告示第二百九十号
平成十一年九月三十日
最終改正 平成一二年一一月二七日大蔵省告示第三七五号
国民生活金融公庫の貸付金利息のうち未収貸付金利息,債券発行差金償却,債券発行費償却及び貸倒引当金への繰入れの算出方法を定める件
大蔵省
公庫の国庫納付金に関する政令(昭和二十六年政令第百六十二号)第一条第四項の規定に基づき、国民生活金融公庫の貸付金利息のうち未収貸付金利息、債券発行差金償却、債券発行費償却及び貸倒引当金への繰入れの算出方法を次のように定め、平成十一年十月一日から適用する。
第一条 (定義)
この告示において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一
貸付金の返済期限 貸付けに関する契約により定められた貸付金の返済期日をいう。
二
利払期 貸付けに関する契約により定められた利息の支払日をいう。
三
貸付金利息の未収金 利払期の到来した貸付金利息のうち、まだ収入していないものをいう。
四
貸付金利息の未収収益 利払期は到来していないが事業年度終了の時までの期間について発生している貸付金利息のうち、まだ収入していないものをいう。
五
未収貸付金利息 貸付金利息の未収金及び貸付金利息の未収収益をいう。
第二条 (未収貸付金利息の益金算入の原則)
未収貸付金利息のうち当該事業年度に係るものは、貸付金利息(以下「利息」という。)として当該事業年度の益金に算入するものとする。
第三条 (損害金の取扱い)
貸付けに関する契約により返済期限までに貸付金の返済を受けない場合にその返済期限から返済を受けるまでの期間に応じて徴収する損害金の未収収益のうち、分割返済を受けることとなっている貸付金に係る損害金の未収収益であって最終の返済期限までの期間に係るものについては、当該貸付金につき約定利率により計算した利息の未収収益に相当する部分を利息の未収収益とみなして、その額を当該事業年度の益金に算入するものとする。
第四条 (相当期間未収となっている未収貸付金利息の取扱い)
当該事業年度に利払期の到来する貸付金の未収貸付金利息(前条の規定により益金に算入することとされたものを含む。以下同じ。)を益金に算入する場合において、当該貸付金に係る利息に関し次の各号に掲げる場合のいずれにも該当するときは、当該貸付金に係る未収貸付金利息のうち当該事業年度に係るものについては、第二条の規定にかかわらず、当該事業年度の益金に算入しないものとする。
一
当該事業年度終了の日以前六月(利息の計算期間が六月より長い場合には、当該計算期間の月数とする。以下この条において同じ。)に当たる日の直前に到来した利払期以後当該事業年度終了の日までに到来する利払期に係る利息の全額について、当該事業年度終了の時において支払を受けていない場合
二
当該事業年度終了の日以前六月に当たる日の直前に到来した利払期の直前の利払期に係る利息であって当該事業年度終了の日以前六月に当たる日の直前日において支払を受けていないものについて、当該事業年度終了の日までにその支払を全く受けていない場合又はその支払を受けた額が極めて少額である場合(将来における当該未収貸付金利息の残額の全部又は相当部分の回収が困難であると認められる場合に限る。)
第五条 (更生手続の開始の決定等があった場合の未収貸付金利息の取扱い)
貸付金に係る債務者に会社更生法(昭和二十七年法律第百七十二号)の規定による次の各号に掲げる事実が発生した場合には、当該各号に掲げる当該貸付金の未収貸付金利息については、第二条の規定にかかわらず、当該事業年度の益金に算入しないものとする。
一
会社更生法の規定による更生手続の開始の決定があった場合 当該貸付金に係る未収貸付金利息で、当該更生手続の開始の決定があった日の属する事業年度の開始の日以後更生計画の認可の決定の日の属する事業年度前に終了する事業年度終了の日までの間のもの
二
会社更生法の規定による更生計画の認可の決定があった場合 当該貸付金に係る未収貸付金利息で、当該更生計画の認可の決定により相当期間(おおむね二年以上の期間をいう。次条において同じ。)棚上げすることとしたもの
第六条 (利息を棚上げした場合等の未収貸付金利息の取扱い)
貸付金に係る債務者の債務超過の状況が相当期間継続し早急には事業の好転が見込まれない場合において、当該貸付金に係る未収貸付金利息を相当期間棚上げすることを約したときは、当該棚上げすることとした未収貸付金利息のうち当該事業年度に係るものについては、第二条の規定にかかわらず、当該事業年度の益金に算入しないものとする。
2
棚上げした未収貸付金利息(前条第二号に掲げる未収貸付金利息で棚上げすることとしたものを含む。)のうち既に益金に算入したものについては、公庫の国庫納付金に関する政令第一条第三項の規定により財務大臣の承認を受けた場合を除き、損金に算入してはならないものとする。
