%500連載PRI Open Campus(%)25201510-51955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 20201990年基準68SNA2000年基準93SNA2015年基準08SNA現預金積増・負債返済81.3 75.4 (出所)財務総合政策研究所(2024)『「日本経済と資金循環の構造変化に関する研74.3 究会」報告書』70.7 69.0 現預金取崩・負債拡大9095200005借入・社債等対外直接投資101520(年度)その他資金過不足(兆円)80604020-20-40-60-80198085現金・預金81828384858687888990919293スウェーデンドイツ日本アメリカ(2)企業(3)海外図 4 家計貯蓄率の推移(年次)図 5 女性の労働参加率の推移図 6 企業の資金過不足の要因分解 42 ファイナンス 2025 Aug.(出所)財務総合政策研究所(2024)『「日本経済と資金循環の構造変化に関する研(出所)財務総合政策研究所(2024)『「日本経済と資金循環の構造変化に関する研究会」報告書』858075706560フランス55究会」報告書』その背景として、生産人口年齢が 1990 年から 2020年までに、1300 万人減少している一方、高齢者・女性の就業率が増加していることが挙げられます。高齢者については、人口構成のボリュームゾーンである団塊世代が含まれるようになったことによる 65~74 歳人口の増加とともに、就業率も上昇しており、の労働参加率も近年上昇しており、図 5 のとおり、国際的にも高い水準を達成しています。他方で、実質消費は 2010 年代後半から伸びておらず、この背景としては、社会保障制度の持続可能性に対する懸念により、予備的動機での貯蓄が増えているという見方もあります。今後の家計部門の動きについては、女性の労働参加は更に増加する可能性もありますが、年間 70 万人ペースで減少する生産年齢人口をカバーすることは難しいと指摘されました。また、高齢者・女性の労働参加に加え、賃金カーブのフラット化や年金の所得代替率低下も家計の資金余剰に影響を与えることも指摘されました。企業部門においては、1990 年代初頭のバブル崩壊以降、資金余剰が継続しています(図 6)。その資金の使途を見ると、国内では設備投資が低調である一方、国外では直接投資により積極的なリスクテイクが行われています。その背景として、新陳代謝が活発でないという日本企業の特徴や、労働市場の改革などの企業活動の制約条件を緩和する余地があることが指摘されました。また、国外での直接投資と国内での設備投資は代替的なものではなく、対外直接投資を通じた企業価値の向上が、国内での設備投資に結びついていくとの指摘がありました。先述のとおり、国内設備投資と対比すると、国外への直接投資は積極的に行われていると言うことができますが、対外直接投資の残高(図 7)を国際比較すると、日本の対外直接投資は米国・ドイツ・中国・スイスを下回っており、他の先進国と比べて際立って大きいというわけではないことがわかります。諸外国では対内・対外直接投資が両建てで増加している一方、日本では対外直接投資のみが増加しています。つまり、日本の対外純資産の大きさは対内直接投資の極端な低さによるものであると言えます。2022 年時点の就業率は 41.2%に上っています。女性
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