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令和八年度の地方財政対策に係る覚書

国と地方の財政状況、地方交付税法第六条の三第二項等を踏まえ、令和八年度の地方財政対策を講ずるに当たり、別紙のとおり申し合わせる。

令和七年十二月二十四日

総務大臣芳正

財務大臣片山さつき

( 別紙 )

  • 一、令和七年度税制改正における所得税の基礎控除の特例創設に伴う令和七年度分の地方交付税の減収二、〇五六億円については、令和六年十二月二十五日付け総務・財務両大臣覚書第七項に基づく交付税特別会計の既定借入金に係る元金の償還額の変更により対応することとされたことを踏まえ、当該金額を交付税特別会計における借入れにより調達した場合の利子相当額にあたる五一四億円を、第十五項に基づき、一般会計から交付税特別会計に繰り入れるものとし、当該加算額については交付税特別会計借入金の償還に充てるものとする。

  • 二、第十七項及び第十八項に定める特例交付金を措置するに際し、令和八年度において法定の地方交付税交付金から特例交付金の同額相当である七、〇〇〇億円を減額して、一般会計から交付税特別会計に繰り入れるとともに、交付税特別会計の既定借入金に係る元金償還額のうち七、〇〇〇億円を、令和八年四月一日をもって一般会計の借入金に振替整理することとし、所要の法律改正を行う。

  • 三、地域における「クラスター」の形成・拡大や地場産業の付加価値向上・販路拡大に向けた都道府県の取組を推進するため、令和八年度に限り、地方財政計画の歳出に地域未来基金費(仮称)を設けるものとし、その金額については、四、〇〇〇億円とする。

  • 四、地方財政の更なる健全化を図るため、令和八年度に限り、地方財政計画の歳出に臨時財政対策債償還基金費(仮称)を設けるものとし、その金額については、八、三七六億円とする。

  • 五、新しい地方経済・生活環境創生事業費の内訳である地方創生推進費について、地方財政計画の一般行政経費に独立して区分立てすることとし、これに伴い、新しい地方経済・生活環境創生事業費は廃止する。

    地方創生推進費の金額については、令和八年度は一兆円、令和九年度以降は総務大臣と財務大臣が協議して定める額とする。

  • 六、令和八年度から令和十一年度に限り、地方財政計画の一般行政経費に地域デジタル社会推進費を設けるものとし、その金額については、令和八年度は一、五〇〇億円、令和九年度以降は総務大臣と財務大臣が協議して定める額とする。地域デジタル社会推進費の令和十二年度以降の取扱いについては、総務大臣と財務大臣が協議して定めるものとする。

    なお、地域デジタル社会推進費の財源は、地方公共団体金融機構(以下「機構」という。)の公庫債権金利変動準備金(以下「準備金」という。)の活用を前提としつつ、令和八年度においては、機構の準備金のほか、交付税特別会計における剰余金などを活用することとする。令和九年度から令和十一年度における財源の取扱いについては、各年度において、総務大臣と財務大臣が協議して定めるものとする。

  • 七、いわゆる教育無償化の地方負担について、令和八年度においては、令和八年度税制改正における租税特別措置の見直しにより安定財源として確保された地方交付税の増のほか、一時財源として機構の準備金を活用する。

  • 八、令和八年度においては、地域デジタル社会推進費及びいわゆる教育無償化の地方負担の財源の一部を確保するため、機構の準備金を活用することとし、「地方公共団体金融機構法」(平成十九年法律第六十四号)附則第十四条の規定に基づき、機構の準備金の一部を「公営企業金融公庫法の廃止に伴う関係政令の整備及び経過措置に関する政令」(平成二十年政令第二百二十六号)第二十七条の規定に基づき財政投融資特別会計投資勘定に帰属させた上で、当該帰属させた額を同勘定から交付税特別会計に繰り入れることとする。これに基づき、準備金の一部を帰属させる額は、二、〇〇〇億円とし、この旨を法令に定める。

  • 九、給与改善費の金額については、令和八年度は四、〇〇〇億円、令和九年度以降の取扱いについては、総務大臣と財務大臣が協議して定めるものとする。

  • 十、地域社会再生事業費の金額については、令和八年度は四、二〇〇億円、令和九年度以降は総務大臣と財務大臣が協議して定める額とする。

  • 十一、 「こども未来戦略」(令和五年十二月二十二日閣議決定)に基づく「こども・子育て支援加速化プラン」の地方財源については、「こども未来戦略」に基づき、確保するものとする。

  • 十二、 「事務・権限の移譲等に関する見直し方針について」(平成二十五年十二月二十日閣議決定)等に基づく国から地方への事務・権限の移譲に伴い地方が負担することとなる経費を地方財政計画の歳出に計上することとし、その金額については、令和八年度は四八億円とする。

    なお、地方財政計画の歳出に計上する令和九年度以降の各年度の金額は、総務大臣と財務大臣が協議して定める額とする。

  • 十三、 平成二十一年十二月二十三日付け総務・財務両大臣覚書第一項(二)に基づき各年度の地方交付税の総額から減額することとしている額について、令和八年度は七三五億五、七一一万四千円、令和九年度から令和十二年度までは零、令和元年十二月十八日付け総務・財務両大臣覚書第一項(二)に基づき各年度の地方交付税の総額から減額することとしている額について、令和八年度は八三五億九、五六〇万千円、令和九年度は六〇二億九、八七〇万三千円、令和十年度から令和十二年度は六〇二億九、八七〇万二千円とし、所要の法律改正を行う。

