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関税定率法等の一部を改正する法律案要綱

関税定率法等の一部を改正する法律案要綱

 

 最近における内外の経済情勢の変化に対応する等の見地から、次により、特恵関税制度等について所要の改正を行うとともに、育成者権を侵害する物品の輸入禁制品への追加等のため所要の改正を行うこととする。
 

.特恵関税制度の改正

 

(1)

 農産品に係る特恵関税の対象品目の追加等を行うこととする。

 

(2)

 特定の鉱工業産品について特恵関税を適用できる輸入額又は数量の枠を廃止等することとする。

 

(3)

 農水産品について、特別特恵受益国に対する特別特恵関税の対象品目の追加等を行うこととする。
(関税暫定措置法第8条の2、第8条の4、別表第2、別表第3及び別表第5関係)
 

.個別品目の関税率等の改正

 

(1)

 アルコール飲料の原料アルコール製造用のエチルアルコール等について、関税割当制度を廃止するとともに、基本関税率を無税とすることとする。(関税定率法第20条の2及び別表並びに関税暫定措置法第8条の6、第8条の7及び別表第1関係)

 

(2)

 加工再輸入減税制度の対象に革製履物の甲を追加することとする。
(関税暫定措置法第8条関係)
 

.暫定関税率等の適用期限の延長

 

(1)

 平成15年3月31日に適用期限が到来する暫定関税率について、その適用期限を1年延長することとする。(関税暫定措置法第2条、別表第1及び別表第1の3関係)

 

(2)

 平成15年3月31日に適用期限が到来する石油関係の関税の還付制度について、その適用期限を1年延長することとする。(関税暫定措置法第6条及び第7条関係)

 

(3)

 平成15年3月31日に適用期限が到来する農産品に係る特別緊急関税及び牛肉又は豚肉等に係る関税の緊急措置について、これらの適用期限を1年延長することとする。(関税暫定措置法第7条の3~第7条の6、別表第1の3の2、別表第1の6及び別表第1の8関係)
 

.輸入禁制品の追加等

 

(1)

 育成者権を侵害する物品を輸入禁制品に追加し、輸入差止申立て制度の対象とすることとする。(関税定率法第21条及び第21条の2関係)

 

(2)

 特許権、実用新案権及び意匠権を侵害する物品を輸入差止申立て制度の対象とするとともに、特許権者等が税関長に対し、輸入差止申立てに基づき認定手続が執られた貨物に係る自己の特許権等の技術的範囲等について、特許庁長官に意見照会することを求める制度及び認定手続開始後一定期間経過後に、輸入者からの担保の提供を条件に、認定手続を取りやめる制度を導入することとする。(関税定率法第21条の2、第21条の4及び第21条の5関係)
 

.特例申告に係る担保提供額の見直し
 特例申告を行う場合に提供する担保額について、原則として当該特例申告に係る貨物を輸入する月の属する年の前年において特例申告により納付した関税等の額等を基準とした額とすることとする。(関税法第7条の8関係)
 

.新たな物流形態に対応するための規定の整備
 非居住者が税関手続を行う場合に、本邦においてその事務処理を行う税関事務管理人に係る規定を設けるとともに、税関が発する書類の送達に係る規定の整備を行うこととする。(関税法第2条の4及び第95条関係)
 

.その他
 その他所要の規定の整備を行うこととする。
 

.施行期日
 この法律は、平成15年4月1日から施行することとする。