講 師演 題自己紹介ネットではマニアックな情報が必要2.SNS での情報発信のあり方令和 7 年 5 月 20 日(火)開催(株式会社シニスケープ代表取締役)(株式会社シニスケープ代表取締役)1.マスメディアでの情報発信のあり方 32 ファイナンス 2025 Aug.本日はお時間をいただき、ありがとうございます。私は以前、「PR 会社」という企業の広報をサポートする会社の社員として企業や官公庁様のメディアへの露出を強化するコンサルティングをしておりました。その後、Web を中心とした複合的な広報のサポートをするために独立しました。広報はじめ情報発信においてマスメディアとインターネット(以下、ネット)では取り組み方をどう変えていけばよいのか、といったことを専門にしています。今は livedoor ニューストで YouTube の運営も手伝っています。日本の広告費の推移を見ると、最近ではネットがマスコミ四媒体(新聞・雑誌・ラジオ・テレビ)すべてを超えており、マスメディアだけを考えていてはいけない時代になってきています。広告業界ではすでに当然のことなのですが、広報ではマスメディアの露出を獲得することばかりに注目してしまう環境にあるので、本日は広報でネットをどう捉えるかといった話をさせていただければと思います。具体的にはネットに対して提供する情報はマニアックであるべき、という話をしていきます。「マスメディアには社会性の高い情報発信が求められる」というのが一般的で正しい意見です。「社会の全員にどれだけ役立つかが必要」ということです。企業としては、製品や売り上げにつながることを取り上げてほしいけれど、「広告ではないのだから、製品のことだけでは掲載が難しい、社会にどれだけ役立つのかを教えてください」と言われてしまうなど、「自分の言いたいことを言うだけでは取り上げてもらえない」というのがマスメディアの観点です。企業の視点ではなく、さまざまな属性を持つ大多数の読み手に伝わるように「初心者向け」「万人向け」の情報にしないとマスメディアには取り上げられないのです。一方で、この考え方が非常に根強いため、SNS をはじめとするネットにおいても同じ考え方をしてしまいがちになっているところがあります。SNS は YouTube や X(旧 Twitter)など、いろいろなアカウントを能動的にフォローして情報を取りに行くという構造を持っています。公式アカウントをフォローしている人というのは能動的なファンである可能性も高いわけです。ですから、深い情報を求めている人が多いのです。例えば、将棋のユーチューバーをフォローしていたとして、二つの動画が公開されたとします。一つは将棋の基礎である「駒の動かし方編」、もう一つは「将棋のプロが本気で鬼殺しをやってみた」という深いコアな内容のものです。この二つの動画のどちらを見たいのかを考えてみてください。将棋を指したことのない人は強いて見るなら最初の動画になると思います。一方、将棋を指したことがある人は、当然将棋の基礎は知っているので最初の動画は見ません。(ライブドアニュース)という Web 上のニュースサイ令和7 年度職員 トップセミナー吉岡 大輝 氏 氏吉岡 大輝「ネットっぽさ」の理解「ネットっぽさ」の理解〜 SNS時代の情報の受容のされ方と 〜 SNS時代の情報の受容のされ方と 情報発信・広報の方法について〜情報発信・広報の方法について〜財務総合政策研究所Ministry of Finance, Policy Research Institute連載セミナー
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