ファイナンス 2025年9月号 No.718
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連載各地の話題 80 ファイナンス 2025 Sep.約 1 年間で約 200 万人が訪れました。2 年目にはさら「道の駅常総」はすでに茨城県内有数の観光地となっており、地元経済の活性化に大いに貢献しています。当初、年間 100 万人の来場者を見込んでいたところ、実際にはその 2 倍のペースで来場があり、開業後に増加し、年間 300 万人が来場しています。予想を上回る集客が実現した要因として、交通アクセスの良さに加え、「道の駅常総」ならではのポイントがあります。まず、販売されている商品の人気が上昇しました。特に、メロンパンは高い知名度を誇り、なかでも「ぼくのカスタードメロンパン」は、2024 年 5 月に「8時間で最も多く売れた焼きたて菓子パンの数」のギネス世界記録(9,390 個)を樹立しました。そのほかにも、カリポリ食感の「黄金極細けんぴ」をはじめとしたさつまいも加工品、常総市オリジナルブランドの「天てり卵」やそのたまごを使ったスイーツが評判となっています。書店・温浴施設・観光農園といった民間集客施設との相乗効果も見逃せません。「道の駅常総」を訪れた方は、こうした民間集客施設にも立ち寄ることができます。オリジナル商品の人気に支えられ、多様な楽しみ方ができる滞在型の施設運営が集客につながっているのです。地元経済への効果としては、農産物の販路拡大・雇用の創出・税収増といった多方面でプラスの影響がみられています。常総市は想定を超える反響に手ごたえを感じており、今後は農業の 6 次産業化を進め、持続可能な農業生産を目指して地域農業への波及効果をさらに高める方針です。以上、財政融資資金を活用して整備された「道の駅常総」についてご紹介いたしました。本稿が観光のきっかけとなれば幸いです。「道の駅常総」の事業費約 21 億円のうち、約 6 億円が財政融資資金により賄われています。財政融資資金は、地方公共団体による学校教育施設の建設や上下水道の整備、近年多発する自然災害からの復旧など、さまざまな目的に活用されています。関東財務局では、これからも財政融資資金の供給を通じて、地域のお役に立てるよう努力して参ります。3.人気の理由と事業の効果4.まとめ常総市大人気のメロンパン(写真提供:常総市)にぎわう売り場(資料提供:常総市)

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