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財務省所管の建設工事における共同企業体の取扱いについて

財務省所管の建設工事における共同企業体の取扱いについて


 

平成1年3月20日


 

蔵会第763号


 

 改正:平成6.4.18蔵会第1277号

 13.1.9財会第53号

 13.4.27財会第1044号

 13.6.4財会第1373号

 24.6.18財会第1365号


 

大臣官房会計課長から

 各部局長   あて


 

 

 標記のことについて、下記のとおり制定し、平成元年4月1日から適用することとしたから、通知する。

 なお、この通達は、大蔵省所管の建設工事における共同企業体についての基本的な取扱いを定めたものであり、審査部局長(大蔵省所管会計事務取扱規則(昭和43年大蔵省訓令第1号)第14条第1項に規定する審査部局長をいう。以下同じ。)が必要に応じ、この通達の範囲内において、別途取扱要領を定めるものとする。

 


 

第1 特定建設工事共同企業体

大規模かつ技術的難度の高い工事の施行に際して、技術力等を結集することにより工事の安定的施工を確保することを目的として結成する共同企業体(以下「特定建設工事共同企業体」という。)を競争に参加させる場合の取扱いは、次のとおりとする。

1.対象工事の規模

特定建設工事共同企業体を競争に参加させることができる対象工事の規模は、財務省所管の建設工事等の契約に係る競争参加者資格審査事務等取扱要領(平成12年12月27日蔵会第4096号。以下「資格審査要領」という。)別表第1中総合建設工事の最上位の等級に係る予定価格以上であって、大規模かつ技術的難度の高い建設工事とする。

2.特定建設工事共同企業体の内容

(1) 構成員の数

構成員の数は、2又は3社とし、工事毎に契約担当官等が定めるものとする。

(2) 組合せ

構成員の組合せは、次の各号の要件を満たすものとする。

イ 発注工事に対応する工事種別(資格審査要領第4に定める工事種別をいう。以下同じ。)の有資格業者(資格審査要領第9の規定により格付された者をいう。以下同じ。)の組合せであること。

ロ 発注工事に対応する工事種別の等級区分(資格審査要領第4に規定する等級区分をいう。以下同じ。)が設けられている場合は、最上位の等級に格付されている有資格業者の組合せであること、又は構成員のいずれかが、発注工事に対応する工事種別の等級区分の最上位の等級に、他の構成員が次順位の等級にそれぞれ格付されている有資格業者の組合せであること。この場合において、次順位の等級に格付されている有資格業者の数は、原則として、総構成員数の2分の1を上回ってはならないこと。

(3) 構成員の技術的要件等

すべての構成員が、次の各号の要件を満たすものとする。

イ 当該工事を構成する一部の工種を含む工事について元請としての施工実績があり、当該工事と同種の工事の施工実績を有する者であること。

ロ 発注工事に対応する建設業法(昭和24年法律第100号)の許可業種につき、許可を有して営業年数が3年以上あること。ただし、相当の施工実績を有し、確実かつ円滑な共同施工が確保できると契約担当官等が認めた場合には、この限りでない。

ハ 発注工事に対応する建設業法の許可業種に係る監理技術者又は国家試験を有する主任技術者を工事現場に専任で配置することができること。

(4) 出資比率要件

すべての構成員が、均等割の10分の6以上の出資比率であること。

(5) 代表者要件

代表者は、同一の等級の者の間では、より大きな施工能力を有する者、等級の異なる者の間では、上位の等級の者であるものとする。また、代表者の出資比率は、構成員中最大であるものとする。

3.特定建設工事共同企業体の資格の認定等

(1) 契約担当官等は、特定建設工事共同企業体を競争に参加させようとするときは、あらかじめ、対象工事名、工事場所、工事の概要、資格審査に必要な事項、契約の方法及び競争に参加する者に必要な資格を公示又は資格審査に必要な事項を入札公告に記載して資格審査の申請を行わせるものとする。

