類似統計との相違点
国際収支統計の貿易収支と貿易統計(通関ベース)との相違点
貿易収支は、財貨に係る輸出入の計数を計上する項目です。貿易収支は、財務省関税局が発表している貿易統計(以下「貿易統計」といいます)を基礎資料として作成しています。しかし、両統計には以下のように、計上する範囲や時期などの基準が異なるため、国際収支統計に計上する際には、IMFの基準に従って所要の調整を行っています。
-
輸入建値の違い
-
貿易統計として公表される輸入金額は、我が国通関地点における貨物価格(CIF:Cost, Insurance and Freight、貨物代金に加えて、仕向地までの運賃・保険料が含まれた価格)を集計したものです。他方、国際収支統計においては、物の取引と、サービスの取引とは区別して計上することを原則としているため、貿易収支には、輸出国における船積み価格(FOB:Free On Board、本船渡し価格)を計上し、運賃・保険料等の諸経費については、サービス収支に計上しています。
-
-
計上範囲・時点の違い
-
貿易統計は、我が国の税関における貨物の通関という観点に立ち、物の輸出入を物理的に捕らえ、税関を通過した時点(関税境界)を計上する時期・範囲としています。しかし、国際収支統計は、税関を通過したかどうかに関わらず、居住者と非居住者の間で所有権が移転した貨物を計上しています。このようにすることにより、他の収支項目と計上時期の整合性を確保しています。
例えば、日本がアメリカ製の人工衛星を購入し、アメリカで打ち上げるケースについては、人工衛星の所有権がアメリカから日本に移転した時点で国際収支統計の貿易収支には計上されますが、人工衛星は関税境界を越えませんので、貿易統計には計上されません。
-
| 貿易統計 | 国際収支統計 | |
|---|---|---|
| 建値 | 輸出…FOB 輸入…CIF | 輸出…FOB 輸入…FOB |
| 計上範囲 | 関税境界を通過した貨物 | 居住者と非居住者との間で所有権が移転した財貨 |
| 計上時点 | 輸出…積載船舶等が出港した時点 輸入…輸入許可の時点 | 所有権が移転した時点 |
※貿易統計に関する詳細については、貿易統計ホームページ
をご覧ください。
国際収支統計と「対外及び対内直接投資状況」(届出統計)との相違点
財務省は外為法に基づき、外国投資家から提出された対外直接投資及び対内直接投資の届出書及び報告書を統計の基礎資料とした統計「対外及び対内直接投資状況」を平成16年度まで公表しておりましたが、平成17年以降、直接投資統計の国際比較を可能とするため、「国際収支統計」において、国・地域別かつ業種別に係る直接投資の計数を公表することとし、「対外及び対内直接投資状況」については、平成16年度末をもって作成を取りやめました。
なお、「対外及び対内直接投資状況」と、「国際収支統計」では、回収の計数の取り扱いや、報告下限金額などに以下のような違いがあり、データに連続性はありません。
| 対外及び対内直接投資状況 | 国際収支統計 | |
|---|---|---|
| (1) | 成約時の投資総額を表示したものであり、投資の回収は含まれていない。 | 資金の受払額を集計したものであり、投資の回収も含まれている。 |
| (2) | 成約時点で計上される。 | 決済の時点で計上される。 |
| (3) | 「支店」については、設置、拡張の資金のみ計上される。 | 支店の設置、拡張以外にも、追加運転資金、閉鎖などの清算代金等についても計上される。 |
| (4) | 不動産の取得については、計上されない。 | 不動産の取得については、計上される。 |
| (5) | 「貸付」については、海外の直接投資企業に対する長期(期間1年超)の貸付のみ計上。 (注)回収は(1)のとおり | 「貸付」については、海外の直接投資企業に対する貸付は短期貸付も含まれる。また、日本の直接投資家が海外の直接投資企業から借入を行った場合、資産のマイナスとして負の直接投資に計上される。 |
| (6) | 再投資収益については、計上されない。 | 再投資収益(直接投資企業の内部留保の増減を再投資収益として認識)については、計上される。 |
| (7) | 直接投資の定義(出資比率に関するもの) 対外直接投資…出資比率が10%以上となる投資 対内直接投資…出資比率が10%以上となる投資(ただし、非上場会社に対する投資はすべて) | 直接投資の定義(出資比率に関するもの) 対外直接投資…出資比率が10%以上となる投資 対内直接投資…出資比率が10%以上となる投資 |
| (8) | 統計に利用する報告等の対象 対外直接投資…原則1億円を超える投資 対内直接投資…原則すべての投資 | 統計に利用する報告等の対象 対外直接投資…原則3,000万円を超える投資 対内直接投資…原則3,000万円を超える投資 |
