00123451234512345連載PRI Open Campus )%(合割るめ占に差格金賃間女男率確進昇ファイナンス 2025 Nov. 59図表 7:子育てペナルティの要因分解図表 8:人事評価と昇進率の関係0.30.20.10.0PRI Open Campus ~財務総研の研究・交流活動紹介~ 49係長・チーフ級(出所)Yoko Okuyama, Takeshi Murooka, Shintaro Yamaguchi, "Unpacking the Child Penalty Using Personnel Data: How Promotion Practices Widen the Gender Pay Gap" (February 2025), CREPEDP-165, University of Tokyo10075502560第一子誕生からの経過月数120扶養手当・その他役職手当残業手当・時短控除180一般職主任・班長級人事評価(役割得点)進の違いが大きな要因であることが分かります。次に、男女間で昇進率がどの程度異なるのかを見てみます。一般社員から最初の役職である主任・班長への昇進率は男性が年率 4.5%に対し、女性は 1.8%です。主任・班長から係長への昇進率は男性 8%、女性9%、さらに係長から課長への昇進率は男性 7%、女性 5%です。つまり、一度昇進すればその先の男女差はあまり大きくないのですが、そもそも最初の役職に上がれないことが非常に大きな違いになっています。この違いがどこから生じるのかを確認するため、回帰分析を行いました。左辺の被説明変数には「翌年に昇進したがどうか」を 0-1 のダミーをとって、右辺には人事評価、労働時間、性別、学歴、年齢、固定効果等を入れました。その結果を示したのが図表 8 です。縦軸は昇進率、横軸は人事評価の得点です。どの役職でも、圧倒的に多い人事評価は 3 と 4 です。一般社員から最初の役職である主任・班長への昇進率を見ると、人事評価の得点が高いほど昇進率が高いことがはっきり見えます。これは主任・班長から係長への昇進率についても同様です。つまり、高い人事評価を得ることが重要であることが分かります。では評価はどのように決まるのか。次に、「人事評価得点」を被説明変数として分析を行いました。その結果を、散布図を用いて総労働時間のグループごとに整理したものが図表 9 です。縦軸は人事評価の得点、横軸は年間総労働時間です。およそ 2,000 時間がフルタイム勤務なのですが、一般社員の中には労働時間の短い方(年間 1,000 時間)も一定存在します。図表 9を確認すると、一般社員については、人事評価の得点と総労働時間が関係している、つまり労働時間が長いほど評価が高く、残業が評価に直結していることが分かります。ところが主任・班長以上になると、労働時間の長さと評価との間には関係がほとんどなくなります。むしろ残業が多いほど評価が下がる傾向すら見られます。つまり、この会社では一般社員の間は長時間労働が評価に直結するが、主任・班長以上になると労8. 研究対象企業における男女間の 昇進格差の実態
元のページ ../index.html#63