このページの本文へ移動

普通財産の売払代金又は交換差金の延納に関する取扱いについて

昭和60年6月28
蔵理第2289


改正平成 9 年 3 月 28 日蔵理第 1320 号

13 年 3 月 30 日財理第 1296 号

15 年 3 月 31 日同第 1292 号

18 年 11 月 22 日同第 4375 号

30 年 3 月 30 日同第 1150 号

令和 3 年 5 月 31 日同第 1777 号

大蔵省理財局長から各財務(支)局長、沖縄総合事務局長宛

普通財産の売払代金又は交換差金(以下「売払代金等」という。)の延納に関する取扱いについては、下記によることとしたから、通知する。

なお、この通達の趣旨は、延納の取扱いに関する通達を統合整理し、併せて同取扱いの理解を容易にすることにある。

おって、次の通達は廃止する。

昭和 27 年 12 月 22 日付蔵管第 4774 号「普通財産の売払代金又は交換差金の延納に関する取扱について」

昭和 47 年 6 月 30 日付蔵理第 2936 号「普通財産の売払代金の延納担保の取扱いについて」

昭和 50 年 12 月 1 日付蔵理第 4826 号「延納利率の取扱いについて」

延納の適否の判定等を行う場合の留意事項

普通財産の売払代金等の延納に関しては、普通財産取扱規則(昭和 40 年大蔵省訓令第 2 号。以下「取扱規則」という。)に規定されているところであるが、延納の適否の判定等を行う場合には、以下の点について留意するものとする。

(1)相手方が地方公共団体の場合には、取扱規則第 15 条第 1 項に規定する財務諸表等及び事業計画書など必要な資料に加えて、以下の資料の提出を求めるものとする。

売払代金等を一時に納付することが真に困難である状況に係る陳述書及び陳述内容を客観的に裏付ける根拠となる資料

延納代金支払の資金計画(予算措置に関する資料(議会の議決に関する資料を含む)等資金調達の方法について記載したもの)

(2)相手方が個人の場合には、その資産状況及び延納代金支払の資金計画(主に、資金調達の方法について記載したもの。)を把握しうる資料の提出を求めるものとする。

資産状況の把握については、預貯金の残高がわかる資料等、延納代金支払の資金計画については、給与の源泉徴収票や確定申告書の写し等収入状況の確認できる資料の提出を求めること。

(3)財務局等においては、相手方から提出を受けた資料に基づき、①一括での売払代金等の納付が真に困難であること、及び②将来の延納代金の納付の確実性について、十分に審査を行うものとする。

なお、審査に当たっては、金額の大きな項目や計数等で不明な点がある場合には、相手方に対し、その根拠となる資料等の徴求や説明を求めるものとする。

(4)相手方から資料の提出や説明について十分な協力を得られない場合には、延納を認めないこととする。

(5)延納代金の納付の確実性については、契約後においても定期的(少なくとも年に 1 回以上)に相手方の収入状況等の確認を行うこととし、確認に当たって相手方の協力が得られない場合には、延納特約を解除して一括での納付を求めることとする。 相手方に対しても契約時にその旨を十分に説明すること。

延納期限及び納付方法

(1)取扱規則に規定してある納付基準は、取扱い上の標準の最高限度を示すものであるから、相手方の資力信用の程度に応じて、延納期間を短縮するよう留意するものとする。

(2)前記の納付基準の規定により延納各回の金額を定めるものとし、延納利息の計算は、延納代金の合計額を元本額として契約で定める次回の延納期限までの期間に応じて算定するものとする。

延納利率

延納利率は、取扱規則第 17 条による利率を適用する。

延納利息及び延滞金の徴収

(1)相手方が延納代金を契約で定める納付期限前に納付したときは、その繰上期間が 1 か月未満である場合を除き、繰上期間に対応する延納利息を軽減することができる ものとする。

(2)相手方が延納代金を契約で定める納付期限までに支払わなかったときは、延納代金について当該納付期限の翌日から支払いのあった日までの期間につき年○パーセント(契約締結時点における国の債権の管理等に関する法律施行令第29条第1項本文に規定する財務大臣が定める率を定める告示(昭和32年大蔵省告示第8号)に定める率(以下「告示利率」という。))の割合で計算した延滞金を徴収するものとする。

