ファイナンス 2025年11月号 No.720
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福岡財務支局長崎財務事務所は、長崎市内の活用困難な国有地を市民団体へ交流型市民農園として管理を委託し、管理コストの削減と地域活性化に貢献した。これは九州初の取組である。長崎市内では、相続等により国庫に帰属したものの、斜面地にあるため車両が進入できず活用が困難な国有地が増加し、除草等の管理コストが課題となっていた。そこで同事務所は、斜面地の空き地を活用する市民団体の情報を得て、当【活用前】(出典:長崎都市・景観研究所)中国財務局では、令和 6 年 6 月、広島県福山市と連携し備後圏域で初となる「びんご事業者支援事例発表会」を開催した。目的は(1)金融機関・産業支援機関が自らの支援事例を発表し、各機関が事業者支援力・連携の強化に繋げること。(2)参加者同士の交流を図り、ネットワーク強化に繋げること。(3)圏域の事業者に参加を呼びかけ、支援機関等を利用するきっかけとすること。当日は中国財務局と広島県福山市の基調講演に続き、圏域【活用後(交流型市民農園)】【参加者属性】12.0%33.3%30.6%24.1%(出典:NBC 長崎放送)中国財務局参加者集合写真該団体にアプローチ。当該国有地が持つ眺望の良さや市街地に近いという特性を活かした活用を提案し、交流型市民農園として管理を委託することで管理コストの削減を実現した。この取組は、国にとっては「管理コストの削減」、市民団体にとっては「地域のための土地活用」と、双方にメリットがある。さらに、少子高齢化やコミュニティ衰退といった課題を抱える地域において、新たな人の集う場が生まれることによる地域コミュニティの活性化も期待されている。地元テレビ局が当取組を特集し、「管理委託制度は、『国の管理コスト低減』、『土地の有効活用』、『地元住民のコミュニティ活発化』の三方良し」と紹介。に所在する金融機関・産業支援機関 8 機関による支援事例発表と参加者による交流会を実施。金融機関、産業支援機関、事業者等の約 170 名が参加した。参加者からは「具体的な事例をあげてもらい話がわかりやすかった」「どの事例もお客様に寄り添うことを大事にしており、支援機関との連携の重要性がよくわかった」「事業者へのヒアリングのポイントや支援の際の注目ポイントがわかった」などの声が聞かれた。■:金融機関 ■:産業支援機関■:事業者  ■:その他福岡財務支局長崎財務事務所 4 ファイナンス 2025 Nov.斜面地に所在する活用困難な国有地を市民団体に管理委託し地域活性化等に貢献備後圏域で初となる「びんご事業者支援事例発表会」開催金融に関する取組金融に関する取組CASE03CASE04

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