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令和2年度税制改正の大綱の概要

(令和元年12月20日 閣議決定)

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持続的な経済成長の実現に向け、オープンイノベーションの促進及び投資や賃上げを促すための税制上の措置を講ずるとともに、連結納税制度の抜本的な見直しを行う。さらに、経済社会の構造変化を踏まえ、全てのひとり親家庭の子どもに対する公平な税制を実現するとともに、NISA(少額投資非課税)制度の見直しを行う。このほか、国際課税制度の見直しや、所有者不明土地等に係る固定資産税の課題への対応、納税環境の整備等を行う。具体的には、次のとおり税制改正を行うものとする。

個人所得課税

  • NISA制度の見直し・延長

    • つみたてNISAを5年延長する。(2023年まで20年の積立期間を確保)
    • 一般NISAについては、一階で積立投資を行っている場合には二階で別枠の非課税投資を可能とする二階建ての制度に見直した上で、5年延長する。
    • ジュニアNISAについては、延長せずに2023年末で終了する。
  • エンジェル税制の見直し

    • 法定の項目に拠らず「成長性」を確認し、都道府県に代わってエンジェル税制対象企業の証明を行える者に、認定クラウドファンディング業者を追加する。
    • 投資額を総所得金額から控除する優遇措置の対象に、設立後3年以上5年未満で一定の試験研究を行っているベンチャー企業を追加する。
  • 低未利用地の活用促進

    • 保有期間5年超、上物を含めて譲渡価格500万円以下等の要件を満たす低未利用地の譲渡所得に100万円の特別控除を創設する。
  • 国立大学法人等に対する個人寄附の促進

    • 国立大学法人等への個人寄附について、その寄附収入がイノベーティブな研究に挑戦する若手研究者への研究費助成事業等に充てられる場合には、税額控除を選択できることとする。
  • 未婚のひとり親に対する税制上の措置及び寡婦(夫)控除の見直し
    • 未婚のひとり親に寡婦(夫)控除を適用する。
    • 寡婦(夫)控除について、
      • - 寡婦に寡夫と同等の所得制限(所得500万円(年収678万円))を設ける。

      • - 住民票の続柄に「夫(未届)」「妻(未届)」の記載がある者を対象外とする。

      • - 子ありの寡夫の控除額を子ありの寡婦と同額にする。(所得税:27万円右矢印35万円、個人住民税:26万円右矢印30万円)

        ※法形式については検討中

  • 国外居住親族に係る扶養控除等の見直し

    • 所得要件(38万円未満)が国内源泉所得のみで判定されるために、国外で一定以上の所得を稼得している国外居住親族でも扶養控除の対象にされているとの指摘を踏まえ、令和5年分以後の所得税につき、留学生や障害者、送金関係書類において38万円以上の送金等が確認できる者を除く30歳以上70歳未満の成人について、扶養控除の対象にしないこととする。

      (※)個人住民税についても同様とする。

  • 私的年金等に関する公平な税制のあり方

    • 私的年金等について、以下の見直し等が行われた後も、現行の税制上の措置を適用する。

      • -DC(企業型・個人型)等の加入可能要件の見直しと受給開始時期等の選択肢の拡大

      • -中小企業向け制度(簡易型DC・iDeCoプラス)の対象範囲の拡大

      • -企業型DC加入者のiDeCo加入の要件緩和

      • -ポータビリティの改善

  • 森林環境譲与税の見直し

    • 令和2年度から令和6年度までの森林環境譲与税について、地方公共団体金融機構の公庫債権金利変動準備金を活用することとし、各年度の譲与額を見直す等の措置を講ずる。

資産課税

  • 所有者不明土地等に係る固定資産税の課題への対応

    • 土地又は家屋の登記簿上の所有者が死亡し、相続登記がされるまでの間において、現に所有している者(相続人等)に対し、市町村の条例で定めるところにより、氏名・住所等必要な事項を申告させることができることとする。
    • 調査を尽くしてもなお固定資産の所有者が一人も明らかとならない場合、事前に使用者に対して通知した上で、使用者を所有者とみなして、固定資産課税台帳に登録し、固定資産税を課すことができることとする。

法人課税

  • オープンイノベーションに係る措置

    • 事業会社から一定のベンチャー企業に対する出資について、その25%相当額の所得控除ができる措置を創設する。その際、一定期間(5年)内に、出資した株式を売却等した場合には、対応する部分の金額を益金に算入する仕組みとする。
  • 投資や賃上げを促す措置