(2) 契約担当官等は、申請を受けたときは、審査部局長に送付するものとし、審査部局長は、資格審査要領に基づき、資格審査を行い資格の認定をするものとする。

(3) 認定された資格は、対象工事についてのみ有効とする。

第2 経常建設共同企業体

優良な中小・中堅建設業者が継続的な協業関係を確保することにより、その経営力・施工力を強化することを目的として結成された共同企業体(以下「経常建設共同企業体」という。)を競争に参加させる場合の取扱いは、次のとおりとする。

1.対象工事の規模等

経常建設共同企業体を競争に参加させることができる施工対象工事は、当該共同企業体として格付された等級に対応する契約予定金額の範囲内の規模の工事とする。

なお、契約担当官等が必要と認めるときは、工事の規模に対応する等級(以下「資格等級」という。)の1級上位又は1級下位の等級に格付された共同企業体にも工事を行わせることができる。また、その等級に格付された共同企業体がいない場合には、資格等級の2級上位の等級に格付された共同企業体にも工事を行わせることができるものとする。

2.経常建設共同企業体の内容

(1) 構成員の数

構成員の数は、2又は3社とする。ただし、継続的な協業関係が確保され、円滑な共同施工に支障がないと審査部局長が認めるときは、5社までとすることができる。

(2) 組合せ

構成員の組合せは、次の各号の要件を満たすものとする。

イ 資本の額若しくは出資の総額が20億円以下の会社又は常時使用する従業員の数が1500人以下の会社若しくは個人による組合せであること。

ロ 同一の等級又は直近の等級に格付された有資格業者の組合せであること。ただし、下位の等級業者等に十分な施工能力があると判断される場合には、直近二等級までに格付された有資格業者の組合せとすることも差し支えないものとする。

ハ イ及びロのほか、審査部局長が継続的な協業関係を維持していると認める場合に限り、当該組合せの要件に適合しているものとみなすものとすること。

(3) 構成員の技術的要件等

すべての構成員が、次の各号の要件を満たすものとする。

イ 希望する業種区分について、元請として施工実績を有すること。ただし、元請としての施工実績がない構成員で、当該工事を確実かつ円滑に共同施工できる能力を有すると認められる場合にあっては、下請としての施工実績を有することで足りるものとする。

ロ 業種区分に対応する建設業法の許可業種につき、許可を有しての営業年数が3年以上あること。ただし、相当の施工実績を有し、確実かつ円滑な共同施工が確保できると審査部局長が認めた場合には、この限りでない。

ハ 工事1件の請負代金の額が、建設業法施行令(昭和31年政令第273号)第27条第1項で定める金額にあっては、発注工事に対応する建設業法の許可業種に係る監理技術者又は国家資格を有する主任技術者(地域における技術者の分布状況からみて、国家資格を有する主任技術者を工事現場に専任で配置することが過重な負担を課することとなると認められる場合にあっては、国家資格を有しない主任技術者。以下同じ。)を工事現場に専任で配置することができること。
 ただし、工事1件の請負代金の額が、建設業法施行令第27条第1項で定める金額の最低規模の3倍未満であり、他の構成員のいずれかが監理技術者又は国家資格を有する主任技術者を工事現場に専任で配置する場合においては、残りの構成員は、監理技術者又は国家資格を有する主任技術者を工事現場に兼任で配置することで足りるものとする。

(4) 出資比率要件

すべての構成員が、均等割の10分の6以上の出資比率であるものとする。

(5) 代表者要件

代表者は、構成員において決定された者とするものとする。

3.登録

一の企業が一の審査部局長に登録することができる経常建設共同企業体の数は、1とするものとする。

第3 地域維持型建設共同企業体

地域の維持管理に不可欠な事業につき、地域の建設企業が継続的な協業関係を確保することによりその実施体制の安定確保を図ることを目的として結成する共同企業体(以下「地域維持型建設共同企業体」という。)を競争に参加させる場合の取扱いは、次のとおりとする。

1.対象工事の規模等

地域維持型建設共同企業体を競争に参加させることができる対象工事は、社会資本の維持管理のために必要な工事のうち、災害応急対応、除雪、修繕、パトロールなど地域事情に精通した建設企業が当該地域において持続的に実施する必要がある工事(ただし、維持管理に該当しない新設・改築等の工事を除く。)とし、当該共同企業体として格付けされた等級に対応する予定価格の範囲内の規模の工事とする。

