ファイナンス 2025年8月号 No.717
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5422391連載経済トレンド62024概ね想定どおりの効果であった期待した効果はまだ得られていない・分からない5.139.432.227.88.315.423.132.028.619.235.73.81.430.843.1(単位:10 億ドル)※1 TAM 獲得可能な最大の市場規模、現段階の生成 AI がサービスを提供できる全市場の規模※2 その他には、産業材、エネルギー、電気通信の各市場を含む期待を大きく超える効果があった期待値には至っていないが一定の効果はあった建築・土木(n=33)製造(n=177)卸売(n=36)小売・外食(n=13)金融・保険(n=25)社会インフラ(n=14)運輸・倉庫・不動産(n=26)サービス(n=72)2022‒2025 年の年平均成長率33.339.527.323.236.130.844.027.830.824.035.746.229.226.4生成 AI の概要生成 AI の導入状況(図表 5)業種グループ別 「言語系生成AI」導入の効果(想定との比較)(図表 2)各種サービスにおける1億ユーザー達成までにかかった時間(図表 6)生成 AI の活用用途(図表 1)主な生成 AI サービスの種類と機能(図表 4)生成 AI の導入状況(2024 年度)(図表 3)生成 AI の市場規模※1(試算) 26 ファイナンス 2025 Aug.18420222023131% 94%(n=255)0%一般公開情報の収集収集した情報の要約社内情報の収集社内情報の要約・整理自社サービスの高度化88613486202691%74%44%10%20%30%122202738% 生成AI市場の前年比成長率40%50%60%主なサービス言語生成 AIChatGPT(OpenAI)Gemini(Google)Copilot(Microsoft)動画生成 AISora(OpenAI)Veo(Google DeepMind)Movie Gen(Meta)Gen-3 Alpha(Runway)音生成 AI・質問、要約、計算、言い換え、翻訳、知識発見・検索と組み合わせた対話的な文章作成・プログラミングの補助・ 画像生成、画像の一部編集、画像の自動彩色、線画抽出・動画生成MusicGen(Meta)Synthesizer V(Dreamtonics)・音楽、効果音の生成・歌声生成・声の変換、声の言語変換2 か月ChatGPTTikTokInstagram9 か月Facebook導入済み試験導入中・導入準備中言語系生成 AI21.0 7.0 14.9 コード系生成 AI7.6 13.2 その他の生成 AI4.9 10.5 22.5 13.8 8.9 機能30 か月検討中検討後見送り20.2 23.4 2.7 21.6 2.5 54.0 25.1 1.5 52.7 1.9 60.2 19.4 2.0 55.9 2023 年の全世界ノート PC 市場(約 1,200 億ドル)とほぼ同規模49 か月54 か月未検討 (%)32.7 (n=396)+66%231515119971020251512914銀行・金融・保険75%3264% 小売85%ヘルスケア212259%メディア1652%公共セクター1261% その他※219(%)X(旧 Twitter)(出典)総務省 『令和 6 年版 情報通信白書』(n=961)画像・動画系生成 AIAI(生成 AI 以外)※参考(出典)一般社団法人 JUAS 『企業 IT 動向調査報告書 2025』、株式会社三菱総合研究所 『生成 AI コラム』日常業務の効率化組織知を活用した業務改革Step1:一般公開情報の収集Step2:収集した情報の要約Step3:社内情報の収集Step4:社内情報の要約・整理ビジネス改革Step5:自社サービスの高度化・生成 AI は 2022 年頃から急速に普及し、テキストや画像、音声などを自立的に生成する技術により、多様なビジネスや日常生活に変革をもたらしている(図表 1)。・2022 年の OpenAI による対話型 AI“ChatGPT”の発表以降、生成 AI のユーザー数は驚異的なスピードで拡大し、現在では、大手企業からスタートアップ企業までを巻き込む、世界的な開発競争が起こっている(図表 2)。・生成 AI の市場規模は今後も拡大することが予想されており、2027 年には 1,200 億ドルと、2023 年のノート PC 市場とほぼ同規模になると予想されている(図表 3)。・言語系生成 AI の導入状況をみると、6 割以上の企業が、導入済みもしくは導入準備中や検討中と答えている(図表 4)。・言語系生成 AI の導入効果を業種グループ別にみると、業種グループごとに大きな違いはみられず、多くの企業で期待に対して何らかの効果を実感していることが分かる(図表 5)。・一方、各企業における生成 AI の活用方法についてみると、日常業務の効率化で活用している企業が最も多く、業務改革やビジネス改革に活用している企業は少ない(図表 6)。本稿では、生成 AI に関する企業の導入状況、及び今後の展望について考察する。134生成 AI 導入はゴールではない ~企業が乗り越えるべき壁とは~大臣官房総合政策課 大塚 新平/瀧岡 信太朗コラム 経済トレンド

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