平成15年6月6日 |
改正平成22年3月9日財理第293号
改正平成28年12月2日財理第3928号
財務省理財局長から各省各庁官房長等、各財務局長、沖縄総合事務局長宛
国家公務員宿舎(以下「宿舎」という。)に係る原状回復(国家公務員宿舎法(以下「法」という。)第16条第3項の規定に基づく原状回復をいう。)、軽微修繕(法第17条第2項ただし書の規定に基づき、天災、時の経過その他被貸与者の責に帰することのできない事由により宿舎が損傷又は汚損(以下「損傷等」という。)した場合において、その損傷等が軽微なものとして国がその費用を負担しない修繕(補修又は取替えその他適宜の方法をいう。))及び維持管理については、下記のとおり取り扱うこととし、平成29年1月1日から適用する(被貸与者の退去時の原状回復等の措置については、平成29年1月1日以降に退去が行われる場合に適用する。)こととしたので、通知する。
記
1原状回復及び軽微修繕の対象や範囲
被貸与者が行う原状回復及び軽微修繕の対象等は次のとおりとする。
なお、各省各庁は、当通達を基に運用方針等を定めることとする。
(1)専用部分
原状回復及び軽微修繕は、損傷又は汚損(以下「損傷等」という。)の原因が被貸与者の責めに帰すべき事由によるもの、または被貸与者の住まい方によるもの、及び通常の住まい方・使い方で発生する可能性はあるがその後の手入れ等被貸与者の管理が悪いため発生または拡大したと考えられるものについて、被貸与者が行う。
(2)共用部分
イ集会場、自転車置場、児童遊園地、共同物置、共同給排水設備及び共同電気設備の補修及び取替えのうち、以下のもの。
(イ)建具、畳等について
A障子及び襖(戸襖を含む。)の張替え(障子は一枚単位、襖は原則として一組単位とする。)。
B網戸の張替え。
C硝子の入替え及びパテ(ゴムパテを含む。)の詰替え。
D把手、引手、錠、鍵、蝶番、戸車その他建具附属器具類の補修及び取替え(ただし、玄関のシリンダー錠及びドア・クローザーの取替えを除く。)。
E畳表の裏返し及び取替え(一枚単位とする。)。
F壁の塗替え及び壁クロス等の張替え(原則として一面単位とする。)。
(ロ)電気設備について
Aブザー及びチャイムの補修及び取替え並びにインターホンの補修。
B各種スイッチ、プレート及びコンセントの補修及び取替え。
C照明器具の補修並びに電球、蛍光灯等の部品等の補修及び取替え。
D換気扇(ダクトのあるものは除く。)、部品等の補修及び取替え。
(ハ)給水設備について
A水道蛇口の補修及び取替え(ただし、混合水栓の取替えは除く。)。
B水道管の保温巻きの補修及び取替え(ただし、地下埋設部分(躯体埋込部分を含む。以下同じ。)を除く。)。
C水道管の凍結による漏水の補修(ただし、地下埋設部分を除く。)。
(ニ)排水設備について
A流し台のワントラップ、部品等の補修及び排水目皿の取替え。
B排水管、排水トラップ、溜桝等の清掃。
C溜桝蓋の補修及び取替え。
(ホ)衛生設備について
A洗面器、手洗器、洗濯機パン及びS・Pトラップの補修並びに栓、部品等の取替え。
B便器の便座、便蓋及び蝶番の補修及び取替え。
Cフラッシュバルブ、ロータンク及びハイタンクの部品等の補修及び取替え(ただし、タンク内部の部品一式の取替えは除く。)。
D便所内部品(ペーパーホルダー、タオル掛等)の取替え。
(へ)ガス設備について
Aコック(器具又はゴム管を接続する個所。)の補修及び取替え。
(ト)その他
A台所設備(流し、吊り戸棚、水切棚、防虫網、コンロ台等)の補修。
B化粧箱及び化粧鏡の補修。
C下駄箱の戸、蝶番、把手及び棚板の補修及び取替え。
D傘立て、タオル掛、カーテンレール、棚板、ハンガーボード、帽子掛、名札掛、郵便受及び牛乳受の補修及び取替え。
E物置の棚板の補修及び取替え。
(チ)上記各項目から判断して、国が被貸与者負担とすることを適当と認めるもの。
ロ階段ノンスリップの補修及び取替え。
ハ集合郵便受、集合札掛、掲示板及び案内板の補修。
ニ共聴アンテナ、配線、部品等の補修及び取替え。
ホダストシュート、ダストボックス扉等の補修。
へ花壇等の補修。
ト囲障等の補修。
チ車止め及び交通標識の補修。
リ上記各項目から判断して、国が被貸与者の共同負担とすることを適当と認めるもの。
2国が費用を負担しない共用部分の維持管理の範囲
次に掲げる維持管理に要する費用については、すべて被貸与者の共同負担とする。
(1)宿舎の共用部分に係る電気代、水道代、ガス代等の光熱水料。
(2)張芝、クローバー、樹木等植栽の維持管理(ただし、国が樹木を伐採等する場合は除く。)。
(3)宿舎の共用部分に係る清掃及び草刈。
3原状回復及び軽微修繕の実施方法
(1)原状回復及び軽微修繕は、宿舎の損傷等のある部分について、維持管理機関の指示に従い、被貸与者において行うものとする。
(2)原状回復及び軽微修繕は、施工上の斉一を考慮して必要最小限度の範囲にとどめるものとし、維持管理機関は、被貸与者の宿舎の管理状況、宿舎設備の適正な整備水準の保持、取扱いの公平性その他の観点から、被貸与者の負担も勘案のうえ、実施方法を指示するものとする。
(3)被貸与者が原状回復及び軽微修繕を行うに当たっては、次のとおりとする。
(イ)材料の品質、等級、施工方法等(以下「品質等」という。)は、国が設置したもの(以下「在来品」という。)と同等、又はそれ以上のものとしなければならない。
ただし、過去に取替え、塗替え、張替え等(以下「更新」という。)が行われていることにより、在来品の品質等が明らかでない場合には、現に設置されているものが在来品又は標準的な品質等に比べて著しく異なるものと認められる場合を除き、現に設置されているものをもって在来品と同等とみなすことができる。
(ロ)品質等以外の仕様(色、模様、デザイン等機能上の差異に影響を及ぼさないもの)については、極力、在来品と同様のもの(色、模様、デザイン等が似通ったものとし、疑義がある場合には維持管理機関が指示する。)とすることで足り、在来品と同一である必要はないものとする。
(ハ)維持管理機関は、損傷等がない部分について、原状回復及び軽微修繕を行う部分との色、模様、デザイン等を揃えるための更新を指示することのないよう留意するものとする。
(4)被貸与者が宿舎を退去するに際し、入居中に、既に、上記(3)に定める要件に合致する原状回復及び軽微修繕が行われている場合には、現に損傷等がない限り、更新は必要としない。