はじめに管内の名所〔開聞岳とお茶畑〕〔特攻・戦跡〕知覧税務署 総務課長前田 幹明治蔵(写真提供:鹿児島県南□地域振興局)茶畑と開聞岳(写真提供:公益社団法人鹿児島県観光連盟)ファイナンス 2025 Aug. 55知覧税務署は、明治29 年11月に設置された後、長きにわたり鹿児島県の南薩地域の税務行政を担っています。設置当初は現在とは異なる管轄区域でしたが、指宿税務署の新設分離や平成の市町村大合併を経て現在は枕崎市、南さつま市及び南九州市の3市を管轄しています。管内地域は豊かな自然と気候に恵まれ、地域ごとに個性豊かな産業が根付いています。知覧税務署管内 3 市には焼酎の製造場が 14 場あり、南九州で愛されているさつまいもを主原料とした芋焼酎を主に製造しています。豊富な農産物と清らかな水を生かし、焼酎杜氏の発祥の地とも言われる技術と伝統を受け継ぐ焼酎づくりは、地域産業として定着しており、地域文化としても愛されています。知覧税務署が位置する南九州市は、平成 19 年に旧知覧町・旧川辺町・旧頴娃町の 3 町が合併して誕生しました。それぞれに歴史があり特色のある町です。令和 6 年度、鹿児島県は「荒茶」の生産量が日本一になりました。その中でも南九州市の知覧町と頴娃町ではお茶の生産が盛んで、特に知覧地区で生産されたお茶は「知覧茶」のブランドで高い評価を受けています。知覧町から頴娃町にかけては目の前に茶畑が広がり、「薩摩富士」と称される開聞岳と茶畑との壮大な風景は見る人の心を癒してくれます。「茶ばっけん丘(茶畑の丘)」からは、その開聞岳を背に広大な茶畑が望め、ドライブコースとしてもおすすめです。知覧町(現南九州市)には、太平洋戦争の末期、陸軍の特別攻撃隊の基地が置かれ、多くの隊員が沖縄方面に飛び立っていきました。南九州市には「旧知覧飛行場給水塔」や「旧知覧飛行場弾薬庫」のように多くの戦跡が残っており、また、特攻隊員が出撃前の時間を過ごした「三角兵舎」は復元もされております。毎年、多くの人が訪れる「知覧特攻平和会館」には、多くの遺品や手紙が展示してあり、二度と戦争の南九州市自然の調和〜南九州市〜 人と歴史と 各地の話題連載各地の話題
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