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財政史

「財政史」は、財務省の行政の事績を政策の分野別に期間を区切って編纂した史録です。その編纂は、財務省の行政の正確な記録を遺し、財務省の行政の企画、立案、また一般の学術研究の参考の用に供することを目的としています。

「財政史」はこれまで、『明治財政史』シリーズから『平成財政史−平成元〜12年度』シリーズまでが刊行されました。

各シリーズと各巻の本文については、下記の各シリーズ名のリンクから御覧になれます。

「財政史」各シリーズ 全巻数 内容対象期間
『明治財政史』 全15巻 明治元年〜明治35年
(1868年〜1902年)
『明治大正財政史』 全20巻 明治36年〜大正15年
(1903年〜1926年)
『昭和財政史』(戦前編) 全18巻 昭和元年〜昭和20年8月
(1926年〜1945年8月)
『昭和財政史−終戦から講和まで』 全20巻 昭和20年8月〜昭和27年4月
(1945年8月〜1952年4月)
『昭和財政史−昭和27〜48年度』 全20巻 昭和27年度〜昭和48年度
(1952年度〜1973年度)
『昭和財政史−昭和49〜63年度』 全12巻 昭和49年度〜昭和63年度
(1974年度〜1988年度)
『平成財政史−平成元〜12年度』 全12巻 平成元年度〜平成12年度
(1989年度〜2000年度)
昭和財政史 昭和49年から63年 heiseizaisei_all.jpg

各財政史シリーズの概要

『明治財政史』シリーズ

明治財政史

(対象期間:明治元年(1868年)〜35年(1902年)/編纂時期:明治33年(1900年)〜36年(1903年))

明治維新後における政治経済の激動の中で複雑な変遷過程を辿り、また、後世の政治経済や学問研究において大いに参考とされるべき明治初期の財政について、記録の欠如や散逸、当時を知る関係者の減少といった状況を憂慮した松方正義大蔵大臣の意を受けるなどして、明治33年(1900年)に「明治財政史編纂会」が組織されました。『明治財政史』は、同じ時期に修史事業の実施を検討していた大蔵省がこの会の趣旨に賛同し、既に蒐集、所蔵していた公文書などの資料を提供するなどして協力する形で同年から明治36年(1903年)にかけて編纂されました。『明治財政史』は、対象期間(明治元年(1868年)〜35年(1902年))中、最も長く大蔵大臣を務めた松方正義の功績を顕彰する意図もあったことから、「松方伯財政事歴」とも称されます。

『明治大正財政史』シリーズ

明治大正財政史

(対象期間:明治36年(1903年)〜大正15年(1926年)/編纂時期:昭和2年(1927年)〜15年(1940年))

『明治財政史』の編纂から約20年が経過し、この間に日露戦争や第一次世界大戦といった重要事件が発生する一方、大正12年(1923年)には関東大震災により多くの文書記録が焼失、散逸するに及び、速やかに『明治財政史』に続く修史事業に着手すべきことが決まり、『明治大正財政史』は昭和2年(1927年)から同15年(1940年)にかけて編纂が行われました。

『明治大正財政史』は、『明治財政史』の続編として、明治36年(1903年)から大正末年(1926年)までを対象期間としていますが、各編、各章ごとに明治維新から明治35年(1902年)までの政策や制度の沿革の概要が記述されているほか、『明治財政史』では十分記述されていない事項を盛り込むなどして、『明治大正財政史』だけで明治維新から大正末年までの財政が概観できるようになっています。

『昭和財政史』(戦前編)シリーズ

昭和財政史

昭和15年(1940年)に『明治大正財政史』の編纂が終了した後は、戦火の拡大により大蔵省の修史事業は一時断絶しましたが、終戦後間もない昭和22年(1947年)から『昭和財政史』シリーズの編纂が始まりました。

(対象期間:昭和元年(1926年)〜20年(1945年)8月/編纂時期:昭和22年(1947年)〜39年(1964年))

昭和元年から終戦までの期間を対象とした『昭和財政史』全18巻は、「『明治財政史』、『明治大正財政史』が資料の集成に重点を置いた」のに対し、「読む財政史とするために記述史として」まとめられました。また、時期的に戦時財政が主な内容となったことから、その記述が「いささか自己反省的な色彩」(監修者であった大内兵衛東京大学名誉教授(当時))を帯びている点に特色があるとされます。この財政史から執筆を外部の研究者に委嘱するという、現在にまで続く編纂体制が採られることになりました。