契約保証金

(1)契約保証金は、即納金の納付又は担保の提供があったときに返還するものとする。また、付保を要するものを担保として提供させるときは、取扱規則第21条第1項に規定する手続きが履行されたときに返還するものとする。

(2)契約保証金に対しては、保管金規則(明治 23 年法律第 1 号)第 2 条の規定により利子を付することができないから、その旨契約書に明記するものとする。

担保価格及び担保価値

(1)国有の土地を当該土地上の建物の所有者又は権利者へ売り払う場合(当該土地にあわせて、その土地上の国有の建物を売り払う場合を含む。)において、土地及びその土地上の建物をあわせて担保として徴する場合で、当該土地の担保価値のみで被担保金額が十分担保されると認められる場合には、建物については固定資産課税台帳登録価格をもってその評価額とすることができるものとする。

(注) 担保として提供された建物が、火災等により滅失した場合その敷地上に相手方が建物を構築しようとするときは、その建物を増担保として提供することを請求すること。

(2)土地上に建物の建設計画がある土地(更地)のみを担保として提供させる場合において、当該土地のみでは、担保として十分でなく、かつ、当該土地以外に担保物件がない場合で、相手方が建物を建設した後、直ちに当該建物を担保として提供させることによって、取扱規則第 19 条第 1 項に定める担保価額が十分保全される場合は、あらかじめその旨を特約したうえ、建物の建設計画のある土地(更地)のみを担保として提供させることができるものとする。

担保の選定

(1)公売しても換価が非常に困難であると認められる財産又は担保の実効がない程度に価格が低下するおそれがあると認められる財産は、担保として徴しないものとする。

(2)担保を提供させる場合には、取扱規則第 18 条第 1 項各号に定めるもののうちから適当と認められるものを提出させるものとするが、その選定に当っては、換価処分が容易でかつ担保価値の変動が比較的少ない国債、地方債若しくは政府保証債又は、適当と認める銀行等金融機関による支払保証書等を優先的に徴するものとする。

(3)取扱規則第 18 条第 1 項第 2 号に規定する有価証券(株式)を担保として提出させる場合には、上場株式であっても自社株式の提供については、これを認めないものとし、延納売払い等の相手方会社の親会社(支配会社)又は子会社(従属会社)の発行に係る株式についても、特に必要やむを得ないと認める場合を除き原則としてこれを認めないものとする。

なお、自社等発行の社債については、その条件(担保の有無、償還の優先性又は劣後性その他)等を十分検討するものとする。

(4)国税又は地方税等の滞納があるときは、抵当権を設定しても国又は地方公共団体に差し押さえられ抵当権の実行が不可能になる場合があるので、国税又は地方税等の滞納額を調査して担保の確実性を検討するものとする。

(5)不動産については、抵当権等の担保物権設定の有無、その担保された債権、現在の利用状況などを調査することとし、必ず登記事項証明書を提出させるものとする。

なお、抵当権を設定する場合には、延納代金及び延納利息のほか、「延滞金利率年○パーセント」(契約締結時点における告示利率を記載)として登記し、被担保債権の範囲を明らかにしておくこと。

担保の価額

(1)取扱規則第 19 条第 2 項第 3 号に規定する担保物件の価額は、時価の 5 割とする。

(2)取扱規則第 19 条第 2 項第 5 号に規定する担保物件の価額は、時価の 7 割とする。

(3)取扱規則第 19 条第 2 項第 6 号に規定する担保物件の価額は、時価の 7 割とする。

9 担保物件の付保

(1)担保物件として建物を提供させた場合において、建物に抵当権を設定するときは、当該建物について火災保険及び地震保険を含む総合損害契約を締結させるものとする。

(2)上記6の(1)の場合においては、当該建物に対する付保を要しないものとして取り扱うことができるものとする。

10その他

駐留軍関係離職者等臨時措置法(昭和 33 年法律第 158 号)第 12 条に規定する法人に対して、売払代金の延納の特約をしようとする場合においては、取扱規則第 5 条第 6 号ロの規定による財務大臣の承認が必要となることに留意するものとする。