このページの本文へ移動

中央省庁のBCP用宿舎の取扱いについて

令和2年6月30日
財理第2270


改正令和3年3月19日財理第951号

令和4年6月10日財理第2056号

財務省理財局長から各省各庁官房長等、関東財務局長宛

「今後の国有財産の管理処分のあり方について―国有財産の最適利用に向けて―」(令和元年6月14日財政制度等審議会答申)(以下「答申」という。)において、「災害発生時等における初動体制確保に資するように、BCP等に基づく緊急参集要員のための宿舎の確保に取り組むこととし、国家公務員宿舎に係る新たな枠組みとして緊急参集要員用の宿舎(以下、「BCP用宿舎」という。)を位置付け、BCP用宿舎の確保に向けた具体的な検討を進めるべきである。」とされたところである。とりわけ、中央省庁については災害発生時における司令塔としての役割が大きくなっていることを踏まえて、まずは、中央省庁の業務継続計画に基づく緊急参集要員用の宿舎(以下「BCP用宿舎」という。)の確保が必要とされている。

このため、BCP用宿舎の取扱いについて、下記のとおり定めたので通知する。

BCP用宿舎の指定等

(1)BCP用宿舎の位置付け

答申において「内閣府の『中央省庁業務継続ガイドライン第2版(首都直下地震対策)』における業務影響度分析では、初動の最初の評価の区切りとして3時間が例示されており、多くの省庁のBCPにおいても、概ね3時間以内に災害対策本部の設置や情報発信等の初動対応を行うとされている。こうしたことを踏まえれば、一つの目安として官署から徒歩3時間以内(時速2kmとして、概ね6km以内)の距離圏に、緊急参集要員用の宿舎が確保されることが必要と考えられる。」とされている。

これを踏まえ、中央省庁の業務継続計画に基づき3時間以内に参集が求められる緊急参集要員として指定されている職員(以下「3時間BCP職員」という。)の初動体制の確保に向け、中央省庁の庁舎から概ね6km圏内の宿舎をBCP用宿舎として指定し、当該BCP用宿舎においては、3時間BCP職員への貸与戸数の把握・管理を行うこととし、3時間BCP職員への貸与戸数を増やしていくこととする。

(注1)中央省庁とは、「首都直下地震緊急対策推進基本計画」(平成27年3月31日閣議決定)における「中央省庁」に加え、衆議院、参議院、人事院、会計検査院、国立国会図書館及び最高裁判所を含む。

(注2)3時間BCP職員の中に、国家公務員宿舎法施行令(昭和33年政令第341号)第9条の規定に該当する者に貸与される無料宿舎への入居者がいる場合には、その者を3時間BCP職員に含まないものとする。

(2)BCP用宿舎の指定

理財局長は、中央省庁の庁舎から概ね6km圏内の宿舎について、立地条件等を踏まえ、合同宿舎の場合は関東財務局長と、省庁別宿舎の場合は各省各庁の国有財産に関する事務を総括する部局等の長(以下「総括部局長」という。)と調整のうえ、適当と認められる宿舎をBCP用宿舎として指定するものとする。

(3)指定の通知

理財局長は、BCP用宿舎を指定した場合は、合同宿舎のときは関東財務局長に、省庁別宿舎のときは当該省庁別宿舎を所管する総括部局長に指定したBCP用宿舎を通知する。通知を受けた関東財務局長及び総括部局長は、当該BCP用宿舎を管理する維持管理機関(国家公務員宿舎法(以下「法」という。)第7条第2項の規定により、法第 20 条の規定による宿舎の現況に関する記録の備付けの委任を受けた者をいう。以下同じ。)にBCP用宿舎として指定された宿舎を通知する。

さらに、理財局長は、合同宿舎をBCP用宿舎として指定した場合は、総括部局長に対して指定したBCP用宿舎を通知する。

BCP用宿舎の貸与戸数の管理

総括部局長は、別紙第1号様式「BCP用宿舎貸与状況調べ」を備え付け、BCP用宿舎について3時間BCP職員へ貸与している戸数を把握することとし、BCPに基づく3時間BCP職員の指定が変更された場合、入退去があった場合に速やかに更新するものとする。

