税金ってなんのためにあるのかな? わたしたちの生活に税金がどう関わっ(かかわっ)ているのかを見てみよう!
税金がない世界
もしも税金がなくなったら、わたしたちの生活はどうなるでしょうか? 消費税を払(はら)わなくて済むから、モノも安くなる。ほかにもさまざまな税金がなくなったから、家庭で自由に使えるお金が増えて、おかしやおもちゃをたくさん買ってもらえる…とはならないようです。
税金がなくなると、たとえば…今は救急車を呼べば無料で病院に運んでもらえるけど、お金を払わないと運んでもらえない。学校に行くとき毎日通る道路の信号もついていないし、道もボロボロ。ごみの収集車が来なくて、街中ゴミだらけ。交通事故にあったり、地震(じしん)や台風の被害(ひがい)にあっても、助けてもらうサービスはすべて有料なんてことになってしまうかも。税金がないと、このような当たり前に利用している公共サービスがなくなってしまいます。
税金は「社会の会費」
どんなところに税金が使われているのかな? たとえば、警察署や消防署、市役所、公立病院、公園、ゴミ処理施設(しょりしせつ)、道路や橋の整備など。毎日通っている学校でも、校舎や机、椅子(いす)、黒板、理科の実験道具、プール、教科書など。それから、病気やけがで病院にいったときの医療費(いりょうひ)や、お年寄りのための介護(かいご)や年金、おとうさんやおかあさんが子育てしやすい環境(かんきょう)づくりなど。こんないろいろな場面で、公共施設(こうきょうしせつ)や公共サービスを提供するために使われています。また、火山の噴火(ふんか)や洪水(こうずい)、地震(じしん)などの災害復旧、コロナの対策などにも、税金が使われています。これらのサービスに必要なお金をみんなで出し合うのが「税金」です。つまり税金は、みんなが互(たが)いに支え合い、ともによりよい社会を作っていくための「会費」といえるでしょう。
公共サービスに使われている国民1人あたりの税金を計算してみると
公立学校に通う児童生徒1人当たりの教育費
・小学校 :約98万円
・中学校 :約114万円
・高等学校(全日制):約133万円
②少ない負担で治療(ちりょう)を受けられるようにするために
医療費(国民1人当たり)
・ 64歳以下:約 2.7万円
・ 65~74歳:約 7.9万円
・ 75歳以上:約32.2万円
③生活に必要な道路、洪水を防ぐ堤防などを整備するために
⇒ 国民1人当たり約14.7万円
④町をきれいにするために
⇒ 国民1人当たり約2.0万円
⑤犯罪や事故から人びとを守るために
⇒ 国民1人当たり約2.7万円
⑥火事から人びとを守るために
⇒ 国民1人当たり約1.6万円
(注)①・②は2021年度、③~⑥は2022年度の金額。
税金の種類は?
みんなに身近な消費税のほかにも、所得税(給料や商売の利益、あるいは土地を売って得た利益などに対して課される税金)、法人税(法人の企業活動(きぎょうかつどう)により得られる所得に対して課される税金)があり、これらの合計で税収の大半を占(し)めています。
このほかにも、揮発油税(ガソリンにかかる税金)、酒税(お酒にかかる税金)、たばこ税(たばこにかかる税金)などの様々な税があります。
1.「どこに納めるかによる分類」
国に納める税を「国税」、地方公共団体に納める税を「地方税」といい、地方税はさらに「道府県税」と「市町村税」に分けられます。
2. 「納め方による分類」
税を納める人と負担する人が同じ税金を「直接税」といい、税を納める人と負担する人が異なるものを「間接税」といいます。たとえば、消費税は、消費者(買った人)が負担して、事業者(売った人)が税を納めるため、間接税に分類されます。
直接税 | 間接税 | ||
---|---|---|---|
国税 | 所得税、法人税、相続税、贈与税(ぞうよぜい)など | 消費税、酒税、たばこ税、関税など | |
地方税 | 道府県税 | 道府県民税、事業税、自動車税など | 地方消費税、道府県たばこ税、ゴルフ場利用税など |
市町村税 | 市町村民税、固定資産税、軽自動車税など | 市町村たばこ税、入湯税など |
税金の使い方は、どうやって決めているの?
いろいろなところで使われている税金の使いみちは、わたしたち国民が選挙で選んだ国会議員・市区町村や都道府県の議会議員などが話し合って決めています。国に納められる税金については、まず、財務省が他の省庁とも相談しながら使いみちの案(予算案)を作り、その案を内閣で話し合い国会に提出します。国会では、国会議員がその案について話し合って最終的に決定します。
都道府県や市区町村の場合も、同じように議会で予算案を作り、その内容を話し合い、決定します。
税金の使いみちは、国民が選んだ国会議員・市区町村や都道府県の地方議会議員を通じて、国民が決めていると言えるでしょう。この予算に基づい(もとづい)て、みんなで暮らしやすい環境(かんきょう)をつくるためのさまざまなサービスを提供しているのです。