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返還予定財産の処分方針の策定について

平成21年6月22日
財理第2739


改正令和元年 9月20日財理第3211号

3 年 6月11日同第1932号

財務省理財局長から各財務(支)局長、沖縄総合事務局長宛

財務省所管普通財産のうち、在日米軍から返還される予定の財産について、速やかに、かつ透明で公正な手続に則った処分を行うため、その処分方針策定に関し、下記のように取り扱うこととしたので了知されたい。

第1.基本方針

在日米軍から返還される予定の国有財産は、国民共通の貴重な財産であるとともに、その規模等を勘案すると、その利活用の方向性が地域の経済や都市環境、生活環境に大きな影響を与えるものであることから、国民全体の利益増進を図るとともに、地元の意向も十分踏まえた有効活用策を策定する必要がある。

また、返還後も長期間有効活用されなかった場合、国民経済上の損失となるばかりでなく、管理費用も要することとなるため、返還後速やかに有効活用を図る必要がある。

このため、日米合同委員会、又は日米安全保障協議委員会によって返還合意がなされた財産について、透明で公正な手続きのもと、地元と十分協議を行い、地方防衛局又は地方防衛支局(長崎防衛支局を除く。以下「地方防衛局等」という。)からの財産引継ぎ前に処分方針を決定し、引継ぎと同時に有効活用を図ることを基本とする。

第2.対象財産

財務省所管普通財産のうち、返還合意により今後返還が予定されている土地で、面積が10ha以上のものを対象とする。ただし、次のいずれかに該当する財産を除く。(以下、「返還予定財産」という。)

(1)旧軍港市転換法(昭和25年法律第220号)に基づく処理をするもの

(2)返還要求の段階において、返還後の利用計画について既に地方審議会の答申を得ているもの

(3)財産の経緯・立地条件等の諸事情を勘案し、本通達と異なる処理をする必要があると財務局長、財務支局長及び沖縄総合事務局長(以下「財務局長等」という。)が判断するもの

第3.処分方針の策定手続

1.現況把握

(1)処分方針策定に当たっては、財産の現況を把握し、是正すべきものがある場合は是正しつつ、現況を踏まえた方針を策定する必要がある。

このため、財務局長等は返還予定財産の現況把握を行うものとし、地元地方防衛局等に資料提供等を求める。

(2)現況把握の過程において、詳細な占有状況調査等を行う必要があると認められた場合には、財務局長等は地元地方防衛局等及び地元地方公共団体とともに現況把握等のための調査会を設けるものとする。

(3)調査会では、詳細調査の方法等及び当該調査の結果必要と認められた措置を協議し、適切な役割分担のもと、調査及び措置を実行するものとする。

(4)調査会の運営規則等は、調査会において定めるものとする。

2.利用計画の策定

(1)財務局長等は、返還予定財産について、取得調整等を通じ、国利用の計画の有無を適切に把握する。

(注)取得調整等とは、以下のものをいう。

平成16年5月28日付財理第2065号「合同宿舎の計画的な整備について」通達に基づく5ケ年計画

昭和49年6月13日付蔵理第2394号「庁舎等及び省庁別宿舎の取得等予定の調整について」通達に基づく庁舎等及び省庁別宿舎の取得等の予定の調整

(2)財務局長等は、返還予定財産について、国利用の計画の把握と併せて、地元地方公共団体に利用構想の策定を求めるものとする。

(3)財務局長等は、処分方針を検討するため、地元地方公共団体と協議会を設けるものとし、一つの市町村に複数の返還予定財産がある場合は、必要に応じ、全体の処分方針を検討する協議会とともに、その下部組織として、個々の返還予定財産の処分方針を検討する分科会を設けることができるものとする。

なお、現況把握等のための調査会を設けた場合には、当該調査会をもって処分方針を検討する協議会又は分科会に代えることができるものとする。ただし、処分方針の決定は財務局長等及び地元地方公共団体が主体となって行うものとする。

(4)財務局長等は、協議会において、当該返還予定財産に関し国利用の計画がある場合はその旨地元地方公共団体に説明し、当該地方公共団体において策定する利用構想に盛り込むよう求めるものとする。

(5)財務局長等は、上記1の現況把握等及び地元地方公共団体が策定した利用構想を踏まえ、処分方針策定の協議を行うものとし、地元地方公共団体が策定する利用構想が第3-1-(3)で必要と認められた措置を踏まえたものであるかどうか検討するものとする。

なお、処分方針策定にあたっては、令和元年9月20日付財理第3206号「最適利用に向けた未利用国有地等の管理処分方針について」通達(以下、「最適利用通達」という。)記-第4に基づき留保財産として選定し、定期借地権による貸付けを行うことも検討することとする。

(6)財務局長等は、協議会の設置以前に、地元地方公共団体において、既に当該返還予定財産に関する利用計画が検討され、財務局長等にその概要等が説明されている場合は、当該利用計画が現況把握等を踏まえたものであるかどうか検討のうえ、当該利用計画をもとに処分方針策定の協議を行うものとする。

(7)財務局長等は、協議会において協議が整った処分方針が財務局長等に提出された場合は、それを尊重することとする。

なお、財務局長等は、必要に応じ国有財産地方審議会で利用計画大綱を審議する。その際、協議会での協議状況等を報告する。

(8)財務局長等は、当該財産の返還予定時期が確定した場合、速やかに当該地方公共団体に処分方針に基づく利用計画の提出を求めるものとする。財務局長等は、速やかに、国有財産地方審議会への諮問等必要な手続きを行い、利用計画を決定するものとする。

3.報告

財務局長等は、返還予定財産の現況、現況把握のための調査会及び処分方針を検討する協議会の運営状況、処分方針等の策定状況について、毎年度3月31日現在の状況を別紙様式により作成し、翌年度の5月31日までに理財局長に提出するものとする。

第4.処分等

財務局長等は、地方防衛局等から財産引継ぎ後、直ちに処分等を行うものとする。ただし、諸事情により処分までに時間を要する場合は、最適利用通達記-第6-4に定める個別活用財産として、処分に支障の出ない範囲で、管理委託又は一時貸付け等の暫定的利用ができるものとする。

なお、個別活用財産とした返還財産を貸付けする場合には、建物の所有以外の目的で土地を貸付ける場合で、貸付期間について3年を超える必要があると財務局長等が判断した場合は、30年以内の貸付期間を設定できることに留意する。

第5.その他

1.面積が10ha未満の返還予定財産についても、本通達を準用して処理することを妨げない。

2.本通達により処理することが適当でないと認められる場合には、理財局長の承認を得て処理することができるものとする。

第6.書面等の作成・提出等の方法

1.電子ファイルによる作成

本通達に基づき、作成を行う書面等(書面その他文字、図形その他の人の知覚によって認識することができる情報が記載された紙その他の有体物をいう。以下同じ。)については、電子ファイルにより作成を行うことができる。

2.電子メール等による提出等

(1)本通達に基づく提出等の手続のうち、書面等により行うこととしているものについては、電子メール等の方法により行うことができる。

(2)上記(1)の方法により提出等を行うときは、電子ファイルをもって行うものとする。

別紙様式(PDF:154KB)