ファイナンス 2025年11月号 No.720
68/76

連載各地の話題浅虫温泉郷三内丸山遺跡三内丸山遺跡おわりに 64 ファイナンス 2025 Nov.えられており、その歴史は 1,200 年以上と言われている由緒ある温泉です。浅虫温泉は、かつては布を織る麻を蒸すためだけに使われていたものを 1190 年にこの地を訪れた円光大師(法然)が、傷ついた鹿が湯浴みするのを見て村人に入浴をすすめ、それ以来人々に利用されるようになったそうで、その温泉名は麻を蒸す「麻蒸」が転じて「浅虫」になったと言い伝えられています。浅虫温泉のお湯は無色透明・無味無臭で、肌に優しい湯ざわりであり、神経痛・リウマチ・腰痛・皮膚病などに効くとされているほか、保湿力があり、美肌効果も期待できるそうです。浅虫温泉周辺には、青い森鉄道浅虫温泉駅を中心に大型ホテルや旅館が立ち並び、浅虫水族館、遊覧船、森林公園などの様々なレジャーを楽しむこともできます。三内丸山遺跡では、1992 年から始まった発掘調査で、縄文時代前期~中期の大規模な集落跡が見つかり、多くの竪穴建物や掘立柱建物跡、盛土、大人や子供の墓などのほか、多量の土器や石器、貴重な木製品、骨角製品などが出土しました。青森県は遺跡の重要性から 1994 年に遺跡の保存を決定した後、遺跡の整備と公開を行い、1997 年 3 月には史跡に指定され、さらに 2000 年 11 月には特別史跡に、2003 年 5 月には出土品 1,958 点が重要文化財に指定されています。また、2021 年 7 月には三内丸山遺跡を含む「北海道・北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産に登録されました。三内丸山遺跡は、東京ドーム約 9 個分にもなる国内最大級の縄文時代の遺跡であり、縄文時代の「ムラ」を体験できる場所として多くの観光客が訪れています。地名「青森」としてまちづくりが開始されてから、令和 7 年は「青森開港 400 年」、令和 8 年は「青森まちづくり 400 年」を迎え、2 年間に渡り、様々な記念イベントを企画しています。管内全市町村が陸奥湾に面しており、漁業も盛んです。特に、ホタテ、マグロ、イクラなどの魚介類を自分でごはんの上に盛り付けするオリジナルの海鮮丼や、ホタテの貝殻を鍋代わりにし、焼き干しのダシ汁にみそを溶き入れ、ホタテや地元の食材を煮込んで最後に溶き卵でとじる貝焼き味噌も人気です。青森にお越しの際には、ご賞味ください。青森市

元のページ  ../index.html#68

このブックを見る