ファイナンス 2025年9月号 No.718
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※ 地震保険に関する法律施行令の改正(平成 29 年 1 月 1 日施行)により、保険金支払割合の格差を縮小しつつ、深刻な被害を被った保険契約者に対する補償を充実させるため、「半損」が「大半損」および「小半損」に分割され、3 区分から 4 区分となった。1階がつぶれてしまった住宅(平成16 年新潟県中越地震)提供元:東京都立大学 土質研究室建物家財ファイナンス  2025地震保険では、保険の対象である居住用建物または家財の損害区分が全損、大半損、小半損、または一部損と認定されたときに各区分の支払割合に応じた額の保険金が支払われる(平成 29 年 1 月 1 日以降保険始期の地震保険契約の場合(※))。このような支払い方法にすることにより、膨大な件数にのぼる可能性のある被災物件についての保険金を、迅速に支払うことが可能となっている。例えば、2011 年に発生した東日本大震災では、支払う件数や金額が膨大だったにもかかわらず、地震発生から約 3 か月で 9 割を超える事案の対応が完了するなど、被災者の生活の再建や安定に役立っている。保険金の支払額を決める損害区分 6 6 ファイナンス平成 28 年以前保険始期 平成 29 年以降保険始期全損半損一部損全損半損一部損全損大半損小半損一部損全損大半損小半損一部損地震等により損害を受け、主要構造部(土台、柱、壁、屋根等)の損害額が、時価額の 50%以上となった場合、または焼失もしくは流失した部分の床面積が、その建物の延床面積の 70%以上となった場合地震等により損害を受け、主要構造部(土台、柱、壁、屋根等)の損害額が、時価額の 40%以上 50%未満となった場合、または焼失もしくは流失した部分の床面積が、その建物の延床面積の 50%以上 70%未満となった場合地震等により損害を受け、主要構造部(土台、柱、壁、屋根等)の損害額が、時価額の 20%以上 40%未満となった場合、または焼失もしくは流失した部分の床面積が、その建物の延床面積の 20%以上 50%未満となった場合地震等により損害を受け、主要構造部(土台、柱、壁、屋根等)の損害額が、時価額の 3%以上 20%未満となった場合、または建物が床上浸水もしくは地盤面より 45cm をこえる浸水を受け、建物の損害が全損・大半損・小半損・一部損に至らない場合地震等により損害を受け、損害額が保険の対象である家財全体の時価額の 80%以上となった場合地震等により損害を受け、損害額が保険の対象である家財全体の時価額の 60%以上 80%未満となった場合地震等により損害を受け、損害額が保険の対象である家財全体の時価額の 30%以上 60%未満となった場合地震等により損害を受け、損害額が保険の対象である家財全体の時価額の 10%以上 30%未満となった場合認定の基準地震保険における全損、大半損、小半損、一部損の基準2025 Sep.Sep.

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