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令和2年度税制改正の大綱(5/9)

五 国際課税

1 子会社からの配当と子会社株式の譲渡を組み合わせた租税回避への対応

(国税)

  • (1)法人が、特定関係子法人から受ける配当等の額(その事業年度開始の日からその受ける直前までにその特定関係子法人から受ける配当等の額を含む。以下「対象配当金額」という。)が株式等の帳簿価額の10%相当額を超える場合には、その対象配当金額のうち益金不算入相当額を、その株式等の帳簿価額から引き下げることとする。

    (注1)上記の「特定関係子法人」とは、配当等の決議の日(以下「配当決議日」という。)において特定支配関係を有する他の法人をいう。

    (注2)上記の「特定支配関係」とは、一の者(一の者と特殊の関係のある者を含む。)が他の法人の株式等又は一定の議決権の数等の50%超を直接又は間接に有する場合における当該一の者と他の法人との関係等をいう。

    (注3)上記の「益金不算入相当額」とは、受取配当益金不算入制度等により益金不算入とされる金額に相当する金額をいう。

  • (2)次に掲げる配当等の額は、本措置の対象から除外する。

    • マル1 内国普通法人である特定関係子法人の設立の日から特定支配関係発生日(法人との間に特定支配関係を有することとなった日をいう。以下同じ。)までの間において、その発行済株式の総数等の90%以上を内国普通法人若しくは協同組合等又は居住者が有する場合の対象配当金額

    • マル2 イに掲げる金額からロに掲げる金額を減算した金額がハに掲げる金額以上である場合における特定関係子法人から受ける対象配当金額

      • イ 配当決議日の属する特定関係子法人の事業年度開始の日における当該特定関係子法人の利益剰余金の額

      • ロ 当該開始の日からその配当等を受ける日までの間に特定関係子法人の株主が受ける配当等の総額

      • ハ 特定支配関係発生日の属する特定関係子法人の事業年度開始の日における利益剰余金の額に一定の調整を加えた金額

    • マル3 特定支配関係発生日から10年を経過した日以後に受ける配当等の額

    • マル4 対象配当金額が2,000万円を超えない場合におけるその対象配当金額

  • (3)対象配当金額のうち、特定支配関係発生日以後の利益剰余金の額から支払われたものと認められる部分の金額がある場合には、その部分の金額を超える金額を益金不算入相当額とすることができる。

  • (4)その他所要の措置を講ずる。

(地方税)

法人住民税及び事業税について、子会社からの配当と子会社株式の譲渡を組み合わせた租税回避への対応に関する国税の取扱いに準じて所要の措置を講ずる。

2 非居住者に係る金融口座情報の自動的交換のための報告制度等の見直し

(国税)

  • (1)本制度の対象となる者について、次の見直しを行う。

    • マル1 特定法人の範囲から、次に掲げる法人を除外する。

      • イ 設立後2年を経過していない法人

      • ロ 租税条約等の相手国等(報告対象国を除く。)のうち一定の国又は地域の法令に準拠して設立された一定の外国報告金融機関等

    • マル2 本制度の対象となる特定取引を行う一定の者が他の者のために当該特定取引を行う場合等には、当該他の者が当該特定取引を行うものとして本制度を適用する旨を明確化するほか、本制度の対象となる「事業体」の定義規定を設ける。

  • (2)本制度の対象となる特定対象者の居住地国の特定手続等について、次の見直しを行う。

    • マル1 民法組合等の居住地国は、実質的な管理を行う場所の所在する国又は地域とする。

    • マル2 準拠法により遺産が事業体とされる場合には、被相続人の居住地国(現行:当該事業体の居住地国)を特定する。

    • マル3 報告金融機関等と複数の者との間で締結されている既存特定取引に係る契約がある場合等には、特定取引契約資産額の合算の対象とする。

    • マル4 報告金融機関等による特定対象者の一定の情報を取得するための措置について、報告対象国を特定対象者の居住地国として特定した場合に限定する。

    • マル5 特定対象者の居住地国等の再特定手続について、報告金融機関等は、新規届出書等に関する状況の変化があった場合には、当該状況の変化があった日から3月を経過する日等の一定の日までに、当該新規届出書等を提出した者等に対し、異動届出書の提出要求等をし、その提出等がなかったときは、当該状況の変化に基づきその者の居住地国の特定等をしなければならないこととする等の所要の措置を講ずる。

  • (3)特定取引から除外される取引の範囲から、特定の取締役等が受ける新株予約権の行使による株式の取得に係る経済的利益の非課税等(ストックオプション税制)の適用を受けて取得される株式に係る取引を除外した上、当該取引に係る特定手続について所要の措置を講ずる。

