長(2)証券検査監理官市場分析審査課次総務課証券検査課取引調査課開示検査課特別調査課総務課審査課SPOT 査検試験図表 4 証券取引等監視委員会の組織図図表 5 公認会計士・監査審査会の組織図新発田龍史 審議官に聞く、金融庁の過去と現在(後編)(出所)金融庁(出所)金融庁事 務 局(385)事 務 局(61)証券取引等監視委員会公認会計士・監査審査会ファイナンス 2025 Aug. 19が就職活動の際に金融庁を含めて官庁を見ていたのですが、「〇〇局の〇〇です」と言われても、その局が具体的にどのような業務を担当しているのかが分からないということが多かったです。新発田:他省庁の局名は比較的分かりやすいですよね。というのも、例えば「主税局」なら税金のことをやるんだろうな、「鉄道局」なら鉄道のことをやるのだろうな、など、所掌している事柄を名称にしているとある程度想像はつきます。一方、「前編」でもお話ししましたが、金融庁の場合、「監督」という局名では、その業務内容のイメージがつかみにくいかもしれません。同じ「監督」という日本語を使う映画監督やサッカーの監督とは違いますし、どちらかというと、テレビドラマに出てくる黒崎検査官のイメージが定着していますよね。銀行監督の目的は、その銀行が「良くなる」ことですが、それは単に銀行の財務が健全であることだけを目指しているわけではありません。例えば、中小企業がコロナで打撃を受けた際に、「雨の日に傘を取り上げる」のではなく、どう支援するのか、スタートアップ企業の成長を金融面でどう後押しするのか、さらには「特殊詐欺」(オレオレ詐欺のような金融犯罪)への対策など利用者がどう安心してサービスを使えるようにするのか等、多くの課題が関わっています。そのように考えると、金融機関の課題というのは、広い意味で社会課題と重なる部分が多いと思います。銀行が有している民間企業としてのアニマルスピリットと社会的なインフラとしての公共的な側面を活用しながら、国として何ができるのかを考える。そうした視点で監督業務を見ていくと、単に銀行をどうこうするというよりは、銀行と一緒に、銀行の向こう側にある社会課題の解決に取り組むというほうが適切であるように思います。何が解決すべき課題なのか、という問い立てから考えていかなければならない今の時代においては、金融庁としても、金融機関と手を携えて課題を解決していくスタンスが求められていると思います。銀行にとって財務の健全性はもちろん重要ですが、経営トップは毎日それだけを考えているわけではありません。単にリスク管理だけを考えているわけではなく、例えば、取引先企業の経営課題をどう支援すれば、新たな付加価値を生み出し、銀行の企業価値を高会という組織があります。監査法人がやっている監査の品質向上の観点から、日本公認会計士協会が自主規制として行う品質管理レビューを審査し、必要に応じて、監査法人に対する検査も行っています。服部:公認会計士の試験を作るのもここでしょうか。新発田:その通りです。公認会計士・監査審査会の中に、総務試験課という課があります。公認会計士という資本市場の信頼性確保の要となる国家資格に係る試験を実施しており、大変な重責を担っています。学生:お話を伺いながら改めて思ったのですが、省庁の組織図は公表されているものの、見るだけでは実際の仕組みがよく分からないことが多いですよね。自分
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