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第19回ASEAN+3(日中韓)財務大臣・中央銀行総裁会議共同声明(2016年5月3日於ドイツ・フランクフルト)

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ローマ数字1. 序

  1. 我々は、第19回ASEAN、中国、日本、韓国(ASEAN+3)財務大臣・中央銀行総裁会議を、ラオスのソムディ・ドゥアンディ副総理兼財務大臣及び中国のロー・ジーウェイ財政部長の共同議長の下、ドイツ・フランクフルトにて開催。本会議には、アジア開発銀行(ADB)総裁、ASEAN+3マクロ経済リサーチ・オフィス(AMRO)所長、ASEAN事務局次長、国際通貨基金(IMF)副専務理事も参加。

  2. 我々は、最近の世界・地域経済の情勢及び政策運営につき意見交換。チェンマイ・イニシアティブ(CMIM)、AMRO、アジア債券市場育成イニシアティブ(ABMI)を含め、前回の我々の会合以降の地域金融協力の進捗をレビュー。また、AMROによるサポートを得つつ、IMFと協働してCMIMタスクフォースによって運営されるテストランの実施を含め、地域金融協力の更なる強化策について議論。国際機関としてのAMROの設立を評価し、その幹部人事の選定が円滑に終了したことを歓迎。ABMIの中期ロードマップが最終化されたことを歓迎。 

 

ローマ数字2. 最近の地域経済・金融情勢

  1. ASEAN+3地域は、域内の継続的な構造改革やマクロ経済政策の効果的な実施に鑑み、比較的高い成長率を維持し、世界経済の成長の主要な原動力としての役割を果たし続けることが期待される。しかしながら、世界経済の成長は引き続き緩やかでばらつきがあり、継続的な金融市場の変動、一次産品輸出国が直面する課題及び低いインフレ率を背景に、世界経済の見通しに対する下方リスクや不確実性が残っている。

  2. こうした状況を踏まえ、我々は、域内各国の異なる状況を考慮しつつ、持続的で包括的な経済成長を促進し、信認を醸成するために、全ての必要な政策手段−金融、財政及び構造政策−を用いる重要性を強調した。我々は、財政政策が経済を支えることを意図していることを歓迎し、強靭性を高め、債務の持続可能性を確保しつつ、経済成長、雇用創出及びイノベーション強化のため機動的に財政政策を実施する。金融政策は、物価安定を確保しつつ、引き続き経済活動を支える。しかしながら、各国は、均衡のとれた成長と金融の安定を達成するため、適切なポリシーミックスを採用すべきである。我々は、政策に関する不確実性を軽減し、負の波及効果を最小化し、透明性を向上させるために、マクロ経済及び構造問題に関する我々の政策行動を注意深く測定し、明確にコミュニケーションを行う。

  3. 我々は、資本フローと資本フローの変動に起因するリスクを注意深く監視し、地域経済及び金融の安定を支えるため、経済環境の変化や金融市場の変動に適切に対処する。この点において、マクロ・プルーデンシャル政策や資本フロー管理政策は、金融セクターの健全性を高め、予期せぬ資本フローの逆流と関連するシステミックリスクを軽減することができる。

  4. 我々は、域内の全要素生産性と潜在的成長力を高めるための構造改革へのコミットメントを確認した。構造改革は、各国において、適切に優先順位及び順序付けがなされるべきである。我々は、ASEAN+3諸国が各国毎の優先分野と課題についてより良く対応するために、インフラ開発、投資環境、イノベーション、労働市場改革、財政改革、金融改革及び産業改革の情報と経験を共有することを奨励した。

 

ローマ数字3. 地域金融協力の強化

【チェンマイ・イニシアティブ(CMIM)】

  1. 我々は、地域の金融セーフティネットの不可欠な一部として、CMIMを一層強化することについてのコミットメントを確認した。この点において、我々は、IMFデリンクポーションの発動プロセスを含め、AMROのサポートを得つつ、CMIMの運営のための体制整備を確実にするため、CMIM運用ガイドラインの強化、様々なシナリオの下でのCMIMテストランの実行、CMIMの平時の準備作業の実施における進展を歓迎。我々は、IMFデリンクポーションの潜在的な引上げに関し、2016年11月にタスクフォースによる提言が行われることを期待する。

  2. 我々は、IMFを中心とするグローバルな金融セーフティネットを更に強化することを含め、国際金融アーキテクチャーの改革が現在G20において推進されていることを踏まえ、CMIMがグローバルな金融セーフティネットに如何にすればより良く結合されうるか、代理に対し注意深く検討することを課した。この目的のため、我々は、本年実施される、IMFプログラムとリンクした危機対応ファシリティに係るテストランを歓迎した。

  3. 我々は、全てのASEAN+3メンバー国の主要な経済・金融指標により構成される「経済情勢に関する政策対話(ERPD)マトリクス」に基づいた、CMIM危機予防機能の適格性指標を更に発展させるための代理とAMROによる継続的な作業を歓迎した。我々は、代理に対し、AMROと協力し、ERPDマトリクスを発展させることを継続し、将来を見据えつつこのツールをさらに活用する方法を探求することを課した。

