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令和2年度税制改正の大綱(6/9)

六 納税環境整備

1 振替納税の通知依頼及びダイレクト納付の利用届出の電子化

(国税)

振替納税の通知依頼及びダイレクト納付の利用届出について、電子情報処理組織を使用する方法(e-Tax)により申請等を行うことを可能とするとともに、その振替納税の通知依頼及びダイレクト納付の利用届出に係る情報を送信する際、その申請等を行う者の電子署名及び電子証明書の送信を要しないこととする。

(注)上記の改正は、令和3年1月1日以後に行う申請等について適用する。

2 準確定申告の電子的手続の簡素化

(国税)

電子情報処理組織を使用する方法(e-Tax)による所得税の準確定申告書の提出について、その準確定申告書に記載すべき事項と併せて申告書確認情報(電子署名及び電子証明書を送信する相続人(以下「申請等相続人」という。)以外の相続人がその準確定申告書に記載すべき事項を確認したことを証する電磁的記録をいう。)を送信する場合には、その申請等相続人以外の相続人の電子署名及び電子証明書の送信を要しないこととする。

(注)上記の改正は、令和2年分以後の所得税の準確定申告書を令和2年1月1日以後に提出する場合について適用する。

3 納税地の異動があった場合の振替納税手続の簡素化

(国税)

振替納税を行っている個人が他の税務署管内へ納税地を異動した場合において、その個人が提出する納税地の異動届出書等に、その異動後も従前の金融機関の口座から振替納税を行う旨を記載したときは、異動後の所轄税務署長に対してする申告等について振替納税を引き続き行うことを可能とするよう、運用上の対応を行う。

(注)上記の改正は、令和3年1月1日以後に提出する納税地の異動届出書等について実施する。

4 電子帳簿等保存制度の見直し

(国税)

国税関係帳簿書類の保存義務者が電子取引(取引情報の授受を電磁的方式により行う取引をいう。)を行った場合の電磁的記録の保存方法の範囲に、次の方法を加える。

  • (1)発行者のタイムスタンプが付された電磁的記録を受領した場合において、その電磁的記録を保存する方法

  • (2)電磁的記録について訂正又は削除を行った事実及び内容を確認することができるシステム(訂正又は削除を行うことができないシステムを含む。)において、その電磁的記録の授受及び保存を行う方法

(注)上記の改正は、令和2年10月1日から施行する。

5 地方税共通納税システムの対象税目の拡大

(地方税)

地方公共団体の収納事務を行う地方税共同機構が電子的に処理する特定徴収金の対象税目に個人住民税の利子割、配当割及び株式等譲渡所得割を追加し、特別徴収義務者がeLTAX(地方税のオンライン手続のためのシステム)を通じて電子で申告及び納入を行うことができるよう、所要の措置を講ずる。

(注)上記の改正は、令和3年10月1日以後に特別徴収義務者が行う個人住民税の利子割、配当割及び株式等譲渡所得割の申告及び納入について適用する。

6 その他の円滑な申告・納税のための環境整備

(国税)

  • (1)納税証明書の電子的請求手続等の柔軟化

    • マル1 納税証明書の電子的請求について、電子委任状を添付して行うことを可能とするとともに、その納税証明書の交付の請求に係る情報を送信する際、委任者の電子署名及び電子証明書の送信を要しないこととする。

    • マル2 納税証明書の電子的交付について、税務署長等の電子署名及び電子証明書の送信に代えて、真正性を担保するための措置(その納税証明書に記載すべき事項が記録されたいわゆる「QRコード」の添付)を講ずることにより、申請者が納税証明書を複数印刷して使用することを可能とする。

    (注)上記の改正は、令和3年7月1日以後に行う請求について適用する。

  • (2)支払調書等の電子的提出方法の柔軟化

    電子情報処理組織を使用する方法(e-Tax)により提出する支払調書等のファイル形式に、CSV形式を加える。

    (注)上記の改正は、令和3年1月1日以後に提出する支払調書等について適用する。

7 国外財産調書制度等の見直し

(国税)

国外財産調書制度等について、次の見直しを行う。

  • (1)相続国外財産に係る相続直後の国外財産調書等への記載の柔軟化

    相続の開始の日の属する年(以下「相続開始年」という。)の12月31日においてその有する国外財産に係る国外財産調書については、その相続又は遺贈により取得した国外財産(以下「相続国外財産」という。)を記載しないで提出することができることとする。この場合において、国外財産調書の提出義務については、国外財産の価額の合計額からその相続国外財産の価額の合計額を除外して判定する(財産債務調書における相続財産(相続又は遺贈により取得した財産をいう。以下同じ。)についても同様とする。)。

