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主要国における法定資料制度の概要(個人)

【抜本的な税制改革に向けた基本的考え方(平成19年11月 税制調査会答申)】

資料情報制度については、所得捕捉を高めるため、取引関係者等の理解を得ながら、どこまで資料収集を拡充すべきかが問題となる。諸外国の例をみると、資金のフロー・ストックの把握という面から、例えばアメリカでは一定の国内送金、預金の入出金、海外送金等について、フランス等では預金口座の開設について資料の提出が義務付けられている。今後、このような例も参考にしつつ、所得の間接的な捕捉の観点から、金融資産関係の資料収集を拡充していくべきである。」

(2016年1月現在)

主要国における法定資料制度の概要(個人)
日本アメリカイギリス(注6)フランス


金融所得

・ 利子

×(注3)
(源泉分離課税)

・ 配当

・ 株式譲渡

○(注4)
事業所得 × × × ×
給与所得
不動産譲渡
国内送金、預金の入出金 × × ×
海外送金 × ×
(但し、記録保存義務あり)



金融資産(注1)

・ 預貯金口座開設

× × ×

・ 株式保有

○(注5) × × ×
不動産 ○(注5) × × ×
貴金属 ○(注5) × × ×
海外資産(注2)
(備考)

1. 「法定資料」とは、基本的には金銭等の支払を行う第三者が取引の内容・支払金額等を記載して、税務当局に提出することが義務付けられている資料をいう。

2. 上記資料情報の有無は、主なものについて記載しており、一定の提出省略基準があることに留意。

(注)

1. ストックの金融資産については、基本的にマネロン対策のための法律に基づき、口座開設時に本人確認及び同記録保存義務が金融機関に課されており、その情報を税務当局も利用することができる。また、各国とも、口座残高情報については法定資料の対象外。

2. 海外資産に関する資料は原則として納税者本人が提出。日本においては合計5千万円超の国外財産を有する者(国外財産調書制度)、アメリカにおいては一定金額以上の外国金融口座を有する者、フランスにおいては外国金融口座・外国生命保険契約を有する者が対象。

3. 平成28 年1月1日以後に支払うべき特定公社債等の利子等については、利子等の支払調書等の提出を要する。

4. 平成28 年1月1日以後に支払うべき特定公社債等の譲渡の対価等については、株式等の譲渡の対価等と同様に支払調書等の提出を要する。                

5. 日本においては、平成28 年1月以降、提出基準(「所得2,000 万円超」かつ「総資産3億円以上または有価証券等1億円以上」)に該当する者は、保有する財産・債務の明細を時価で記載した「財産債務調書」を提出する必要(平成27 年度税制改正)。                 

6. イギリスにおいては、法定資料の提出義務者は、税務当局の求めに応じて、法定資料を提出しなければならない。                 

7. ドイツにおいては、番号制度(税務番号)が2009 年から導入されており、税務目的に利用されているところ。ただし、法定資料制度は原則として存在せず、これの代替的制度として、関係者の情報提供、官庁間の相互協力、裁判所及び連邦、自治体の諸官庁の課税情報の通知義務がある。また、マネーロンダリング法及び租税通則法上、預貯金口座開設及び株式保有に関し、記録保存義務がある。

(参考)
税務面での「番号」利用の有無
○(※1) ○(※2) ×(※3)

※1.平成25 年通常国会において、社会保障・税番号制度のための「番号法」が成立(平成28 年1 月利用開始)。

※2.イギリスにおいては、国民保険番号(National Insurance Number)が税務分野の一部で用いられている。

※3.フランスにおいては、納税者に税務番号が付与されるが、税務番号を用いたマッチングは行われていない。