  • 十四、 地方交付税法附則第四条の二第三項に基づき加算することとしている額については、令和八年度においては加算しないこととし、令和十三年度においては九三億円、令和十四年度においては九二億円、令和十五年度から令和十八年度においては八九億円とし、同額を一般会計から交付税特別会計に繰り入れるものとし、この旨を法律に定める。

  • 十五、 令和六年十二月二十五日付け総務・財務両大臣覚書第六項等に基づく交付税特別会計の既定借入金に係る元金の償還については、令和八年度は二兆二、〇〇〇億円、令和三十一年度は九、一七八億四、六四〇万八千円、令和三十二年度から令和三十四年度は零とし、所要の法律改正を行う。

    平成二十二年十二月二十二日付け総務・財務両大臣覚書第三項(二)、令和六年十二月二十五日付け総務・財務両大臣覚書第七項及び本覚書第一項に基づき加算することとしている額については、令和八年度においては加算しないこととし、令和十二年度においては一、九〇〇億円、令和十三年度においては一、三〇〇億円、令和十四年度においては九〇〇億円、令和十五年度においては七〇〇億円、令和十六年度においては五〇〇億円、令和十七年度においては四〇〇億円、令和十八年度においては三〇〇億円、令和十九年度においては二〇〇億円、令和二十年度においては一一四億円とする。

  • 十六、 令和八年度においては、地方財源不足額(一兆二五四億円)については、次のとおり補塡措置を講ずるものとする。

    なお、今後、地方財源不足額について、従前と同様の例により総務大臣及び財務大臣が協議して定める補塡すべき額が生じた場合には、令和四年十二月二十一日付け総務・財務両大臣覚書第九項の考え方を踏まえ、総務大臣及び財務大臣が協議して定める方法により補塡措置を講ずるものとする。

    • (一)地方の財源不足を補塡するための建設地方債(七、六〇〇億円)を増発する。

    • (二)交付税特別会計における剰余金(五〇〇億円)を活用することとし、この旨を法律に定める。

    • (三)本覚書第八項に基づき交付税特別会計における機構の準備金(二、〇〇〇億円)を活用することとし、この旨を法律に定める。

    • (四)地方交付税法附則第四条の二第一項の規定により令和八年度に加算する額(一五四億円)を一般会計から交付税特別会計に繰り入れるものとし、この旨を法律に定める。

  • 十七、 令和八年度税制改正において、地方揮発油税及び軽油引取税の当分の間税率廃止に伴う地方の安定財源について、令和九年度税制改正において結論を得ることとされるとともに、安定財源を確保するまでの間、地方の財政運営に支障が生じないよう、地方財政措置において適切に対応するとされたことを踏まえ、法律の定めるところにより、軽油引取税減収補塡特例交付金(仮称)及び地方揮発油譲与税減収補塡特例交付金(仮称)を交付する。軽油引取税減収補塡特例交付金(仮称)の令和八年度の額は四、二九七億円とし、地方揮発油譲与税減収補塡特例交付金(仮称)の令和八年度の額は二九六億円とする。

  • 十八、 令和八年度税制改正において、米国関税措置がわが国の自動車産業に及ぼす影響を緩和し、国内自動車市場の活性化を速やかに図るとともに、自動車ユーザーの取得時における負担を軽減、簡素化するため行われる自動車税及び軽自動車税の環境性能割の廃止に伴う地方税の減収分については、安定財源を確保するための具体的な方策を検討し、それまでの間、国の責任で手当するとされたことを踏まえ、法律の定めるところにより、自動車税減収補塡特例交付金(仮称)及び軽自動車税減収補塡特例交付金(仮称)を交付する。自動車税減収補塡特例交付金(仮称)の令和八年度の額は一、六八五億円とし、軽自動車税減収補塡特例交付金(仮称)の令和八年度の額は二〇七億円とする。

  • 十九、 新型コロナウイルス感染症対策地方税減収補塡特別交付金の令和八年度の額は十八億円とする。

  • 二十、 令和八年度税制改正において、個人住民税における住宅ローン控除制度の延長等の措置を講じることに伴い生じる令和八年度分以降の個人住民税の減収額の全額を補塡するため、法律の定めるところにより、個人住民税減収補塡特例交付金を交付する。

    令和八年度における個人住民税減収補塡特例交付金の額は、平成二十五年一月二十七日付け総務・財務両大臣覚書第二項、平成二十七年一月十二日付け総務・財務両大臣覚書第九項、平成二十八年十二月十九日付け総務・財務両大臣覚書第十一項、平成三十年十二月十八日付け総務・財務両大臣覚書第十一項、令和二年十二月十七日付け総務・財務両大臣覚書第十三項、令和三年十二月二十二日付け総務・財務両大臣覚書第九項、令和五年十二月二十日付け総務・財務両大臣覚書第十項、令和六年十二月二十五日付け総務・財務両大臣覚書第十一項及び本項に基づき補塡する額(一、六五三億円)とする。

  • 二十一、 「特別会計に関する法律」(平成十九年法律第二十三号)第二百二十二条第二項に規定する復興事業(全国防災事業を除く。)に係る地方負担分等に対応するため、震災復興特別交付税の財源として四五六億円を東日本大震災復興特別会計から交付税特別会計に繰り入れるものとし、この旨を法律に定める。

  • 二十二、 地方財政計画の総額及び各項目について、地方財政計画における歳入・歳出の適切な計上を図るため、地方財政計画と決算の実質的な乖離の把握に引き続き努め、必要な措置を講ずるものとする。

  • 二十三、 地方財政計画上の公債費における利払額の計上について、借換えや元利償還等の実態を踏まえ、今後とも定期的に適切な見直しを行うものとする。