    (注)上記の改正は、令和2年分以後の国外財産調書又は財産債務調書について適用する。

  • (2)国外財産調書の提出がない場合等の過少申告加算税等の加重措置の見直し

    • マル1 国外財産調書の提出がない場合等の過少申告加算税等の加重措置(以下「加算税の加重措置」という。)の適用対象に、相続国外財産に対する相続税に関し修正申告等(修正申告書若しくは期限後申告書の提出又は更正若しくは決定をいう。以下同じ。)があった場合を加える。

    • マル2 次のいずれかに該当する場合には、加算税の加重措置は適用しないこととする(財産債務調書における相続財産についても同様とする。)。

      • イ その年の12月31日において相続国外財産を有する者(その価額の合計額が提出基準額(5,000万円)を上回る国外財産(相続国外財産を除く。)を有する者を除く。)の責めに帰すべき事由がなく提出期限内に国外財産調書の提出がない場合

      • ロ その年の12月31日において相続国外財産を有する者の責めに帰すべき事由がなく国外財産調書に記載すべき相続国外財産についての記載がない場合(記載不備の場合を含む。)

  • (3)過少申告加算税等の特例の適用の判定の基礎となる国外財産調書等の見直し

    相続国外財産に対する相続税に関し修正申告等があった場合の過少申告加算税等の特例の適用の判定の基礎となる国外財産調書について、次に掲げる措置の区分に応じそれぞれ次に定める国外財産調書とする(次のマル1については、財産債務調書における相続財産についても同様とする。)。

    • マル1 国外財産調書の提出がある場合の過少申告加算税等の軽減措置(以下「加算税の軽減措置」という。) 次に掲げる国外財産調書のいずれか

      • イ 被相続人の相続開始年の前年分の国外財産調書

      • ロ 相続人の相続開始年の年分の国外財産調書

      • ハ 相続人の相続開始年の翌年分の国外財産調書

    • マル2 加算税の加重措置 上記マル1イからハまでに掲げる国外財産調書の全て

      (注1)上記(2)マル1の場合の加算税の加重措置は、上記マル1ハに掲げる国外財産調書の提出義務がない相続人については、適用しない。

      (注2)上記(1)により国外財産調書に記載しないことができる相続国外財産に係る所得税に関し修正申告等があった場合の加算税の加重措置は、相続開始年の年分については、適用しない。

  • (4)国外財産調書に記載すべき国外財産に関する書類の提示又は提出がない場合の加算税の軽減措置及び加重措置の特例の創設

    国外財産を有する者が、国税庁等の当該職員から国外財産調書に記載すべき国外財産の取得、運用又は処分に係る書類のうち、その者が通常保存し、又は取得することができると認められるもの(その電磁的記録又はその写しを含む。)の提示又は提出を求められた場合において、その提示又は提出を求められた日から60日を超えない範囲内においてその提示又は提出の準備に通常要する日数を勘案して当該職員が指定する日までにその提示又は提出をしなかったとき(その者の責めに帰すべき事由がない場合を除く。)における加算税の軽減措置及び加重措置の適用については、次のとおりとする。

    • マル1 その国外財産に係る加算税の軽減措置は、適用しない。

    • マル2 その国外財産に係る加算税の加重措置については、その加算する割合を10%(適用前加算割合:5%)とする。

      (注)上記マル2については、上記(2)マル2イ又はロに該当する場合には、その加算する割合を5%(適用前加算割合:なし)とする。

  • (5)その他所要の措置を講ずる。

    (注)上記(2)から(5)までの改正は、令和2年分以後の所得税又は令和2年4月1日以後に相続若しくは遺贈により取得する財産に係る相続税について適用する。

8 国外取引等の課税に係る更正決定等の期間制限の見直し

(国税)

国外取引等の課税に係る更正決定等の期間制限について、次の見直しを行う。

  • (1)次のマル1に掲げる事由が生じた場合において、次のマル2に掲げる事由に基づいてする更正決定等について、租税条約等の相手国等に対して情報提供要請に係る書面が発せられた日から3年間は、行うことができることとする。

