ファイナンス 2025年9月号 No.718
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SPOT *22) https://www.mof.go.jp/policy/international_policy/councils/aml_cft_policy/20241219114338.htmlファイナンス 2025 Sep. 47審査対象国と質疑応答中でメモを取れないときには、「MasaとXXのやり取りをご参考まで。」と、そっとサポートしてくれた。昨年7月、その年の春に日本が初めて公表した「拡散金融リスク評価書*22」の知見を「プロジェクト」に活かすべきと考え、私はメンバーに応募した。既にCo-leadの一翼に名乗りを上げていた彼が候補者リストに私を見つけ、共に旧知のFATF事務局員を通じて声を掛けた。「日本にとって、拡散金融は地政学的観点から戦略的に重要な問題であるはず。Matthewと一緒にCo-leadをやらないか。」と。プロジェクト期間中、我々はお互い、日本時間の朝、米国時間の夜にコミュニケーションを取ることが多かった。彼は、職場から自宅に戻り、かわいい盛りのお嬢さんを横目に少しリラックスした雰囲気で。私は、まだ人影まばらな朝の静かなオフィスで。1年間で、プロジェクトチーム会合や事務局との打ち合わせなど、公式・非公式を含めたビデオ会合は40回以上、Co-lead間のメールのやり取りは500通以上に及んだ。-----この場を借りて改めて、本プロジェクトの Co-leadを担うことに寛大なご理解と後押しをいただいた財務省国際局関係者の皆様、常に建設的議論に貢献してくれた 24 か国・3 機関から集った 30 人のプロジェクトチームメンバー、そして卓越したリーダーシップでプロジェクトを主導してくれた Co-lead である Matthew Spivack 氏(米財務省 Senior Policy Advisor)に心から敬意を表すとともに、謝意を伝えたい。松尾 綱紀 国際局 資金移転対策室 総括補佐2010 年以降、通算 7 年以上に亘り FATF 関連業務を担当。その間、2011-2015 年に OECD 金融企業局、2020-2023 年に FATF 事務局 へ 出 向。 本 年 7 月 よ り 現 職。Queen Mary, University of London 法学修士(国際金融・銀行法)【写真 4】左から RTMG 印共同議長、筆者、米 Co-lead(Matthew Spivack 氏)、蘭共同議長複雑化する拡散金融と制裁回避スキーム

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