なお、契約担当官等が必要と認めるときは、工事の規模に対応する等級(以下「資格等級」という。)の1級上位又は1級下位の等級に格付された共同企業体にも工事を行わせることができる。また、その等級に格付された共同企業体がいない場合には、資格等級の2級上位の等級に格付された共同企業体にも工事を行わせることができるものとする。

2.地域維持型建設共同企業体の内容

(1) 構成員の数

構成員の数は、原則10社までとする。ただし、地域や対象工事の実情に応じ円滑な共同施工が確保できると審査部局長が認めるときは、この限りでない。

(2) 組合せ

構成員の組合せは、土木工事業(工事の実情に応じ、建築工事業も可とする。以下同じ。)の許可を有する有資格業者を少なくとも1社含む組合せとする。

なお、個人や経常建設共同企業体の構成員である一の企業が地域維持型建設共同企業体の構成員となることも可能とする。ただし、事業共同組合については共同企業体としての意思決定が重複的となるおそれのあることから、構成員としては、認めないものとする。

(3) 構成員の技術的要件等

すべての構成員が、次の各号の要件を満たすものとする。

イ 希望する業種区分について、元請として施工実績を有すること。ただし、元請としての施工実績がない構成員で、当該工事を確実かつ円滑に共同施工できる能力を有すると認められる場合にあっては、下請としての施工実績を有することで足りるものとする。

ロ 業種区分に対応する建設業法の許可業種につき、許可を有しての営業年数が3年以上あること。ただし、相当の施工実績を有し、確実かつ円滑な共同施工が確保できると審査部局長が認めた場合には、この限りでない。

ハ 工事1件の請負代金の額が、建設業法施行令第27条第1項で定める金額にあっては、発注工事に対応する建設業法の許可業種に係る監理技術者又は国家資格を有する主任技術者(地域における技術者の分布状況からみて、国家資格を有する主任技術者を工事現場に専任で配置することが過重な負担を課することとなると認められる場合にあっては、国家資格を有しない主任技術者。以下同じ。)を工事現場に専任で配置することができること。
 ただし、土木工事業の許可を有する上位等級の構成員が当該許可業種に係る監理技術者又は主任技術者を専任で配置する場合は、他の構成員の配置する技術者の専任を求めないものとするが、分担施工を行う場合には、各構成員の分担工事及びその価額に応じて技術者を配置するものとする。

ニ 地域の地形・地質等に精通しているとともに、迅速かつ確実に現場に到達できること。

(4) 出資比率要件

すべての構成員が、均等割の10分の6以上の出資比率であるものとするが、事業実施量等を勘案し、柔軟に設定することも可能とする。

(5) 代表者要件

代表者は、土木工事業の許可を有し、かつ、同一の等級の者の間では、より大きな施工能力を有する者、等級の異なる者の間では、上位の等級の者の中から、構成員において決定された者とするものとする。

3.登録

一の企業が一の審査部局長に登録することができる地域維持型建設共同企業体の数は、1とするものとする。

ただし、一の企業と地域維持型建設共同企業体との同時登録並びに経常建設共同企業体及び特定建設工事共同企業体と地域維持型建設共同企業体との同時結成及び登録は可能とする。

 

第4 共通事項

1.共同企業体の取扱要領

審査部局長が定める取扱要領は、同一地区のすべての機関(資格審査要領別紙第6に規定する審査事務を一元化している同一地区の機関をいう。)に対して有効である。

2.競争参加者の資格

契約担当官等は、第1の1、第2の1及び第3の1に規定する対象工事の契約において、施工技術上又は効果的な共同施工の確保の必要性から共同企業体を契約相手方とする場合を除き、有資格業者(単独で施工することが可能な者に限る。)を、当該対象工事の競争に参加させることができるものとする。

3.競争参加者の条件

2の規定により単独で施工することが可能な者が競争に参加する場合は、その者が代表者となっている共同企業体を、当該対象工事の競争に参加させないものとする。