ファイナンス 2025年10月号 No.719
18/58

(支払超過)(受入超過)支払要因受入要因季節的要因3月2月1月9月8月7月6月5月4月456789123払SPOT・普通交付税(第2回分)・年金定時払・財政融資資金地方貸〈国債償還〉・法人税(3月決算法人)・源泉所得税(夏期賞与)・年金保険料・年金保険料・労働保険料10・普通交付税(第3回分)・普通交付税(第4回分)・年金定時払・年金定時払〈国債償還〉・申告所得税(第1期分)・源泉所得税(夏期賞与)・財政融資資金元利回収・年金保険料・年金保険料 ・年金保険料 ・年金保険料・労働保険料1112・特別交付税(第1回分)・年金定時払・年金定時払〈国債償還〉・申告所得税(第2期分)・法人税(3月決算法人・源泉所得税(年末賞与)・年金保険料・年金保険料 ・年金保険料・労働保険料令和2年度令和3年度令和4年度令和5年度一般会計・特別会計等債券発行・償還等調整項目総計(兆円)中間納付)区  分・普通交付税(第1回分)・年金定時払・出納整理期・申告所得税・年金保険料 ・年金保険料R3 R4R5R2・特別交付税(第2回分)・公共事業費・年度末諸払・財政融資資金年度末貸付〈国債償還〉・法人税(12月決算法人)・財政融資資金元利回収・年金保険料国庫課と国債業務課の役割の違い収支尻(5') 受入超過 受入超過 受入超過 受入超過 受入超過 受入超過 受入超過 受入超過 受入超過 受入超過 受入超過 支払超過3432302826242220181614121086420-2-4-6-8-10-12-14-16-18-20-22(出所)財務省*310月11月12月*3) https://www.mof.go.jp/policy/exchequer/summary/13.pdfFB を先に発行して、その後の租税収入が入るタイミFB を必要に応じて発行しています。視点です。他方、国債業務課は、当該調達がマーケットに与える影響を踏まえて安定的に調達できるかを考えています。そのため、市中発行額が平準的で予見可能性が高いという状態を確保したいという中長期的な視点という違いがあります。服部:歳出や歳入には、先ほどお話しした制度的な観点等で生まれる波動があるわけですから、ボラタイルそのものですよね。津田:その波動に対応して資金繰りを行うことこそ国庫課の仕事ということです。服部:そのようなバランスで FB の発行額が決まるのですが、必要以上に FB で調達してしまった場合は、一時的に資金余剰分が生じてしまう、といった話になるわけですね。津田:そうです。例えば、予想に反して歳出があまり出なかったとなると、調達した分が手元に残ることになってしまいます。このため、精緻に資金繰りの見込みをたてることが重要となります。服部:この波動はやはり意識していますよね。津田:もちろん意識しています。例えば、日本は 3 月末決算法人が多いですが、3 月末決算だと 5 月末までに法人税を払うことになるので、法人税はその時期にまとまって入る、といったことですね。*3服部:また、年度当初の 4 月には支出が多いため、ングで FB を償還するということですね。津田:そうです。4 月の支出というと、例えば普通交付税の交付や年金の定時払いなどですね。年度当初は何かとお金が必要なので、そこを乗り越えるために、服部:国庫課と国債業務課はどのような関係にあるのでしょうか。津田:例えば、先ほどの波動などからも分かるとおり、資金ニーズは月によって変わります。したがって国庫課としては、必要な時に必要なだけ調達できればいいという考えで、単に資金不足を回避できれば良いし、調達コストが低ければなお良いという、短期的な 14 ファイナンス 2025 Oct.図表 5 財政資金対民間収支の月別波動

元のページ  ../index.html#18

このブックを見る