『昭和財政史−終戦から講和まで』シリーズ

昭和財政史 終戦講話

(対象期間:昭和20年(1945年)8月〜27年(1952年)4月/編纂時期:昭和46年(1971年)〜58年(1983年))

昭和20年(1945年)8月の終戦からサンフランシスコ平和条約が発効した昭和27年(1952年)4月までの7年間を対象とした『昭和財政史−終戦から講和まで』は、わが国が外国の占領下に置かれた時期を対象期間としていることから、その内容は財政や金融の領域にとどまらず、米国の対日占領政策全般にまで及んでいます。巻の構成としては、叙述巻と資料巻の区別がなされ、全20巻のうち4巻が原資料などを掲載した資料巻として刊行され、このスタイルはその後の財政史シリーズに引き継がれています。

『昭和財政史−昭和27〜48年度』シリーズ

昭和財政史 27-48

(対象期間:昭和27年度(1952年度)〜48年度(1973年度)/編纂時期:昭和60年(1985年)〜平成12年(2000年))

昭和財政史シリーズの三番手となる『昭和財政史−昭和27〜48年度』は、わが国経済が安定成長の時代に移行する契機となったとも言われるオイルショックが発生した昭和48年度までの「高度成長の時代」を対象としています。叙述巻は、原資料に基づいて政策形成過程を明らかにするとの方針を引き継ぐとともに、図表を数多く掲載するなど、歴史書としての性格に加え、学術書としての色彩も強めています。他方、資料巻は、対象期間の長さに原資料の充実も手伝って全20巻のうち8巻を占めています。

『昭和財政史−昭和49〜63年度』シリーズ

昭和財政史 49-63

(対象期間:昭和49年度(1974年度)〜63年度(1988年度)/編纂時期:平成12年(2000年)〜17年(2005年))

『昭和財政史−昭和49〜63年度』は、経済成長率の水準低下などから「安定成長の時代」と評される一方、国際経済摩擦、プラザ合意後の円高、バブルの生成などの重要な経済事象が次々に現われた、昭和49年度(1974年度)から昭和時代の終わりまでを対象期間としています。叙述巻と資料巻から成る基本的な構成を維持しつつも、資料巻については、対象期間全体の財政金融政策を資料によって俯瞰する構成となるように編集が行われました。

『平成財政史−平成元〜12年度』シリーズ

平成財政史

(対象期間:平成元年度(1989年度)〜平成12年度(2000年度)/編纂時期:平成18年度(2006年度)〜令和元年度(2019年度))

『平成財政史−平成元〜12年度』シリーズは、『昭和財政史』各シリーズの後を受けて、平成元年度(1989年度)から省庁の再編が行われた平成12年度(2000年度)までの期間を対象として編纂されています。省庁の再編が行われた平成12年度には大蔵省の名称は財務省にかわりました(平成13年1月)。

この時期には、財政面では国の一般会計の歳出が歳入(税収)を上回る状況が続きました。ただ、平成2年度には特例公債の発行額がゼロとなり*これが平成5年度まで続き、また、一般会計の税収は平成2年度に60兆円に達しました。しかし平成12年度には、特例公債の発行額は21兆円、一般会計の税収は50兆円となりました。経済面では日本は国民経済計算(GDP)の増加率のプラスとマイナスとを経験しました。

『平成財政史−平成元〜12年度』シリーズには財政、経済のこのような変動がみられた時期の行政の事績が記され、叙述を中心とした巻とこの時期の資料を所収した巻とで構成されています。

*湾岸地域における平和回復活動を支援する財源を調達するための臨時特別公債を除く。

 

 

 

  • 既刊の「財政史」の全巻は、国立国会図書館で閲覧が可能です。
  • 「財政史」は一般に販売されている刊行物です。販売に関する詳細は、下記までお問い合わせください。
昭和 4シリーズ全巻 (株)東洋経済新報社 電話: 03-3246-5467
平成 『平成財政史−平成元〜12年度』シリーズ 第2巻、第3巻、第4巻、第5巻、第8巻、第9巻、第10巻、第11巻 (一財)大蔵財務協会 電話: 03-3829-4141
第1巻、第6巻、第7巻、第12巻 (株)白峰社 電話: 03-3983-2312

 

お問い合わせ
財務省 財務総合政策研究所 資料情報部財政史室 電話:03-3581-4111(財務省代表)
内線5323

 

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