  • (4)報告対象外となる者の範囲に、外国政府等が資本金等の全部を出資している法人で一定の要件を満たすものを加える。

  • (5)特定取引を行う者又はその関係者等による当該特定取引に係る契約に関する行為等の主たる目的の一つが、報告事項の提供を回避することである場合には、その行為等はなかったものとして本制度を適用する。

  • (6)その他所要の措置を講ずる。

(注)上記((1)マル1、(2)マル5及び(4)を除く。)の改正は令和2年4月1日から、上記(1)マル1、(2)マル5及び(4)の改正は令和4年1月1日から、それぞれ適用する。

3 その他

(国税)

  • (1)外国子会社合算税制の見直し

    内国法人等の外国関係会社に係る所得の課税の特例(いわゆる「外国子会社合算税制」)について、次の見直しを行う。

    • マル1 部分合算課税制度の対象となる受取利子等の額の範囲から、その本店所在地国においてその役員又は使用人が棚卸資産の販売の事業及びこれに付随する事業(棚卸資産の販売から生ずる利子(いわゆる「ユーザンス金利」)に係るものに限る。)を的確に遂行するために通常必要と認められる業務の全てに従事している外国関係会社が、非関連者に対して行う棚卸資産の販売から生ずる利子の額を除外する。

      (注1)上記の改正は、外国関係会社の令和2年4月1日以後に開始する事業年度について適用する。

      (注2)特殊関係株主等である内国法人等に係る外国関係法人に係る所得の課税の特例について、上記と同様の見直しを行う。

    • マル2 投資法人等が合算課税の適用を受ける場合には、外国関係会社の所得に対して課される外国法人税の額のうち、合算対象とされた金額に対応する部分の金額は、その投資法人等が納付した外国法人税の額とみなして、投資法人等の配当等に係る二重課税調整の対象とする等の措置を講ずる。

      (注)上記の改正は、外国関係会社の令和2年4月1日以後に終了する事業年度について適用する。

  • (2)外国税額控除における控除対象外国税額の範囲の見直し

    我が国で所得と認識されない金額に対して課されるものとして外国税額控除の対象から除外される外国法人税の額に、次の外国法人税の額を加える。

    • マル1 外国法人等の所得について、これを内国法人の所得とみなして当該内国法人に対して課される外国法人税の額

    • マル2 内国法人の国外事業所等において、当該国外事業所等から本店等又は他の者に対する支払金額等がないものとした場合に得られる所得につき課される外国法人税の額

    (注1)居住者に係る外国税額控除制度について、上記と同様の見直しを行う。

    (注2)上記の改正は、令和3年4月1日以後に開始する事業年度分の法人税及び令和4年分以後の所得税について適用する。

  • (3)過大支払利子税制における対象外支払利子等の額の範囲の見直し

    外国法人の恒久的施設が有する債権に係る経済的利益を受ける権利が、その本店等に移転されることがあらかじめ定まっている場合には、法人からその恒久的施設に支払われる利子等の額を対象外支払利子等の額から除外する。

  • (4)店頭デリバティブ取引に係る証拠金の利子の非課税制度の対象範囲の整備

    情報通信技術の進展に伴う金融取引の多様化に対応するための資金決済に関する法律等の一部を改正する法律の施行に伴い、本制度の対象となる店頭デリバティブ取引の範囲から、暗号資産デリバティブ取引を除外する。

  • (5)法人番号等の確認制度について、次の措置を講ずる。

    • マル1 非居住者に係る金融口座情報の自動的交換のための報告制度の対象となる特定法人が届出書の提出をする場合において、その提出を受ける者が、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の規定により公表されている当該特定法人の名称、本店等の所在地及び法人番号を確認したときは、当該特定法人については、提出の際に必要な本人確認書類の提示を要しないこととする。

    • マル2 特定法人が届出書の提出をする場合において、その提出を受ける者が、電気通信回線による登記情報の提供に関する法律に規定する指定法人から登記情報の送信を受ける方法により当該特定法人の名称及び本店等の所在地を確認したときは、当該特定法人については、提出の際に必要な登記事項証明書の提示を要しないこととする。

      (注)外国法人が振替国債等の利子の非課税制度等の適用を受けるために非課税適用申告書等を提出する場合について、上記と同様の措置を講ずる。

    • マル3 その他所要の措置を講ずる。

(地方税)

個人住民税、法人住民税及び事業税について、国税における諸制度の取扱いに準じて所要の措置を講ずる。