第七条 (貸付金償却をした場合の未収貸付金利息の取扱い)
公庫の国庫納付金に関する政令第一条第三項の規定により財務大臣の承認を得て償却する貸付金に係る未収貸付金利息については、第二条の規定にかかわらず、当該事業年度の益金に算入しないものとする。
第八条 (未収貸付金利息の計算)
未収貸付金利息については、貸付金ごとに積み上げて計算するものとする。ただし、代理店の取扱いに係る貸付金(当該事業年度終了の日前に到来した利払期に係る利息の全額について支払を受けていないものを除く。)の未収貸付金利息については、約定利率別利払期別に集計した貸付金残高に、それぞれ当該事業年度終了の日までの期間及び当該約定利率を乗じる方法により算出することができる。
2
第二条の規定にかかわらず、代理店の取扱いに係る貸付金であって次の各号のいずれかに該当するものの未収貸付金利息は、当該事業年度の益金に参入しないことができるものとする。
一
当該事業年度終了の日以前六月(利息の計算期間が六月より長い場合には、当該計算期間の月数とする。)に当たる日の直前に到来した利払期以後当該事業年度終了の日までに到来する利払期に係る利息の全額について、当該事業年度終了の時において支払を受けていないもの
二
貸付けに関する契約により定められた最終の返済期限が当該事業年度に到来したもの
第九条 (未収貸付金利息の経理)
未収貸付金利息は、次の各号の定めるところにより経理するものとする。
一
事業年度末において未収貸付金利息として計上する額は、当該事業年度に発生した未収貸付金利息のうち第二条から前条までに定めるところにより当該事業年度の益金に算入するものの額に、当該事業年度の直前の事業年度末において計上されている未収貸付金利息のうち当該事業年度終了の日において支払を受けていないものの額を加えた額とする。この場合において、雑損処理する未収貸付金利息については、資産に計上の上雑損処理するものとする。
二
前号の規定により計上した未収貸付金利息の額は、当該事業年度の翌事業年度において全額を一括戻入処理するものとする。
第十条 (資産に計上している未収貸付金利息の雑損処理)
貸付金についてその未収貸付金利息を資産に計上している場合において、当該未収貸付金利息について次の各号に掲げる場合には、公庫の国庫納付金に関する政令第一条第三項の規定により財務大臣の承認を得て、その資産に計上している未収貸付金利息の額を雑損として処理することができるものとする。
一
その計上した事業年度終了の日(当該貸付金に係る未収貸付金利息を二以上の事業年度において計上しているときは、これらの事業年度のうち最後の事業年度終了の日。以下この号において同じ。)から二年を経過した日の前日を含む事業年度終了の日までの期間において、当該貸付金に係る未収貸付金利息(その資産に計上している未収貸付金利息以外の未収金を含む。)につき、支払の督促をしたにもかかわらず、その収入が全くないとき。
二
その計上した未収貸付金利息に係る貸付金について公庫の国庫納付金に関する政令第一条第三項の規定により財務大臣の承認を得て償却するとき。
三
条件変更措置により当該計上した未収貸付金利息について徴収を免除することを約したとき。
四
その他当該計上した未収貸付金利息についてこれを雑損処理することが適当と認められたとき。
第十一条 (債券発行差金償却の算出)
国民生活金融公庫の損益計算上の損金に算入すべき債券発行差金償却の額は、既発行債券に係る債券発行差金を平均償還年限で除して算出するものとする。
第十二条 (債券発行費償却の算出)
国民生活金融公庫の損益計算上の損金に算入すべき債券発行費償却は、既発行債券に係る債券発行費を債券の発行の後三年内(三年内に債券の償還の期限が到来する場合にあっては、当該期限内)の年数で除して算出するものとする。
第十三条 (貸倒引当金への繰入れの算出)
国民生活金融公庫の損益計算上の損金に算入すべき貸倒引当金への繰入れは、次に定めるところにより算出するものとする。
一
毎事業年度の損益計算上の損金に算入すべき貸倒引当金への繰入れは、当該事業年度末における貸付金残高(貸付受入金残高を除く。)の千分の六に相当する額の範囲内で算出するものとする。
二
前号の規定による貸倒引当金への繰入れは、当該事業年度の翌事業年度においてその全額を貸倒引当金からの戻入れとして損益計算上の益金に算入するものとする。
改正文 (平成一二年一一月二七日大蔵省告示第三七五号) 抄
平成十三年一月六日から適用する。
改正文 (平成一二年一一月二七日大蔵省告示第三七五号) 抄
平成十三年一月六日から適用する。