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6.財政投融資の抜本的改革について

6.市場原理との調和の推進


 (1)  本的考え方
      財政投融資は、財政政策上の目的を実現する上で有償資金で行うことがふさわしい
    分野ついて、投融資という手法を用いる仕組みである。このような手法を用いる以上、
    また民業との関係を常にチェックする必要があることからも、その運営に当たっては
    できる限り市場原理との調和を図る必要がある。

 (2)  貸付金利
      財政投融資の貸付金利については、これまで、貸付期間にかかわらず同一の金利水
    準とされてきた。これは、財政投融資が、民間の金融の補完という観点から、民間で
    は提供が困難な長期固定の金利による貸付をその旨としてきたからである。
      しかし、今後は、民業補完を徹底しつつ、将来の償還に対するコスト負担意識の低
    下等を是正していくため、貸付金利は、財政投融資の対象事業の性格やニーズを踏ま
    え、基本的には、貸付期間に応じ市場金利を基準として設定すべきである。
      また、10年経過後金利見直し制度などマイルドな変動金利制度を普及させ、民業
    補完を踏まえつつ貸付金利の多様化を図っていくべきである。

 (3)  調達金利
      今後の財政投融資の資金調達に当たっては、現在のように金利を上乗せするといっ
    た「配慮」を廃し、また政令改正といった行政上の手続きではなく、市場と完全に連
    動した条件で調達することが必要である。


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