財務総合政策研究所

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総資本利益率

キーワードの説明

○ 総資本利益率とは、利益の総資本に対する割合を言い、企業の総合的な収益性を計る尺度です。分子の利益に何を用いるかによって、総資本営業利益率、総資本経常利益率等と呼ばれます。総資本利益率が高い場合は、投下資本が効率的に使用されており、収益性が高いと言われます。また、この比率は売上高利益率と総資本回転率の2つの構成要素に分解することができます。

なお、総資本利益率は総資産利益率とも言われ、一般にROA(return on assets)と呼ばれています。

総資本利益率(%)
利益 × 100
総資本(期首・期末平均)*
総資本利益率(%)
利益 × 売上高 × 100
売上高 総資本(期首・期末平均)
(=売上高利益率) (=総資本回転率)
* 総資本=負債+特別法上の準備金+純資産

グラフで見る最近の動き

○ 2012年度の製造業を見ると、利益(経常利益)が増加し、総資本が減少したため、総資本利益率(総資本経常利益率)は前年度比で上昇しています。非製造業を見ると、利益が増加し、総資本が減少したため、総資本利益率は前年度比で上昇しています。

(注) 1  総資本利益率(%)=(経常利益/総資本[期首・期末平均])×100
2  全産業及び非製造業は金融業、保険業を除く。
(出所) 法人企業統計年報

トピックス

1961年度と比べると、総資本利益率の低下の主な要因は、製造業では売上高利益率の悪化、非製造業では資本回転率の悪化となっています。

製造業の売上高利益率の悪化は人件費の増加(1961年度との比較)に起因していますが、製造業は非製造業に比べ価格競争が激しく、人件費の上昇を価格に転嫁できなかったと考えられます。

非製造業において総資本回転率が低下しているのは、資本の限界生産力逓減により過去と比較して設備投資の収益率が低下していることが一因と考えられます。設備投資に伴う機械化による人件費の削減は進まず、逆に人件費は増加し、利益にマイナスの影響を与えたことも総資本利益率を低下させる原因になったものと推察されます。

総資本利益率の要因分解(製造業)のグラフ
総資本利益率の要因分解(非製造業)のグラフ
(注) 1  総資本利益率の前年差を売上高利益率要因と総資本回転率要因に分解し、1961年度を基準として累積した。
2  総資本利益率(%)={(営業利益+営業外収益)/総資本[期首・期末平均]}×100
3  売上高利益率(%)={(営業利益+営業外収益)/売上高}×100
4  総資本回転率(%)=(売上高/総資本[期首・期末平均]×100
5  非製造業は金融業、保険業を除く。
(参考文献) 「資本と労働の効率」(大和田雅英)〜財務総合政策研究所編「フィナンシャルレビュー62号(法人企業統計から見た日本の企業行動特集)」
「日本企業のパフォーマンスの変化と、資本と労働の効率に関する考察」(御園一)〜財務総合政策研究所編「フィナンシャルレビュー107号(法人企業行動 ―法人企業統計を活用した経済分析―)」