結果の概要
(1) 抽出状況
令和５年４月中に請求を受けた明細書は、1,518,672枚で、本調査で抽出された調査票は73,743枚、抽出率は4.9％であった（表１を参照）。
(2) 医療機関別受診状況
受診状況を医療機関別にみると、組合員・被扶養者とも保険医療機関を受診する率が高い（組合員98％以上、被扶養者99％以上。表２を参照）。
(3) 請求書の審査決定所要月数別の状況
診療を行った月から請求書を組合支部において審査決定した月までの所要月数別に各医療機関ごとに請求件数割合をみると、直営医療機関・契約医療機関では１月が最も多く、保険医療機関では２月が最も多くなっている（表３を参照）。
(4) 診療行為別の状況
診療種別ごとに診療行為別点数百分比をみると、入院では「処置・手術」（32.7％）、「包括評価分」（30.6％）、「入院」（26.2％）の割合が高く、外来では「検査」（21.9％）、「注射」（11.4％）、「その他」（10.9％）の割合が高く、歯科では「処置・手術」（26.0％）、「歯冠修復欠損補綴」（25.8％）、「医学管理」（16.9％）の割合が高くなっている（表４－ａを参照）。
次にこれを診療種別ごとに過去４年間で比較してみると、令和５年４月において、入院では、「処置・手術」が32.7％（前年度29.0％）に増加し、「入院」が26.2％（前年度28.6％）に減少している。外来では、「注射」が11.4％（前年度8.8％）、「処置・手術」が8.9％（前年度6.3％）に増加し、「検査」が21.9％（前年度24.2％）に減少している。歯科では、「歯冠修復欠損補綴」が25.8％（前年度22.5％）に増加し、「処置・手術」が26.0％（前年度29.5％）に減少している（表４－ｂを参照）。
また、抽出件数における初診料請求件数の割合をみると、入院では14.0％、外来では36.1％、歯科では33.0％となっている（表４－ｃを参照）。
(5) １件平均診療状況
診療日数、診療費（給付金額）及び診療点数を１件平均でみると、入院では、7.8日、539,718円、53,972.0点、外来では、1.3日、12,272円、1,230.0点、歯科では、1.4日、11,635円、1,164.0点となっており、これを前年と比べると、入院では、診療費が29,400円（5.8％）、診療点数が2,938.0点（5.8％）、外来では診療費が289円（2.4％）、診療点数が28.0点（2.3％）、歯科では診療費が366円（3.2％）、診療点数が37.0点（3.3％）と増加傾向にある（表５を参照）。
(6) 年齢階級別の診療状況
１人当たりの診療件数を年齢階級別にみると、年齢の高い層が多く、60～64歳が0.96件、65～69歳が1.26件、70歳以上が1.36件となっている。１人当たりの診療点数をみると、55～59歳が1414.5点、60～64歳が2223.2点、65～69歳が3037.1点、70歳以上が3231.2点と、55歳以上の層が高くなっている（表６を参照）。
(7) 療養期間別の診療状況
診療件数及び点数の割合を療養期間別にみると、療養期間１月以内の割合が高く、期間が長くなるに従って順次低下の傾向にある一方で、療養期間が37月以上の者が一定割合存在する（表７を参照）。
(8) 病類別の診療状況
診療件数、点数及び日数の割合を病類別にみると、入院の件数割合で高いのは、新生物16.7％、消化器系の疾患12.5％等、点数割合で高いのは、新生物21.5％、循環器系の疾患17.4％等、日数割合で高いのは、新生物17.4％、精神及び行動の障害12.0％等である（表８－ａ－１を参照）。
外来・歯科の件数割合で高いのは、消化器系の疾患25.0％、呼吸器系の疾患18.3％等、点数割合で高いのは、消化器系の疾患27.0％、呼吸器系の疾患14.1％等、日数割合で高いのは、消化器系の疾患26.2％、呼吸器系の疾患17.2％等である（表８－ａ－２を参照）。
また、診療件数及び点数の全体に対する割合の高い病類上位５種を件数割合についてみると、消化器系の疾患、呼吸器系の疾患、皮膚及び皮下組織の疾患、眼及び付属器の疾患、循環器系の疾患が占めており、点数割合についてみると、消化器系の疾患、新生物、呼吸器系の疾患、循環器系の疾患、内分泌、栄養及び代謝疾患が占めている（表８－ｂ－１、２を参照）。
(9) 点数階級別の診療状況
組合員について診療種別ごとに点数階級別の件数百分比による診療状況をみると、入院では、90,000点以上が16.7％と高い割合を示している。外来では、600点未満までに全件数の約半数が分布しているが、400点以上500点未満(15.6％）が特に高い割合を示している。歯科では、900点未満までに全件数の約半数が分布している一方で、1,200点以上2,000点未満が比較的高い割合を示している（表９、ａ、ｂ、ｃを参照）。
正誤情報
なし
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