  4. 我々は、CMIM契約書の定期的な見直し作業の適時の完了を支持した。この観点から、我々は、これまでの平時の準備作用及びテストランから学んだ教訓に基づき、CMIMの基本的な課題におけるいくつかの側面について、CMIM契約書においてさらに明確化すべきことを認識した。我々は、CMIMの基本的な課題の優先順位や作業計画に関する代理の承認を歓迎。我々は代理に対して、合意されたタイムテーブルに従って、関連する課題について解決策を見つけ出すことを課した。

  5. 我々は、「CMIMの将来の参考のための、ユーロ圏におけるトロイカ体制による金融支援プログラム」及び「CMIMアレンジメントと市場慣行の比較分析」に関するCMIMスタディの完了に留意。

 

【ASEAN+3マクロ経済リサーチ・オフィス(AMRO)】

  1. 我々は、サーベイランス能力を強化するためのAMROの多大な努力を歓迎。我々は、地域のマクロ経済や金融情勢を注意深く監視し評価するAMROによる取組みを認識。我々は、AMROが地域の経済サーベイランスの実施及び信頼できかつ効果的な地域金融ファシリティとしてのCMIMの実施支援を強化することに関し、我々の持続的な支持を表明した。我々は、人事交流、情報共有及び共同活動を通じ、AMROが関係国際機関と協働することを指示した。

  2. 我々は、2016年2月9日に、国際機関としてAMROが設立されたことを歓迎。この重要な一歩とともに、AMROは、地域の独立したサーベイランスユニットとしてより効果的に機能し、ASEAN+3地域のマクロ経済及び金融の安定を確保することに貢献することが可能となる。

  3. 我々は、AMROが速やかに中期戦略目標を完成させることを慫慂。我々は、AMROを、独立し、強固で、信頼に足りかつ専門的な国際機関にするとの目標を共有する。

  4. 我々は、代理たちがAMROの技術協力プログラムを承認したこと、及びいくつかのメンバー国からの資金拠出のプレッジを歓迎した。我々は、メンバー国経済のサーベイランス能力強化のため、AMROがその技術協力活動を更に強化、拡大することを慫慂。

  5. 我々は、AMROの現所長である根本洋一氏に対し、今月末に終了するその任期中における、AMROの運営機能及び組織能力の強化に対する不断の努力とリーダーシップを多とした。

  6. 我々は、AMROの幹部職員の採用プロセスが円滑に終了したことを歓迎。我々は、チャン・ジョンホン氏が次期AMRO所長として、AMROを高度に専門的な国際機関とするための努力を進めていく上で、新しい幹部陣を導いていくことを期待する。

 

【アジア債券市場育成イニシアティブ(ABMI)】

  1. 我々は、ABMIが現地通貨建て債券市場の発展に貢献し、域内で貯蓄を長期投資に向かわせてきたことを認識。グローバルな金融市場の変動が高まる中、金融の安定を支えるとともに域内の長期投資需要を満たすことを目的として、引き続き現地通貨建て債券市場の発展を促進するため、我々は、今後3年間でABMIにおいて支援される活動を示した新しい中期ロードマップを承認した。新しい中期ロードマップの下、我々は、現地通貨建て債券によってインフラ開発需要に応えることを支援するため、いくつかのメンバー国経済においてグリーンボンド、カバードボンド、レポ市場におけるプライム担保及び地方政府債を推進する。今日までに達成された成果を基礎とするロードマップの下での活動は、域内の市場統合を前進させることも期待される。

  2. 我々は、信用保証・投資ファシリティ(CGIF)の保証活動の拡大を歓迎。我々は、その保証能力を拡充し、業務を拡大するために様々な手段を模索することへの議論に留意。CGIFが、企業の資金調達における通貨と期間のミスマッチを回避することを目的とし、その優先課題に従って域内で必要とされる資金需要を満たすため、リソースを効率的に活用することを期待。我々はまた、ASEAN+3債券共通発行フレームワーク(AMBIF)における更なるクロスボーダー債券の発行ととともに、クロスボーダー決済インフラフォーラム(CSIF)における、ASEAN+3各国の中央銀行と証券保管振替機構間の中期的なCSD-RTGSリンクの着実な進展を期待。最後に、我々は、技術協力調整チーム(TACT)の下で、受益国において技術支援プログラムが現在進展していることに留意。

 

ローマ数字4. 結語

  1. 我々は、2016年のASEAN+3財務大臣・中央銀行総裁プロセスの共同議長としての優れたアレンジメントに対し、ラオス及び中国に謝意を表明。また、ドイツ政府の暖かい歓待に感謝。

  2. 我々は、2017年に横浜において会合を開催することに合意。フィリピン及び日本が2017年のASEAN+3財務大臣・中央銀行総裁会議の共同議長となる。