ファイナンス 2025年8月号 No.717
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連載セミナー 最後に2.ファンにアクションしてもらう令和 7 年度職員トップセミナーファイナンス 2025 Aug. 39東京大学大学院情報理工学系専攻卒。共同ピーアール株式会社を経て、2020 年より現職。2018 年より『広報の学校』「入門広報講座」Web PR 担当。共同ピーアールでは、ゲーム系企業、PC 周辺機器企業などの BtoC企業から、重工業、IT 企業など BtoB 企業など幅広い領域を担当。現職では、広報活動サポートに加え、大手ポータルサイトの動画企画運用、多言語のコンテンツ配信サイト開発なども行う。講師略歴アンチを抑制するには、それに対抗してファンを増やす、ファンにアクションしてもらうことも重要です。例えば、アンケート形式で、「みなさんが普段こういう時に考えていることがあれば教えてください」というような一言を付けたりするだけで、はるかにコメントが付きやすくなるのです。ファンに反応してもらいやすくすると、ファンのクラスターに表示されやすくなり、目に留まるようになりますし、いいコメントがあるコメント欄にはアンチコメントは書きにくいものです。先ほどの「ばずまふ」でも、アンチコメントはありません。ファンのアクションが多いとアンチはコメントをしにくいですし、面と向かって悪口を言いにくいように、この 2 人の人格が見えているとアンチコメントもしにくいのです。ややアンチ的なコメントが付いてもファンが「いや、おかしいでしょ」と言ってくれるようなかなり良い状況になっています。人格を見せることのメリットはそういうところにもあります。一方、人格があまり感じられない機械的な情報発信をしているような、誰が運用しているのかよく分からないアカウントに対しては、気軽にアンチコメントができます。旧来の広報も引き続き必要である一方で、これから必要になってくるのは Web の視点です。コアな情報、時間的耐久性がある情報を SNS などで発信していく、アルゴリズムを意識してやっていくことが肝要です。この場合、社会性を無理に高める必要はなく、あえてコアな情報を発信してみることが重要です。コアな情報を提供するときには、ニュース性は必要がなく、新規性の高い話題がないときにも新しいコンテンツにできるので、取り組みやすい面もあります。ネットで情報提供するときには啓蒙しようとするのではなく、自分の好きなものをプレゼンするような考え方をするとイメージがしやすいと思います。何か新しいコンテンツを出そうとするときは、「万人が見るからこういう情報が必要かな」という神のような視点ではなく、「自分はここがいいと思っているから、そこを必死にプレゼンしてみる」というような観点で考えると、自然とネットに適したいい表現になると思います。ご清聴ありがとうございました。吉岡 大輝(よしおか たいき)株式会社シニスケープ 代表取締役

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