(1)日立港区(関税法上の開港)横浜税関鹿島税関支署 前 日立出張所長鈴木 彰1.はじめに2.日立出張所の沿革3.□城港鹿島税関支署日立出張所がある日立市は、茨城県の北東部、県北地域に位置する人口約 16 万人の地方都市です。気候は太平洋と阿武隈山地に挟まれていることから、夏もさほど暑くならず比較的温暖な気候と知られています。また歴史は古く、7 世紀に編集された常陸国風土記にも日立市中心部の地名である助川に関する記載が確認できます。日立市は、日立製作所の創業の地として知られていますが、日立鉱山から発展した鉱工業都市で、昭和鉱山や日立製作所の知名度が全国的であったこともあり新市名が日立市に決まったそうです。企業城下町ということもあり、市民は、都市名と企業名の混同を避けるため、都市名を「ひたち」、日立製作所を「にっせい」と呼んでいるとのことです。ちなみに「日立」という地名は、水戸黄門として親しまれている徳川光圀が、日立地方を訪れた際に、しさを称えたのが由来とも言われています。昭和 30 年日立製作所日立工場内に横浜税関本関直轄の特殊派出所として設置されたのが始まりです。途中、小名浜出張所(現小名浜税関支署)の管轄下に編入、再び本関直轄になりました。昭和 40 年出張所に昇格、昭和 45 年現庁舎完成に伴い移転、昭和 52 年鹿島税関支署開設に伴い、鹿島税関支署管轄下に編入され現在に至っています。管轄区域は、茨城県の県北・県央地方にある 9 市 3町 1 村(北茨城市、高萩市、日立市、常陸太田市、常陸大宮市、那珂市、ひたちなか市、水戸市、笠間市、大子町、大洗町、城里町、東海村)を管轄しています。海岸線は約 102 キロメートルと長く、管轄内には2 つの開港と 13 の不開港(港湾 4 漁港 9)があります。茨城県は、港湾の統合による規模の拡大と知名度向上によるブランド力のアップ及び港湾管理運営や積極的なポートセールス等の体制強化を目的に、平成 20 年、県港湾施設管理条例を改正し、重要港湾である日立、常陸那珂、大洗の3 港を統合して「茨城港」としました。当出張所の眼前に広がる日立港は、昭和 32 年に起工され、わずか 2 年という短期間で 3000 トン岸壁を2 つ擁する第 1 埠頭が完成しました。昭和 36 年の発電機の輸出を皮切りに取扱量を増やし、昭和 42 年に開港に指定されています。現在は、5 つの埠頭を備え、完成自動車の輸出入、日立 LNG 基地の立地により、エネルギー供給拠点の機能も果たしています。14 年に助川町と日立町が合併し誕生しました。日立『日の立ち昇るところ領内一』と海から昇る朝日の美 48 ファイナンス 2025 Oct.(日立港:写真提供 □城県)日の立ち昇るところ 領内一日立市各地の話題連載各地の話題
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