BCP用宿舎の調査及び配分等

(1)3時間BCP職員の居住状況等に係る調査

総括部局長は、毎年9月1日時点の3時間BCP職員の居住状況等について、別紙第2号様式「中央省庁の3時間BCP職員の居住状況等に係る調査」を作成のうえ、9月1日時点の別紙第1号様式を添付して、10月20日までに理財局長あて報告するものとする。

(2)BCP用宿舎の分析及び配分の取消し

理財局長は、各省各庁の3時間BCP職員の参集体制等を把握するため、内閣府政策統括官(防災担当)と連携し、総括部局長より提出のあった別紙第1号様式「BCP用宿舎貸与状況調べ」及び別紙第2号様式「中央省庁の3時間BCP職員の居住状況等に係る調査」を分析する。

理財局長は、分析結果を踏まえて、前年度調査(前年9月1日時点)のBCP用宿舎における3時間BCP職員への貸与戸数と比較して、3時間BCP職員への貸与戸数の減少が数年にわたって続く省庁に対して、3時間BCP職員への貸与戸数を増加させるように要請する。当該要請にも関わらず、3時間BCP職員への貸与戸数を増加させるなどの適切な対応が認められない場合は、理財局長は関東財務局長に対し、BCP用宿舎として指定されている合同宿舎で適切な対応が認められない省庁に配分されている住戸のうち、人事異動等に伴い退去した住戸について、配分の取消しを指示することができる。

関東財務局長は、当該指示を受けて、配分を取り消すものとする。

(3)配分を取り消した住戸の取扱い

理財局長は、BCP用宿舎として指定された合同宿舎で、関東財務局長が⑵により配分を取り消した住戸について、総括部局長に対し、3時間BCP職員を対象に貸与希望を募るために、適宜、情報提供を行う。

ただし、⑵における指示により配分を取り消された省庁の総括部局長に対しては、当該住戸に係る情報提供を行わないものとする。

(4)BCP用宿舎の配分

関東財務局長が、⑶により理財局長が情報提供を行った住戸について総括部局長からの募集の結果等を踏まえた住戸の配分を行う場合、又は新築や増築等によりBCP用宿舎を確保した際に住戸の配分を行う場合は、⑵の分析結果(3時間BCP職員への貸与戸数増に向けた取組状況等)を参考とした理財局長の配分先に係る意見を基に、配分を行うものとする。

BCP用宿舎の指定の解除等

(1)指定の解除

理財局長は、BCP用宿舎の指定を解除しようとする場合は、合同宿舎のときは関東財務局長と、省庁別宿舎のときは総括部局長と調整のうえ、指定を解除する。

(2)指定の解除の通知

理財局長は、BCP用宿舎の指定を解除した場合は、合同宿舎のときは関東財務局長に、省庁別宿舎のときは当該宿舎を所管する総括部局長にBCP用宿舎の指定を解除した宿舎を通知する。通知を受けた関東財務局長及び総括部局長は、当該宿舎を管理する維持管理機関にBCP用宿舎としての指定が解除された宿舎を通知する。

さらに、理財局長は、合同宿舎の指定を解除した場合は、総括部局長に指定を解除した宿舎を通知する。

BCP用宿舎の指定等の記録

BCP用宿舎の指定又は指定解除の通知を受けた維持管理機関は、国家公務員宿舎法施行規則(昭和34年大蔵省令第10号)第29条第1項に規定する宿舎現況記録に指定又は指定が解除された旨記録する。

個別協議

上記により難い特別な事情がある場合には、理財局長と協議のうえ処理することができる。

書面等の作成等・通知等の方法

(1)電子ファイルによる作成等

本通達に基づき、作成等を行う書面等(書面その他文字、図形その他の人の知覚によって認識することができる情報が記載された紙その他の有体物をいう。以下同じ。)については、電子ファイルにより作成等を行うことができる。

(2)電子メール等による通知等

本通達に基づく通知等の手続のうち、書面等により行うこととしているものについては、電子メール等の方法により行うことができる。

上記イの方法により通知等を行うときは、電子ファイルをもって行うものとする。

別紙第1号様式、別紙第2号様式