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公共用財産の用途廃止及び引継ぎについて

昭和43年3月30日
蔵国有第493号

改正平成12年12月26日蔵理第4612号
同 18年11月22日財理第4375号
大蔵省国有財産局長から各財務局長宛

道路、河川等の公共用財産、とくに認定外道路、普通河川等の法定外公共用財産については、従来その管理体制が必ずしも十分でないため不法占拠等を生じ、これらの排除措置等の関連で引継事務が遅延しているものが相当数認められる。

これらの公共用財産を用途廃止後財務大臣に引き継ぐ場合において、当該財産を占使用又は不法占拠している者があるときは、原状回復その他の措置を講じたうえすみやかに引き継ぐべきであるが、それが必ずしも容易でなく、引継事務が遅延している現状にかんがみ、引継事務の促進を図るため建設大臣官房長との間に別紙のとおり覚書を取り交わしたので通知する。

なお、この覚書の運用に当たっては、下記により合理的な処理を図ることとされたい。

おって、従来は公共用財産の用途廃止前に占使用の許可を行い又は不法占拠を許容する等の公共用財産の管理が必ずしも適正ではなかったので、今後はかかることのないよう公共用財産の管理者たる国土交通省に申し入れているところであるので念のため申し添える。

  • 1 本覚書記の2により処理する事案については、今後はすべてこれによって処理するものであるが、その具体的処理に当たっては、各財務局において、既に市街地を形成している区域、市街地化の著しい区域に存在するもの及びその他重要と認められるものに重点を置くよう配慮するものとする。

  • 2 本覚書記の3の規定は、本覚書記の2により財務大臣に引き継ぐものに適用するものとする。

    • (注) 引き継ぐべき財産を占使用又は不法占拠している者がある場合で本覚書記の2の規定によらないで引継ぎを受けるものについては、昭和33年12月15日付蔵管第3381号「国有財産受渡証書について」通達に基づき国有財産受渡証書を作成するとともに、財産の数量等はなお従前のとおり処理する。

別紙

公共用財産の用途廃止及び引継ぎについて

 建設省所管公共用財産の用途廃止及び引継ぎについては、大蔵、建設両省間において、昭和43年4月1日以降下記の措置をこうずるものとする。

  • 1 用途廃止

    公共用財産が次の各号の一に該当する場合には、すみやかに用途廃止の手続きをとるものとする。

    • (1)国有財産法(昭和23年6月30日法律第73号)第10条第1項の規定に基づく国有財産実地監査の結果、公共物たる機能を喪失したものとして、用途廃止の措置を求められた場合。

    • (2)国以外の者によって公共物の代替施設が設置されたため、公共物として不要となった場合。

    • (3)国以外の者によって宅地造成等が行われたため、その造成区域内に存在する公共物で、公共物として存置する必要がなくなった場合。

    • (4)その他公共用財産の実態からみて、公共物たる機能を失っていると認められる場合。

  • 2 占使用等の処理

    公共用財産の用途が廃止された場合は、用途廃止後すみやかに大蔵省に引き継ぐものとする。この場合、引き継ぐべき財産を占使用又は不法占拠している者があるときは、 原状回復その他の措置をこうじたうえ、すみやかに引き継ぐべきであるが、それが必ずしも容易でなく、公共用財産の引継ぎに関する事務の処理が遅延している現状にかんがみ、今後は次により処理するものとする。

    • (1) 公共用財産引継連絡協議会(以下「協議会」という。)への付議

      引き継ぐべき財産が占使用又は不法占拠されている場合において、次の各号の一に該当し、引継ぎの適否について検討を要するものであるときは、協議会に付議し、引き継ぐことを適当と認められたものについては、(2)により処理するものとする。

      なお、協議会の運営については、別紙第1「公共用財産引継連絡協議会運営要綱」によるものとする。

      • イ 占使用の場合

        • (イ) 占使用許可に基づいて、生活の本拠として現に住宅又は宿舎等の敷地として使用している場合。

        • (ロ) 占使用許可に基づいて、永続的使用に耐える家屋又は永久的かつ堅固な構築物の敷地として使用している場合。

        • (ハ) 占使用許可に基づいて、耕作又は放牧の用に供している場合。

        • (ニ) 占使用財産が公用、公共用又は公益事業の用に供されている場合。

      • ロ 不法占拠の場合

        • (イ) 道路、河川等の付替えに際し、自己の所有地を提供した代償として、正当な権限は有しないが事実上の管理者である地方公共団体等から、廃道敷、廃川敷等の譲与を受け、自己の所有財産であると誤信して占拠を開始した場合。

