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財務省・日本銀行は、我が国の国際収支関連統計について、IMF国際収支マニュアル第6版に準拠した統計に移行することを主眼として、平成26年1月の取引計上分から大幅な見直しを行います。今回の見直しは、主要項目の組み替え、表記方法等の変更、項目の拡充、計上基準等の変更及び年次改訂制度の導入など多岐に渡りますが、その概要をお知らせいたします。 なお、見直し後の主な統計の初回公表予定は次のとおりです。 ・国際収支統計:平成26年1月中(速報)の統計を平成26年3月に公表
見直しの概要 1.主要項目の組み替え 国際収支統計において、現行の「投資収支」と「外貨準備増減」を統合して「金融収支」とし、現行の「その他資本収支」を「資本移転等収支」として「経常収支」及び「金融収支」と並ぶ大項目に変更します。現行の「資本収支」の項目は廃止となります。 2.表記方法等の変更 (1) 符号表示の変更 ・国際収支統計において、現行の「投資収支」等では、資金の流出入に着目し、流入をプラス(+)、流出をマイナス(-)としていますが、新たな「金融収支」では資産・負債の増減に着目し、資産・負債の増加をプラス(+)、減少をマイナス(-)とします。この結果、負債(対内投資)側の符号は現在と同じですが、資産(対外投資)側の符号が現在と逆になります。 上記を受け、国際収支統計に係る恒等式は、次のとおり変更になります。 現 行:経常収支+資本収支+外貨準備増減+誤差脱漏=0 見直し後:経常収支+資本移転等収支-金融収支+誤差脱漏=0 ・対外及び対内証券売買契約等の状況(指定報告機関ベース、週次・月次)において、現行では、対外証券投資のネットは、プラス(+)表示であれば処分超、マイナス(-)表示であれば取得超を表していますが、平成26年1月取引計上分以降はこれが逆となり、プラス(+)表示であれば取得超、マイナス(-)表示であれば処分超を表すことになります。 (2) 項目名の変更 国際収支統計において、現行の「所得収支」、「経常移転収支」を各々「第一次所得収支」、「第二次所得収支」に名称変更します。 3.項目の拡充 ・国際収支統計及び本邦対外資産負債残高において、「証券投資」、「金融派生商品」、「その他投資」の部門分類を3部門(公的・銀行・その他)から5部門(中央銀行・一般政府・預金取扱機関・その他金融機関・その他(一般事業法人、個人等))に細分化します。 ・現行の本邦対外資産負債残高では、資産サイドの証券投資残高について通貨別・証券種類別の計数を公表していますが、平成26年末の残高統計からは、資産サイド、負債サイドの双方において、証券に加えて負債性のある項目について、通貨別・部門別・期間別の計数を作成します。 ・国際収支統計において、「投資収益」の下位項目として「投資ファンド持分に係る投資収益」を新設し、国際収支統計及び本邦対外資産負債残高において、「証券投資」の下位項目として「投資ファンド持分」を新設し、投資ファンドに係る取引を新たに計上します。 4.計上基準等の変更 ・所有権移転原則の徹底 ・FISIMの導入 ・ディーラー・マージンの導入 ・特許権・著作権売買の取扱いの変更 ・証券貸借取引の取扱いの変更 5.年次改訂制度の導入 現行の国際収支統計における確報確定後の改訂は、必要な場合に不定期に行っており、確報の定期的な改訂を行っていませんでしたが、平成26年1月分以降は、確報確定後に発生した訂正報告等を統計に遡及して反映するため、国際収支統計及び本邦対外資産負債残高を対象に年次改訂制度を導入します(遡及訂正期間:2年程度)。同制度導入に伴い、これまでの「確報」を「第2次速報」に変更し、遡及改訂による改訂を「年次改訂」と呼称する予定です。
現行統計の遡及組み替え計数の公表 新統計への移行に伴い、平成26年1月分以降の計数とそれ以前の計数との間で連続性が失われることになりますが、時系列計数に関するユーザーのニーズを踏まえ、新統計の基準に組み替えた連続性のある過去の時系列計数(平成8年以降の月次国際収支統計及び年末時点での本邦対外資産負債残高を対象)を作成し、平成26年1月分速報を公表する3月以降に公表する予定です。 |
以下の資料はPDFファイルです。 (参考)国際収支関連統計の見直しの概要(PDF:173KB) |
(以上) |
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