14 ファイナンス 2025 Sep.る場合、ショート動画を使った発信も選択肢の 1 つかなと思います。役所の情報発信として、どのようなものが望ましいでしょうか?結城東輝さん 私もテレビやネットニュースでコメンテーターをしたり、SNS で発信したりと、様々な情報発信を試みているところです。実感としては、テレビは高齢者向けにシフトしてきており、一方で SNS の情報発信力がますます高まっているような気がします。個人的には、SNS は民主主義に負の側面もあったのだと思います。ネットは人間の脳の認知の限界を超える量の情報の生成と伝達を可能としました。その結果、私たちは関心のあるものしか見なくなり、エコーチェンバーやフィルターバブルが顕著になってしまったのではないでしょうか。また、個々人が誰でも情報を生成し、自ら発信できる世の中になってきていることも踏まえると、自分の意見を代弁されていないと感じる少数派にもリーチアウトすることも忘れてはならないと思います。河本主計官 特に若い世代は SNS を通じてでしか情報を得ていないのかなと思うことがあります。私は文科省予算を担当しており、高校無償化に必要な負担を、恩恵を受ける高校生に転嫁しては本末転倒なので、何とか今の大人の世代で財源を確保すべく頑張っているのですが、役所に戻ると「現役高校生が財務省に抗議しました!」みたいな投稿がバズってたりして落ち込みます。自分たちが守ろうとしている主体と彼らが得ている情報に乖離があることをひしひしと感じます。結城東輝さん すごく難しい問題ですよね。結果として、情報発信主体が届けたい相手にリーチできていないという問題は常にあります。人は見たいものしか見ないというのが理由だと思うのですが、だからこそ、例えば LINE のような利用者の多い通信アプリのプラットフォームを通じて、プッシュ型でかつ、良質な情報を発信することが一つの方策なのだと思います。また、省庁の SNS 発信に関しては、大臣の動静に関する発信が多い気もするので、霞ヶ関の職員が直接国民とつながれる機会として活用されれば、より良いのではないでしょうか。和田室長 まだまだ話が尽きないところではありますが、お時間になりましたので、本日はここまでとさせていただきます。ありがとうございました。写真 4 主計局調査課 課長補佐 曲淵 季実子写真 5 主計局 主計官(文部科学担当) 河本 光博さいごにFFutuuturree TTALKALK 〇〇さんと日本の未来とイマを考える〇〇さんと日本の未来とイマを考える
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