        • (ロ) 正当な権限は有しないが事実上当該公共用財産を管理していた地方公共団体等から許可又は了解を受けて占拠を開始した場合。

        • (ハ) 相続、売買等により取得した土地に、旧道路敷、旧河川敷等が含まれており、当該道路敷等についても自己の所有財産であると誤信して占拠を開始した場合。

        • (ニ) 従前不法占拠していた者から、その者が真実の土地の所有者であると誤信して買い受け又は借り受け、占拠を開始した場合。

        • (ホ) 戦災者、引揚者又は生活困窮者が生活の本拠である住宅の敷地として占拠を開始したもので、現在も経済的資力に乏しく、立退要求することが社会的問題となるおそれがある場合。

    • (2) 引継事務の処理

      • イ 占使用の場合

        建設省において、大蔵省に引継後国に定める条件で買い受け若しくは借り受ける旨の誓約書を徴したとき又は誓約書を徴さないが財務局長が引き継ぐことを適当と認めたときは、建設省において、占使用者の住所及び氏名、占使用面積、占使用開始の年月日、占使用許可の事情(占使用許可書の写し)並びに過去の交渉経緯等を記載した明細書を作成のうえ、大蔵省に引き継ぐものとする。

        なお、引継ぎに当たって、協議会が境界を確定する必要があると認めるものについては、大蔵省及び建設省が協力してこれを行なうものとする。

      • ロ 不法占拠の場合

        建設省において、大蔵省に引継後国の定める条件で買い受け若しくは借り受ける旨の誓約書を徴したとき又は誓約書は徴さないが財務局長が引き継ぐことを適当と認めたときは、建設省において、不法占拠者の住所及び氏名、不法占拠面積、不法占拠開始の年月日、不法占拠するに至った事情、過去の交渉経緯並びに立退要求を不適当と認めた理由等を記載した明細書を作成のうえ、大蔵省に引き継ぐものとする。

        なお、引継ぎに当たって、協議会が境界を確定する必要があると認めるものについては、大蔵省及び建設省が協力してこれを行なうものとする。

  • 3 引継手続きの特例

    公共用財産の用途廃止に伴う引継ぎについては、次によるものとする。

    • (1) 引継通知書は別紙第2の様式による。

      なお、財産の数量については、協議会が境界を確定する必要があると認めるものを除き、不動産登記法(平成16年法律第123号)第14条に規定する地図又は旧土地台帳法施行細則(昭和25年法務府令第88号)第2条に規定する地図(いわゆる公図)(以下「公図等」という。)により図上求積を行なった数量によることができる。

    • (2) 引継通知書には、公図等の写しを添付するものとし、当該図面上引き継がれる財産を他と区分して適宜表示する。

      なお、大蔵省及び建設省が協力して境界の確定を行なったものについては、境界確定協議書を添付するものとする。

    • (3) 引継通知をしたときは、その引継通知書の受領の日付をもって引継ぎがあったものとみなす。

別紙 第1

公共用財産引継連絡協議会運営要綱

  •  

  • 1 公共用財産の用途廃止及び引継ぎの事務の円滑な処理を図るため、都道府県単位で、公共用財産引継連絡協議会(以下「協議会」という。)を設置する。

  • 2 協議会は、財務局長又は財務部長及び建設省所管国有財産部局長である各都道府県知事をもって構成する。

  • 3 協議会は、公共性を喪失した公共用財産の大蔵省への引継ぎの適否その他公共用財産の用途廃止及び引継ぎに関し必要と認められる事項について協議するものとする。

  • 4 協議会は、財務局長、財務部長又は都道府県知事の要請により、随時開催する。

  • 5 協議会において協議する議案及び関係資料は、必ず事前に配布するものとする。

  • 6 協議会において必要と認める場合は、現地立会いのうえ協議することができる。

  • 7 協議会を開催したときは、議事録を作成するものとし、議事録には、開催の日時、場所、出席者のほか、協議事項の概要その他重要事項を記録するものとする。

別紙 第2

引継通知書

文書番号

昭和○年○月○日

○○財務局長(財務部長)  殿

建設省所管国有財産部局長

○○知事  氏名  印

公共用財産の用途廃止に伴い、下記により国有財産を引継したいので、通知します。

1 財産の所在    ○○県○○市○○町○○番地先

2 財産の数量

3 用途廃止の理由

4 添付書類

(1) ○○○○

(2) ○○○○