202420222020201820162014201220102008200620043202532025013913915013913915111111111150連載経済トレンド0(g)300 48 ファイナンス 2025 Sep.大臣官房総合政策課 調査員 齊之平 大致/酒井 亮昨今のコーヒー価格の動向を踏まえ、背景や見通しについて考察した。(図表 1)コーヒーに関するインターネット調査(図表 6)消費者物価指数推移(総合・飲料)(図表 10)コーヒー豆の代表的な品種(図表 4)日本のコーヒー飲料場所推移(図表 9)コーヒー豆市場価格の推移1,000コーヒーが好きコーヒーが好き68%68%5001,407アメリカ ブラジル ドイツ 日本 インドネシアその他もともとコーヒーは飲まない19%職場・学校喫茶店・レストランコーヒー以外の飲料を飲む8%代替コーヒーに変える 4%家庭飲む量や頻度を減らす飲む量や頻度を減らす26%26%2020年=10020018016014012010080コーヒー・ココアインスタントコーヒーコーヒー豆592023592024152025592020コーヒー豆全体の流通に占める比率特徴主な生産地域栽培最適気温20232024 25主要取引市場(図表 2)コーヒー消費量(2023 年)上位国(百万kg)1,500(図表 5)コーヒーが値上げした場合の対応に関する調査(図表 7)消費者物価指数推移(コーヒー類詳細)1,383448400変わらず飲み続ける変わらず飲み続ける43%43%2020年=100592021592022592023アラビカ種約 6 割味の品質が良く、高値で取引される中南米やアフリカの山岳地域15~24℃ニューヨーク市場(図表 3)コーヒーの消費金額(上段)と消費量(下段)(円)1,000(図表 8)日本のコーヒー輸入単価100%50%(注)図表 1 は 2024 年、図表 5 は 2025 年にクロスマーケティング社によって実施されたインターネット調査。両調査とも、20 代から 60 代までの各年代へ、220 名ずつ(出所)全日本コーヒー協会 HP、総務省「家計調査」、クロスマーケティング「コーヒーに関する調査 2024、2025」16014012010080(ドル/kg)10(出所)全日本コーヒー協会、総務省「消費者物価指数」、財務省「貿易統計」、武田淳「コーヒー2050 年問題」、Worldbankgroup好きではない、飲めない20%コーヒーを飲むが、好きではない12%0%(n=1,100)調査を実施している。総合飲料コーヒー・ココア茶飲料592020592021592022アラビカ種ロブスタ種20182019202020212022緑茶500367752023200100572023(注)家計調査「2人以上の世帯」における、月あたりの消費金額 及び消費量の推移。コーヒーは、粒・粉末・個体などのもの。8006004002000(円/kg)28328959202415202520102020インスタントコーヒーなどに使用され、安価で大量生産しやすいベトナムやインドネシアの沿岸地域24~30℃コーヒー紅茶11117520241111572024552571677202220232024ロブスタ種約 4 割ロンドン市場(問)コーヒーを好きかどうか・日本では嗜好飲料としてコーヒーが好まれている。インターネット調査によると、20 代以上でコーヒーを好きな人の割合は 68%に及ぶ(図表 1)。現に日本のコーヒー消費量は世界で 4 番目に多く、日本は世界有数のコーヒー消費国であるといえる(図表 2)。・家計調査の結果からもコーヒー人気が見て取れる。他の代表的な嗜好飲料である紅茶や緑茶と比べても、日本の家計におけるコーヒーの消費金額・消費量は非常に大きい(図表 3)。コーヒーの飲用場所は家庭と学校・職場が大半を占め、特に家庭で飲用する割合が近年増加傾向にある。コーヒーが身近な嗜好飲料として定着していることが分かる(図表 4)。・コーヒーを値上げした場合の対応に関するアンケート結果では、“飲む量や頻度を減らす”回答割合が 26%あったものの、コーヒー消費を続ける人の割合は合計で 69%と高く、代替コーヒーやコーヒー以外の飲料に変更する割合は合計 12%であった(図表 5)。家庭に欠かせない嗜好飲料であるからこそ、価格の動向について注視する必要がある。・消費者物価指数を確認すると、コーヒーに関する品目では上昇トレンドが目立つ(図表 6、7)。嗜好飲料の中でもコーヒー・ココアの価格が高騰しており、コーヒーに類する品目の内訳を見ると、特にコーヒー豆の高騰が顕著である。原材料であるコーヒー豆の価格上昇に釣られ、コーヒー関連価格が広範囲で高騰していると推測される。・コーヒー豆は生産している国や地域が偏在しており、日本を初めとした多くの国が輸入に頼らざるを得ない品目であるが、輸入単価は年々上昇している状況である(図表 8)。なお、世界的なコーヒー豆の市場価格も高騰しており、輸入価格と連動していると考えられる(図表 9)。・コーヒー豆は、品質や産地の異なるアラビカ種とロブスタ種の 2 種類が代表的な品種として挙げられるが、2024 年頃より両種へ同じように価格高騰が起こっている(図表 10)。次項より、コーヒー豆の価格が高騰している理由や背景を深掘する。日本のコーヒー消費コーヒー価格の動向135“コーヒー高”の正体に迫るコラム 経済トレンド
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