつ、当該有価証券先物取引等の差金等決済をした場合の当該差金等決済に係る当該有価証券先物取引等による事業所得及び雑所得を加える。

2

 先物取引に係る課税雑所得等の金額に対する税率を15%(現行20%)に引き下げる。

3

 先物取引に係る差金等決済をしたことにより生じた損失の金額のうちに、その差金等決済をした日の属する年分の先物取引に係る雑所得等の金額の計算上控除してもなお控除しきれない金額があるときは、一定の要件の下で、その控除しきれない金額についてその年の翌年以後3年内の各年分の先物取引に係る雑所得等の金額から控除を認める。

(注

)上記2及び3の改正は、平成15年1月1日以後の先物取引に係る差金等決済について適用する。ただし、有価証券先物取引等については、平成16年1月1日以後上記1の差金等決済について適用する。 (附則第85条関係)

(4)

 特定の医療法人の法人税率の特例制度について、特定の医療法人の承認は、国税庁長官(現行財務大臣)が行うこととする。 (租税特別措置法第67条の2、第68条の100関係)

(5)

 退職年金等積立金に対する法人税(特別法人税)の課税停止措置を2年延長することとする。 (租税特別措置法第68条の4関係)

(6)

 特定事業用資産についての相続税の課税価格の計算の特例について、相続時精算課税に係る財産で贈与により取得したものを適用対象に加えるとともに、各適用要件につき所要の規定の整備を行うこととする。 (租税特別措置法第69条の5関係)

(7)

 その他所要の規定の整備を行うこととする。




三 租税条約の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律の一部改正(第14条関係)
 租税条約の規定に基づき条約相手国から情報の提供要請があった場合には、当該情報の提供のために、一定の場合を除き、国税庁、国税局又は税務署の当該職員が当該要請において特定された者に対して質問検査を行うことができることとする規定(罰則等所要の規定を含む。)を整備することとする。 (租税条約の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律第9条、第10条、第13条関係)




四 施行期日
 この法律は、別段の定めのあるものを除き、平成15年4月1日から施行することとする。 (附則第1条関係)