    • マル1 国税庁等の当該職員が納税者に国外取引又は国外財産に関する書類(その電磁的記録又はその写しを含む。)の提示又は提出を求めた場合において、その提示又は提出を求めた日から60日を超えない範囲内においてその準備に通常要する日数を勘案して当該職員が指定する日までにその提示又は提出がなかったこと(納税者の責めに帰すべき事由がない場合を除く。)。

    • マル2 国税庁長官(その委任を受けた者を含む。)が租税条約等の規定に基づきその租税条約等の相手国等に上記マル1の国外取引又は国外財産に関する情報提供要請をした場合(その情報提供要請が更正決定等をすることができないこととなる日の6月前の日以後にされた場合を除くものとし、その情報提供要請をした旨の納税者への通知が情報提供要請をした日から3月以内にされた場合に限る。)において、その課税標準等又は税額等に関し、租税条約等の相手国等から提供があった情報に照らし非違があると認められること。

      (注)上記の「国外取引」とは、非居住者又は外国法人との間で行う資産の販売、資産の購入、役務の提供その他の取引(非居住者又は外国法人が提供する場を利用して行われる取引を含む。)をいう。

  • (2)上記(1)に併せて、国外取引等の課税に係る更正決定等により納付すべき国税の消滅時効等について所要の整備を行う。

(注)上記の改正は、令和2年4月1日以後に法定申告期限等が到来する国税について適用する。

9 利子税・還付加算金等の割合の引下げ

(国税)

利子税・還付加算金等の割合について、次の見直しを行う。

  • (1)利子税の割合は、各年の利子税特例基準割合が年7.3%未満の場合には、その年中においては、次に掲げる利子税の区分に応じそれぞれ次に定める割合とする。

    • マル1 次のマル2以外の利子税 その利子税特例基準割合

    • マル2 相続税及び贈与税に係る利子税 これらの利子税の割合に、その利子税特例基準割合が年7.3%に占める割合を乗じて得た割合

    (注)上記の「利子税特例基準割合」とは、各年の前々年の9月から前年の8月まで(現行:前々年の10月から前年の9月まで)の各月における銀行の新規の短期貸出約定平均金利の合計を12で除して得た割合として各年の前年の11月30日まで(現行:12月15日まで)に財務大臣が告示する割合(以下「平均貸付割合」という。)に年0.5%(現行:年1%)の割合を加算した割合をいう。

  • (2)納税の猶予等の適用を受けた場合(延滞税の全額が免除される場合を除く。)の延滞税の割合は、納税の猶予等をした期間の猶予特例基準割合が年7.3%未満の場合には、その期間においては、その猶予特例基準割合とする。

    (注1)上記の「猶予特例基準割合」とは、平均貸付割合に年0.5%(現行:年1%)の割合を加算した割合をいう。

    (注2)上記(2)以外の延滞税の割合については、従前どおりの割合とする。

  • (3)還付加算金の割合は、各年の還付加算金特例基準割合が年7.3%未満の場合には、その年中においては、その還付加算金特例基準割合とする。

    (注)上記の「還付加算金特例基準割合」とは、平均貸付割合に年0.5%(現行:年1%)の割合を加算した割合をいう。

  • (4)利子税・還付加算金等の割合について0%となることのないよう下限を整備するほか、所要の措置を講ずる。

(注)上記の改正は、令和3年1月1日以後の期間に対応する利子税・還付加算金等について適用する。

(地方税)

還付加算金等の割合について、次の見直しを行う。

  • (1)還付加算金の割合は、各年の還付加算金特例基準割合が年7.3%未満の場合には、その年中においては、その還付加算金特例基準割合とする。

    (注)上記の「還付加算金特例基準割合」とは、各年の前々年の9月から前年の8月まで(現行:前々年の10月から前年の9月まで)の各月における銀行の新規の短期貸出約定平均金利の合計を12で除して得た割合として各年の前年の11月30日まで(現行:12月15日まで)に財務大臣が告示する割合(以下「平均貸付割合」という。)に年0.5%(現行:年1%)の割合を加算した割合をいう。

  • (2)納税の猶予等の適用を受けた場合(延滞金の全額が免除される場合を除く。)の延滞金の割合は、納税の猶予等をした期間の猶予特例基準割合が年7.3%未満の場合には、その期間においては、その猶予特例基準割合とする。

