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独立行政法人日本万国博覧会記念機構法案要綱

独立行政法人日本万国博覧会記念機構法案要綱


 特殊法人等改革基本法に基づく特殊法人等整理合理化計画の円滑な実施に資するため、日本万国博覧会記念協会を解散して独立行政法人日本万国博覧会記念機構を設立することとし、その名称、目的、業務の範囲等に関する事項を定めることとする。


 総則
 

 目的
 この法律は、独立行政法人日本万国博覧会記念機構の名称、目的、業務の範囲等に関する事項を定めることを目的とする。
      (第1条関係)
 

 名称
 この法律及び独立行政法人通則法(以下「通則法」という。)の定めるところにより設立される独立行政法人の名称は、独立行政法人日本万国博覧会記念機構とする。
      (第2条関係)
 

 機構の目的
 独立行政法人日本万国博覧会記念機構(以下「機構」という。)は、人類の進歩と調和を主題として開催された日本万国博覧会の跡地を一体として保有し、これを緑に包まれた文化公園として整備し、その適切な運営を行うとともに、日本万国博覧会記念基金を設けてこれを管理する等の事業を行うことにより、日本万国博覧会の成功を記念することを目的とする。
      (第3条関係)
 

 事務所
 機構は、主たる事務所を大阪府に置くこととする。
      (第4条関係)
 

 資本金
   
(1)

 機構の資本金は、附則の規定により政府及び地方公共団体から出資があったものとされた金額の合計額とするほか、機構は、必要があるときは、財務大臣の認可を受けて、資本金を増加することができることとし、その場合、政府及び政令で定める地方公共団体は、機構に出資することができることとする。
   
(2)

 その他所要の規定を設けることとする。
      (第5条関係)


 役員及び職員
 

 役員
 機構に、役員として、その長である理事長及び監事2人を置くほか、理事2人以内を置くことができることとする。
      (第6条関係)
 

 理事の職務及び権限等
 理事は、理事長の定めるところにより、理事長を補佐して機構の業務を掌理することとするほか、理事の職務及び権限等について、所要の規定を設けることとする。
      (第7条関係)
 

 役員の任期
 役員の任期は、2年とする。
      (第8条関係)
 

 役員及び職員の地位
 機構の役員及び職員は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなすこととする。
      (第9条関係)


 業務等
 

 業務の範囲
 機構は、その目的を達成するため、次の業務を行うこととする。

 1

 日本万国博覧会の跡地を緑地として整備し、これに各種の文化的施設を設置するとともに、これらの施設を運営すること。

 2

 日本万国博覧会記念基金を管理し、及び運用すること並びにその運用により生ずる利子その他の運用利益金(以下「運用利益金」という。)の一部をもって日本万国博覧会の成功を記念するにふさわしい文化的活動又は国際相互理解の促進に資する活動に必要な資金に充てるための助成金を交付すること。

 3

 1及び2に附帯する業務を行うこと。
      (第10条関係)
 

 区分経理
   
(1)

 機構は、次に掲げる業務ごとに経理を区分し、それぞれ勘定を設けて整理しなければならないこととする。

1 11の業務及びこれに附帯する業務

2 12の業務及びこれに附帯する業務
   
(2)

 機構は、(1)2に掲げる業務に係る勘定(以下「第二号勘定」という。)から、運用利益金のうち11の業務及びこれに附帯する業務の適切な運営を確保するために必要な経費の財源に充てるべき額として算定される額を、(1)1に掲げる業務に係る勘定(以下「第一号勘定」という。)に繰り入れるものとする。
      (第11条関係)
 

 積立金の処分
   
(1)

 機構は、第一号勘定において、中期目標の期間の最後の事業年度に係る通則法第44条第1項本文又は第2項に規定する整理(以下「整理」という。)を行った後積立金がある場合であって、当該積立金の額が、当該中期目標の期間(以下「当該期間」という。)の直前の中期目標の期間の最後の事業年度に係る整理を行った後の積立金の額(本規定により国庫及び機構に出資した地方公共団体(以下「国庫等」という。)へ納付を行った額及び(2)の財務大臣の承認を受けた額を控除した残額)を超えるときは、当該超える額に相当する金額について一定の基準により計算した額を国庫等に納付しなければならないこととする。
   
(2)

 機構は、当該期間の最後の事業年度に係る整理を行った後の積立金の額から(1)により国庫等に納付しなければならない額を控除してなお残余があるときは、その残余額のうち財務大臣の承認を受けた金額を、当該期間の次の中期目標の期間における業務の財源に充てることができることとする。
   
(3)