    • 収益が拡大しているにもかかわらず賃上げにも投資にも消極的な大企業に対する研究開発税制などの租税特別措置の適用を停止する措置の設備投資要件について、国内設備投資額が当期の減価償却費総額の3割超(現行:1割超)とする。
    • 大企業に対する賃上げ及び投資の促進に係る税制の設備投資要件について、国内設備投資額が当期の減価償却費総額の95%以上(現行:90%以上)とする。
  • 5G導入促進税制

    • 超高速・大容量通信を実現する全国5G基地局の前倒し整備及びローカル5Gの整備に係る一定の投資について、税額控除(15%)又は特別償却(30%)ができる措置を創設する。
  • 連結納税制度の見直し

    • 連結納税制度について、企業グループ全体を一つの納税単位とする現行制度に代えて、企業グループ内の各法人を納税単位としつつ、損益通算等の調整を行う仕組みとする。(グループ通算制度への移行)
    • 地方税においては、現行の基本的な枠組みを維持しつつ、国税の見直しに併せて所要の措置を講ずる。
  • 地方拠点強化税制の見直し

    • 地方拠点強化税制における雇用促進に係る措置について、移転型事業の上乗せ措置における雇用者1人当たりの税額控除額を3年間で最大120万円(現行:90万円)に拡充する。
  • 地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)の見直し

    • 地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)について、手続の抜本的な簡素化・迅速化を図るほか、税額控除割合を現行の3割から6割に引き上げる。
  • 電気供給業に係る法人事業税の課税方式の見直し

    • 電気供給業のうち、発電事業及び小売電気事業に係る法人事業税について、資 本金1億円超の普通法人にあっては収入割額、付加価値割額及び資本割額の合算額によって、資本金1億円以下の普通法人等にあっては収入割額及び所得割額の合算額によって、それぞれ課することとし、標準税率等の見直しを行う。

消費課税

  • たばこ税(国・地方)の見直し

    • 紙巻たばこに類似したリトルシガーのような軽量な葉巻たばこについて、紙巻たばこと同等の税負担となるよう、最低税率を設定する。
    • たばこ税率の引上げスケジュールにあわせて、一定の経過措置を講じ、最低税率を2段階(令和2年10月・令和3年10月)で引き上げる。
  • 消費税の申告期限の延長

    • 法人税の申告期限の延長の特例の適用を受ける法人について、消費税の申告期限を1月延長する特例を創設する。
  • 日本酒の輸出拡大に向けた取組み

    • 日本酒輸出用の製造免許(最低製造数量要件の適用除外)を新たに設ける。

国際課税

  • 国際的な租税回避・脱税への対応

    • 子会社配当の非課税措置と子会社株式の譲渡を組み合わせた税務上の譲渡損失を創出する租税回避に対し、配当益金不算入制度の適用を受けて非課税とされる金額を子会社株式の帳簿価額から引き下げる等の見直しを行う。

納税環境整備

  • 電子帳簿保存制度の見直し

    • 電子的に受け取った請求書等をデータのまま保存する場合の要件について、ユーザーが自由にデータを改変できないシステム等を利用している場合には、タイムスタンプの付与を不要とするなど、選択肢を拡大する。
  • 地方税共通納税システムの対象税目の拡大

    • 新たに個人住民税の利子割・配当割・株式等譲渡所得割を対象とし、金融機関 等の特別徴収義務者が電子で申告及び納入を行うことを可能とする。
  • 国外財産調書制度等の見直し

    • 国外財産調書制度について、税務調査において納税者が必要な資料を提示・提出しない場合は加算税を加重することとする。
    • 国外で行われた取引等について、納税者が必要な資料を提示・提出せず、税務当局が外国税務当局に対して情報 交換要請を行った場合、除斥期間にかかわらず、当該要請から3年間は更正・決定できることとする。
  • 利子税・還付加算金等の割合の引下げ

    • 市中金利の実勢を踏まえ、利子税・還付加算金等の割合を引き下げる。

      (現行:貸出約定平均金利+1% → 見直し:貸出約定平均金利+0.5%)

関税

  • 暫定税率等の適用期限の延長等

    • 令和元年度末に適用期限の到来する暫定税率(416品目)の適用期限を1年延長する等の措置を講ずる。
  • 国際コンテナ戦略港湾政策に係るとん税及び特別とん税の特例措置の創設

    • 欧州・北米航路に就航するコンテナ貨物定期船が国際戦略港湾に入港する際のとん税及び特別とん税の一時納付の税率について、当分の間、引き下げる。