さ「佐どさどさど佐各地の話題連載各地の話題北沢浮遊選鉱場渡島の金山」世界遺産1 周年近代技術と歴史の融合佐渡の見どころはほかにも校では、税関の役割や麻薬の恐ろしさを伝える「税関教室」を開催しています。佐渡周辺では、漁業用の小型船や釣り・観光用のプレジャーボートが日常的に往来しています。監視署ではこうした船の動きを注視し、不審な行動があれば速やかに対応します。海外から寄港する大型クルーズ船への対応も重要な業務のひとつです。乗客や荷物を確認し、金の密輸入や不正な薬物が国内に流入しないよう取締りを行っています。さらに、日本海の海流に流されて漂着するさまざまな漂流物(木造船等)に対して、海上保安署や警察と連携しながら対応にあたっています。2024 年 7 月 27 日、「世界の他に類を見ない事例」として佐渡島の金山が世界遺産に認定されてから、早くも 1 年が経ちました。観光客の入りも好調で、駐車場には新潟ナンバー以外の車も数多く並び、今や佐渡で最も勢いのある観光スポットとなっています。渡島の金山は、「西三川砂金山」と「相川鶴子金銀山」という 2 つの鉱山エリアで構成されています。西三川砂金山は、平安時代の『今昔物語集』にも登場する、佐渡最古の砂金山と考えられています。江戸時代になると開発が本格化。「大流し」と呼ばれる、大規模に山肌を掘り崩して水で砂を洗い流し、比重の差を利用して金を採取する手法が行われました。その跡は今も「重要文化的景観」として良好な形で残され、当時の技術と営みを静かに物語っています。相川鶴子金銀山では、岩盤に含まれる目に見えない金銀を得るため、長年にわたり高度な採掘と精錬が行われました。閉山する1989 年までに約 1,500 万トンもの鉱石が採掘され、国内外に大きな影響を与えました。現在、「史跡 佐渡金山」として整備され、江戸時代の坑道「宗太夫坑」、明治以降の機械掘り坑道「道遊坑」をはじめ、金銀採掘・精錬の歴史を伝える貴重な資料を見ることができます。「宗太夫坑」では、真夏でも中に入ればひんやりとした空気が体を包み込み、65体ものロボットが当時の坑道作業を再現しています。「史跡 佐渡金山」では、歴史遺産と最新技術を融合せさせた体験型アトラクション「アイランド・ミラージュ」を 2021 年から展開しています。専用グラスをかけて坑道を歩けば、プロジェクションマッピングによる映像が広がり、まるで異世界に迷い込んだような没入感を味わえます。さらに、2019 年にオープンしたガイダンス施設「きらりうむ佐渡」では、「佐値を 4 つのシアターで紹介しています。子どもから大人まで楽しめる分かりやすい映像で、金山の歩んできた道のりを知ることができます。またスマートフォンがあれば、10 か所の AR スポットへいくことでフォトフレームでの撮影や CG アニメーションが表示され江戸眼鏡で見た佐渡の街を歩くことも可能です。もともと銅の製造過程で使われていた「浮遊選鉱法」を金銀採取に応用し、日本で初めて実用化に成功しました。戦時下の大増産計画のもと、大規模な設備投資渡島の金山」の歴史や価 44 ファイナンス 2025 Oct.グラス越しはまさに異世界 「提供:史跡 佐渡金山」ガイダンス施設「きらりうむ」のシアターの様子 「提供:佐渡市」
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