ファイナンス 2025年8月号 No.717
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00SPOT 2024202220202018201620142012201020082006200420022000199819961994199219901988国内生産水準(注)国内生産水準=付加価値額生産指数の12か月平均輸入浸透度=(輸入指数×輸入ウェイト)/(総供給指数×総供給ウェイト)×100国内生産水準及び輸入浸透度は「繊維工業」の値により算出。繊維産業における貿易構造の変化繊維産業の GVC と付加価値日本の産業の付加価値貿易における変遷(図表 6)貿易収支の推移(図表 8)世界全体の付加価値総額に占める各国の割合(図表 9)各国の付加価値比率(図表 7)国内生産水準と輸入浸透度(図表 11)GVC 上の立ち位置に対する各国の寄与度(兆円)1.5(注)貿易収支は「織物用糸及び繊維製品」の値により算出。(出所)財務省「貿易統計」、経済産業省「鉱工業生産指数」「鉱工業総供給表」(注)タイ及びベトナムについては2007 年以降のデータのみ。日本ベトナム中国(年)投入を差し引いたもの)を、同国同産業の産出額で除したもの。(注)下流度に寄与:A 国が B 国の下流度に寄与= A 国が B 国の上流工程に位置 ※イメージは図表 1 を参照。上流度に寄与:A 国が B 国の上流度に寄与= A 国が B 国の下流工程に位置(出所)WIOD(1995-2006 年)、ADB(2007-2023 年)1.0輸出0.50.0▲0.5▲1.0輸入▲1.5中国ASEAN100%日本ベトナム中国タイ80%60%40%20%0%9597990160%50%40%30%20%10%95 97 99 01 03 05 07 09 11 13 15 17 19 21 23(注)付加価値比率は、各国各産業における付加価値額(産出額から中間350300国内供給回帰路線25020015010050供給縮小路線その他13151719【2007 → 2023 年】▲0.10.00.10.2上流199810203040輸入浸透度0.40.30.20.10.0▲0.121▲0.223(年)日本 中国 タイ ベトナム インドネシア0.40.30.20.10.0▲0.1▲0.20.30.4日本 中国 タイ ベトナム インドネシア下流(GVC上の立ち位置)(GVC上の立ち位置)07(注)内国要因は、国内における他産業の寄与によるもの。日本ベトナムその他日本ベトナムその他中国タイインドネシア立ち位置中国タイインドネシア立ち位置タイインドネシア(図表 10)GVC上の立ち位置と付加価値比率の変化(付加価値比率)50%(2020=100)(年)2023230707200723日本中国インドネシアタイベトナム230723(GVC 上の立ち位置)供給拡大路線20092024輸入依存度拡大路線506070(%)【2007 年】(注)下流度に寄与上流度に寄与【2023 年】下流度に寄与上流度に寄与ファイナンス 2025 Aug. 11・グローバル企業を取り巻く環境が複雑化するなかで、今回は上述の 3 産業について焦点をあて、変遷する貿易構造を振り返りつつ、GVCにおける「立ち位置」と「付加価値」の変化を確認する。・まず、我が国の繊維産業は、労働コストの低い中国・ASEAN からの輸入の増加等を背景に、2009 年に純輸入赤字に転じ、以降、輸入超過の貿易構造が定着したことがわかる(図表 6)。・2000 年代においては国内生産水準の低下と輸入浸透度の上昇が同時に生じており、国内生産が輸入製品により代替されたことが示唆される。かかる貿易構造の変化は、国内外への輸入依存度拡大の動きを示すものとも考えうる(図表 7)。・繊維産業における付加価値額の世界シェアは中国が拡大、ベトナムが僅かに拡大している(図表 8)。付加価値比率は中国・ベトナムが低く、日本・インドネシアは相対的に高い(図表 9)。・GVC 上の立ち位置をみると、日本は上流、中国は ASEAN よりも上流に位置する構図が確認される(図表 10)。・2023 年においては、ASEAN の上流工程に占める中国の割合が増加(下流度に寄与)していることが窺える(図表 11)。純輸出米国EU韓国インドネシアその他030507091140%30%20%10%▲0.2

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