    (注)上記の「猶予特例基準割合」とは、平均貸付割合に年0.5%(現行:年1%)の割合を加算した割合をいう。

  • (3)法人住民税及び法人事業税の納期限の延長の適用を受けた場合の延滞金の割合は、各年の国税の利子税特例基準割合が年7.3%未満の場合には、その年中においては、その利子税特例基準割合とする。

    (注)上記の「利子税特例基準割合」とは、平均貸付割合に年0.5%(現行:年1%)の割合を加算した割合をいう。

  • (4)還付加算金等の割合について0%となることのないよう下限を整備するほか、所要の措置を講ずる。

(注1)上記(2)及び(3)以外の延滞金の割合については、従前どおりの割合とする。

(注2)上記の改正は、令和3年1月1日以後の期間に対応する還付加算金等について適用する。

10 その他の課税関係の整備・適正化等

(国税)

  • (1)期限到来間際にされた申告に係る加算税の賦課決定期限の整備

    賦課決定をすることができないこととなる日前3月以内にされた納税申告書の提出又は納税の告知を受けることなくされた源泉所得税等の納付(調査による更正決定又は納税の告知を予知してされたものを除く。)に係る無申告加算税又は不納付加算税の賦課決定について、その提出又は納付がされた日から3月を経過する日まで、行うことができることとするとともに、これらの賦課決定により納付すべき国税の消滅時効等について所要の整備を行う。

    (注)上記の改正は、令和2年4月1日以後に法定申告期限等が到来する国税に係る加算税について適用する。

  • (2)口頭意見陳述におけるテレビ会議システムの利用

    審査請求及び再調査の請求における口頭意見陳述について、一般的な行政不服審査と同様に、テレビ会議システムを用いて行うことができることとする。

    (注)上記の改正は、令和3年1月1日以後にされる審査請求又は再調査の請求に係る口頭意見陳述について適用する。

  • (3)不動産公売等における暴力団員等の買受け防止措置の創設

    国税の不動産の公売等について、民事の不動産の競売における暴力団員等による買受けの防止措置と同様に、次の措置を講ずる。

    • マル1 公売財産(不動産に限る。以下「公売不動産」という。)の入札等(入札又は競り売りに係る買受けの申込みをいう。以下同じ。)をしようとする者は、暴力団員等でない旨を陳述しなければ、入札等をすることができないこととする。

    • マル2 税務署長は、公売不動産の最高価申込者等(最高価申込者及び次順位買受申込者をいう。以下同じ。)が暴力団員等に該当するか否かについて、その税務署の所在地を管轄する都道府県警察に照会しなければならないこととする。

    • マル3 税務署長は、公売不動産の最高価申込者等が暴力団員等に該当すると認める場合には、最高価申込者等とする決定を取り消すことができるものとする。

    • マル4 上記マル1の陳述について、虚偽陳述に対する罰則を設ける。

    • マル5 その他所要の措置を講ずる。

    (注)上記の改正は、令和3年1月1日以後に行う公告に係る公売等について適用する。

(地方税)

  • (1)期限到来間際にされた申告に係る加算金の決定期限の整備

    決定をすることができないこととなる日前3月以内にされた申告書の提出(調査による更正決定を予知してされたものを除く。)に係る不申告加算金の決定について、その提出がされた日から3月を経過する日まで、行うことができることとするとともに、この決定により納付すべき不申告加算金の消滅時効について所要の整備を行う。

    (注)上記の改正は、令和2年4月1日以後に申告書の提出期限が到来する地方税に係る加算金について適用する。

  • (2)不動産公売等における暴力団員等の買受け防止措置の創設

    地方税の不動産の公売等について、公売財産(不動産に限る。)の入札等(入札又は競り売りに係る買受けの申込みをいう。以下同じ。)をしようとする者は、暴力団員等でない旨を陳述しなければ、入札等をすることができないこととする等、不動産公売等における暴力団員等の買受け防止措置に関し国税の滞納処分の例によることとし、上記の陳述について、虚偽陳述に対する罰則を設ける。

    (注)上記の改正は、令和3年1月1日以後に行う公告に係る公売等について適用する。

  • (3)情報照会手続の整備

    徴税吏員が事業者等に、地方税に関する調査(犯則事件の調査を除く。)に関し参考となるべき簿書及び資料の閲覧又は提供その他の協力を求めることができることを法令上明確化する。