ファイナンス 2025年9月号 No.718
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4地震地震にに備備えるえる地震保険地震保険のの役割役割特集特集 ファイナンス 2025 Sep. 7地震保険の保険料は、保険対象である居住用建物および家財を収容する建物の所在地(都道府県)と建物の構造区分(主として鉄骨・コンクリート造建物か又は主として木造建物か)によって決まる。都道府県によって異なるのは、それぞれの地域における地震リスクを反映しているためである。保険料の算出は損害保険料率算出機構において地震調査研究推進本部作成の「確率論的地震動予測地図」に用いられた情報を利用し、被害予測シミュレーションを行い算出している。また、建物の構造が異なると、地震のゆれによる損壊や火災による焼失などのリスクが異なることから、建物構造により区分している。地震保険の保険料には免震・耐震性能等に応じた割引制度がある。地震保険の対象となる住宅が一定の要件を満たしていれば、保険料を安くすることができる。割引制度には「建築年割引」、「耐震等級割引」、「免震建築物割引」、「耐震診断割引」の 4 種類が設けられており、建築年(対象物件が、昭和 56 年 6 月 1日以降に新築された建物である場合、10%割引)または耐震性能により、居住用建物およびこれに収容される家財に対し 10%~50%の割引が適用される(重複不可)。詳しくは、各損害保険会社の相談窓口または代理店に相談されたい。また、地震保険の保険料は所得控除が受けられる。平成 19 年 1 月より、地震災害による損失への備えに係る国民の自助努力を支援するため、従来の損害保険料控除が改組され、地震保険料控除が創設された。これにより、所得税(国税)の控除額は地震保険料の全額が対象で最高 5 万円、住民税(地方税)の控除額は地震保険料の 2 分の 1 が対象で最高 25,000 円を総所得金額等から控除できるようになった。地震保険料控除を受ける場合には、確定申告書の地震保険料控除の欄に記入するほか、支払金額や控除を受けられることを証明する書類または、電磁的記録印刷書面(電子証明等に記録された情報の内容と、その内容が記録された二次元コードが付された出力書面をいう。)を確定申告書に添付するか、または申告の際に提示する必要がある。ただし、年末調整で控除された場合はその必要はない。この機会に地震保険への加入を検討してみてはいかがだろうか。※建物、家財ともに同じ※イ構造:耐火建築物、準耐火建築物及び省令準耐火建築物等(主として鉄骨・コンクリート造建物等)※ロ構造:イ構造以外の建物(主として木造建物等)1 等地2 等地3 等地等地区分北海道、青森、岩手、秋田、山形、栃木、群馬、新潟、富山、石川、福井、長野、岐阜、滋賀、京都、兵庫、奈良、鳥取、島根、岡山、広島、山口、福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、鹿児島宮城、福島、山梨、愛知、三重、大阪、和歌山、香川、愛媛、宮崎、沖縄茨城、徳島、高知埼玉千葉、東京、神奈川、静岡イ構造ロ構造7,300 円 11,200 円11,600 円 19,500 円23,000 円26,500 円41,100 円27,500 円地震保険の基本料率 (保険期間 1 年、地震保険金額 1,000 万円あたり、地震保険割引適用なし、2022 年 10 月 1 日以降始期契約の場合)地震保険の保険料建物の構造と所在地によって異なる。割引制度や所得控除がある

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