 財務大臣は、(2)の承認をしようとするときは、あらかじめ、財務省の独立行政法人評価委員会の意見を聴かなければならないこととする。
   
(4)

 機構は、第二号勘定において、中期目標の期間の最後の事業年度に係る整理を行った後積立金があるときは、財務大臣の認可を受けた金額を日本万国博覧会記念基金に組み入れることができることとする。
   
(5)

 その他所要の規定を設けることとする。
      (第12条関係)
 

 長期借入金及び日本万国博覧会記念機構債券
   
(1)

 機構は、11の業務及びこれに附帯する業務に必要な費用に充てるため、財務大臣の認可を受けて、長期借入金をし、又は日本万国博覧会記念機構債券(以下「債券」という。)を発行することができることとするとともに、財務大臣は、当該認可をしようとするときは、あらかじめ、財務省の独立行政法人評価委員会の意見を聴かなければならないこととする。
   
(2)

 その他所要の規定を設けることとする。
      (第13条関係)
 

 償還計画
 機構は、毎事業年度、長期借入金及び債券の償還計画を立てて、財務大臣の認可を受けなければならないこととするとともに、財務大臣は、当該認可をしようとするときは、あらかじめ、財務省の独立行政法人評価委員会の意見を聴かなければならないこととする。
      (第14条関係)
 

 日本万国博覧会記念基金
   
(1)

 機構は、業務に必要な経費の財源をその運用によって得るために日本万国博覧会記念基金(以下「基金」という。)を設けることとする。
   
(2)

 基金は、取り崩してはならないこととする。ただし、11の業務及びこれに附帯する業務の遂行に著しい支障を来すおそれがある場合において、あらかじめ財務大臣の承認を受けたときは、この限りでないこととする。
   
(3)

 財務大臣は、(2)の承認をしようとするときは、あらかじめ、財務省の独立行政法人評価委員会の意見を聴かなければならないこととする。
   
(4)

 その他所要の規定を設けることとする。
      (第15条関係)


 雑則
 

 関係行政機関の長との協議等
   
(1)

 財務大臣は、通則法第28条第1項の規定による認可をしようとするときは、関係行政機関の長に協議しなければならないこととする。
   
(2)

 財務大臣は、通則法第28条第1項の規定による認可等をしようとするときは、機構に出資した地方公共団体の長の意見を聴くものとする。
      (第16条関係)
 

 主務大臣等
 機構に係る通則法における主務大臣、主務省及び主務省令は、それぞれ財務大臣、財務省及び財務省令とする。
      (第17条関係)
 

 国家公務員宿舎法の適用除外等
 国家公務員宿舎法の規定は、機構の役員及び職員には適用しないこととするほか、機構の役員及び職員は、国家公務員共済組合法第2条第1項第1号に規定する職員には該当しないものとする。
      (第18条及び第19条関係)


 罰則
 所要の罰則規定を設けることとする。
      (第20条関係)


 附則
 

 施行期日
 この法律は、公布の日から施行することとする。ただし、一部の規定については、平成15年10月1日から施行することとする。
      (附則第1条関係)
 

 日本万国博覧会記念協会の解散等
   
(1)

 日本万国博覧会記念協会(以下「協会」という。)は、機構の成立の時において解散するものとし、その一切の権利及び義務は、国が承継するものとして政令で定める資産を除き、その時において機構が承継することとする。
   
(2)

 国及び機構が承継する資産の価額の合計額(廃止前の日本万国博覧会記念協会法第23条第1項の日本万国博覧会記念基金(以下「旧基金」という。)に充てられている金額を除く。)から負債の金額を差し引いた額に、承継の際における協会に対する地方公共団体の出資額の政府及び当該地方公共団体の出資額の合計額に対する割合を乗じて得た額は、当該地方公共団体から機構に出資されたものとする。
   
(3)

 機構が承継する資産の価額(旧基金に充てられている金額を除く。)から負債の金額及び地方公共団体から機構に出資されたものとされた額を差し引いた額は、政府から機構に出資されたものとする。
   
(4)

 (2)及び(3)の資産の価額は、機構の成立の日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とすることとする。
   
(5)

 機構が協会の権利及び義務を承継したときは、その承継の際旧基金に充てられている金額は、機構の設立に際し基金に充てられたものとする。
   
(6)

 その他所要の規定を設けることとする。
      (附則第2条関係)
 

 日本万国博覧会記念協会法の廃止
 日本万国博覧会記念協会法を廃止するとともに、これに伴う所要の経過措置を設けることとする。
      (附則第3条及び第4条関係)
 

 その他本法の施行に伴う所要の経過措置を設けるほか、関係法律について所要の規定の整備を行うこととする。
      (附則第5条~第8条関係)